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Oracle® Site Guard管理者ガイド
13c リリース3
E98541-01
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3 Oracle Site Guardのインストールと準備

この項では、Oracle Site Guardをインストールして、Enterprise Manager Cloud Control環境での操作のために準備する方法について説明します。

3.1 Oracle Site Guardのインストール

Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)またはOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してOracle Site Guardをインストールおよび管理する方法について説明します。

Oracle Site Guardは、Enterprise Manager Cloud Control 13cR3 Fusion Middlewareプラグイン13.3.1.0.0に含まれています。

EMCLIまたはOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、Oracle Site Guard構成を管理できます。

Oracle Site Guardをインストールするには、次のようにします。

  • Oracle Fusion Middlewareエンタープライズ・デプロイメントに、Enterprise Manager Cloud Control 13c R3 Fusion Middlewareプラグイン13.3.1.0.0をインストールします。Enterprise Manager Cloud Control 13cR3 Fusion Middlewareプラグイン13.3.1.0.0のインストールの詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドを参照してください。

    注意:

    『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のOracle Management Agentのインストールに関する項に従って、Enterprise Managerが管理する各ホストにOracle Management Agent (Enterprise Manager Agent)がインストールされていることを確認してください。

  • 『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』 の説明に従って、EMCLIをインストールします。

    注意:

    Oracle Management Serviceがインストールされている場所と同じOracleホームにEM CLIをインストールすることをお薦めします。たとえば、OMS_HOME/bin/emcliにインストールします。

3.2 操作のためのOracle Site Guardの準備

操作のためにOracle Site Guardを準備します。

Oracle Site Guardのインストール後、次の必須タスクを完了して、操作のためにOracle Site Guardを準備します。

3.2.1 プライマリ・サイトおよびスタンバイ・サイトでのターゲットの検出

Oracle Site Guardを開始するには、最初にOracle Site Guardの保護対象となるプライマリ・サイトとスタンバイ・サイトですべてのターゲットを検出します。

プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトのターゲットを検出するには、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイドで説明されているターゲットの検出および監視の手順を完了します。

Oracle Enterprise Managerで次のターゲット・タイプを検出します。

  • Oracle Fusion Applications

  • Oracle Fusion Middlewareファーム/WebLogicドメイン

  • Oracle HTTP ServerおよびOracle Fusion MiddlewareファームのOracle Internet Directory部分などのOracle Fusion Middleware管理システム・コンポーネント

  • Real Application Cluster (RAC)データベース

  • 単一インスタンス・データベース

サイトは、検出するターゲットで稼働している必要があります。これは、サイトが本番サイトとして機能することを意味します。2サイトのデプロイメントでは、プライマリ・サイトのターゲットが先に検出され、次にスタンバイ・サイトのターゲットが検出されます。スタンバイ・サイトが本番ロールを引き継ぐように、プライマリ・サイトでターゲットを検出した後、スイッチオーバーの実行に関する項の説明に従って、手動でスイッチオーバー操作を実行する必要があります。次に、プライマリ・サイトと同様に、スタンバイ・サイトのターゲットを検出する必要があります。

注意:

スタンバイ・サイトでターゲットを検出したら、プライマリ・サイトに本番ロールを引き継ぐために、Oracle® Fusion Middlewareディザスタ・リカバリ・ガイドのスイッチオーバーの実行に関する項の説明に従って、Oracle Site Guardを使用してプライマリ・サイトへのスイッチ・バック操作を実行できます。構成プロセス中に手動でのみスイッチオーバーおよびスイッチバックを実行する必要があります。

3.2.2 Oracle Site Guard管理者ユーザーの作成

Oracle Site Guard固有のユーザーおよび管理者を作成して障害時リカバリ操作を管理することをお薦めします。

Enterprise ManagerスーパーユーザーではないユーザーおよびEM_SG_ADMINISTRATORロールが割り当てられていないユーザーは、Oracle Site Guardの機能にアクセスできません。

Oracle Site Guard管理者に対する次の権限制限と、それらがEnterprise Managerスーパーユーザーにどのような影響を及ぼすかに注意する必要があります。

  • Oracle Site Guard管理者は、自身が所有する操作計画のみを、表示、変更および実行できます。管理者は、他のOracle Site Guard管理者またはスーパーユーザーが所有する操作計画を、表示、変更または実行することはできません。

