次の各項では、TimesTen Scaleout内のグリッドおよびデータベースをモニターする方法について説明します。
グリッドとデータベースをモニターするには、いくつかの方法があります。
ttStatsユーティリティ – このユーティリティを使用すると、データベース・メトリック(統計や状態などの情報)をモニターして、メトリックのスナップショットを取得して比較できます。詳細は、ttStatsユーティリティの使用方法を参照してください。
SQL Developer – SQL Developerを使用すると、グリッドとそのコンポーネントを作成、管理および検証できます。また、特定のデータベース・オブジェクトの参照、作成、編集および削除、SQL文やスクリプトの実行、データの操作とエクスポート、レポートの表示と作成、データベース・メトリックの表示も行うことができます。詳細は、SQL Developerを使用したTimesTen Scaleoutの操作を参照してください。
ttStatsユーティリティを使用すると、データベース・メトリック(統計や状態などの情報)をモニターして、システム・スナップショットを自動的に取得して、メトリックのスナップショットを取得して比較できます。ttStatsユーティリティでは、次の機能を実行できます。
パフォーマンス・メトリックをリアルタイムでモニタリングおよび表示し、前のインターバルからの変化率を計算する。
データベースのレポートをモニタリングおよび分析すると、グリッドの全体的なパフォーマンスの判定に役立ちます。データベースの全体的なパフォーマンスを把握することで、データベースを最適な状態で稼働させるための予防措置を講じることができます。
TimesTen ClassicとTimesTen Scaleoutでは、ttStatsの動作にいくつかの違いがあります。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスのttStatsを参照してください。TT_STATS PL/SQLパッケージの詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Database PL/SQLパッケージ・リファレンスのTT_STATSを参照してください。
次の各項では、ttStatsユーティリティの使用方法について説明します。
ttStatsConfigGet組込みプロシージャを使用して、ttStatsユーティリティの構成設定を表示できます。この組込みプロシージャを実行すると、ttStatsユーティリティの収集設定を設定するpollSec、retentionDaysおよびretainMinutesというパラメータの値が表示されます。
次の例では、ttStatsユーティリティの収集設定を示しています。
Command> call ttStatsConfigGet(); < POLLSEC, 30 > < RETENTIONDAYS, 62 > < RETAINMINUTES, 120 > 3 rows found.
TimesTen ScaleoutのみでサポートされているpollSec、retentionDaysおよびretainMinutesの各パラメータを使用して、TimesTen Scaleoutの統計情報のポーリング間隔、集計データのパージ時間、およびRAWデータのパージ時間をそれぞれ設定できます。ポーリング間隔のパラメータであるpollsecは、ttStatsデーモンがデータベースのメトリックを収集する間隔(秒単位)を指定します。
ポーリング間隔の値は、データベースのパフォーマンスに影響を与えません。ただし、10秒というポーリング間隔を指定した場合は、通常、60秒のポーリング間隔の場合と比べて領域の使用量が6分の1になります。ほとんどのメトリックは集計され、各要素上のPermSize領域の約6MB (場合によっては最大10年分のメトリック)を使用します。ただし、ログ保持、上位SQLコマンド、チェックポイント履歴などの一部のメトリックは集計できません。ttStats -snapshotInfoユーティリティを使用して、該当するメトリックに使用されているPermSize領域の量を確認できます。
ttStatsConfigGet組込みプロシージャおよびttStatsユーティリティの詳細は、Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスでttStatsConfigGetおよびttStatsの説明をそれぞれ参照してください。
ttStatsConfig組込みプロシージャは、ttStatsユーティリティの構成設定を制御するとともに、ttStatsによってシステム・スナップショットが自動的に取得されるタイミングを制御します。ttStatsConfig組込みプロシージャを呼び出して、ttStatsユーティリティに影響を与える統計収集パラメータを変更します。SYS.V$STATS_CONFIGシステム・ビューおよびttStatsConfig組込みプロシージャのパラメータの詳細は、それぞれ、Oracle TimesTen In-Memory Databaseシステム表およびビュー・リファレンスのSYS.V$STATS_CONFIGと、Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスのttStatsConfigを参照してください。
ポーリング間隔のパラメータであるpollsecは、ttStatsデーモンがデータベースのメトリックを収集する間隔(秒単位)を指定します。
次の例では、TimesTen Scaleoutの統計のポーリング間隔の現在値を返しています。
SQL> SELECT VALUE FROM SYS.V$STATS_CONFIG WHERE PARAM='POLLSEC'; < 30 > 1 row found.
