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Oracle® Application Express SQLワークショップ・ガイド
リリース18.1
E98585-01
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4.3 クイックSQLの使用

標準ベースのOracle SQLまで拡張されるマークダウンのような短縮構文を使用して、迅速にデータ・モデルを設計し、そのプロトタイプを作成します。

4.3.1 クイックSQLのスタート・ガイド

4.3.1.1 クイックSQLについて

クイックSQLは、SQLの表、トリガーおよび索引構造の作成に必要な時間と労力を削減するように設計されています。

クイックSQLは、データ・モデリングのかわりになるように設計されたものではありません。これは、単純な表やビュー用のスクリプトを開発するための簡単な方法です。SQLは、生成後に微調整して拡張できます。クイックSQLでは、インデントされたテキスト・ドキュメントからリレーショナル・データ・モデルを作成するために必要なSQLを素早く生成できます。

ユース・ケース:

  • 堅牢なデータ・モデルを素早く作成

  • ランダム・データを簡単に生成

  • 提供された例を使用した、SQLの表作成、選択、挿入、索引、トリガー、PL/SQLパッケージおよびビューの構文の理解

4.3.1.2 クイックSQLの短縮構文について

クイックSQLを使用するためのルールについて学習します。

次のルールに従って、クイックSQL構文を使用します。

  • 親表名: インデントせずに親表名を入力します。

  • 表の列名: 2個以上の空白をインデントに統一して表の列を入力します。

  • 親/子関係: 親表の下に子表をインデントして親子関係を作成します。親表の列と同じレベルに子表をインデントします。

注意:

ベスト・プラクティスとして、主キーを指定しないでください(自動的に生成されます)。

列のデータ型の変更

列を別のデータ型にする場合は、列名の末尾に空白NUMINTDATEを追加します。列名に含まれている英語のテキストに基づいて、どのデータ型も指定されていない場合には、一部の列名に対して経験に基づく推論が行われます。

たとえば、列名にDATEという単語が含まれている場合は日付データ型になり、列名にNUMBERNUMという単語が含まれている場合は数値データ型になります。特定のVARCHAR2長を指定する場合は、「VCn」と入力します。nは、VARCHAR2の長さです。使用可能な構文を表示するには、「ヘルプ」「データ型」の順にクリックします。オブジェクト名は自動的に書式設定され、空白がアンダースコアに置き換えられるため、列および表名に空白を使用できます。

設定について

「設定」ボタンをクリックすると、多数の生成オプションが表示されます。ユーザー列、たとえば、特定の行をだれがいつ作成したかや、最後に更新したかを自動的に追加できます。行順序列を追加して、行が更新されるたびに1ずつ自動的に増分できます。行順序は、失われた更新の検出を簡略化するのに役立ちます。また、PL/SQL APIを生成して、表ごとにパッケージを提供したり、行の問合せ、挿入、更新および削除を行うプロシージャを提供することもできます。アプリケーションの中には、各変更を履歴表に取得し、新旧の値をログに記録することで恩恵を受けるものもあります(これもオプションです)。

関連項目:

設定の構成

4.3.1.3 クイックSQLへのアクセス

クイックSQLページにアクセスするには、「ユーティリティ」、「クイックSQL」の順にクリックします。

クイックSQLページにアクセスするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「クイックSQL」をクリックします。

    クイックSQLページが表示されます。

    注意:

    また、SQLスクリプト・ページの「クイックSQL」ボタンをクリックして、SQLスクリプト・ページからクイックSQLにアクセスすることもできます。

4.3.2 クイックSQLのヘルプの使用

4.3.2.1 クイックSQLのヘルプへのアクセス

クイックSQLのヘルプ・ページにアクセスするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「クイックSQL」をクリックします。

    クイックSQLページが表示されます。

    注意:

    また、SQLスクリプト・ページの「クイックSQL」ボタンをクリックして、SQLスクリプト・ページからクイックSQLにアクセスすることもできます。

  4. 「クイックSQL短縮」ペインの「ヘルプ」をクリックします。
    ヘルプ・ページが表示されます。

4.3.2.2 クイックSQLのヘルプについて

クイックSQLのヘルプには、次が含まれています。

  • 情報: クイックSQLの概要とともに、使用開始に当たってのヒントおよびDBオブジェクトを作成するためのステップが表示されます。

  • データ型: 各列に適用できるデータ型のリスト。

  • 表ディレクティブ: 表の変更に使用されるコマンド。

  • 列ディレクティブ: 列定義を拡張するために使用されるコマンド。

  • ビュー: ビューを定義するための構文。

  • 設定: SQL構文生成オプションを明示的に設定するためのインライン設定。

  • サンプル: 「クイックSQL短縮」へのデータ移入に使用できるデータ・モデルのサンプル。

4.3.3 SQL短縮でのクイックSQLの生成

SQL短縮でクイックSQLを生成するには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「クイックSQL」をクリックします。

    クイックSQLページが表示されます。

  4. 「クイックSQL短縮」ペインで、SQL短縮構文を入力します。
  5. 「SQLの生成」をクリックします。

    生成されたSQLが「Oracle SQL出力」ペインに表示されます。

    注意:

    生成されたスクリプトを保存したり、スクリプトをレビューおよび実行できます。

  6. 「SQLスクリプトを保存」をクリックします。

    「スクリプトを保存」ダイアログが表示されます。

  7. 「スクリプトを保存」ダイアログで、次のステップを実行します。
    1. 「スクリプト名」に、名前を入力します。
    2. 「スクリプトを保存」をクリックします。
      スクリプトが「SQLスクリプト」の下に保存されます。

    注意:

    スクリプトからアプリケーションを作成するには、SQLスクリプト・ページに移動し、保存したスクリプトを実行します。また、「レビューおよび実行」ボタンをクリックして、スクリプトをレビューおよび実行することもできます。

    関連項目:

    SQLスクリプトの使用

4.3.4 スクリプトの保存

4.3.4.1 SQLスクリプトの保存

SQLスクリプトを作成して保存できます。

SQLスクリプトを保存するには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「クイックSQL」をクリックします。

    クイックSQLページが表示されます。

    注意:

    また、SQLスクリプト・ページの「クイックSQL」ボタンをクリックして、SQLスクリプト・ページからクイックSQLにアクセスすることもできます。

  4. 「クイックSQL短縮」にSQLを入力するか、または「サンプル」からサンプルを選択します。
  5. 「SQLの生成」をクリックします。
    生成されたSQLが「Oracle SQL出力」ペインに表示されます。
  6. 「SQLスクリプトを保存」をクリックします。
    スクリプトを保存ページが表示されます。
  7. 「SQLスクリプトを保存」をクリックします。
  8. 「スクリプトを保存」ダイアログで、次のステップを実行します。
    1. 「スクリプト名」に、名前を入力します。
    2. 「スクリプトを保存」をクリックします。

      SQLスクリプトが「SQLスクリプト」の下に保存されます。

    注意:

    スクリプトからアプリケーションを作成するには、SQLスクリプト・ページに移動し、保存したスクリプトを実行します。また、「レビューおよび実行」ボタンをクリックして、スクリプトをレビューおよび実行することもできます。

4.3.4.2 SQLスクリプトのダウンロード

「Oracle SQL出力」ペインの「ダウンロード」ボタンを使用して、生成されたSQLをローカルにダウンロードします。

SQL短縮をダウンロードするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「クイックSQL」をクリックします。

    クイックSQLページが表示されます。

    注意:

    また、SQLスクリプト・ページの「クイックSQL」ボタンをクリックして、SQLスクリプト・ページからクイックSQLにアクセスすることもできます。

  4. 「クイックSQL短縮」にSQLを入力するか、または「サンプル」からサンプルを選択します。
  5. 「SQLの生成」をクリックします。

    生成されたSQLが「Oracle SQL出力」ペインに表示されます。

    注意:

    なんらかの設定を指定した場合は、「Oracle SQL出力」ペインの最下部に移動し、# settings =で始まる行を「クイックSQL短縮」ペインの最上部にコピーします。

