7 DB2 for iデータベースへのインストール
IBM DB2 for i用Oracle GoldenGateを使用すると、サポートされている類似のまたは異なるDB2 for iバージョン間でデータをレプリケートしたり、DB2 for iデータベースと他のタイプのデータベースとの間でデータをレプリケートできます。DB2 for i用Oracle GoldenGateでは、このドキュメントに特に記載がないかぎり、データのフィルタ処理、マッピングおよび変換がサポートされます。
DB2 for i用Oracle GoldenGateをDB2 for iソース・システムで直接実行し、レプリケーション用トランザクション・ジャーナルからターゲット・システムへデータを取得します。ターゲットDB2 for iデータベースにデータを適用するには、Oracle GoldenGateをDB2 for iターゲット・システムで直接実行するか、リモートのWindowsまたはLinuxシステムで実行します。リモート・システムにインストールした場合は、ReplicatがODBC接続を使用してデータを配信するため、Oracle GoldenGateソフトウェアはDB2 for iターゲットにはインストールしません。
注意:
DB2 for iプラットフォームでは、1つ以上のジャーナルを使用してトランザクション変更データのレコードが保持されます。ベースとなるOracle GoldenGateの管理ドキュメントやリファレンス内の用語との一貫性を保つため、ジャーナルという語を使用する必要性がない場合、ログまたはトランザクション・ログという語をジャーナルという語と区別せずに使用します。
トピック:
7.1 ディスクの要件
この項では、Oracle GoldenGateのディスク要件を概説します。
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Oracle GoldenGateダウンロード・ファイルのサイズを確認するには、Oracle Software Delivery Cloudから選択したビルドをダウンロードする前に、「サイズ」列を表示します。表示される値は、圧縮形式でのファイルのサイズです。ディスクで解凍した後のOracle GoldenGateインストール・ディレクトリのサイズは、それより大幅に大きくなります。
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仮想メモリー用に十分なディスク領域を使用可能にします。Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャによって設定されるデフォルトは、64ビット・システムでは64GBです。メモリー管理の詳細は、「メモリー要件」を参照してください。
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Oracle GoldenGateの証跡(作業データが含まれているファイル)をホストするシステム上の追加の1GBのディスク領域。証跡によって消費される領域は処理されるデータ量に応じて異なるため、これとは多少異なる容量が必要となる場合があります。『Oracle GoldenGateの管理』で証跡のサイズ設定のガイドラインを参照してください。
親トピック: DB2 for iデータベースへのインストール
7.2 メモリーの要件
Oracle GoldenGateに必要なメモリー量は、処理されるデータ量、実行するOracle GoldenGateプロセス数、Oracle GoldenGateで使用できる主記憶域(RAMまたは物理メモリー)の量、使用可能な物理メモリーを超えるトランザクション・データのキャッシュにOracle GoldenGateで使用できる補助記憶域(共有メモリー・セグメントとして使用可能なディスク領域)の量によって異なります。
Oracle GoldenGateによって使用される主記憶域の量は、Oracle GoldenGateプロセスではなく、オペレーティング・システムによって制御されます。Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャは、オペレーティング・システムのメモリー管理機能を利用して、Oracle GoldenGateプロセスを持続的かつ効率的に機能させます。
DB2 for iプラットフォームでは、Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャに十分な共有メモリー・セグメントを用意するために、PASE_MAXSHR64
環境変数に推奨される設定値は513 (128GB)以上です。DB2 for iネイティブのOracle GoldenGateコマンドを使用する場合は、PASE_MAXSHR64
を設定してキャッシュ・マネージャに128GBの共有メモリー・セグメントを自動的に用意します。DB2 for iネイティブ・コマンドを使用しない場合は、DB2 for i PASEセッションを開始する前にこの環境変数を設定できます。Oracle GoldenGateのメモリー要件の評価の詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』のCACHEMGR
