8 DB2 z/OSデータベースへのインストール
トピック:
8.1 システム・サービス
UNIX System Services (USS)は、Extractサポート・モジュールの実行可能ファイルをインストールするために必要な場合にのみアクティブ化します。
Oracle GoldenGateでは、シスプレックス・データ共有がサポートされます。
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8.2 メモリーの要件
Oracle GoldenGateは、ローカル・システムに次のメモリー・リソースを必要とします。
- リモート・システム上
-
Oracle GoldenGateに必要なメモリーの量は、処理されるデータの量、実行されるOracle GoldenGateプロセスの数、Oracle GoldenGateで使用可能なRAMの量、およびオペレーティング・システムでRAMを開放する必要がある場合(通常はロー・ウォーターマークに達した場合)にRAMのページを一時的に格納するためにOracle GoldenGateで使用可能なディスク領域の量に応じて異なります。このRAMからディスクへの一時的な格納は、一般にスワッピングまたはページングと呼ばれます。プラットフォームによっては、スワップ領域という用語は、スワップ・パーティション、スワップ・ファイルまたは共有メモリー・セグメント(IBM iプラットフォーム)と呼ばれます。
最近のサーバーには、Oracle GoldenGateを実行するために十分なRAMとスワップ領域、メモリー管理システムが備わっています。ただし、Oracle GoldenGateで使用できるRAMの量を増やすと、Oracle GoldenGateのパフォーマンスおよびシステム全般のパフォーマンスが大幅に向上する場合があります。
通常のOracle GoldenGateインストールでは、RAMページからディスクへのスワッピングが過度に発生しないよう数GBのRAMが指定されます。RAMの競合が多いほど、多くのスワップ領域が使用されます。
ディスクへのスワッピングが過度に発生する場合、コミット・レコードを受信するまで各オープン・トランザクションのデータを格納する必要があるため、特にExtractプロセスにパフォーマンスの問題が生じます。Oracle GoldenGateがデータベースと同じシステムで稼働する場合、使用可能なRAMの量は、両方のパフォーマンスにとって非常に重要になります。
RAMとスワップの使用量は、Oracle GoldenGateプロセスではなく、オペレーティング・システムによって制御されます。Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャは、オペレーティング・システムのメモリー管理機能を利用して、Oracle GoldenGateプロセスを持続的かつ効率的に機能させます。ほとんどの場合、ユーザーは、デフォルトのOracle GoldenGateメモリー管理構成を変更する必要はありません。
Oracle GoldenGateのメモリー要件の評価の詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』の
CACHEMGR
パラメータに関する項を参照してください。 - DB2ホスト・システム上
-
ログ・バッファのサイズに応じて起動されるOracle GoldenGateログ・リーダー(
oggreadx
)ごとにおおよそ10MBから50MBの仮想メモリーを割り当てます。リモート・システムのExtractプロセスごとに1つ起動されます。最大ログ・バッファ・サイズを調整するには、Extractパラメータ・ファイルでTRANLOGOPTIONS BUFSIZE
パラメータを使用します。Extractログ・リーダー・コンポーネントのワークロード・マネージャ(WLM)環境を設定する場合は、環境に応じて
NUMTCB
を10-40の範囲に設定することをお薦めします。これは、次に示すIBMの一般的なガイドラインに基づいています。
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8.3 DB2 z/OSのディスク要件
この項では、DB2 z/OSでOracle GoldenGateをサポートするために必要なディスク要件を概説します。
- リモート・システム上
-
次のように空きディスク領域を割り当てます。
-
Oracle GoldenGateダウンロード・ファイルのサイズを確認するには、Oracle Software Delivery Cloudから選択したビルドをダウンロードする前に、「サイズ」列を表示します。表示される値は、圧縮形式でのファイルのサイズです。ディスクで解凍した後のOracle GoldenGateインストール・ディレクトリのサイズは、それより大幅に大きくなります。
-
Oracle GoldenGateの証跡(作業データが含まれているファイル)をホストするシステムに追加の1GB以上のディスク容量を割り当てます。証跡によって消費される領域は処理されるデータ量に応じて異なるため、これとは多少異なる容量が必要となる場合があります。『Oracle GoldenGateの管理』で証跡のサイズ設定のガイドラインを参照してください。
-
デフォルトでは、Oracle GoldenGateによってOracle GoldenGateインストール・ディレクトリの
dirtmp
