1 Oracle Stream Analyticsのインストール方法

Oracle Stream Analyticsは、先進性、拡張性、信頼性および柔軟性に優れたプラットフォームであり、イベント処理アプリケーションを非常に効率的に設計できます。電気通信、金融サービス、運輸、小売、保険などの様々な業界に対応しています。リアルタイムの不正検出、リアルタイムのロケーションベース・マーケティング、リアルタイムのスマート在庫管理、リアルタイムのダイナミック・プライシング、リアルタイムのアセット・トラッキングなどに、Oracle Stream Analyticsを使用できます。このドキュメントでは、Oracle Stream Analyticsのインストールをシームレスに計画および実行するのに役立ちます。

インストールの計画

Oracle Stream Analytics 18.1.0.0.1のインストールを効率的に計画するには、必要なハードウェアおよびソフトウェアを確保する必要があります。また、インストール・プロセスを開始する前に、前提条件となる手順を実行する必要があります。

Oracle Stream Analytics 18.1.0.0.1をインストールする前に、動作保証マトリクスに示された情報を使用できます。動作保証マトリクスには、サポート・ページ、サポートされているソフトウェア、およびシステム要件一般への有用なリンクが含まれています。Oracle Stream Analyticsの操作には、次のソフトウェアが必要です。
  • Oracle JDK 8 Update 131以上のバージョン

  • リポジトリ・データベース

    • Oracle Databaseバージョン12.2.0.1以上、12.1.0.1以上および11.2.0.4以上

    • あるいは、MySQLバージョン5.6または5.7も使用できます

  • 実行中のHadoopクラスタ(バージョン2.6または2.7)

  • 実行中のKafkaクラスタ(バージョン0.10.2.0)

  • Hadoop 2.7用に構築された、ローカルにインストールされたSpark (バージョン2.2.1)

    注意:

    SparkとJDKは、Oracle Stream Analyticsのインストール先のノードにインストールしてください。「Oracle Stream Analyticsのインストール」を参照してください。
  • Google Chromeブラウザ(バージョン60以上)

Oracle Stream Analyticsのインストール

Oracleユーザー管理サービスのみ このトピックは、Oracleユーザー管理サービスにのみ適用されます。

必要なソフトウェアおよびハードウェアを調達し、インストールに必要な環境を設定する手順を完了したら、次のステップを使用して、Oracle Stream Analytics 18.1.0.0.1をインストールします。
  1. ディレクトリ(spark-downloadsなど)を作成し、次に示すように、新しく作成したフォルダにApache Sparkをダウンロードします。
    • Sparkリリース: 2.2.1

    • パッケージ・タイプ: Pre-built for Apache Hadoop 2.7 and later

    • Sparkのダウンロード: spark-2.2.1-bin-hadoop2.7.tgz

  2. Sparkアーカイブをローカル・ディレクトリに抽出します。
    サブフォルダspark-2.2.1-bin-hadoop2.7が含まれています。
  3. 新しいディレクトリ(OSA-downloadsなど)を作成し、Oracle eDeliveryからOSA-18.1.0.0.1.zipをダウンロードして、新しく作成したフォルダに抽出します。
    OSA-18.1.0.0.1 zipファイルにはOSA-18.1.0.0.1-README.txtファイルが含まれています。
  4. ファイルOSA-18.1.0.0.1-README.txtを参照します。
  5. 環境変数を設定します。
    1. OSA-18.1.0.0.0/osa-base/etc/osa-env.shファイルで、Sparkアーカイブを抽出したディレクトリを指すようにSPARK_HOME環境変数を設定します。次に例を示します。
      SPARK_HOME=/products/spark-downloads/spark-2.2.1-bin-hadoop2.7
    1. OSA-18.1.0.0.0/osa-base/etc/osa-env.shファイルで、JDKアーカイブを抽出したディレクトリを指すようにJAVA_HOME環境変数を設定します。次に例を示します。
      JAVA_HOME=/products/java-downloads/jdk1.8.0_131
  6. 「メタデータ・ストアの初期化」に示す手順に従って、OSA-18.1.0.0.1/osa-base/etc/jetty-osa-datasource.xmlでデータ・ソースを構成します。
    1. メタデータ・ストアとして使用するデータベースに応じて、Oracle DatabaseかMySQLに対し、2つのデータ・ソース構成のうちいずれかをコメント解除および編集します。Oracleデータベースのコメント解除されたフラグメントを次に示します。

      <New id="osads" class="org.eclipse.jetty.plus.jndi.Resource">
           <Arg>
             <Ref refid="wac"/>
           </Arg>
           <Arg>jdbc/OSADataSource</Arg>
           <Arg>
             <New class="oracle.jdbc.pool.OracleDataSource">
               <Set name="URL">jdbc:oracle:thin:@myhost.example.com:1521:OSADB</Set>
               <Set name="User">{OSA_USER}</Set>
               <Set name="Password">{OSA_USER_PWD}</Set>
               <Set name="connectionCachingEnabled">true</Set>
               <Set name="connectionCacheProperties">
                 <New class="java.util.Properties">
                   <Call name="setProperty"><Arg>MinLimit</Arg><Arg>1</Arg></Call>
                   <Call name="setProperty"><Arg>MaxLimit</Arg><Arg>15</Arg></Call>
                   <Call name="setProperty"><Arg><InitialLimit</Arg><Arg>1</Arg></Call>
                 </New>
               </Set>
             </New>
           </Arg>
      </New>
    2. ステップ6aでコード内に太字で示されたデータベース・ホスト、ポート、SID、Oracle Stream Analyticsスキーマ・ユーザー名およびパスワードの各フィールドを変更します。