パラメータに関する項を参照してください。
注意:
PASE_MAXSHR64
が設定されていない場合、仮想メモリーが推奨量より少ないことを示す警告メッセージが表示される場合があります。トランザクションが非常に大規模で長時間の場合や同時トランザクションの数が非常に多い場合以外、このメッセージは無視してもかまいません。
親トピック: DB2 for iデータベースへのインストール
7.3 Oracle GoldenGateセキュリティ権限
この項では、Oracle GoldenGateがソースDB2 for iシステムおよびWindowsまたはLinuxターゲット・システムで必要とするセキュリティ権限について概説します。
親トピック: DB2 for iデータベースへのインストール
7.3.1 Oracle GoldenGateセキュリティ権限
サブディレクトリを作成する処理やプログラムを実行する処理を実行するため、Oracle GoldenGateをインストールするユーザーに、Oracle GoldenGateのインストール・ディレクトリに対する読取りと書込みの権限が必要です。Windowsシステムでは、Oracle GoldenGateをインストールするユーザーは管理者としてログインする必要があります。
Manager、ReplicatおよびCollector (プログラム名は"server
")がアクティブです。Managerは、他のプロセスを制御し、受信データを受け取るCollectorと対話します。Replicatは、ODBCを介してターゲットDB2 for iデータベースにデータを適用します。
Oracle GoldenGateプロセスに、Oracle GoldenGate専用のユーザー・アカウントを割り当てます。他のプログラムでは使用できません。1つのユーザー・アカウントをすべてのOracle GoldenGateプロセスで使用できます。このアカウントには、Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリ内のファイルおよびディレクトリの読取り、書込みおよび削除権限が必要です。
Extractユーザー・プロファイルに必要な権限がない場合、Extractは次のエラーを記録して停止します。
[SC=-1224:SQL1224N A database agent could not be started to service a request, or was terminated as a result of a database system shutdown or a force command.SQL STATE 55032: The CONNECT statement is invalid, because the database manager was stopped after this application was started]
ユーザー・プロファイルは、パラメータ・ファイルを構成するときに、USERID
パラメータで指定する必要があります。また、データベースを操作するGGSCIコマンドを発行する前に、DBLOGIN
コマンドで指定する必要があります。
親トピック: Oracle GoldenGateセキュリティ権限
7.3.2 DB2 for iソース・システムでのOracle GoldenGateセキュリティ権限
サブディレクトリを作成する処理やプログラムを実行する処理を実行するため、Oracle GoldenGateをインストールするユーザーに、Oracle GoldenGateのインストール・ディレクトリに対する読取りと書込みの権限が必要です。このユーザーにはRSTOBJ
コマンドに対する権限も必要です。また、必要に応じてライブラリを作成できる必要があります。インストールを簡単にするために、製品をインストールするユーザーは*ALLOBJ
権限を保有することをお薦めします。
DB2 for iソース・システムでは、ManagerおよびExtractプロセスがアクティブです。異なるターゲット・システムにデータをレプリケートする場合、DEFGEN
ユーティリティもアクティブです。DB2 for iターゲット・システムでは、リモートのWindowsまたはLinuxシステムにReplicatをインストールしないかぎり、Replicatプロセスはアクティブです。どちらのシステムでもプロセスはすべて双方向構成で実行されます。
Oracle GoldenGateプロセスに、Oracle GoldenGate専用のユーザー・プロファイル・アカウントを割り当てます。他のプログラムでは使用できません。1つのユーザー・プロファイルをすべてのOracle GoldenGateプロセスで使用できます。このプロファイルでは、Oracle GoldenGateによる操作対象のオブジェクトにのみ権限を付与します。特定の変更データがOracle GoldenGateからアクセスできない場合、そのデータは、Oracle GoldenGateユーザー・プロファイルからアクセス可能なジャーナルには含めないでください。すべてのOracle GoldenGateプロセスに、Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリ内のファイルおよびディレクトリの読取り、書込みおよび削除権限が必要です。
