注意:
代替データベースの構成を進める前に、構成のバックアップを作成することをお薦めします。 構成をバックアップするには、「構成」→「システム」→「メンテナンス」、「バックアップとリストア」の順に選択します。
デフォルトでは、エンリッチ・データ・エクスポート・ファシリティを使用する場合、レポータが使用するものと同じデータベース・インスタンスにデータがエクスポートされます。 ただし、エンリッチされたデータ・エクスポート用に代替データベース・インスタンスを構成することをお薦めします。 この理由は、次のとおりです。
エクスポートしたデータにアクセスするためのSQLクエリーによって、データベースに多大なパフォーマンス・オーバーヘッドがかかってしまいます。 大量のデータ処理や複雑なSQLクエリーの実行が必要な場合、またはエクスポートしたデータに対して特定の期間内に何度かクエリーを実行しなければならない場合は、別なデータベースを使用することで、パフォーマンスが大幅に向上します。
別なエクスポート・データベース・インスタンスを使用することで、RUEIデプロイメントへの影響を最小限に抑え、管理も簡単になります。 特にデータベースのサイズ設定やバックアップが簡単になります。
代替エクスポート・データベースを使用する場合、これをOracle Databaseバージョン11gR1、11gR2または12cリリース1にする必要があり、この付録の残りの部分で説明する設定手順を開始する前にOracle Databaseソフトウェアのインストールを完了している必要があります。 Oracleデータベース管理の高度な知識を想定していることに注意してください。
この付録で説明している設定手順は、いくかの設定を示しています(RUEI_DB_TNSNAME_BI
など)。 これらは表2-3で説明しています。
代替エンリッチ・データ・エクスポート・データベースへの移行
エンリッチ・データのエクスポートをデータベース間で移行する場合、前のデータベースに現在保存されているエクスポート・データは新しいデータベースに自動的に移行されません。 定義されているデータ保存ポリシーは前のデータベースでは有効ではなくなくなるため、履歴データは前のデータベースに残ります。 適宜必要な表を前のデータベースから手動でパージする必要があります。
エクスポート・データへのアクセス
エクスポート・データベース内のデータへのアクセスは、SQLを使用して行うことができます。 エクスポートしたデータにアクセスするためのSQLクエリーによって、エクスポート・データベースに多大なパフォーマンス・オーバーヘッドがかかることがあります。 したがって、SQLクエリーの設計を慎重に確認して、オーバーヘッドを最小限にすることをお薦めします。 特に、戻されたデータから、外部分析に不要な表の列を除外しておく必要があります。 さらに、特定の期間に実行するSQLクエリー数を最小化する必要があります。 特に、同じデータを複数回問い合わせないようにしてください。
この項では、別のデータベース・サーバーのデータベース・インスタンスを設定するために従う必要がある手順について説明します。
次の説明では、Oracleデータベース・インスタンスをコマンド行で作成することを想定しています。 ただし、適切なユーティリティを使用して、必要なパラメータを指定できます。 次を実行します。
oracle
ユーザーとして代替データベース・システムにログインし、次のコマンドを実行します:
dbca -silent -createDatabase -gdbNameEXPORT_DATABASE_NAME
\ -sidEXPORT_DATABASE_NAME
-characterSet AL32UTF8 \ -templateName Data_Warehouse.dbc -databaseType DATA_WAREHOUSING \ -redoLogFileSize 500 -initParams recyclebin=off -initParams audit_trail=none
ここで、
EXPORT_DATABASE_NAME
は、リテラルのエクスポート・データベース・インスタンス名を指定します。
パフォーマンス上の理由から、recyclebin
およびaudit_trail
機能は無効にしておくことをお薦めします。
文字セット・インスタンスは、ALT32UTF8
として指定する必要があります。
パフォーマンス上の理由から、圧縮された表領域を使用することをお薦めします。 次を実行します。
代替データベース・サーバーでシステム管理者として次のSQLコマンドを実行して、USERS
表領域で圧縮を有効にします:
alter tablespace USERS default compress;
デフォルトでは、USERS
表領域に1つの32GBデータファイルが作成されます。 ほとんどのデプロイメントでは、次のSQLコマンドを実行して、追加の表領域を追加する必要があります:
alter tablespace USERS add datafile 'user02.dbf' size 5M autoextend on;
前述のコマンドでは、デフォルトのデータファイルのロケーションを指定しています。 別な場所を任意に指定できます。
デフォルトでは、Oracleデータベースの保守タスクは22:00に実行するように設定されています。 これはデータベース全体のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことがあります。 したがって、監視する環境内でのトラフィック量と、エクスポート・データベース表の読取りスケジュールのプロセスによっては、トラフィック/ロード量の少ない時間帯(たとえば03:00)に、この種の保守タスクのスケジュールを変更する必要があるかもしれません。 詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
