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Oracle® Enterprise Managerライフサイクル・マネージメント管理者ガイド
13c リリース3
E98556-01
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31 ドメイン・パーティションのエクスポートおよびインポート

この章では、Oracle WebLogicドメイン・パーティションのエクスポートおよびインポートの概要について説明します。Oracle WebLogic Serverは、WebLogicドメイン・パーティション機能をサポートします。パーティション機能は、WebLogic Serverマルチテナント機能を介して導入およびサポートされています。ドメイン内のパーティションを持つより少ないドメインにアプリケーションを統合して、保護された分離を維持します。これにより、効率性が向上してコストが削減されます。WebLogic Serverマルチテナントの詳細は、Oracle® Fusion Middleware WebLogic Serverマルチテナントの使用WebLogic Serverマルチテナントに関する項を参照してください。WebLogicドメイン・パーティションは、WebLogic Serverドメイン間でエクスポートおよびインポートできます。エクスポートまたはインポートは、別々のEnterprise Managerデプロイメントに存在するドメイン間でもサポートされます。この章の具体的な内容は次のとおりです。

31.1 WebLogicドメインのパーティションのエクスポートとインポートについて

ドメイン・パーティション(短縮形はパーティション)は、WebLogicドメインの管理上および実行時のスライスです。マルチテナントは、複数の組織で使用する共有インフラストラクチャを提供します。これらの組織はテナントの概念的なグループです。単一のドメイン内で複数のテナントがサポートされます。密度を向上させ、リソースのより効率的な使用を実現し、複数アプリケーションの共有に関連する次の障害を排除します。

  1. 実行時のアプリケーション間の影響

  2. セキュリティの違い

  3. データの混合

  4. 管理の課題

ドメイン・パーティションは、個別に管理できるドメインの管理部分であり、ドメイン内のランタイム機能、つまり管理対象サーバーおよびクラスタを共有できます。各ドメイン・パーティションには、独自のアプリケーションおよびリソースのランタイム・コピーが含まれます。アプリケーションの分離と効率を提供します。アプリケーションを変更せずに、アプリケーションの複数のインスタンスを異なるドメイン・パーティション内で実行できます。

ドメイン・パーティションは、より少ないサーバーおよびドメイン・リソースを使用します。これにより、Software As a Service (SaaS)およびPlatform As a Service (PaaS)アプリケーションの管理を簡略化できます。

Oracle WebLogic Serverは、WebLogicドメイン・パーティション機能をサポートします。単一のWebLogicドメインに複数のパーティションを含めることができ、各パーティションがJDBC、JMS、SAF、アプリケーション、セキュリティ・レルムなどのサービスの独自のセットを持つことができます。Oracle WebLogic Multitenant Serverは、WebLogicドメインの管理およびランタイム・スライスであるドメイン・パーティション内のリソースの分離を提供します。テナントのアプリケーション・インスタンスおよび関連リソースを実行します。ドメイン・パーティションは、アプリケーション・インスタンスと関連リソースがドメイン、WebLogic Server、Java仮想マシンおよびオペレーティング・システムを共有すると同時にテナント固有のアプリケーション・データ、構成およびランタイム・トラフィックを分離できるようにすることで、大幅な密度の向上を実現します。

パーティションには、1つ以上のリソース・グループを含めることができます。これらのリソース・グループは、テンプレートに変換できます。ドメイン・パーティションをエクスポートし、新規または同じドメインにインポートできます。このエクスポートまたはインポート機能は、パーティションの一部であるサービスおよびアプリケーションを移動します。この機能は、パーティションをオンデマンドでプロビジョニングするためにEnterprise Managerによって主に使用されます。WebLogicドメイン・パーティション機能の主な機能と制限は次のとおりです。

  • パーティションのエクスポートまたはインポートがサポートされます。

  • 空のパーティションは作成できません。

  • ドメインから一度に1つのパーティションをエクスポートできます。

  • 1つのパーティションを一度に1つのドメインにインポートできます。

  • ドメインで実行されているアプリケーションおよびサービスはパーティションとともにクローニングされます。これらは削除できず、プロビジョニング中に新規に追加することもできません。

31.2 WebLogicドメイン・パーティションのエクスポート

注意:

WebLogicドメイン・パーティションのエクスポート機能は、WLSバージョン12.2.1.0.0以降でサポートされます。

ドメイン・パーティションをエクスポートするには、次の手順に従います。

  1. 「ターゲット」メニューから、「ミドルウェア」を選択します。
  2. 「ターゲット・タイプ」を展開し、WebLogicのオプションをチェックしてWebLogicターゲットのリストを表示します。
  3. WebLogicドメイン・ターゲットを右クリックし、「プロビジョニング」メニューから「プロビジョニング・プロファイルの作成」をクリックし、「WebLogicドメイン・パーティションのエクスポートによる」オプションを選択し、「次へ」をクリックします。
  4. 「プロファイル」タブの「名前」フィールドにプロファイル名を入力します。

    注意:

    エクスポート処理の一部として、Enterprise Managerはパーティションのプロファイルを作成し、ソフトウェア・ライブラリに格納します。プロファイルには、エクスポートされたパーティションのアーカイブおよびインポート処理でEnterprise Managerが使用するメタデータが含まれています。

  5. 「説明」フィールドに、作成されたプロファイルの説明を入力します。
  6. 「WebLogicドメイン・パーティション」フィールドで、パーティションを選択します。
  7. フィールド「ドメイン・ホーム」および「Oracleホーム」の値を確認します。
  8. 残りのフィールド「Oracleホーム資格証明」「WebLogic管理者資格証明」および「作業ディレクトリ」の値を選択します。

    注意:

    スクリプトをコピーし、アーカイブを生成するために、エージェントの一時ステージング・ディレクトリがデフォルトで使用されます。このディレクトリに十分な権限または領域がない場合、ユーザーは別のディレクトリを指定できます。

  9. 「ソフトウェア・ライブラリのアップロード場所」で、ソフトウェア・ライブラリ・ストレージの詳細を選択します。有効なストレージ・タイプおよびアップロードの場所を指定してプロファイルを更新してください。
  10. 「作成」をクリックします。

    注意:

    WebLogicドメイン・パーティションのエクスポート操作は、EMCLI動詞create_partition_profileを使用して実行できます。Oracle® Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースのcreate_partition_profileを参照してください。

「Middlewareプロビジョニング」ページで作成されたプロファイルを表示できます。新規プロファイルが「プロファイル」表に表示されるので、詳細を表示するプロファイルの名前を選択します。

31.3 WebLogicドメイン・パーティションのインポート

注意:

WebLogicドメイン・パーティションのインポート機能は、WLSバージョン12.2.1.0.0以降でサポートされます。

ドメイン・パーティションを既存のWebLogicドメインにインポートするには、次の手順に従います。

  1. 「ターゲット」メニューから、「ミドルウェア」を選択します。
  2. 「ターゲット・タイプ」を展開し、WebLogicのオプションをチェックしてWebLogicターゲットのリストを表示します。
  3. WebLogicドメイン・パーティションをインポートするには、パーティションをインポートするドメインを右クリックします。
  4. 「プロビジョニング」メニューから、「WebLogicドメイン・パーティションのインポート」を選択します。

    「Middlewareプロビジョニング」ページからWebLogicドメイン・パーティションをインポートすることもできます。「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「Middlewareプロビジョニング」をクリックします。「プロファイル」テーブルでプロファイルを選択し、「パーティションのインポート」ボタンをクリックします。プロファイルは、ドメインのエクスポートまたはパーティションのエクスポートにより作成しておく必要があります。

  5. 「一般」タブの「WebLogicドメインのパーティション・プロファイル」フィールドで、プロファイルを選択します。
  6. 「表示」アイコンをクリックしてプロファイル詳細を表示します。
  7. プロファイルの選択では、次のフィールドの値が事前に指定されています。
    • WebLogicドメイン・パーティション

    • 仮想ターゲット

    • データベース

    注意:

    「データベース」フィールドは、ソース・パーティションにデータ・ソースがある場合にのみ入力されます。

  8. プロファイルの詳細は、「WebLogicドメインのパーティション・プロファイル」フィールドの横にある表示アイコンをクリックすることで表示できます。詳細には、「データソース」、「JMSサーバー」、「アプリケーション」および「仮想ターゲット」に関する情報が含まれます。

    拡張構成を作成する場合、「カスタムJSONファイルの使用」をクリックし、有効な形式のカスタムJSONファイルの場所を「JSONファイルの場所」フィールドに入力します。

    注意:

    JSONファイルはプロファイル・ビューアからダウンロードできます。プロファイル検索アイコンの横にある「表示」アイコンをクリックし、添付ファイル表からそれをダウンロードします。次にそれを変更し、ドメインの管理サーバーのホストにコピーし、その場所を「JSONファイルの場所」フィールドに指定します。

  9. フィールドに対して検索アイコンを使用して、フィールド「Oracleホーム資格証明」および「WebLogic管理者資格証明」に資格証明を入力します。
  10. 「パーティション名」フィールドに一意の名前を入力します。
  11. 「仮想ターゲット」タブの「ターゲット」フィールドで、ドロップ・ダウン・メニューから仮想ターゲットを選択します。指定するホスト名には、適切なサーバーまたはロード・バランサに解決されるDNSエントリが必要です。ホスト名を指定しない場合は、すべての着信リクエストに一致するようにホスト名にワイルドカードを使用するのと同等になります。

    注意:

    パーティションで、2つの仮想ターゲットを同じターゲットにマップすることはできません。

  12. 「データベース」タブで、「接続文字列」フィールドに対してデータベースを選択します。

    注意:

    これはオプションであり、ソース・パーティションにデータ・ソースがある場合にのみ実行する必要があります。スキーマがすでに作成されていること、サービスが稼働していること、およびデータベース・サービスがデータ・ソースに記載されているのと同じ名前を持つことを確認します。

    「ターゲットの選択」ウィンドウでターゲットを選択する際に、次のデータベース・タイプを使用できます。

    • クラスタ・データベース

    • データベース・インスタンス

    • プラガブル・データベース

  13. 「スキーマ・パスワード」フィールドに、パスワードを入力します。
  14. 「次へ」をクリックして、変更を確認します。

WebLogicドメイン・パーティションのインポート操作も、EMCLI動詞を使用して実行できます。次の手順を実行します。

  1. WebLogicドメイン・パーティションをインポートするために、汎用submit_procedure EMCLI動詞を使用します。目的のドメイン・ターゲットからインポート・パーティション・ユーザー・インタフェースを起動します。

  2. 必要なすべての詳細を入力します。

  3. 次のページにナビゲートします。

  4. 「保存」をクリックします。

  5. 一意のSAVED_CONFIG_NAMEを入力します。

  6. 次のコマンドを実行します。

    emcli describe_procedure_input -name=SAVED_CONFIG_NAME > input.properties

  7. パスワードなどの秘密の変数のコメントを解除して値を入力します。

  8. 次のコマンドを実行してプロシージャを発行します。

    emcli submit_procedure -name=ProvisionPartition -input_file=data:input.properties [-instance_name=UNIQUE_SUBMISSION_NAME]

注意:

動詞の詳細は、Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースのデプロイメント・プロシージャの動詞を参照してください。