デフォルト・ユーザーの構成

osaadminユーザーは、Oracle Stream Analyticsで管理者権限を持つ事前定義済ユーザーです。デフォルトのユーザーは削除できません。

インストール・ディレクトリには、<installRoot>/osa-base/bin/start-osa.shおよび<installRoot>/osa-base/bin/configure.shの2つのスクリプトがあります。1つ目のスクリプトは、configure.shを呼び出してからJettyサーバーを起動します。サーバーを起動する必要がなく、デフォルト・ユーザーを構成するだけでよい場合は、configure.shスクリプトを実行してください。この両方のスクリプトで使用可能なパラメータのリストを次に示します。

  • help - ヘルプ・コンテンツを表示します

  • dbroot - データベース・ルート・ユーザー、またはdbスキーマやdbユーザーの作成権限を持つ任意のユーザー

  • dbroot_password - dbrootユーザーのパスワード

  • osaadmin_password - 事前定義済管理者ユーザーのパスワード: osaadmin

新しいスキーマの作成中にosaadmin_passwordを指定する必要はありません。このスクリプトによって、osaadminユーザーが作成されていないことが自動的に検出され、osaadmin_passwordが要求されます。

Oracle Stream Analyticsのインストール中、osaadmin_passwordパラメータの値を指定することにより、適切なパスワードを使用してosaadminユーザーを構成します。このパスワードは、後からOracle Stream Analyticsアプリケーション・ユーザー・インタフェースを使用して変更できます。

Oracle Stream Analyticsのアップグレード

Oracleユーザー管理サービスのみ このトピックは、Oracleユーザー管理サービスにのみ適用されます。

すでにOracle Stream Analytics 18.1.0.0.0がインストールされている場合は、次のステップを使用して、Oracle Stream Analytics 18.1.0.0.1にアップグレードします。

メタデータのアップグレード

データ・ソース構成および環境変数の他に追加構成がない場合は、次のステップを実行します。

  1. たとえば、Oracle Database Backupツールを使用して、既存のOracle Stream Analytics 18.1.0.0.0メタデータ・データベースをバックアップします。
  2. Oracle Stream Analyticsの停止 18.1.0.0.0
  3. Oracle Stream Analytics 18.1.0.0.1インストーラを解凍します。
  4. 既存のインストールのデータ・ソース構成を新しいインストールにコピーします。
    cp OSA-18.1.0.0.0/osa-base/etc/jetty-osa-datasource.xml OSA-18.1.0.0.1/osa-base/etc/jetty-osa-datasource.xml
  5. 既存のインストールの環境変数osa-env.shを新しいインストールにコピーします。
    cp OSA-18.1.0.0.0/osa-base/etc/osa-env.sh OSA-18.1.0.0.1/osa-base/etc/osa-env.sh

既存のJetty構成を使用したアップグレード

既存のJetty構成を使用してアップグレードする場合は、次のステップを実行します。

  1. たとえば、Oracle Database Backupツールを使用して、既存のOracle Stream Analytics 18.1.0.0.0メタデータ・データベースをバックアップします。
  2. Oracle Stream Analyticsの停止 18.1.0.0.0
  3. Oracle Stream Analytics 18.1.0.0.1インストーラを解凍します。
  4. 次のコマンド・セットを使用します。
    #!/bin/bash
    OSA_V18.1.0.0.0=<refers to the existing installation that you would like to update>
    OSA_V18.1.0.0.1=<refers to the unzipped OSA 18.1.0.0.1 installer>
     
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/bin/osa.installer.jar ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/bin/osa.installer.jar
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/extensibility-api/osa.spark-cql.extensibility.api.jar ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/extensibility-api/osa.spark-cql.extensibility.api.jar
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/lib/ext/osa.web.jetty-session.jar ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/lib/ext/osa.web.jetty-session.jar
     
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/resources/libs/wlthint3client.jar ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/resources/libs/wlthint3client.jar
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/resources/libs/spark-archive.jar ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/resources/libs/ #spark-acrhive.jar is a new file added in Oracle Stream Analytics 18.1.0.0.1 installer
    
    #comment below line if you want to keep existing logging configuration
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/resources/log4j2.xml ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/resources/log4j2.xml
    
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/resources/modules/spark-osa.jar ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/resources/modules/spark-osa.jar
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/sql/*.sql ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/sql/
     
    rm -f ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/start.d/logging-log4j2.ini
     
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/webapps/osa.web.*.war ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/webapps/
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/webapps/osa.web.admin.xml ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/webapps/
    #osa.web.admin.xml is a new file added in Oracle Stream Analytics 18.1.0.0.1 installer
    
    cp ${OSA_V18.1.0.0.1}/osa-base/version.txt ${OSA_V18.1.0.0.0}/osa-base/version.txt