次の例では、TimesTen Scaleoutの統計のポーリング間隔を45秒に設定しています。
Command> call ttStatsConfig('pollsec', 45);
< POLLSEC, 45 >
1 row found.
保存時間間隔のパラメータであるretentionDaysは、ttStatsデーモンがデータベースのメトリックを削除する間隔(日単位)を指定します。たとえば、保存時間間隔が62日である場合、ttStatsデーモンは1日目のスナップショットを63日目に削除します。PermSizeの値によって、必要とする保存時間間隔が十分サポートされることを確認してください。
次の例では、TimesTen Scaleoutの統計の保存時間間隔の現在値を返しています。
SQL> SELECT VALUE FROM SYS.V$STATS_CONFIG WHERE PARAM='RETENTIONDAYS'; < 62 > 1 row found.
次の例では、TimesTen Scaleoutの統計の保存時間間隔を30日間に設定しています。
Command> call ttStatsConfig('retentionDays', 30);
< RETENTIONDAYS, 30 >
1 row found.
パージ時間間隔のパラメータであるretainMinutesは、ttStatsデーモンがデータベースのRAWメトリックをパージする間隔(分単位)を指定します。たとえば、保存時間間隔が120分である場合、ttStatsデーモンは120分ごとにRAWメトリックをパージします。
次の例では、TimesTen Scaleoutの統計のパージ時間間隔の現在値を返しています。
SELECT VALUE FROM SYS.V$STATS_CONFIG WHERE PARAM='RETAINMINUTES'; < 120 > 1 row found.
次の例では、TimesTen Scaleoutの統計のパージ時間間隔を60分に設定しています。
Command> call ttStatsConfig('retainMinutes', 60);
< RETAINMINUTES, 60 >
1 row found.
ttStats -monitorユーティリティを使用して、ローカル・インスタンス上のデータベース・ワークロードをリアルタイムでモニターします。-durationまたは-iterationsオプションを指定することで、ttStatsユーティリティがTimesTen Scaleoutをモニターする時間の長さを設定できます。モニタリングは、-durationか-iterationsオプションで指定した制限時間に達するまで、または[Ctrl]+[C]を押すまで続行されます。時間間隔のオプションである-intervalを指定して、表示されるメトリックのセット間の時間間隔(秒単位)を設定することもできます。これらのオプションは同時に指定できます。次のオプションを指定できます。
-duration: このオプションは、ttStatsユーティリティを実行する時間の長さ(秒単位)を設定します。この継続時間後に、ユーティリティは終了します。
次の例では、データベースを60秒間モニターします。
% ttStats -monitor -duration 60 database1 Connected to TimesTen Version 18.01.0002.0001 Oracle TimesTen IMDB version 18.1.2.1.0. Waiting for 10 seconds for the next snapshot Description Current Rate/Sec Notes date.2017-Feb-22 11:33:41 1456169621 1 sample #, not rate cmdcache.id:278352904.preps 142072 1 COMMIT cmdcache.id:283596680.execs 135242 1 SELECT COUNT(*) FROM SYS.TTSTATS cmdcache.id:283613080.execs 340200 3 SELECT COUNT(*) FROM SYS.TTSTATS cmdcache.id:283619720.execs 135242 1 INSERT INTO SYS.TTSTATS_SQL_COMM connections.count 15 db.joins.nested_loop 22874 1 db.table.full_scans 136618 2 lock.locks_granted.immediate 24138575 291 log.buffer.bytes_inserted 4887634664 52988 log.buffer.insertions 41123321 447 log.file.writes 247855 2 log.forces 183285 1 log.log_bytes_per_transaction 0 loghold.bookmark.log_force_lsn 88/46899200 loghold.bookmark.log_write_lsn 88/46899464 loghold.checkpoint_hold_lsn 88/41543680 database1.ds0 loghold.checkpoint_hold_lsn 88/33990656 database1.ds1 plsql.GetHitRatio 0.714 0.000 plsql.GetHits 380.000 0.200 plsql.Gets 532.000 0.200 plsql.PinHitRatio 0.989 0.000 plsql.PinHits 34556.000 0.500 plsql.Pins 34933.000 0.500 stmt.executes.count 1103839 12 stmt.executes.inserts 280246 2 stmt.executes.selects 777408 9 stmt.prepares.count 173038 1 txn.commits.count 233082 2 txn.commits.durable 182275 1 ...