  • スーパーユーザーは、すべてのOracle Site Guard管理者および他のスーパーユーザーを含む任意のユーザーが所有する操作計画を、表示、変更および実行できます。

これらの制限をデプロイメントで受け入れることができない場合は、Oracle Site Guard管理者ユーザーを作成する手順を省略し、組込みのスーパーユーザー・ロールを使用してOracle Site Guardの機能にアクセスします。

1つ以上のOracle Site Guard管理者ユーザーを作成するには、次のいずれかの方法を使用します。

3.2.2.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用したOracle Site Guard管理者ユーザーの作成

Enterprise Manager Cloud Controlを使用してOracle Site Guard管理者を作成する方法について説明します。

Enterprise Manager Cloud Controlを使用してOracle Site Guard管理者ユーザーを作成するには、次の手順を実行します。

  1. スーパーユーザーとしてEnterprise Managerにログインします。

  2. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「管理者」の順に選択します。

  3. 「管理者」ページで「作成」をクリックします

  4. 管理者の作成ウィザードで次を実行します。

    1. 「プロパティ」ページで、次の手順を実行します。

      1. 名前SG_ADMINを指定します。

      2. パスワードを入力します。

      3. 確認のためにパスワードを再入力します。

    2. 必要に応じてその他のフィールドを変更し、「次」をクリックします。

    3. 「ロール」ページで、左側の「使用可能なロール」ペインからEM_SG_ADMINISTRATORロールを選択し、「移動」をクリックして、そのロールを右側の「選択したロール」ペインに追加します。

    4. 別のユーザーとしてプライマリおよびスタンバイ・サイトでターゲットを検出した場合、「ターゲット権限」ページでターゲット・レベル権限をOracle Site Guard管理者ユーザーに割り当ててください。

      1. 「すべてのターゲットに適用可能な権限」セクションの「完全な任意のターゲット」または「任意のターゲットの表示」権限を割り当てます。

      2. または、「ターゲット権限」を設定して、プライマリおよびスタンバイ・サイトの各ターゲットの表示権限または完全な権限を割り当てます。

    5. 「確認」画面で、ユーザー・アカウントに対し入力した情報を確認して、「終了」をクリックします。

3.2.2.2 Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースを使用したOracle Site Guard管理者ユーザーの作成

Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用してOracle Site Guard管理者を作成する方法について説明します。

Oracle Site Guard管理者を作成するには、(OMS_HOME/bin/emcliにある)次のEMCLIコマンドを実行します。

emcli create_user
       -name="SG_ADMIN"
       -password=password
       -roles="EM_SG_ADMINISTRATOR;EM_USER;PUBLIC"
パラメータ 説明

-name

Oracle Site Guard管理者ユーザーの名前を入力します。

-password

Oracle Site Guard管理者ユーザーのパスワードを入力します。

-roles

このユーザーに割り当てるロールのリスト。

EM_SG_ADMINSTRATOR;EM_USER;PUBLICと入力します。

create_userコマンドの詳細は、create_userに関する項を参照してください。

3.2.3 プライマリ・サイトおよびスタンバイ・サイトの作成

汎用システムを作成する方法と,それをプライマリ・サイトまたはセカンダリ・サイトとして使用する方法について説明します。

Oracle Site Guardにより管理される障害時リカバリ・サイトは、Enterprise Managerで汎用システム・ターゲット・タイプとしてモデル化されます。汎用システムを作成して、それをプライマリ・サイトおよびスタンバイ・サイトとして使用できます。使用する各汎用システムには、システムが示すサイトに関連するすべてのターゲットおよびOracle Fusion Middlewareファームおよびデータベースが含まれている必要があります。

汎用システムを作成するには、次のいずれかの方法を使用します。

3.2.3.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用した汎用システムの作成

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して汎用サイトを作成します。汎用サイトをプライマリ・サイトまたはセカンダリ・サイトとして使用できます。

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して汎用システムを作成するには、次の手順を実行します。

  1. スーパーユーザーとしてEnterprise Managerにログインします。
  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」をクリックします。
  3. ドロップダウン・メニューから「追加」をクリックして、「汎用システム」を選択します。
  4. 「一般」セクションに、プライマリ・システムまたはサイトの名前を入力します。
  5. ドロップダウン・メニューからタイムゾーンを選択します。
  6. 「メンバー」セクションで、「追加」をクリックします。
  7. プライマリ・システムの一部となるターゲットを選択して、「選択」をクリックします。一般的に追加されるターゲットの例を、次に示します。
    • 次を含むOracle Fusion Middlewareファーム

