1.8 コネクタの機能

コネクタの機能には、完全リコンシリエーションと増分リコンシリエーション、制限付きリコンシリエーション、アカウント・データの変換と検証などがあります。

1.8.1 完全リコンシリエーションのサポート

完全リコンシリエーションでは、すべてのレコードがターゲット・システムからOracle Identity Governanceにフェッチされます。

コネクタのデプロイ後はいつでも、完全リコンシリエーションに切り替えることができます。完全リコンシリエーションの実行の詳細は、「完全リコンシリエーションの実行」を参照してください。

1.8.2 制限付き(フィルタ)リコンシリエーションのサポート

指定されたフィルタ基準に基づいて、ターゲット・システムからレコードをリコンサイルできます。

ユーザー・リコンシリエーション・スケジュール済ジョブのFilter Query属性の値としてリコンシリエーション・フィルタを設定できます。このフィルタで、リコンサイルする必要のある、新規追加または変更されたターゲット・システム・レコードのサブセットを指定します。Filter Query属性は、ターゲット・システムからのフィルタ済レスポンスを取得するベースとなるWebサービスにフィルタを割り当てるのに役立ちます。

制限付きリコンシリエーションの実行の詳細は、「完全リコンシリエーションの実行」を参照してください。

1.8.3 コネクタ・サーバーのサポート

コネクタ・サーバーはICFによって提供される機能の1つです。コネクタ・アーキテクチャでは、1つ以上のコネクタ・サーバーを使用することで、アプリケーションと外部にデプロイされたバンドルとの通信が可能になります

アプリケーションと同じVMでJavaコネクタ・バンドルを実行しない場合は、Javaコネクタ・サーバーを使用すると便利です。パフォーマンス向上のためにJavaコネクタを別のホストで実行すると、効果を発揮できます。

コネクタ・サーバーのインストール、構成および実行、ならびにコネクタ・サーバーへのコネクタのインストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceのためのアプリケーションの開発とカスタマイズ』アイデンティティ・コネクタ・サーバーの使用に関する項を参照してください。

1.8.4 アカウント・データの変換および検証

リコンシリエーションおよびプロビジョニングの操作時にOracle Identity Governanceとの間で送受信されるアカウント・データの変換と検証は、アプリケーションの作成時にGroovyスクリプトを作成することで構成できます。

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』アプリケーション・オンボードの管理に関する項を参照してください。

1.8.5 アプリケーションのクローニングおよびインスタンス・アプリケーションの作成のサポート

アプリケーションをクローニングするか、インスタンス・アプリケーションを作成することにより、ターゲット・システムの複数のインストールに対してこのコネクタを構成できます。

アプリケーションをクローニングすると、クローニングされたアプリケーションにベース・アプリケーションの構成がすべてコピーされます。インスタンス・アプリケーションを作成すると、すべての構成がベース・アプリケーションとして共有されます。

これらの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』アプリケーションのクローニングに関する項およびインスタンス・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

1.8.6 ターゲット・システムのセキュアな通信

ターゲット・システムにセキュアな通信を提供するためにはSSLが必要です。Oracle Identity Governanceとコネクタ・サーバーの間およびコネクタ・サーバーとターゲット・システムの間でSSLを構成できます。

SSLを構成しないと、ネットワーク上でパスワードがクリア・テキストで送信されます。たとえば、ユーザーを作成するとき、またはユーザーのパスワードを作成するときに、この問題が発生することがあります。

詳細は、「SSLの構成」を参照してください。