-iterations: このオプションは、ttStatsユーティリティがメトリックを収集および表示するときの反復実行回数を設定します。これらの回数の反復後に、ユーティリティは終了します。
次の例では、反復回数を3に設定しています。
% ttStats -monitor -iterations 3 database1 Connected to TimesTen Version 18.01.0002.0001 Oracle TimesTen IMDB version 18.1.2.1.0. Waiting for 10 seconds for the next snapshot Description Current Rate/Sec Notes date.2017-Feb-22 11:54:34 1456170874 1 sample #, not rate connections.count 15 lock.locks_granted.immediate 24195281 1 log.log_bytes_per_transaction 0 loghold.bookmark.log_force_lsn 88/61253632 loghold.bookmark.log_write_lsn 88/61253896 loghold.checkpoint_hold_lsn 88/55470080 database1.ds0 loghold.checkpoint_hold_lsn 88/48414720 database1.ds1 plsql.GetHitRatio 0.730 0.000 plsql.GetHits 410.000 0.200 plsql.Gets 562.000 0.200 plsql.PinHitRatio 0.989 0.000 plsql.PinHits 34667.000 0.200 plsql.Pins 35044.000 0.200 stmt.executes.count 1106494 1 stmt.executes.selects 779348 1 ...
-interval: このオプションは、表示されるメトリックのセット間の時間間隔(秒単位)を設定します。
次の例では、間隔時間を30秒に設定しています。
% ttStats -interval 30 -monitor database1 Connected to TimesTen Version 18.01.0002.0001 Oracle TimesTen IMDB version 18.1.2.1.0. Waiting for 30 seconds for the next snapshot Description Current Rate/Sec Notes date.2017-Feb-19 15:18:38 1455923918 1 sample #, not rate connections.count 15 lock.locks_granted.immediate 12536701 1 log.log_bytes_per_transaction 0 loghold.bookmark.log_force_lsn 45/13309952 loghold.bookmark.log_write_lsn 45/13310216 loghold.checkpoint_hold_lsn 45/4683776 database1.ds0 loghold.checkpoint_hold_lsn 45/11804672 database1.ds1 plsql.GetHitRatio 0.700 0.000 plsql.GetHits 355.000 0.067 plsql.Gets 507.000 0.067 plsql.PinHitRatio 0.980 0.000 plsql.PinHits 18201.000 0.067 plsql.Pins 18578.000 0.067 ...
ttStats -snapshotユーティリティを使用して、システムによって生成された最新のデータベース・スナップショットに任意のスナップショットIDを関連付けます。スナップショットは、データベースのメトリックを示すレポートを作成するために使用されます。システムによって生成されたスナップショットが自動的にパージされると、関連付けられたユーザー・スナップショットもパージされます。
次の例では、ttStats -snapshotユーティリティを使用してスナップショットを作成しています。-snapshotコマンドを使用するときには、-descriptionコマンドが必要になります。-descriptionコマンドを使用すると、たとえば他のスナップショットと区別するために、そのスナップショットの説明やノートを指定できます。
% ttStats -snapshot -description 1 database1 Connected to TimesTen Version 18.01.0002.0001 Oracle TimesTen IMDB version 18.1.2.1.0. Snapshot ID was 88412
この例で作成されたスナップショットは、1というスナップショットIDを使用して参照できます。
ttStats -reportユーティリティを使用して、TimesTen Scaleoutデータベースの2スナップショット間のレポートを作成します。ttStatsのレポートでは、データベースの2のスナップショット間の統計の変化が示されます。-outputFileオプションを使用すると、レポートの書込み先となるファイルのパスと名前を指定できます。次のいずれかのオプションのセットを使用して、レポートの開始ポイントと終了ポイントを定義します。
スナップショットIDを指定する、-snap1および-snap2の各オプション。レポート期間は、少なくとも4つの既存スナップショットID値にまたがっている必要があります。したがって、-snap1と-snap2の間に少なくとも3つのスナップショットが必要です。
タイムスタンプを指定する、-timestamp1および-timestamp2の各オプション。
ttStats -snapshotInfoコマンドを使用して、使用可能なデータベース・スナップショットを表示できます。
