1 RESTのためのSODAの概要

RESTのためのSODAは、Representational State Transfer (REST)アーキテクチャ・スタイルを使用してSimple Oracle Document Access (SODA)を実装します。このAPIを使用して、あらゆる種類のドキュメントについて作成、読取り、更新および削除(CRUD)操作を実行することや、JSONドキュメントを問い合せることができます。

アプリケーションでは、このAPI操作を使用し、アプリケーションのオブジェクトや状態の永続化に使用するJSONオブジェクトを作成および操作できます。JSONドキュメントを生成するため、アプリケーションでJSONのシリアライズ技術を使用できます。アプリケーションでドキュメント・オブジェクトを取得すると、JSONパーサーにより、それがアプリケーション・オブジェクトに変換されます。

SODAはNoSQL形式のAPIセットであり、これを使用すると、Oracle Databaseでドキュメントのコレクションを作成および格納でき、Structured Query Language (SQL)や、ドキュメントのデータがどのようにデータベースに格納されているかを理解していなくても、そのコレクションの取得や問合せを実行できます。

RESTのためのSODAのコンテキストでは、コレクション内のドキュメントオブジェクトと呼ばれることもあります。通常、これはJSONドキュメントですが、MIME (Multipurpose Internet Mail Extensions)タイプ(イメージ、オーディオ、ビデオなど)も可能です。多くの場合、アプリケーションは特定のコレクションを使用して特定のタイプのドキュメントのインスタンスを保持します。したがって、SODAコレクションはリレーショナル・データベースの表に似ていますが、1つのデータベース列にはドキュメント・キーが格納され、もう1つの列にはドキュメントのコンテンツが格納されます。

次の内容を理解しておくと、ここで示す情報を活用できます。

  • Oracle Databaseリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)

  • JavaScript Object Notation(JSON)

  • Hypertext Transfer Protocol(HTTP)

このドキュメントのその他のトピックでは、RESTのためのSODAの様々な機能について説明します。

注意:

このマニュアルでは、RESTアプリケーションでのSODAの使用について説明します。RESTのためのSODAを使用するには、一般にSODAを理解する必要もあります。そのような一般的な情報については、Oracle Database Simple Oracle Document Access (SODA)の概要を参照してください。

関連項目:

1.1 Representational State Transfer (REST)アーキテクチャ・スタイルの概要

RESTアーキテクチャ・スタイルは、HTTP 1.1およびUniform Resource Identifier(URI)を定義するために使用されました。RESTベースのAPIはHTTPサーバーの提供する基本機能に非常によく似ており、ほとんどのRESTベースのシステムはHTTPクライアントとHTTPサーバーを使用して実装されています。

標準的なRESTの実装では、作成、読取り、更新、削除(CRUD)の操作が、HTTPの動詞であるPOSTGETPUTDELETEのそれぞれにマッピングされています。

RESTベース・システムの重要な特性は、ステートレスであるということです。サーバーは、クライアント・オブジェクトの状態の追跡や管理を行いません。RESTベースのサーバーに対して実行される各操作はアトミックです。それ自体が1つのトランザクションと考えられます。標準的なRESTベースのシステムでは、ロックや同時実行制御といったRDBMS環境で当然とされる多くの機能は、アプリケーションに管理が任されています。

RESTベースのシステムの主な利点は、そのサービスが、従来のプログラミング言語(C、C#、C++、JAVA、PL/SQLなど)および最新のスクリプティング言語(JavaScript、Perl、Python、Rubyなど)など、現代のプログラミング・プラットフォームのほとんどすべてから使用できることです。