Managerプロセスには、他のすべてのOracle GoldenGateプロセスを制御する権限が必要です(DB2 for i *JOBCTL
権限)。
Extractユーザー・プロファイルがアクセスする必要のあるシステム上のすべてのオブジェクトには、*USE
権限を割り当てます。Replicatユーザー・プロファイルがアクセスする必要のあるシステム上のすべてのオブジェクトには、*CHANGE
権限を割り当てます。これを行うには、*ALLOBJ
権限をユーザーに付与するか、ユーザーがアクセスする必要のあるオブジェクト(FILE
、LIBRARY
およびJOURNAL
オブジェクト)に個別の権限を設定します。これには、SQLカタログが含まれるQSYS2
ライブラリ内のオブジェクトが含まれます。これらの権限は、5250端末セッションを介したネイティブDB2 for iインタフェース、またはIBM社から入手できるDB2 for i Operations Navigator製品を使用して付与する必要があります。
ExtractおよびReplicatのデータベース・ユーザー・プロファイルは、パラメータ・ファイルを構成するときに、USERID
パラメータで指定する必要があります。また、データベースを操作するGGSCIコマンドを発行する前に、DBLOGIN
コマンドで指定する必要があります。
親トピック: Oracle GoldenGateセキュリティ権限
7.4 一般的な要件
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Portable Application Solution Environment (PASE)がシステムにインストールされている必要があります。
-
OpenSSHのシステムへのインストールをお薦めします。OpenSSHは、IBM Portable Utilitiesライセンス付きプログラムに含まれており、これを使用すると、SSH端末からシステムへ他のLinuxシステムと同様にアクセスできます。
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次の各表に、Oracle GoldenGateのリリースで必要なIBM DB2 for iのプログラム一時修正(PTF)の詳細をまとめます。
IBM i6.1のグループPTF レベル 名前 備考 SF99610
13058
累積PTF
その他の必須PTF: 5761SS1、SI51061
コマンドによる確認:
DSPPTF LICPGM(5761SS1) SELECT(SI51061)
SF99601
30
DB2 for i
.
SF99609
153
グループHIPER
.
SF99354
15
TCP/IP
.
SF99562
24
JAVA
Javaエージェントではプロダクト5761JV1オプション12 (Java SE 6 64ビット)が必要です。
IBM i7.1のグループPTF レベル 名前 備考 SF99710
15142
累積PTF
その他の必須PTF: 5770SS1、SI51060
コマンドによる確認:
DSPPTF LICPGM(5770SS1) SELECT(SI51060)
SF99707 11 Technology refresh .
SF99701
26
DB2 for i
.
SF99709
99
グループHIPER
.
SF99367
7
TCP/IP
.
SF99572
12
JAVA
Javaエージェントではプロダクト5761JV1オプション12 (Java SE 6 64ビット)が必要です。
IBM i7.2のグループPTF レベル 名前 備考 SF99720
16127
累積PTF
その他の必須PTF: 5761SS1、SI51061、コマンドによる確認:
DSPPTF LICPGM(5761SS1) SELECT(SI51061)
SF99717
4
Technology refresh
.
SF99702
12
DB2 for i
.
SF99719 67 グループHIPER .
SF99767
2
TCP/IP
.
SF99716
9
JAVA
Javaエージェントではプロダクト5761JV1オプション12 (Java SE 6 64ビット)が必要です。
これらの必須PTFのレベルは、12cリリースのOracle GoldenGateがテストされる対象となったレベルです。グループPTFレベルを確認するには、5250端末セッションから
WRKPTFGRP
コマンドを使用し、前述の表に記載されているコマンドで特定のPTFを確認する必要があります。特定の必須以外のPTFは、少なくとも一時的に適用する必要があります。
親トピック: DB2 for iデータベースへのインストール
7.5 DB2 for iへのインストール
次のステップに従って、Oracle GoldenGateをDB2 for iシステムにインストールします。
注意:
インストールを実行するユーザー・プロファイルには、RSTOBJ
コマンドに対する権限が必要です。
親トピック: DB2 for iデータベースへのインストール