次の例では、ttStats -snapshotInfoユーティリティを使用して、使用可能なスナップショットのIDおよびタイムスタンプを返しています。このコマンドは、集計されたスナップショットとttStatsConfig組込みプロシージャの値に関する情報も返します。
% ttStats -snapshotInfo database1 Connected to TimesTen Version 18.01.0002.0001 Oracle TimesTen IMDB version 18.1.2.1.0. There are 2 user snapshots: Snapshot ID User comment When snapshot occurred ============ ================ ====================== 88412 1 2018-02-09 13:28:50 88412 2 2018-02-10 11:13:55 88412 3 2018-02-10 18:39:50 88412 4 2018-02-11 08:10:12 88412 5 2018-02-12 17:23:46 There are 151 AGGREGATED snapshots: Oldest snapshot 2880, 2018-01-04 15:37:29 Newest snapshot 88412, 2018-02-03 10:00:26 There are 240 NON AGGREGATED snapshots: Oldest snapshot 88173, 2018-02-03 08:00:42 Newest snapshot 88412, 2018-02-03 10:00:26 There are about 16.3 MB of metrics stored in ttStats SYS tables The PollSec was 30 The RetentionDays was 62 The RetainMinutes was 120
次の例では、ID 1とID 5のスナップショットの間のレポート(snapreport.txt)を作成しています。
% ttStats -report -snap1 1 -snap2 5 -outputFile snapreport.txt database1 Connected to TimesTen Version 18.01.0002.0001 Oracle TimesTen IMDB version 18.1.2.1.0. Report snapreport.txt was created.
次の例では、2つのタイムスタンプ間のレポート(timereport.txt)を作成しています。
% ttStats -report -timestamp1 2018-02-22 12:50:31 -timestamp2 2018-02-23 09:15:23
-outputFile snapreport.txt database1
Connected to TimesTen Version 18.01.0002.0001 Oracle TimesTen IMDB version 18.1.2.1.0.
Report timereport.txt was created.
ttStatsレポートによって生成されたメトリックの表の詳細、およびttStatsユーティリティの詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンスでレポートの例とttStatsをそれぞれ参照してください。
Oracle SQL Developerは、グリッドとそのコンポーネントを作成、管理および検索する便利な方法をデータベース開発者に提供するグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)ツールです。特定のデータベース・オブジェクトの参照、作成、編集および削除、SQL文やスクリプトの実行、データの操作とエクスポート、レポートの表示と作成、データベース・メトリックの表示も行うことができます。
詳細は、Oracle SQL Developer TimesTen In-Memory Databaseサポート・ユーザーズ・ガイドを参照してください。
管理インスタンスには、グリッドの管理に使用されるメタデータが格納されます。アクティブ・インスタンスとスタンバイ・インスタンスを使用して、このメタデータの高可用性を確保することをお薦めします。単一の管理インスタンスを使用している場合に、その管理インスタンスがダウンすると、グリッドの動作は継続しますが、グリッドに対する特定の管理操作を実行できなくなります。
管理インスタンスには、現在のグリッド、以前のグリッド・モデル・バージョン、および現在のグリッドのログに関する情報が格納されるため、管理インスタンスの空き領域がなくなることがあります。管理インスタンスが正しく機能するには、管理インスタンスに十分な空き領域があることが重要です。管理インスタンスの空き領域が少なくなると、ttGridAdminユーティリティで任意のコマンドを実行した場合に警告が出力されます。
次のタスクを実行して、管理インスタンスを保守できます。
グリッドを作成すると、管理インスタンスの使用済領域警告しきい値がグリッドによって設定されます。管理インスタンスのサイズがこのしきい値に達した場合、ttGridAdminユーティリティでコマンドを実行すると、管理インスタンスが一杯になりかけていることを示す警告が出力されます。
次の例は、管理インスタンスがほぼ一杯であるグリッドに対するttGridAdmin instanceCreateコマンドの出力を示しています。
% ttGridAdmin instanceCreate host5 -location /grid Instance instance1 on Host host5 created in Model Warning: the TTGRIDADMIN database is 91% full; Temp space: 57%
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ノート: いずれかのttGridAdminコマンドを使用したときに、管理インスタンスが一杯になりかけていることを示す警告が表示された場合は、グリッドの保存日数と保存バージョン数のパラメータに基づいて、古いグリッド・モデル・バージョンと古いログがTimesTen Scaleoutによって自動的に削除されます。 |
