本書は、既存の項の変更と、新規情報の追加に伴って、今後も引き続き更新されます。これまでの更新内容は次の表のとおりです。
日付 | 機能 | 備考 |
---|---|---|
2019年1月4日 | 初版作成。 |
このガイドは、Oracle Transportation and Global Trade Management Cloudリリース19Aの新機能や改善点に関して理解する必要がある情報の概要をまとめたものです。各項には、機能の簡単な説明、その機能を有効化または開始するために必要なステップ、ヒントや留意すべき考慮事項、および役に立つリソースが記載されています。
機能の有効化に必要なアクション |
||||
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機能 |
自動的に利用可 |
エンド・ユーザーのアクションが必要 |
管理者のアクションが必要 |
オラクル社へのサービス要求が必要 |
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この拡張では複数コンテナMIP (混合整数計画)アルゴリズムが強化されるため、使用する機材グループの数とコンパートメントの数の両方をできるだけ少なくして、コンテナの最適化問題を解決できます。
以前のバージョンの複数コンテナMIPアルゴリズムでは品目と機材グループの最適な割当しか提供されず、最適化がコンパートメント・レベルにまで達していませんでした。拡張された複数コンテナMIPアルゴリズムでは、品目と機材グループおよび品目とコンパートメントの割当を評価するため、必要なコンパートメントの数と使用する機材グループの数の両方を最小化できます。
たとえば、次のようになります。
2つの機材グループ(5つのコンパートメントがある機材グループ1と2つのコンパートメントがある機材グループ2)があるとします。
機材グループ1 | 最大重量(LB) | 機材グループ2 | 最大重量(LB) | |
コンパートメント番号1 | 5,000 | コンパートメント番号1 | 5,000 | |
コンパートメント番号2 | 9,000 | コンパートメント番号2 | 5,000 | |
コンパートメント番号3 | 8,000 | 容量 | 10,000 | |
コンパートメント番号4 | 4,000 | |||
コンパートメント番号5 | 5,000 | |||
容量 | 31,000 |
次の4オーダーを積載します。
オーダー | 重量(LB) |
オーダー番号1 | 12,980 |
オーダー番号2 | 8,800 |
オーダー番号3 | 3,960 |
オーダー番号4 | 4,840 |
合計 | 30,580 |
クイック梱包アルゴリズム・ソリューション(コンテナ最適化のデフォルト設定)では、2つの機材(1つの機材グループ1と1つの機材グループ2)が必要になり、オーダーは次のようにコンパートメントに積載されます。
クイック梱包アルゴリズム・ソリューション
機材グループ1 | 最大重量(LB) | オーダー | 積載重量 |
コンパートメント番号1 | 5,000 | オーダー番号2 | 5,000 |
コンパートメント番号2 | 9,000 | オーダー番号1 | 9,000 |
コンパートメント番号3 | 8,000 | オーダー番号1 | 3,980 |
コンパートメント番号4 | 4,000 | オーダー番号3 | 3,960 |
コンパートメント番号5 | 5,000 | オーダー番号2 | 3,800 |
容量 | 31,000 | 積載 | 25,740 |
機材グループ2 | 最大重量(LB) | オーダー | 積載重量 |
コンパートメント番号1 | 5,000 | オーダー番号4 | 4,840 |
コンパートメント番号2 | 5,000 | 0 | |
容量 | 10,000 | 積載 | 4,840 |
複数コンテナMIPでは4つのオーダーを分割してコンパートメントに積載して、すべてのオーダーを1つの機材(1つの機材グループ1)に収容できるため、使用するコンパートメントの数と必要となる機材グループの数の両方を最小化できます。
複数コンテナMIP
機材グループ1 | 最大重量(LB) | オーダー | 積載重量 |
コンパートメント番号1 | 5,000 | オーダー番号1 | 4980 |
コンパートメント番号2 | 9,000 | オーダー番号2 | 8800 |
コンパートメント番号3 | 8,000 | オーダー番号1 | 8000 |
コンパートメント番号4 | 4,000 | オーダー番号3 | 3,960 |
コンパートメント番号5 | 5,000 | オーダー番号4 | 4,840 |
容量 | 31,000 | 積載 | 30,580 |
有効化のステップ
複数コンテナMIPアルゴリズムのオプションは、「コンテナの最適化」ロジック構成のコンテナの最適化アルゴリズム・グループから有効にできます。
- 「ロジック構成タイプ」=「コンテナの最適化」に移動します。
- コンテナの最適化アルゴリズム・グループで、次を実行します。
- 複数コンテナMIPの使用パラメータをTRUEに設定します。
- デフォルトのクイック梱包アルゴリズムの使用をFALSEに設定します。
メモ: デフォルトのコンテナの最適化の目的では、使用する機材グループとコンパートメントの数を最小化します。この最小化がレートと整合しない場合、つまり、コンパートメントおよび機材グループを最適または高い使用率で使用することがコスト上昇につながる場合は、コンテナの最適化の目的「原価の最適化」をTRUEに設定します。これにより、最適化の目的で使用率に加えてコストも考慮されるようになります。
ヒントと考慮事項
複数コンテナMIPは、使用可能な機材グループおよびコンパートメントのあらゆるオプションを同時に評価し、最適な機材グループおよび機材グループ・コンパートメントのオプションを選択します。多数の機材グループとオーダーが含まれる大きな問題では、必要になる演算要件や処理時間から、複数コンテナMIPアルゴリズムが非現実的な選択肢になる場合もあります。多数の機材グループやオーダーが含まれる問題を解決する場合は、複数コンテナMIPアルゴリズムの使用に伴う実行時間の増加とソリューションの品質改善のトレードオフを評価する必要があります。
複数コンテナMIPアルゴリズムでは3D積荷構成は処理できません。オーダーの優先度は考慮されず、品目間および品目とリソース間の非互換性の制約も考慮されません。
複数コンテナMIPアルゴリズムは、すべての出荷ユニットが排他的使用としてマークされている排他的使用シナリオでのみ使用できます。排他的使用としてマークされている出荷ユニットとそうでない出荷ユニットが混在するシナリオでは使用できません。
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