      • 管理サーバー

      • 管理対象サーバー

      • システム・コンポーネント(Oracle HTTP Serverなど)

    • Oracle RACデータベースを使用している場合は、次にこれをクラスタ・データベース・ターゲットと関連付ける必要があります。単一のデータベース・インスタンスの場合、そのインスタンスをデータベース・インスタンス・ターゲットに関連付ける必要があります。

    注意:

    次のターゲット・タイプが汎用システムに追加されていないことを確認します。

    • データベース・システム

    • 個々のRACデータベース・インスタンス

  8. 「次」をクリックします。

    「アソシエーションの定義」ページが表示されます。

  9. 「次」をクリックします。

    「可用性の基準」ページが表示されます。

  10. 「可用性の基準」から、「任意のキー・メンバー」オプションを選択し、「メンバー」ペインでターゲットをダブルクリックします。選択したメンバーが「メンバー」ペインから削除され、「キー・メンバー」ペインに追加されます。
  11. 「次」をクリックします。

    「グラフ」ページが表示されます。

  12. 「次」をクリックします。

    「確認」ページが表示されます。

  13. 設定を確認して「終了」をクリックします。

3.2.3.2 Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースを使用した汎用システムの作成

Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用して汎用サイトを作成し、それをプライマリ・サイトまたはセカンダリ・サイトとして使用します。

汎用システムを作成するには、(OMS_HOME/bin/emcliにある)次のEMCLIコマンドを実行します。

注意:

新しいEMCLIクライアントの設定の詳細は、Cloud Controlコンソール内の「Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースのダウンロード」ページを参照してください。このページにアクセスするには、「Cloud Control」「設定」メニューから、「コマンドライン・インタフェース」をクリックします。

emcli create_system
      -name="name"
      -type=generic_system
      -add_members="name1:type1;name2:type2;..."]...
      -timezone_region="actual_timezone_region"

注意:

ターゲットのステータスおよびアラート情報を取得するには、emcli get_targetsコマンドを実行します。Enterprise Managerコマンドラインの詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』Verbリファレンスに関する項を参照してください。

パラメータ 説明

-name

システム名を入力します。

-type

タイプとしてgeneric_systemを入力します。

-add_members

既存のターゲットをシステムに追加します。各ターゲットは、名前と値のペアtarget_name:target_typeで指定します。このオプションは、複数回指定できます。

-timezone_region

タイムゾーン・リージョンを指定します。ここで指定するタイムゾーンは、このシステムでのジョブやブラックアウトなどのスケジュール操作に使用されます。

create_systemに関する項も参照してください。

3.2.4 資格証明の作成

資格証明は、Oracle Site Guardに関連付けられたターゲット(ホスト、サーバーおよびデータベース)にアクセスするために必要です。

Oracle Site Guardに関連付けられている次のターゲットに対して、名前付き資格証明または優先資格証明を作成、委任できます。

  • ホスト(通常または非ルート・ユーザー用)

  • ホスト(root権限を持つユーザー用)

  • Oracle Node Manager (Oracle Weblogicドメインをターゲット・タイプとして、ノード・マネージャを資格証明タイプとして使用)

  • Oracle Weblogic Server

  • Oracle Database (SYSDBA)

この項の内容は次のとおりです。

注意:

作成した資格証明をOracle Site Guard構成に関連付ける必要があります。Oracle Site Guardは、同じターゲット・タイプのすべてのターゲットに対して同じ資格証明を指定できます。たとえば、システム内のすべてのデータベースでは、同じsysdba資格証明を使用できます。また、Oracle Site Guardでは、同じタイプのターゲットで異なる資格証明を使用することもできます。

プライマリ・サイトおよびスタンバイ・サイトのすべてのターゲット間で資格証明が同じである場合、スタンバイ・サイトで実行中のターゲットの資格証明を作成する必要はありません。

3.2.4.1 名前付き資格証明の作成

Enterprise Manager Cloud ControlコンソールまたはEMCLIコマンドを使用して名前付き資格証明を作成する方法について説明します。

次のタスクで説明するように、Enterprise Manager Cloud ControlコンソールまたはEMCLIコマンドを使用して名前付き資格証明を作成できます。