管理インスタンス上でttGridAdminユーティリティのgridDisplayコマンドを使用して、管理インスタンスの現在の使用済領域警告しきい値、およびTimesTen Scaleoutで保存される旧グリッド・モデル・バージョンの数と保存日数を表示します。
この例では、ttGridAdmin gridDisplayコマンドの出力を表示しています。
% ttGridAdmin gridDisplay Grid name: grid1 Grid GUID: 864C0CB2-AF40-4047-A711-7A9F9F0E7D6C Created: 2018-12-12 12:20:32.000000 Major Release: 18.1.4 Created Release: 18.1.4.1.0 K: 2 Admin Userid: instanceadmin Admin UID: 4133 Admin Group: admins Admin GID: 900 Retain Days: 30 Retain Versions: 10 Warn Threshold: 90 Perm In Use Pct: 91 Temp In Use Pct: 57
ttGridAdmin gridDisplayコマンドの詳細、および管理インスタンスの旧グリッド・モデル保存数と警告しきい値のデフォルト値の詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンスでグリッドに関する情報の表示(gridDisplay)とグリッド設定の変更(gridModify)をそれぞれ参照してください。
グリッド管理データベースのサイズ変更の詳細は、管理インスタンスのサイズ変更を参照してください。
場合によっては、管理インスタンスの旧グリッド・モデルの保存値または現在の使用済領域警告しきい値の変更が必要になることがあります。
この例では、管理インスタンスの現在の使用済領域警告しきい値を80%に設定しています。
% ttGridAdmin gridModify -warnThresh 80 Grid Definition modified.
この例では、保存日数の値を60に設定して、保存バージョン数の値を15に設定しています。これらの値を使用すると、60日より古い旧グリッド・モデルのうち、16バージョン以上前のグリッド・モデルのみが削除されます。
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ノート: -retainDaysまたは-retainVersionsパラメータの値として0を指定した場合は、もう一方のパラメータのみが使用されます。両方のパラメータの値として0を指定した場合は、旧グリッド・モデル・バージョンは自動的に削除されません。 |
% ttGridAdmin gridModify -retainDays 60 -retainVersions 15 Grid Definition modified.
ttGridAdmin gridModifyコマンドの詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンスでグリッド設定の変更(gridModify)を参照してください。
場合によっては、管理インスタンスが一杯になりかけているために、管理インスタンスのサイズ変更が必要になることがあります。
グリッドに、単一の管理インスタンスのみが存在するか、またはアクティブ管理インスタンスとスタンバイ管理インスタンスが存在するかに応じて、次のいずれかの手順を実行します。
1つの管理インスタンスを含むグリッドの管理インスタンス・サイズを変更するには、その管理インスタンスに接続していることを確認してください。
データベース定義をエクスポートします。
% ttGridAdmin dbdefExport TTGRIDADMIN /tmp/ttgridadmin.dbdef
例9-1では、エクスポートされたファイルの内容を示しています。
例9-1 エクスポートされたデータベース定義ファイル
# DbDef GUID CF85D379-E776-41C6-A271-ACB6A2033BBB Exported 2018-03-24 14:31:52 [TTGRIDADMIN] AutoCreate=0 Connections=100 DBUUID=C12C4FAE-5732-4307-A08F-5F7FBF9BF1C0 DataStore=!!TIMESTEN_HOME!!/grid/admin/database/!!TTGRIDADMIN!! DatabaseCharacterSet=AL32UTF8 DurableCommits=1 LockWait=120 Overwrite=0 PLSQL=1 PLSQL_TIMEOUT=0 PermSize=200 TempSize=100
テキスト・エディタを使用して、PermSize接続属性の値を現在より大きい値に変更します。
例9-2では、変更されたデータベース定義ファイルの内容を示しています。この例では、PermSize接続属性の新しい値は400です。
例9-2 変更されたデータベース定義ファイル
# DbDef GUID CF85D379-E776-41C6-A271-ACB6A2033BBB Exported 2018-03-24 14:31:52 [TTGRIDADMIN] AutoCreate=0 Connections=100 DBUUID=C12C4FAE-5732-4307-A08F-5F7FBF9BF1C0 DataStore=!!TIMESTEN_HOME!!/grid/admin/database/!!TTGRIDADMIN!! DatabaseCharacterSet=AL32UTF8 DurableCommits=1 LockWait=120 Overwrite=0 PLSQL=1 PLSQL_TIMEOUT=0 PermSize=400 TempSize=100
変更されたデータベース定義ファイルの内容をTTGRIDADMINデータベース定義にインポートします。
% ttGridAdmin dbdefModify /tmp/ttgridadmin.dbdef Database Definition TTGRIDADMIN modified.