サブディレクトリにディスクにスワップされるデータが保持されます。キャッシュ・マネージャは、ファイル・システムのすべての空き容量を使用可能とみなします。このディレクトリは、トランザクションのサイズの増加に伴ってトランザクションの量が増加すると、すぐに一杯になります。I/O競合とディスク関連のExtractの失敗を防ぐには、ディスクをこのディレクトリ専用にします。CACHEMGR
パラメータのCACHEDIRECTORY
オプションを使用して、このディレクトリに名前とサイズを割り当てることができます。CACHEMGR
のCACHESIZE
オプションにより、トランザクション・データのキャッシュに使用できる仮想メモリー量(キャッシュ・サイズ)の弱い制限が設定されます。これらのオプションのデフォルト値およびシステム調整が必要な場合の詳しい説明については、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。
-
- DB2ホスト・システム上
-
(ストアド・プロシージャをインストールしている場合にのみ適用されます。)zFS (zSeriesファイル・システム)または階層ファイル・システムボリュームを割り当てます。Oracle GoldenGateダウンロード・ファイルのサイズを確認するには、インストレーション・イメージを展開した後、リモートDB2システム上で
zOSPrograms.zip
のサイズを調べます。
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8.4 DB2 z/OSのオペレーティング・システム権限
リモート・ホストでは、Oracle GoldenGate製品ディレクトリのサブディレクトリでchmod +rw
コマンドを使用する権限が必要です。
表8-1に、Oracle GoldenGateを使用するために必要なその他のオペレーティング・システム権限を示します。
表8-1 オペレーティング・システム権限
DB2 z/OSユーザー権限 | Extract | ストアド・プロシージャ | Replicat |
---|---|---|---|
リモートDB2サブシステムに |
X |
X |
X |
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8.6 Oracle GoldenGateプロセス用データベース・ユーザー
Oracle GoldenGateには、データベース・ユーザー・アカウントが必要です。次のガイドラインに従ってこのアカウントを作成し、権限を割り当てます。
表8-2にリストしたDB2の権限を、ExtractおよびReplicatを実行するユーザーに割り当てます。これらは、DB2 ODBCで必要な権限以外に必要なものです。記載がないかぎり、すべてのExtract権限は、初期ロードおよびログベースのExtractプロセスに適用されます。
表8-2 Oracle GoldenGate for DB2 z/OSに必要な権限
ユーザーの権限 | Extract | Replicat |
---|---|---|
(初期ロードExtractには非適用) |
X |
|
次の
|
X |
X |
ソース表に対する |
X |
|
ターゲット表の |
X |
|
|
X |
|
ODBCプラン(デフォルトはDSNACLI)に対する |
X |
|
|
X |
X |
脚注1
表にLOB列が含まれている場合または初期ロードExtract (使用する場合)に対してのみ、ソース表に対するSELECT
が必要です。
脚注2
GGSCIでADD CHECKPOINTTABLE
を使用してデータベースのチェックポイント機能を使用する場合に必要です。
脚注3
SQLEXEC
によって、Oracle GoldenGateプロセスによるストアド・プロシージャおよび問合せの実行が可能になります。
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8.7 インストール先オペレーティング・システムの選択
Oracle GoldenGate for DB2 for z/OSはzLinux、AIXまたはIntel Linuxシステムでリモートで動作します。データをキャプチャするには、Oracle GoldenGateがDB2ログ・データを読み取れるように、DB2インスタンスを含む小さいコンポーネントをDB2 z/OSシステムにインストールする必要があります。
Oracle GoldenGateをリモートzLinux、AIXまたはLinuxシステムにインストールするには、z/OSシステム上のDB2に接続するために次のオプションを使用できます。
-
DB2 Connect v10.5以降
-
IBM Data Server Driver for ODBC and CLI v10.5以降
-
IBM Data Server Client v10.5以降
-
IBM Data Server Runtime Client v10.5以降
次のことを考慮してください。
-
ExtractはOpen Database Connectivity (ODBC)を使用して、z/OSシステムのDB2サブシステムに接続します。その他のドライバのいずれかがまだインストールされていない場合、IBM Data Server Driver for ODBC and CLIがもっとも軽量のドライバであるため、ほとんどの構成の場合にお薦めします。ただし、他のドライバも適しています。
-