  6. 「Oracle SQL出力」ペインの「ダウンロード」をクリックして、SQLファイルをコンピュータに保存します。

4.3.5 生成されたSQLスクリプトからのアプリケーションの作成

スクリプトを保存すると、「SQLスクリプト」に保存され、SQLスクリプト・ページからアプリケーションの作成ウィザードを直接実行できます。

スクリプトからアプリケーションを作成するには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「SQLスクリプト」をクリックします。

    SQLスクリプト・ページが表示されます。

  3. スクリプトを探し、「実行」をクリックします。

    スクリプトの実行ページが表示されます。

  4. 「即時実行」をクリックします。

    結果ページが表示されます。

  5. アプリケーションを作成するには、「スクリプトからアプリケーションを作成」をクリックします。

    「アプリケーションの作成」ウィザードが表示されます。

    注意:

    データベース・アプリケーションの作成は、複数ステップのプロセスです。アプリケーション名と外観を指定したら、ページを追加し、機能を選択して、アプリケーション設定を構成します。

  6. アプリケーションの作成ウィザードで、次のステップを実行します。
    1. アプリケーション名を入力し、外観を選択し、ページを追加し、機能を選択して、アプリケーション設定を構成します。

      ヒント:

      詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。

    2. 「アプリケーションの作成」をクリックします。

    関連項目:

    ページ・タイプ、機能および設定の理解

4.3.6 クイックSQLのサンプルの使用

4.3.6.1 クイックSQLのサンプルについて

クイックSQLには、SQL短縮構文の使用方法を学習するのに役立つサンプルが含まれています。

クイックSQLを生成するときには、いくつかのオプションがあります。短縮形式を使用し、SQLを生成できます。

使用可能なサンプルは次のとおりです。

  • 部門および従業員: SQL結合ビューを備えたDEPARTMENTS表およびEMPLOYEES表を作成します。

  • 従業員スキル: 親表および子表を識別するインデントを使用して、DEPARTMENTS表、EMPLOYEES表およびSKILLS表を作成します。

  • 製品売上: PRODUCTSCUSTOMERSCHANNELSPROMOTIONSSALESの各表を備えたスター・スキーマを作成します。

  • プロジェクト管理: PROJECT_MANAGEMENTおよび4つのディテール表を作成します。

4.3.6.2 クイックSQLのサンプルへのアクセス

SQL短縮構文は、SQLを生成するために使用します。

クイックSQLページにアクセスするには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「クイックSQL」をクリックします。

    クイックSQLページが表示されます。

  4. 「クイックSQL短縮」ペインの「サンプル」をクリックします。

    サンプル・ページが表示されます。

  5. サンプルを選択し、「モデルのロード」をクリックします。

    サンプルが「クイックSQL短縮」ペインにロードされ、生成されたSQLが「Oracle SQL出力」ペインに表示されます。

    注意:

    生成されたスクリプトを保存したり、スクリプトをレビューおよび実行できます。

4.3.7 設定の構成

4.3.7.1 設定について

SQL構文生成オプションを設定する方法を学習します。

インライン設定を使用してSQL構文生成オプションを明示的に設定するには、「クイックSQL短縮」ペインに直接設定を入力するか、または「Oracle SQL出力」ペインの最上部にある「設定」ボタンをクリックします。

4.3.7.2 設定の宣言的な構成

設定を宣言的に構成して、SQL構文生成オプションを明示的に設定できます。

設定を宣言的に構成するには、次のステップを実行します。

  1. ワークスペースホームページで、「SQLワークショップ」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「クイックSQL」をクリックします。

    クイックSQLページが表示されます。

  4. 「Oracle SQL出力」ペインの「設定」をクリックします。

    設定ページが表示されます。適切な属性を構成します。

    ヒント:

    属性の詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

  5. 「表」の内容は次のとおりです。
    • オブジェクト接頭辞: データベース・オブジェクトの接頭辞。指定された値の接頭辞がすべてのオブジェクト名に付けられます。
    • スキーマ: オブジェクト名に接頭辞としてスキーマ名が付けられます。デフォルトでは、オブジェクト名にスキーマ接頭辞はありません。
    • 削除時: この設定は、外部キーが「削除時」設定でどのように動作するかを制御します。有効な値として「カスケード」、「制限」、「NULLを設定」があります
    • 圧縮: 有効にすると、すべての表が圧縮して作成されます。デフォルトでは圧縮されません。
    • 挿入の生成: データを生成する準備ができたら、オンにします。
  6. 「列」の内容は次のとおりです。
    • 主キー: 主キーの設定方法を決定します。
    • 日付データ型: どのタイプの日付を使用して、日付として識別される列を格納するかを定義します。オプションは次のとおりです: 「日付」、「タイムスタンプ」、「ローカル・タイムゾーン付きタイムスタンプ」。
    • セマンティクス: 列セマンティクスを選択しないか、BYTEセマンティクスまたはCHARセマンティクスを選択できます。
  7. 「追加列」の内容は次のとおりです。
    • 含む: 表に自動的に追加する追加列。オプションは次のとおりです: 「監査列」、「行キー」、「行バージョン番号」、「セキュリティ・グループID」。
  8. 「オプション」の内容は次のとおりです。
    • データ言語: /INSERTフラグを使用してデータを生成するために使用する言語を制御します。
    • PL/SQL API: すべての表に作成、挿入、更新、削除および問合せ用のPL/SQL APIを生成します。
    • DROPを含める: 作成された各データベース・オブジェクトを削除するためのSQLコマンドを含めます。
    • 履歴表: 履歴表における列値変更の履歴をメンテナンスします。
    • 自動主キー: 主キーのデータベース表の列に表の名前を接頭辞として付けます。
    • 長いVARCHAR: データベース・オブジェクト名に長い識別子を使用できるようにします。
    • エディション化可能: 生成時に、トリガーやパッケージなどのPL/SQLオブジェクトによって、これらはエディション化可能になります。
    • APEX有効: 監査列をサポートするために生成される構文を制御します。
    • タグ・フレームワーク: 「はい」または「いいえ」を選択します。
    • 互換性: 生成されたSQLは、選択したデータベース・リリースと互換性があることが保証されます。
  9. 「プリファレンス」の内容は次のとおりです。
    • 主キーに表名を接頭辞として付けます: 主キーのデータベース表の列に表の名前を接頭辞として付けます。
    • 作成された列名: 作成された列名を特定します。
    • 作成者の列名: 列の作成者を特定します。
    • 更新された列名: 更新された列名を特定します。
    • 更新者の列名: 列名の更新者を特定します。
  10. 「変更の保存」をクリックして、構成を保存します。

    「リセット」をクリックして、デフォルト設定にリセットします。

4.3.7.3 設定のインラインでの構成

設定をインラインで構成して、SQL構文生成オプションを明示的に設定できます。

「クイックSQL短縮」ペインに直接設定を入力すると、スクリプトをダウンロードして後で貼り付けても、同じSQL生成オプションが使用されます。たとえば、次のように入力すると、すべての表名の前にTESTが付加され、スキーマOBE用に生成されます。

# settings = { prefix: "test", schema: "OBE" }.
Alternatively, enter each setting on a separate line for the same result:
# prefix: "test" 
# schema: "OBE"

注意:

設定は新しい行から開始し、複数の設定を入力するには# settings =で始め、行ごとに1つの設定を入力するには#で始める必要があります。すべての値で大文字と小文字が区別されません。わかりやすくするためにカッコ、空白およびカンマを追加できますが、無視されます。すべての設定を生成するには、# verbose: trueを使用します。

ヒント:

インラインで設定を確認するには、「ヘルプ」「設定」の順にクリックします。

4.3.8 データベース用語について

クイックSQLでよく言及されているデータベース用語は次のとおりです。

  • BLOB: バイナリ・ラージ・オブジェクトまたはCLOBです。BLOBは、バイナリ・データを格納し、文字セットのエンコーディングを行いません。BLOBサイズでは、システム構成に応じて4GB以上を格納できます。

  • チェック制約: チェック制約は、特定の列に含まれる値を制限する宣言的な方法です。

    create table projects (
    	          id     number primary key, 
    	          name   varchar2(50), 
    	          status varchar2(30) check (status in ('OPEN','CLOSED'))
    	          );
  • CLOB: キャラクタ・ラージ・オブジェクト(CLOB)です。VARCHAR2データ型の最大サイズは32,767バイトですが、CLOBサイズでは最大4GBの文字データを格納できます。