TTGRIDADMINデータベース定義ファイルの変更内容を現在のモデル・バージョンに適用します。
% ttGridAdmin modelApply ... Pushing new configuration files to each Instance......................OK ... ttGridAdmin modelApply complete
管理インスタンスを停止します。
|
ノート: 管理インスタンスを停止しても、既存のデータベースは影響を受けません。ただし、管理インスタンスを起動するまでは、管理操作を実行できません。 |
% ttGridAdmin mgmtActiveStop Active management instance stopped
管理インスタンスを起動します。
% ttGridAdmin mgmtActiveStart This management instance is now the active
管理インスタンスのサイズが正常に変更されました。
アクティブ管理インスタンスとスタンバイ管理インスタンスを含むグリッドの管理インスタンス・サイズを変更するには、そのアクティブ管理インスタンスに接続していることを確認してください。
グリッド管理データベースのデータベース定義をエクスポートします。
% ttGridAdmin dbdefExport TTGRIDADMIN /tmp/ttgridadmin.dbdef
例9-3では、エクスポートされたファイルの内容を示しています。
例9-3 エクスポートされたデータベース定義ファイル
# DbDef GUID CF85D379-E776-41C6-A271-ACB6A2033BBB Exported 2018-03-24 14:31:52 [TTGRIDADMIN] AutoCreate=0 Connections=100 DBUUID=C12C4FAE-5732-4307-A08F-5F7FBF9BF1C0 DataStore=!!TIMESTEN_HOME!!/grid/admin/database/!!TTGRIDADMIN!! DatabaseCharacterSet=AL32UTF8 DurableCommits=1 LockWait=120 Overwrite=0 PLSQL=1 PLSQL_TIMEOUT=0 PermSize=200 TempSize=100
テキスト・エディタを使用して、PermSize接続属性の値を現在より大きい値に変更します。
例9-4では、変更されたデータベース定義ファイルの内容を示しています。この例では、PermSize接続属性の新しい値は400です。
例9-4 変更されたデータベース定義ファイル
# DbDef GUID CF85D379-E776-41C6-A271-ACB6A2033BBB Exported 2018-03-24 14:31:52 [TTGRIDADMIN] AutoCreate=0 Connections=100 DBUUID=C12C4FAE-5732-4307-A08F-5F7FBF9BF1C0 DataStore=!!TIMESTEN_HOME!!/grid/admin/database/!!TTGRIDADMIN!! DatabaseCharacterSet=AL32UTF8 DurableCommits=1 LockWait=120 Overwrite=0 PLSQL=1 PLSQL_TIMEOUT=0 PermSize=400 TempSize=100
変更されたデータベース定義ファイルの内容をTTGRIDADMINデータベース定義にインポートします。
% ttGridAdmin dbdefModify /tmp/ttgridadmin.dbdef Database Definition TTGRIDADMIN modified.
