プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド
13c リリース3
E98542-01
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
前へ
次
次へ

22.5 ソフトウェア・ライブラリ記憶域

ソフトウェア・ライブラリ管理コンソールでは、ソフトウェア・ライブラリを構成して管理できます。ソフトウェア・ライブラリの使用を開始するには、OMSが実行されているホストで、少なくとも1つのアップロード・ファイル記憶域の場所(OMS共有ファイル・システムまたはOMSエージェント・ファイル・システム)を追加する必要があります。ソフトウェア・ライブラリ記憶域の場所は、ファイルのリポジトリを表し、これらのファイルは、ソフトウェア・ライブラリにアップロードされるか、ソフトウェア・ライブラリによって参照されます。

注意:

OMS共有記憶域の場所を新しく構成する場合、場所に指定するファイルシステム・パスは共有パスまたはマウント済のパスのいずれかであることを確認します。そうすることで、新しく構成された場所は今後、複数OMS環境からアクセス可能になります。新しい場所が複数OMS環境に追加されると、ファイルシステム・パスはすべてのOMSホストからアクセス可能になります。

ただし、ローカル・ファイル・システムにOMS共有記憶域の場所を構成した場合、「ソフトウェア・ライブラリ記憶域の場所の構成」に記載されている手順を実行して、この場所を、共有またはマウント済パスのある別のOMS共有記憶域の場所に移行する必要があります。

管理コンソールにアクセスするには、管理アクセスでEnterprise Manager Cloud Controlにログインして次の手順を実行します。

Cloud Controlで、「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。

または

Cloud Controlで、「エンタープライズ」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。「ソフトウェア・ライブラリ」ホームページで、「アクション」メニューから「管理」を選択します。


「ソフトウェア・ライブラリ」ホームページ

「ソフトウェア・ライブラリ管理」ページは、GUIベースの画面で、エンティティに関連付けられたファイルを格納または参照する記憶域の場所を1つ以上作成できます。記憶域の場所にあるエンティティを表示するには、「管理」ページで「表示」をクリックします。OMS、またはOMSと同じホストで実行するエージェント上に記憶域の場所を作成できます。Enterprise Manager 12cの場合、参照されるファイルの場所と呼ばれる新機能が導入され、ソフトウェア・ライブラリ・エンティティは、別のホストに格納されているファイルを参照できます。ただし、これらの場所は、ソフトウェア・ライブラリの読取り専用であり、ファイルのアップロードには使用されません。

ソフトウェア・ライブラリを構成する領域要件は、ソフトウェア・バイナリやその関連スクリプトの格納に必要な領域によって異なります。時間が経過し、作成したエンティティが増えれば、この領域要件が増えることは言うまでもありません。プロビジョニングとパッチに必要な機能またはソフトウェアに応じて、ソフトウェア・ライブラリの記憶域の領域を決定し、構成する必要があります。

注意:

本番環境では、ソフトウェア・ライブラリの記憶域に最低100GBを割り当てることをお薦めします。または、今後、領域不足で実行し始めたら、この記憶域を容易に拡張できるようにしてください。

記憶域の場所の領域が不足し始めたら、構成されている記憶域の場所を非アクティブにし、この場所でこれ以上アップロードが行われないようにすることが重要です。記憶域の場所の削除の詳細は、「ソフトウェア・ライブラリの管理」を参照してください。

利用可能な記憶域は次のとおりです。

22.5.1 アップロード・ファイルの場所

アップロード・ファイルの場所は、エンティティの作成または更新の一環としてソフトウェア・ライブラリによってアップロードされたファイルを格納するために構成された場所です。

ソフトウェア・ライブラリを使用可能にするには、少なくとも1つのアップロード・ファイルの場所が構成されている必要があります。初めてアップロード・ファイルの場所を追加するときに、インストール済の各Enterprise ManagerプラグインのOracleホームからソフトウェア・ライブラリ・メタデータをインポートするジョブが発行されます。このジョブが正常に完了するのを待ってから、他のパッチ適用操作やプロビジョニング操作を行います。

注意:

ソフトウェア・ライブラリでアップロード記憶域の場所として構成されたファイル・システムを物理的に削除するには、最初に、既存のコンテンツ(エンティティ)を移行できる別の記憶域の場所を構成する必要があります。この移行の実行に失敗すると、この場所からのファイルに依存するエンティティは使用不可にレンダリングされます。記憶域の場所の削除とコンテンツの移行の詳細は、「ソフトウェア・ライブラリ記憶域の場所の削除(および移行)」を参照してください。

前提条件

アップロード・ファイルの場所を記憶域のオプションとして使用する前に、前提条件として、OMS共有ファイル・システムまたはOMSエージェント・ファイル・システムを使用するための資格証明を設定する必要があります。

  • 複数のOMS環境の場合、すべてのOMSホストに優先通常ホスト資格証明を設定する必要があります。

    OMSインスタンスが追加された場合、新しいOMSがプロビジョニングされる指定のホストから、構成された場所にアクセスできるようにする必要があります。管理サービス追加機能を使用してプロビジョニングされるOMSの場合、アップロード場所として構成された共有場所を指定のホストにマウントして、手動で検証する必要があります。