  • : RDBMS表では、行と列で構成される表にデータが格納されます。各列には名前が付けられます。たとえば、first_nameです。

  • データベース: コンピュータに保持されているデータを構造化したセット(特に様々な方法でアクセスできるもの)。

  • データ・モデル: データ・モデルは、データの要素を編成し、それらが互いにどのように関連しているかを定義するための方法です。モデルは通常、物理データベース・モデルに変換すると表と列に変換されるエンティティにデータを編成します。このツールは、インデントされたテキストから物理データ・モデルを作成するための非常に基本的なツールです。重大なデータ・モデリングには、適切なデータ・モデリング・ツールOracle SQL Data Modelerを使用することをお薦めします。これは、生産性を高め、データ・モデリング・タスクを簡略化する無料のグラフィカル・ツールです。

  • データ型: 表内の各列にデータ型があります。データ型によく使用されるのは、文字列(VARCHAR2)数値日付です。

  • DML: データ操作言語。SQLコマンドには次のものがあります。

    • INSERT: 表に新しい行を追加するためのSQL文。

    • UPDATE: 表内の1つ以上のデータ行を更新するためのSQL文。

    • DELETE: 表から1つ以上のデータ行を削除するためのSQL文。

  • 外部キー: 別の表を参照する、表内の1つ以上の列。たとえば、従業員を部門別に編成している場合、employees表内のdepartment_idemployee表の主キーへの外部キーになるという具合です。外部キーを定義することで、表間の関係を宣言的に定義することになります。

  • 結合: 結合とは、2つ以上の表またはビューの行を結合するSQL問合せです。FROM句に複数の表を記述すると、必ず問合せは結合問合せになります。リレーショナル・データベース・モデルの主な利点は、繰り返し発生するデータを1つの場所に格納できることです。たとえば、部門と従業員という2つの表があるとします。次に、両方の表からデータを選択する問合せを示します。

    select d.name, d.location, e.name, e.job
    	    from   departments d, employees e
    	    where  e.department_id = e.id

    部門の名前や場所に変更があった場合には、1箇所でのみ変更されます。

  • リレーショナル・データベース: リレーショナル・モデルにデータを編成するデータベース・モデル。リレーショナル・モデルは、リレーションとも呼ばれ、列と行からなる1つ以上の表にデータが編成されます。リレーショナル・データベース内のデータにアクセスし、データベース・オブジェクトを定義するための標準言語はSQLです。

  • RDBMS: リレーショナル・データベース管理システム。

  • オブジェクト: データベース・オブジェクトは、データの格納または管理に使用される名前付きのウィジェットです。たとえば、tablesviewstriggerssynonymsはすべてデータベース・オブジェクトとみなされます。

  • PL/SQL: Oracleが開発したSQL言語の手続き型拡張要素です。PL/SQLは、手続き型言語SQLを表します。PL/SQLはサーバー側に格納される手続き型言語で、Oracleデータベースのデータに対して手続き操作を実行するのに使用できます。

  • 問合せ: リレーショナル・データベース内のデータにアクセスしたり問い合せるには、SQL SELECT文を使用します。SQLでは、SELECT文により、1つ以上の表またはビューからデータを問い合せることができます。

    • projectsという表にある3つの列の問合せ

      select id, name, status
          from projects
          where status = 'OPEN';
    • 集約問合せ

      select count(*) count_of_projects,
                 sum(case when status = 'OPEN' then  1 else 0) open_projects,
                 sum(case when status = 'CLOSED' then  1 else 0) closed_projects
          from projects;
  • 予約語: オブジェクト識別子として使用できない名前。たとえば、SELECTを表名として使用することはできません。

  • : RDBMS表では、行と列で構成される表にデータが格納されます。各行は、1つ以上の列で構成されています。

  • 順序: 順序とは、複数のユーザーが一意の整数を生成するために使用できるデータベース・オブジェクトです。シーケンス・ジェネレータは順序番号を生成し、一意主キーの自動的な生成、および複数の行または表の間のキーの調整に役立ちます。順序は、次の構文を使用して作成できます。

    create sequence project_seq;