TTGRIDADMINデータベース定義ファイルの変更内容を現在のモデル・バージョンに適用します。
% ttGridAdmin modelApply ... Pushing new configuration files to each Instance......................OK ... ttGridAdmin modelApply complete
スタンバイ管理インスタンスから、管理インスタンスを停止します。
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ノート: この手順を実行しても、既存のデータベースやグリッドの動作は影響を受けません。 |
% ttGridAdmin mgmtStandbyStop Standby management instance host2.instance1 stopped
スタンバイ管理インスタンスから、管理インスタンスを起動します。
% ttGridAdmin mgmtStandbyStart Standby management instance started
スタンバイ管理インスタンスから、スタンバイ管理インスタンスを新しいアクティブ管理インスタンスに昇格させて、元のアクティブ管理インスタンスをシャットダウンします。
% ttGridAdmin mgmtActiveSwitch This is now the active management instance
元のアクティブ管理インスタンスから、新しいスタンバイ管理インスタンスを起動します。
% ttGridAdmin mgmtStandbyStart Standby management instance started
管理インスタンスのサイズが正常に変更されました。また、元のアクティブ管理インスタンスはスタンバイ管理インスタンスになり、元のスタンバイ管理インスタンスはアクティブ管理インスタンスになりました。このことは、グリッドの動作に影響を与えません。
TimesTen Scaleoutでは、グリッドの一部であるすべてのホストから様々なログを収集できます。これらのログは、グリッドまたはデータベースの使用中に発生する可能性のあるエラーのトラブルシューティングに役立ちます。これらのログは、ttGridAdmin gridLogCollectコマンドを使用して収集できます。
ttGridAdmin.log
グリッドに関するサポート・メッセージを表示します。
tterrors.log
TimesTenデーモンで検出されたエラー・メッセージや警告メッセージを表示します。
ttmesg.log
TimesTenデーモンに関するサポート・メッセージを表示します。
構成ファイル
各インスタンスのtimesten_home/conf/ディレクトリに格納されている構成ファイル。
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ノート: ログは、timesten_home/diag/ディレクトリに格納されています。このディレクトリには、末尾に番号が付加されている複数のtterrors.logファイルとttmesg.logファイルが含まれています。末尾に番号が付加されていないログが最新のログ・ファイルです。 |
この例では、グリッドのログを収集して、これらのログをrepo1というリポジトリに格納します。デフォルトでは、ログのコレクションには、現在の日付と時刻に基づいて、Lyyyymmddhhssという名前が付けられます。バックアップ名の接頭辞であるLはログの頭文字です。
% ttGridAdmin gridLogCollect -repository repo1 Logs copied to collection L20170331143740 in repository repo1
ttGridAdmin gridLogCollectコマンドを使用すると、リポジトリ内のコレクション・ディレクトリが作成されます。このコレクション・ディレクトリにはグリッドの各ホストのディレクトリが格納され、それぞれのホスト・ディレクトリにはそのホストのログが格納されます。
TimesTen Scaleoutを使用すると、グリッド全体の診断情報を取得できます。この診断情報は、Oracle Supportチームがグリッドに関する問題を診断する場合に役立ちます。
次の例では、管理インスタンスからttGridAdminユーティリティを使用して、グリッド全体の診断情報を取得します。その後、このファイルをOracle Supportチームに提供できます。
% ttGridAdmin gridDump /tmp/grid.status.txt
グリッド内のすべてのホストのシステム・クロックがほぼ同期していることを確認することは重要です。システム・クロックが同期していると、すべてのホストのトランザクションとログのタイムスタンプが正確になります。
この例では、グリッド内のすべてのホストのシステム日付と時間を出力します。
% ttGridAdmin hostExec date Commands executed on: host1 rc 0 host2 rc 0 host3 rc 0 host4 rc 0 host5 rc 0 host6 rc 0 Return code from host1: 0 Output from host1: Fri Mar 31 18:16:51 PDT 2018 Return code from host2: 0 Output from host2: Fri Mar 31 18:16:49 PDT 2018 Return code from host3: 0 Output from host3: Fri Mar 31 18:16:51 PDT 2018 Return code from host4: 0 Output from host4: Fri Mar 31 18:16:51 PDT 2018 Return code from host5: 0 Output from host5: Fri Mar 31 18:16:50 PDT 2018 Return code from host6: 0 Output from host6: Fri Mar 31 18:16:52 PDT 2018
いずれかのホストのシステム・クロックが他のホストと同期していない場合は、そのホストのシステム・クロックを調整します。ホストのシステム・クロックが同期していることは、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)を使用して確認できます。