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して名前付き資格証明を作成するには、次の手順を実行します。

  1. できればEM_CLOUD_ADMINISTRATORユーザーとして、Enterprise Managerにログインします。

  2. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「名前付き資格証明」の順に選択します。

    「名前付き資格証明」ページが表示されます。

  3. 「作成」をクリックします。

    「資格証明の作成」ページが表示されます。

  4. 「一般プロパティ」セクションで、次のように指定します。

    • 資格証明名: 資格証明の名前を入力します。

    • 資格証明の説明: 資格証明の説明を入力します。

    • 認証ターゲット・タイプ/資格証明のタイプ/有効範囲: 次の表に示す詳細を入力します。

      要素 ホスト ホスト(rootユーザー権限) Oracle Node Manager Oracle WebLogic Server データベース・インスタンス

      認証ターゲット・タイプ

      ホスト

      ホスト

      Oracle WebLogicドメイン

      Oracle WebLogic Server

      データベース・インスタンス

      資格証明タイプ

      ホスト資格証明

      ホスト資格証明

      ノード・マネージャ資格証明

      Oracle WebLogic資格証明

      データベース資格証明

      有効範囲

      グローバル

      グローバル

      グローバル

      グローバル

      グローバル

    • これらの資格証明が、選択した認証ターゲット・タイプのすべてのターゲットに対して有効な場合は、「有効範囲」「グローバル」に設定します。

      これらの資格証明が特定のターゲットに対してのみ有効な場合は、「有効範囲」「ターゲット」に設定し、「ターゲット・タイプ」フィールドと「名前」フィールドを特定のターゲットに一致するように設定します。

  5. 「資格証明プロパティ」セクションで、次のように指定します。

    • ユーザー名: ユーザー名を入力します。

    • パスワード: パスワードを入力します。

    • パスワードの確認: パスワードを再度入力します。

    • 実行権限: 次の表に示す詳細を入力します。

      要素 ホスト ホスト(root権限を持つユーザー) Oracle WebLogic Server データベース・インスタンス

      実行権限

      なし

      「sudo」を選択して、「別名実行」フィールドに値を入力します

      Oracle WebLogic Server管理ユーザーの資格証明

      Oracle Database SYSユーザー資格証明

      注意:

      Oracle Site Guardで使用する資格証明が、rootとして実行するためにsudo権限を使用するよう構成されている場合、sudo権限は、ターゲットの関連ホストで稼働するすべてのエージェントで、PDP (権限委任プロバイダ)として構成されている必要があります。

      PDP (権限委任プロバイダ)はEnterprise Manager Cloud Controlコンソールから構成できます。PDPを構成するには、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールで「設定」「セキュリティ」「権限委任」を選択します。

  6. Oracle Site Guard管理者以外のユーザーとしてこの資格証明を作成する場合、資格証明を使用するOracle Site Guard管理者への資格証明を表示するアクセス権を付与する必要があります。アクセス権を提供するには、「Oracle Site Guard管理者ユーザーへの資格証明権限の付与」の手順を使用します。

    アクセス権を提供するには、「アクセス制御」セクションの次の手順を実行します。

    1. 「権限の追加」をクリックします。「権限の追加」ポップアップ・ウィンドウが表示されます。

    2. Oracle Site Guard管理者ユーザーの作成中に作成したすべてのOracle Site Guard管理者ユーザーの行を選択します。「Oracle Site Guard管理者ユーザーの作成」を参照してください。

    3. 「選択」をクリックします。

    4. 選択したユーザーが「アクセス制御」表の権限受領者のリストに表示されていることを確認します。

  7. 「テストと保存」をクリックします。資格証明をテストするには、ドロップダウン・メニューから、資格証明のテスト対象について適切な「ターゲット・タイプのテスト」を選択し、「ターゲット名のテスト」を指定します。