    順序値は、project_seq.currval (現在の値)またはproject_seq.nextval (次の値)を使用して参照できます。nextvalにアクセスするたびに、順序が増分されます。デフォルトの増分は1です。

  • スキーマ: スキーマは、表などのデータベース・オブジェクトを作成するためのネームスペースです。データベースにデータベース表を作成することはなく、データベースのスキーマ内に作成します。各データベースには、任意の数のスキーマを格納できます。スキーマは、ユーザーと呼ばれることもあります。新規にデータベースを用意する場合は、まずスキーマ(またはユーザー、両者は同じものです)を作成し、次にそのスキーマまたはユーザー内に表を作成します。スキーマを作成するには、SQL create schemaコマンドまたはcreate userコマンドを使用します。スキーマは、データベース内にデータベース・オブジェクトを編成するための手段です。

  • SQL: Structured Query Language。データベース表を定義したり、表内のデータを操作するために使用される言語。

  • 構造化データ: リレーショナル・データベース・データは、データが行と列に整然と編成されるため、構造化とよく呼ばれます。非構造化とは通常、データに構造が適用されていないことを言います。

  • : 行と列に編成された関連データを格納するデータベース・オブジェクト。

    • 表の作成

      create table projects (
              id     number primary key, 
              name   varchar2(50), 
              status varchar2(30)
              );
    • 表への行の挿入

      insert into projects (id, name, status)
            values (1, 'My Project','OPEN');
    • 表のデータの問合せ

      select id, name, status
            from projects
            where status = 'OPEN';
  • トリガー: データベース・トリガーは、特定の表で発生した特定のイベントに応えて自動的に実行されるプロシージャ・コードです。たとえば、行挿入の前や後です。次のトリガーは、列を強制的に小文字にします。

    create or replace trigger PROJECTS_BIU
    	        before insert or update 
    	        on PROJECTS
    	        for each row
    	    begin
    	        :new.OWENER_EMAIL := LOWER(:new.OWENER_EMAIL);
    	    end;
    	/
  • ビュー: データベース・ビューは、SQL文の結果セットに基づいた仮想表です。ビューは、ストアド・クエリーとも呼ばれます。複数の表を結合するビューを作成できます。このようなビューを作成したら、表の場合と同じように問い合せることができます。次に、ビューを作成するSQLの例を示します。

    	create view department_employees as
    	select d.name, d.location, e.name, e.job
    	    from   departments d, employees e
    	    where  e.department_id = e.id;

4.3.9 クイックSQLを使用する際の推奨事項

効果的なデータ・モデルを作成するのに有効な方法が数多くあります。次の方法をお薦めします。

  • 表のネーミング: 表を複数形として定義し、列を単数形として定義します。表は、多数の行を格納するように設計されているため、複数形にするのが適切です。たとえば、Employeesとします。

  • 列のネーミング: 列名を単数形として定義します。たとえば、First Nameとします。

  • 主キー: すべての表に主キーがあり、主キーは各行を一意に識別するために使用され、子表データを関連付けるために使用できます。

  • 主キー列のネーミング: すべての表に主キーがあり、IDと呼び、数値にする必要があります。

  • 表制約: データの整合性を確保する最善の方法は、データベースに適切なデータのみを許可することです。たとえば、列が必須の場合は、not null制約を設定します。列が一意の場合は、一意制約を設定します。

  • 参照整合性: ほとんどのリレーショナル・データベース・モデルには、1対多関係とも呼ばれる親子があります。これらは多対多関係になることもよくあります。宣言的な主キーと外部キーの構文を使用すると、データベースではこれらの関連を規定してデータの整合性を確保できます。参照整合性を定義することにより、すべての子表が実際に親表に関連するようになります。

4.3.10 サポートされるデータ型について

クイックSQLでは、次のデータ型がサポートされています。

  • VARCHAR2

  • NUMBER

  • INTEGER

  • DATE

  • TIMESTAMP

  • TIMESTAMPWITHTIMEZONE

  • TIMESTAMPWITHLOCALTIMEZONE

  • CLOB

  • BLOB