  • OMSエージェント・ファイル・システムの場所の構成の場合、資格証明(優先または名前付き)を指定する必要があります。

アップロード・ファイルの場所は、次のように2つの記憶域オプションをサポートしています。

OMS共有ファイル・システム(推奨記憶域オプション)

OMS共有ファイル・システムの場所は、すべてのOracle Management Server(OMS)ホスト間で共有(またはマウント)されている必要があります。このオプションはUNIXシステムに最適です。

注意:

オラクル社は、ソフトウェア・ライブラリにアップロードしたファイルの保管に、OMS共有ファイル・システムの使用をお薦めします。しかし、なんらかの制約で共有ファイル・システムを設定できない場合は、OMSエージェント・ファイル・システムを使用できます。詳細は、「アップロード・ファイルの場所」を参照してください。

OMS環境が1つの場合、ソフトウェア・ライブラリはOMSが実行されているホスト上にも、共有場所にも構成できます。ただし、今後、1つのOMS設定を複数のOMS設定に拡張する計画がある場合は、ローカル・ファイル・システムのパスはお薦めしません。

注意:

複数OMSシナリオでは、NFS、ACFSまたはDBFSを使用してクラスタ・ファイル・システムを設定する必要があります。Windowsでは、共有についてOCFS2クラスタ・ファイル・システムが推奨されています。

高可用性のために複数の管理サーバーを実装している場合は、ソフトウェア・ライブラリのファイル・システムも高可用にします。アクセシビリティおよび可用性の他にも、ソフトウェア・バイナリの記憶域として十分な領域が使用可能であること(Enterprise Managerの本番デプロイ用に100GB以上)と、作成および格納するエンティティに関連付けられたスクリプトがあることを確認することが重要です。

OMSエージェント・ファイル・システム

OMSエージェント・ファイル・システムの場所は、OMSがデプロイされるホスト・マシンで実行するエージェントにアクセスできる必要があります。OMSエージェント・ファイル・システム記憶域のオプションを使用するには、OMSホストの優先または指定の資格証明があることを確認します。「資格証明の変更」をクリックして、この場所へのアクセスに使用される関連資格証明を変更します。

注意:

なんらかの制約のために格納にOMS共有ファイル・システムを設定できない場合は、OMSエージェント・ファイル・システムを使用できます。

22.5.2 参照先ファイルの場所

参照先ファイルの場所は、ソフトウェアのバイナリやスクリプトを保護するために組織の既存のITインフラストラクチャ(ファイル・サーバー、Webサーバーまたは記憶域システムなど)を活用できる場所です。このような場所を使用すると、エンティティはソフトウェア・ライブラリ記憶域にファイルを明示的にアップロードしなくてもそのファイルを参照できます。

参照先ファイルの場所は、3つの記憶域オプションをサポートしています。

  • HTTP: HTTP記憶域の場所は、参照可能なファイルのソースとして機能するベースURLを表します。

    たとえば、ベースURL http://my.files.com/scriptsは、http://my.files.com/scripts/perl/installMyDB.plまたはhttp://my.files.com/scripts/linux/stopMyDB.shなどのソース・ファイルのHTTPの場所として構成できます。

  • NFS: NFS記憶域の場所は、サーバー上でエクスポートされたファイルシステム・ディレクトリを表します。サーバーはEnterprise Managerホスト・ターゲットである必要はありません。

    たとえば、サーバーmy.file.server上でエクスポートされたディレクトリ/exported/scriptsは、ターゲット・ホスト・ファイルシステムでマウントされた後、/exported/scripts/generic/installMyDB.plまたは/exported/scripts/linux/stopMyDB.shなどのソース・ファイルのNFSの場所として構成できます。

  • エージェント: エージェント記憶域の場所は、OMSエージェント・ファイル・システムのオプションと似ていますが、Enterprise Managerエージェントによってモニターされる任意のホストに設定できます。エージェントは、このホスト上にあるファイルを処理するよう構成できます。

    たとえば、Enterprise Managerホストmy.em.file.server上にあるディレクトリ/u01/binariesは、/u01/binaries/rpms/myCustomDB.rpmまたは/u01/binaries/templates/myTemplate.tar.gzなどのソース・ファイルのエージェントの場所として構成できます。

    これらの場所には、Enterprise Managerエージェントを介してホスト上のベースの場所からファイルにアクセスするために使用される名前付き資格証明を関連付ける必要があります。

注意:

場所のファイルを参照するエンティティを使用するには、その場所に関連付けられた資格証明で表示権限を持っている必要があります。

22.5.3 キャッシュ・ノード

キャッシュ・ノードは、OMSに対するロードを削減することで、遠距離のサーバーやデータ・センターへのファイル転送操作を拡張するEnterprise Managerの機能です。キャッシュ・ノードは、グループと呼ばれる1つの単位として機能する一連の事前設定済ターゲットで実行します。各キャッシュ・ノードは、関連付けられている特定のターゲット・グループが稼働するホスト上の中間記憶域の場所です。キャッシュ・ノードの詳細は、「キャッシュ・ノードの構成」を参照してください。