代替データベースにアクセスするには、正式な権限を持つユーザーを作成する必要があります。 次を実行します。
代替データベース・サーバーで次のコマンドを実行し、最低限の必要な権限でRUEIデータベース・ユーザーを作成します:
create userRUEI_DB_USER_BI
identified by "password
" default tablespace USERS temporary tablespace TEMP profile DEFAULT quota 50G on USERS; alter profile DEFAULT limit PASSWORD_LIFE_TIME unlimited; grant create session, create table toRUEI_DB_USER_BI
;
ここで、
RUEI_DB_USER_BI
は、エクスポート・データベース・ユーザー名を指定します。
password
では、必要なパスワード変数が指定されます。
この項では、レポータおよび処理エンジン・システムを別のデータベース・サーバーに接続するために従う必要がある手順について説明します。 この手順は、レポータ・システムに従う必要があります。
代替Oracleデータベースを定義したら、接続データの設定が必要です。 これには、レポータ・システムのRUEIデータ・ディレクトリ(RUEI_DATA
)に、sqlnet.ora
とtnsnames.ora
の2つのファイルが必要です。 次を実行します。
sqlnet.ora
ファイルに次が含まれていることを確認します。
NAMES.DIRECTORY_PATH = (TNSNAMES)
SQLNET.WALLET_OVERRIDE = TRUE
WALLET_LOCATION = (SOURCE=(METHOD=FILE)(METHOD_DATA=(DIRECTORY=Act number : 12061130003875Name : Pavithra Mendon IFSC -
hdfc0001206
)))
DIAG_SIGHANDLER_ENABLED = FALSE
DIRECTORY
設定が、/etc/ruei.conf
ファイルで指定されたRUEIデータ(RUEI_DATA
)のディレクトリを指していることを確認します。
レポータ・システムでtnsnames.ora
ファイルを編集します。 次を追加する必要があります。
RUEI_DB_TNSNAME_BI
=(DESCRIPTION= (ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=BI_database_server
) (PORT=1521))) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=RUEI_DB_INST_BI
)))
ここで、
BI_database_server
では、エンリッチされた代替データ・エクスポート・データベース・サーバーのネットワーク・アドレス(ホスト名またはIPアドレス)が指定されています。
RUEI_DB_TNSNAME_BI
は、エクスポート・データベースの接続文字列を指定します。
RUEI_DB_INST_BI
は、エクスポート・データベース・インスタンス名を指定します。
HOST
設定がご使用のデータベースを示していることを確認します。 ホスト名を使用する場合は、/etc/hosts
の設定でも指定されていることを確認してください。 ただしIPアドレスも指定できます。
レポータでは、代替エンリッチ・データのエクスポート・データベースに対する非インタラクティブ・アクセスが必要です。 このために、Oracleオートログイン・ウォレットを使用してパスワードを安全に保存します。 レポータ・データベースに接続するために、ウォレットが存在していなければなりません。 次を実行します。
次のコマンドを実行して、新しい資格証明を既存のウォレット・ファイルewallet.p12
およびcwallet.sso
に追加します:
mkstore -wrlRUEI_DATA
-createCredentialRUEI_DB_TNSNAME_BI
RUEI_DB_USER_BI
ここで、
RUEI_DB_TNSNAME_BI
は、エクスポート・データベースの接続文字列を指定します。
RUEI_DB_USER_BI
は、リモート・データベースのユーザーを指定します。
RUEI_DB_USER_BI
のウォレット・パスワードとデータベース・パスワードの入力を求められます。
これらのファイルの権限が正しく設定されていることを確認します。 どちらのファイルにも、RUEI_USER
とRUEI_GROUP
の所有権が必要です。 ewallet.p12
ファイルはRUEI_USER
で読み取り可能である必要がありますが、どちらのファイルもRUEI_GROUP
によって読み取り可能である必要があります。
データベース・インスタンスが正しく設定されると、パスワードを入力しなくてもエクスポート・データベースにアクセスできるようになるはずです。 レポータ・システムのRUEI_USER
では、次のようにデータベース・インスタンスにアクセスできます:
sqlplus /@RUEI_DB_TNSNAME_BI
このステップが失敗する場合は、ここまでで説明した手順を慎重に確認してから次に進んでください。
エンリッチされたデータのエクスポート元となるレポータで、/etc/ruei.conf
構成ファイルを編集します。 RUEI_DB_TNSNAME_BI
設定を使用して、エクスポート・データベース接続文字列を指定します。 詳細は、「RUEI構成ファイルを確認」を参照してください。
注意:
上記の変更以外は、ruei.conf
ファイルは変更しないでください。
moniforce
ユーザーとしてログアウトし、再度ログインします。
次のコマンドを実行して、レポータ・システムで処理を再起動します:
project -restart