EMCLIを使用して名前付き資格証明を作成するには、次のようにします。

emcli create_named_credential
         -cred_name="cred_name"
         -auth_target_type="auth_target_type"
         -cred_type="cred_type"
         -attributes="p1:v1;p2:v2"
パラメータ 説明

cred_name

この資格証明セットの名前を設定します。

auth_target_type

認証ターゲット・タイプを設定します。

cred_type

ターゲット/資格証明セットの資格証明タイプを設定します。

attributes

次の資格証明列の値を入力します。

colname:colvalue;colname:colvalue

セパレータの値を変更するには、-separator=attributes=newvalueを使用します。サブセパレータの値を変更するには、-subseparator=attributes=newvalueを使用します。

3.2.4.2 優先資格証明の作成

Enterprise Manager Cloud ControlコンソールまたはEMCLIコマンドを使用して優先資格証明を作成する方法について説明します。

次のタスクで説明するように、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して優先資格証明を作成し、EMCLIコマンドを使用してそれらを優先資格証明のターゲットとして設定できます。

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して優先資格証明を作成するには、次のようにします。

  1. スーパーユーザーまたはEM_CLOUD_ADMINISTRATORとしてEnterprise Managerにログインします。
  2. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「優先資格証明」の順に選択します。

    「優先資格証明」ページが表示されます。

  3. ターゲット・タイプを選択して、「優先資格証明の管理」をクリックします。ターゲット固有の「優先資格証明」ページが表示されます。
  4. 「デフォルトの優先資格証明」表から資格証明のタイプを選択して、「設定」をクリックします。「名前付き資格証明の選択」ポップアップ・ウィンドウが表示されます。
  5. 優先資格証明にする既存の名前付き資格証明を選択して、「保存」をクリックします。
    1. 「新規」を選択して、優先資格証明として設定する新しい名前付き資格証明を作成します。

    2. 資格証明のユーザー名とパスワードを入力します。

    3. 資格証明の名前を入力して、「別名保存」を選択します。指定した名前で資格証明が保存されます。

    4. 「テストと保存」をクリックします。

EMCLIを使用して名前付き資格証明をターゲット優先資格証明として設定するには、set_preferred_credentialコマンドを使用します。

注意:

オラクル社では、emcliコマンドを使用して優先資格証明を作成することをお薦めします。

emcli set_preferred_credential 
        -set_name="set_name"
        -target_name="target_name"
        -target_type="type"
        -credential_name="name"
        [-credential_owner ="owner"]

注意:

[]は、オプションのパラメータであることを示します。

パラメータ 説明

set_name

この資格証明セットの優先資格証明を設定します。

target_name

ソフトウェア・ライブラリの場所へのパスを設定します。

target_type

ターゲットまたは資格証明セットのターゲット・タイプ。

credential_name

資格証明の名前。

credential_owner

資格証明の所有者。現在ログインしているユーザーがデフォルトに設定されます。

例:

emcli set_preferred_credential 
        -set_name="HostCredsNormal"
        -target_name="test.example.com"
        -target_type="host"
        -credential_name="MyHostCredentials"
        -credential_owner="Admin"

3.2.5 Oracle Site Guard管理者ユーザーへの資格証明権限の付与

名前付き資格証明は、障害時リカバリ操作でターゲットにアクセスして管理するためのOracle Site Guard管理者権限を付与するために使用されます。

「名前付き資格証明の作成」の説明に従って作成および構成した名前付き資格証明は、障害時リカバリ操作中にアクセスの付与およびターゲットの管理のために使用されます。「Oracle Site Guard管理者ユーザーの作成」の説明に従って作成したOracle Site Guard管理者に、それらの名前付き資格証明を使用して権限を割り当てる必要があります。

Oracle Site Guard管理者に権限を付与するには、「Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用した資格証明権限の付与」を参照してください。

3.2.5.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用した資格証明権限の付与

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して権限を付与する方法について説明します。

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して資格証明権限を付与するには、次のようにします。

  1. スーパーユーザーまたはEM_CLOUD_ADMINISTRATORとしてEnterprise Managerにログインします。
  2. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「名前付き資格証明」の順に選択します。

    「名前付き資格証明」ページが表示されます。

  3. 付与の対象となる名前付き資格証明を選択して、「アクセスの管理」をクリックします。その資格証明の「アクセスの管理」ページが表示されます。
  4. 「権限の追加」をクリックします。
  5. ポップアップ・ウィンドウで、権限の付与先となるOracle Site Guard管理者を選択します。次に、「選択」をクリックします。
  6. 「保存」をクリックして、選択した管理者に付与された権限を保存します。

