この章では、Oracle WebLogicドメイン・パーティションのエクスポートおよびインポートの概要について説明します。Oracle WebLogic Serverは、WebLogicドメイン・パーティション機能をサポートします。パーティション機能は、WebLogic Serverマルチテナント機能を介して導入およびサポートされています。ドメイン内のパーティションを持つより少ないドメインにアプリケーションを統合して、保護された分離を維持します。これにより、効率性が向上してコストが削減されます。WebLogic Serverマルチテナントの詳細は、Oracle® Fusion Middleware WebLogic Serverマルチテナントの使用のWebLogic Serverマルチテナントに関する項を参照してください。WebLogicドメイン・パーティションは、WebLogic Serverドメイン間でエクスポートおよびインポートできます。エクスポートまたはインポートは、別々のEnterprise Managerデプロイメントに存在するドメイン間でもサポートされます。この章の具体的な内容は次のとおりです。
ドメイン・パーティション(短縮形はパーティション)は、WebLogicドメインの管理上および実行時のスライスです。マルチテナントは、複数の組織で使用する共有インフラストラクチャを提供します。これらの組織はテナントの概念的なグループです。単一のドメイン内で複数のテナントがサポートされます。密度を向上させ、リソースのより効率的な使用を実現し、複数アプリケーションの共有に関連する次の障害を排除します。
実行時のアプリケーション間の影響
セキュリティの違い
データの混合
管理の課題
ドメイン・パーティションは、個別に管理できるドメインの管理部分であり、ドメイン内のランタイム機能、つまり管理対象サーバーおよびクラスタを共有できます。各ドメイン・パーティションには、独自のアプリケーションおよびリソースのランタイム・コピーが含まれます。アプリケーションの分離と効率を提供します。アプリケーションを変更せずに、アプリケーションの複数のインスタンスを異なるドメイン・パーティション内で実行できます。
ドメイン・パーティションは、より少ないサーバーおよびドメイン・リソースを使用します。これにより、Software As a Service (SaaS)およびPlatform As a Service (PaaS)アプリケーションの管理を簡略化できます。
Oracle WebLogic Serverは、WebLogicドメイン・パーティション機能をサポートします。単一のWebLogicドメインに複数のパーティションを含めることができ、各パーティションがJDBC、JMS、SAF、アプリケーション、セキュリティ・レルムなどのサービスの独自のセットを持つことができます。Oracle WebLogic Multitenant Serverは、WebLogicドメインの管理およびランタイム・スライスであるドメイン・パーティション内のリソースの分離を提供します。テナントのアプリケーション・インスタンスおよび関連リソースを実行します。ドメイン・パーティションは、アプリケーション・インスタンスと関連リソースがドメイン、WebLogic Server、Java仮想マシンおよびオペレーティング・システムを共有すると同時にテナント固有のアプリケーション・データ、構成およびランタイム・トラフィックを分離できるようにすることで、大幅な密度の向上を実現します。
パーティションには、1つ以上のリソース・グループを含めることができます。これらのリソース・グループは、テンプレートに変換できます。ドメイン・パーティションをエクスポートし、新規または同じドメインにインポートできます。このエクスポートまたはインポート機能は、パーティションの一部であるサービスおよびアプリケーションを移動します。この機能は、パーティションをオンデマンドでプロビジョニングするためにEnterprise Managerによって主に使用されます。WebLogicドメイン・パーティション機能の主な機能と制限は次のとおりです。
パーティションのエクスポートまたはインポートがサポートされます。
空のパーティションは作成できません。
ドメインから一度に1つのパーティションをエクスポートできます。
1つのパーティションを一度に1つのドメインにインポートできます。
ドメインで実行されているアプリケーションおよびサービスはパーティションとともにクローニングされます。これらは削除できず、プロビジョニング中に新規に追加することもできません。
注意:
WebLogicドメイン・パーティションのエクスポート機能は、WLSバージョン12.2.1.0.0以降でサポートされます。
ドメイン・パーティションをエクスポートするには、次の手順に従います。
「Middlewareプロビジョニング」ページで作成されたプロファイルを表示できます。新規プロファイルが「プロファイル」表に表示されるので、詳細を表示するプロファイルの名前を選択します。
注意:
WebLogicドメイン・パーティションのインポート機能は、WLSバージョン12.2.1.0.0以降でサポートされます。
ドメイン・パーティションを既存のWebLogicドメインにインポートするには、次の手順に従います。
WebLogicドメイン・パーティションのインポート操作も、EMCLI動詞を使用して実行できます。次の手順を実行します。
WebLogicドメイン・パーティションをインポートするために、汎用submit_procedure
EMCLI動詞を使用します。目的のドメイン・ターゲットからインポート・パーティション・ユーザー・インタフェースを起動します。
必要なすべての詳細を入力します。
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「保存」をクリックします。
一意のSAVED_CONFIG_NAME
を入力します。
次のコマンドを実行します。
emcli describe_procedure_input -name=SAVED_CONFIG_NAME > input.properties
パスワードなどの秘密の変数のコメントを解除して値を入力します。
次のコマンドを実行してプロシージャを発行します。
emcli submit_procedure -name=ProvisionPartition -input_file=data:input.properties [-instance_name=UNIQUE_SUBMISSION_NAME]
注意:
動詞の詳細は、Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースのデプロイメント・プロシージャの動詞を参照してください。