DB2のログ・データをキャプチャするには、ログ・リーダー・コンポーネントがz/OSシステムのライブラリ(PDSE)にインストールされている必要があります。ロード・ライブラリ(PDS)はサポートされません。ライブラリはAuthorized Program Facility (APF)の必要があり、インストールによりシステムを保護するために役立ちます。APF承認プログラムは、承認されたSystem Facility (APF)にアクセスできます。SQLを介してログ・リーダー・コンポーネントがリモート・システムからコールされますが、これはAPF承認であるため、承認されたワークロード・マネージャ(WLM)環境も使用してこれらのプログラムが実行されます。デフォルトのDB2が提供するWLM環境では承認されたワークロードを実行できないためです。
-
Oracle GoldenGate配信には、キャプチャの現在の設定を超える特別な要件はありません。このOracle GoldenGateリリースは完全なリモート配布であり、以前のOracle GoldenGate DB2リモート製品は個別には出荷されなくなったためです。ただし、このリリースのOracle GoldenGate for DB2 z/OSではWindowsはサポートされません。それでも、Windowsからz/OSへの配信が必要な場合は、現在でもOracle GoldenGate DB2 Remote 12.2を入手できます。
-
一部のインストール手順を除いてUNIX System Services (USS)は前のリリースとは異なり不要になりました。
-
Windowsのみ: WindowsからDB2ターゲットにデータを適用するには、Oracle GoldenGate DB2 Remote v12.2を使用する必要があります。このシナリオではキャプチャはサポートされません。
-
DB2ターゲット・システムへのリモート配信用にOracle GoldenGate DB2 Remoteをリモートのシステムにインストールします。この構成では、Replicatは、DB2 Connectに含まれているODBC APIを使用してターゲットDB2データベースに接続します。この構成では、リモート・システムにDB2 LUWがインストールされている必要があります。
注意:
DB2 for z/OSに対してサポートされるOracle GoldenGateの機能はすべて、DB2Connectによってサポートされます。また、ASCII文字データは、DB2 Connectによって自動的にEBCDICに変換されます。
-
Oracle GoldenGateはzLinux、AIXおよびIntelベースのLinuxにインストールできますが、最適なパフォーマンスを実現できるのは、ご使用のz/OSシステムまでのネットワーク・レイテンシがもっとも小さいシステムです。ワイド・エリア・ネットワークで実行することはできますが、ネットワーク・レイテンシが大きくなるためにパフォーマンスが低下します。DB2が実行されているz/OSシステムと同じ物理ハードウェアでzLinuxパーティションを使用し、パーティション間にHiperSocketsまたはVLANを使用することをお薦めします。それ以外では、同じマシン・ルーム内でOSAアダプタで接続されたシステムが次善の選択肢です。または、システム間で高速のイーサネット接続を利用できる場合は、それでも問題ありません。
DB2Connectを使用したDB2 z/OSへのリモート配信の使用
-
中間システムとして、DB2 for LUWデータベースに対してOracle GoldenGateでサポートされているプラットフォームを選択します。これは、Oracle GoldenGateがインストールされるシステムです。
-
ReplicatプロセスでDB2 Connectドライバを使用できるよう、選択したリモート・システムにDB2 for LUWをインストールして実行します。
-
次のDB2コマンドを使用して、リモート・システムのDB2 for LUWデータベースでDB2ターゲット・ノードを登録します。
catalog tcpip node db2_node_name remote DNS_name server DB2_port-number
-
次のDB2コマンドを使用して、中間システムのDB2 for LUWカタログにターゲットDB2ノードを追加します。
catalog db database_name as database_alias at node db_node_name
これらのコマンドの詳細は、IBM DB2 LUWのドキュメントを参照してください。
親トピック: DB2 z/OSデータベースへのインストール
8.8 DB2 z/OSへのOracle GoldenGate Extractコンポーネントのインストール
注意:
oggifi0001
スキーマ名はTRANLOGOPTIONS REMOTESCHEMA schemaname
パラメータを使用して構成できます。プロシージャ名は構成できません。外部名がPDSEに格納されたオブジェクトのプログラム名と一致し、WLM環境を変更するメンバーがOracle GoldenGateストアド・プロシージャに対して設定されたWLM環境の名前と一致する必要があります
注意:
OUT BUFFER BLOBサイズは、TRANLOGOPTIONS BUFSIZE
の値より小さくならないように指定してください。バッファBLOBをTRANLOGOPTIONS BUFSIZE
値と等しい値に設定することによって、z/OSシステムで使用されるメモリー・リソースを制限できます。バッファの正確な値はExtractによって処理されている作業負荷に大きく依存するため、負荷が大きい場合はバッファを大きくして、Extractがアプリケーションに対応できるようにする必要があります。
親トピック: DB2 z/OSデータベースへのインストール