3.2.6 ソフトウェア・ライブラリ記憶域の場所の構成

Oracle Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリ(ソフトウェア・ライブラリ)は、Oracle Enterprise Managerとそのプラグインによって使用されるスクリプトおよびアーティファクトを格納するリポジトリです。

このリポジトリには、サイト・ガードの操作計画を実行するために必要なスクリプトが含まれています。ソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所は、Oracle Enterprise Managerを最初にインストールして設定するときに1回のみ構成する必要があります。

ソフトウェア・ライブラリの詳細とソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所が構成済かどうかを判断する方法の詳細は、ソフトウェア・ライブラリの構成に関する項を参照してください。

ソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所を構成するには、次のいずれかの方法を使用します。

3.2.6.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用したソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所の構成

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用してソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所を構成する方法について説明します。

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用してOracleソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所を構成するには、次のようにします。

注意:

Oracleソフトウェア・ライブラリの構成は、1回のみのプロセスです。Enterprise Managerでは、デプロイメント・プロシージャ関連タスクを続行する前にOracleソフトウェア・ライブラリを設定する必要があります。Oracleソフトウェア・ライブラリがまだ構成されていないことを確認してから、この項に示す手順を実行します。

  1. Enterprise ManagerにEM_CLOUD_ADMINISTRATORユーザーとしてログインします。

  2. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「ソフトウェア・ライブラリ」の順に選択します。

    「ソフトウェア・ライブラリ: 管理」ページが表示されます。

  3. 「記憶域のタイプ」ドロップダウン・ボックスから、「OMS共有ファイル・システム」を選択します。

  4. 「追加」をクリックします。

  5. すべてのOMSユーザーからアクセスできる名前および場所を指定して、「OK」をクリックします。

    注意:

    ソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所は、すべてのOMSからローカル・ディレクトリと同じようにアクセスできる必要があるため、複数OMSのシナリオでは、OCFS2またはNFSを使用したクラスタ・ファイル・システムを設定する必要があります。単一のOMSシステムでは、任意のローカル・ディレクトリでかまいません。

Oracle Enterprise Managerにより、指定した場所にソフトウェア・ライブラリのコンテンツをアップロードする新しいジョブの実行が開始されます。

注意:

ソフトウェア・ライブラリの詳細は、ソフトウェア・ライブラリの構成に関する項を参照してください。

3.2.6.2 Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースを使用したソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所の構成

Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用してソフトウェア・ライブラリの記憶域の場所を構成する方法について説明します。

EMCLIを使用してOracleソフトウェア・ライブラリのソフトウェア・ライブラリ内の記憶域の場所を構成するには、次のようにします。

emcli add_swlib_storage_location 
       -name="name_of_software_library" 
       -path="path_to_the_software_library_location"
パラメータ 説明

name

ソフトウェア・ライブラリの名前。

path

ソフトウェア・ライブラリの場所へのパス。

次に例を示します。

emcli add_swlib_storage_location 
       -name="Softlib" 
       -path="/u01/em/swlib"

3.2.7 データベースおよびData Guard構成の確認

Oracle Site Guardは、Oracle Data Guardを使用してデータベースのスイッチオーバーおよびフェイルオーバー操作を実行します。Oracle Site Guardが障害時リカバリ操作中にデータベース操作を実行できるようにします。

Oracle Site Guardが障害時リカバリ操作中にデータベース操作を実行できるようにするには、次のようにします。

  1. フラッシュバック・リカバリがプライマリおよびスタンバイ・データベースの両方で構成および有効化されていることを確認します。フラッシュバックが正しく構成されていない場合、フェイルオーバー操作後にスタンバイ・データベースを再作成する必要があります。フラッシュバックが正しく構成されている場合は、フェイルオーバー操作後にData Guard Brokerでスタンバイ・データベースを簡単に復元できます。フラッシュバックはフェイルオーバー操作のためにのみ有効にする必要があり、スイッチオーバーには必要ありません。
  2. Oracle Data Guardがプライマリおよびスタンバイ・データベース(単一インスタンスまたはRAC)で機能していることを確認することによって、ステータスとその構成を確認します。
  3. サイト・ガード外部のOracle Data Guardスイッチオーバーおよびフェイルオーバー操作を実行できることを確認します(たとえば、DGMGRLユーティリティを使用します)。