12 クラスタ環境でのOracle GoldenGate

クラスタ環境でのOracle GoldenGateのインストールと統合について説明します。

Oracle GoldenGateのインストールと使用の詳細は、次のOracle Maximum Availability Architecture Best Practicesを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/database/features/availability/fusion-middleware-maa-155387.html

トピック:

12.1 クラスタ内でのOracle GoldenGateのインストール

Oracle GoldenGateは、フェイルオーバーを自動化する機能を持つクラスタ管理ソリューションと組み合せて使用できます。Oracle Clusterwareソリューションによって、Oracle RACデータベースと組み合せて、あるいは組み合せずに使用できるという利点が得られ、Oracle GoldenGateが実行される非データベース・サーバーを含めることができます。

12.1.1 Oracle GoldenGateのバイナリとファイルをインストールするクラスタ内の場所の決定

注意:

この項は、Oracle GoldenGate Classic Architectureにのみ適用されます。

Oracle GoldenGateで高可用性を確保するには、クラスタの各ノードのローカル・ストレージにOracle GoldenGateバイナリをインストールすることをお薦めします。ローカル・ノードにインストールすると、現在Oracle GoldenGateが実行されているノードに影響せずに、クラスタの1つ以上のノードでOracle GoldenGateソフトウェアにパッチを適用しアップグレードすることができます。こうすると、事前定義された時刻に、アップグレードされたノードのいずれかにOracle GoldenGateを切り替えることができます。

クラスタ化されたノードのいずれかでOracle GoldenGateを実行するには、共有ストレージに特定のディレクトリを配置する必要があります。こうすると、クラスタの別のノードで実行されていたときにわかっていた前回の位置から、GoldenGateプロセスを再起動できるようになります。

Oracle GoldenGateをこのように実行する場合は、次の推奨事項に従ってください。

  • Oracle GoldenGateインストールの場所のパスが、すべてのノードで同一であることが必要です。

  • 最低でも次のディレクトリを共有記憶域にインストールし、Oracle GoldenGateのリカバリ要件をサポートします。UNIXまたはLinuxでは、各ノードのインストール・ディレクトリからのシンボリック・リンクを作成できます。

    • br

    • dirchk

    • dirdat

    • dirbdb

    • dirprm

    これらのディレクトリは、インストール時にCREATE SUBDIRSを発行して作成されるディレクトリの一部です。

12.1.2 Oracleクラスタ・ストレージの例

少なくともいくつかのOracle GoldenGateディレクトリを共有記憶域にインストールする必要があります。クラスタのどのノードからも独立していて、すべてのノードから使用可能なクラスタ対応の共有記憶域を選択します。次の例に示すOracleクラスタ・ストレージ・オプションのいずれかを使用できます。

  • Oracle Database File System (DBFS)は、データベース表に格納されているファイルおよびディレクトリの上に標準のファイル・システム・インタフェースを作成します。DBFSは、ローカル・ファイル・システムのような共有ネットワーク・ファイル・システムを提供するという点でNFSに似ており、サーバー・コンポーネントとクライアント・コンポーネントがあります。ファイルはデータベース内部に格納されるので、Oracle Data Guardの高可用性とともに、データベースのバックアップおよびリカバリ機能を使用して保護されます。

  • Oracle Storage Management Cluster File Systemは、マルチプラットフォーム対応のスケーラブルなファイル・システムであり、Oracle Automatic Storage Management機能を拡張してPOSIX互換のファイル・システムを提供するストレージ管理テクノロジです。

  • Oracle ZFS - NFSプロトコルを使用してクラスタの各ノードからマウントできる、Oracle ZFS Applianceを使用します。

12.2 Windowsクラスタへのインストール

  1. クラスタの1つのノードにログインします。

  2. Oracle GoldenGateのインストール場所のドライブを選択します。このドライブは、データベース・インスタンスが含まれる同じクラスタ・グループ内のリソースである必要があります。

  3. このクラスタ・グループが、ログインしているクラスタ・ノードによって所有されていることを確認します。

  4. 「Oracle GoldenGateファイルのインストール」に従って、Oracle GoldenGateをインストールします。

12.3 クラスタへの統合

クラスタにOracle GoldenGateをインストールした場合は、次のステップを実行して、クラスタ・ソリューションにOracle GoldenGateを統合します。

12.3.1 クラスタでの一般的な要件

次に示すのは一般的な適用手順のため、特定のクラスタ・システムには適用されない場合があります。

Oracle GoldenGateのクラスタへの統合時には次の要件を満たす必要があります。

  1. Oracle GoldenGate Managerプロセス(Managerのみ)を、他のアプリケーションと同様にクラスタ管理対象リソースとして登録します。Managerは、他のすべてのプロセスを管理する親プロセスであるため、Managerのみがクラスタ管理ソフトウェアを起動および停止するOracle GoldenGateプロセスです。

  2. クラスタで仮想IPアドレスを使用する場合、Managerプロセス用に使用可能な固定IPアドレスを取得する必要があります。VIPは、パブリック・サブネット上の使用可能なIPアドレスである必要があり、DHCPを介して決定されません。Extractデータ・ポンプのパラメータ・ファイルで、リモートManagerのVIPをRMTHOSTパラメータの入力値として指定します。Managerにアクセスする他のOracle GoldenGate製品もVIPを使用する必要があります。

  3. クラスタ内のすべてのノードでシステム・クロックが同期していることを確認します。クロックはExtractが実行されるシステムのクロックと同期している必要があります。Oracle GoldenGateでは、ローカル・システムの時間とコミットのタイムスタンプを比較して、重大な決定をします。システム・クロックの同期については、システム管理者に問い合せてください。

  4. Managerを構成する際、AUTOSTARTおよびAUTORESTARTパラメータを追加して、Managerでレプリケーション・プロセスを自動的に起動するようにします。必要に応じて、Oracle GoldenGateユーザー・インタフェース内からExtract、Replicatおよび他のOracle GoldenGateプロセスを制御できます。

  5. 1つのノードのみで共有ドライブをマウントします。これによって、他のノードでプロセスが起動されなくなります。すべてのノードで同じマウント・ポイントを使用します。

  6. Oracle GoldenGateを環境に合せて適切に構成します。

12.3.2 Windowsクラスタ・リソースとしての追加

Oracle GoldenGateをWindowsクラスタにインストールした場合は、次の手順に従ってOracle GoldenGateをクラスタ・リソースとして設定し、すべてのノード上にManagerサービスを正しく設定します。

  • クラスタ・アドミニストレータで、Oracle GoldenGateの接続先のデータベース・インスタンスを含むグループにManagerプロセスを追加します。

  • Oracle GoldenGateが稼働するすべてのノードが、リソースの実行可能な所有者として選択されていることを確認します。

  • Manager Windowsサービスに次の依存関係(「サービス」コントロール・パネルから構成可能)があることを確認します。

    • データベース・リソース

    • Oracle GoldenGateディレクトリが含まれているディスク・リソース

    • データベース・トランザクション・ログ・ファイルを含むディスク・リソース

    • データベースのトランザクション・ログ・バックアップ・ファイルを含むディスク・リソース