1 Oracle GoldenGateのスタート・ガイド

Oracle GoldenGateは、Classic ArchitectureMicroservices Architecture (MA)の2つのアーキテクチャをサポートしています。

Oracle GoldenGateは、次の目的で構成できます。
  • あるデータベースからデータ・レコードの静的抽出を行い、別のデータベースにそのレコードをロードする場合。

  • ソースとターゲットのデータ一貫性を維持するために、トランザクションデータ操作言語(DML)操作とデータ定義言語(DDL)変更(サポートされるデータベースの場合)を継続的に抽出およびレプリケートする場合。

  • データベースから抽出を行い、データベース以外の場所にあるファイルにレプリケートする場合。

Oracle GoldenGateアーキテクチャの概要

次の表では、2つのOracle GoldenGateアーキテクチャについて説明し、どのような場合にそれぞれを使用するかを示します。

X Classic Architecture Microservices Architecture

アーキテクチャの概要

Oracle GoldenGate Classic Architectureは、様々なトポロジ間でデータを効率よく移動するために必要なプロセスとファイルを提供します。これらのプロセスとファイルがClassic Architectureの主要コンポーネントを形成します。これは以前のリリースの製品設計でした。

Oracle GoldenGate Microservices Architectureは、Oracle GoldenGate環境の一部としてREST対応サービスを提供する新しいマイクロサービス・アーキテクチャです。REST対応サービスでは、HTML5 Webページ、コマンドラインおよびAPIを介して、リモート構成、管理および監視を提供します。

使用目的

次の目的に対しては、Oracle GoldenGate Classic Architectureを使用するようにOracle GoldenGateをインストールして構成できます。
  • あるデータベースからデータ・レコードの静的抽出を行い、別のデータベースにそのレコードをロードする場合。

  • ソースとターゲットのデータ一貫性を維持するために、トランザクション・データ操作言語(DML)操作とデータ定義言語(DDL)変更(サポートされるデータベースの場合)を継続的に抽出およびレプリケートする場合。

  • データベースから抽出を行い、データベース以外の場所にあるファイルにレプリケートする場合。

  • 異種データベース・ソースから取得する場合。

次の用途には、Oracle GoldenGate Microservices Architectureを使用するようにOracle GoldenGateをインストールして構成できます。
  • ストリーミング・データ用の全面的にセキュアなHTTPSインタフェースとセキュアWebSocketを備えている、大規模デプロイメントおよびクラウド・デプロイメント。

  • Oracle GoldenGate環境の複数実装の管理や、Oracle GoldenGateの設定とモニタリングの様々な機能へのユーザー・アクセスの制御を簡略化する場合。

  • システム管理のデータベース・シャードをサポートして、きめ細かいマルチマスター・レプリケーションを実現する場合。このとき、すべてのシャードが書込み可能になり、各シャードをシャードグループ内の他のシャードに部分的にレプリケートできます。

  • 次の機能をサポートする場合:

    • シン・クライアントおよびブラウザベースのクライアント

    • ネットワーク・セキュリティ

    • ユーザー認可

    • 分散デプロイメント

    • リモート管理

    • パフォーマンスのモニタリングおよびオーケストレーション

    • Oracle Database環境の他のシステムやサービスとの調整。

    • Oracle GoldenGateのアプリケーションへのカスタム埋込み、またはセキュアなリモートHTML5アプリケーションの使用。

サポート対象のデータベース

Classic Architectureは、動作保証マトリックスに示すように、サポート対象のすべてのデータベースをサポートします。

MAは、Oracleデータベースのみをサポートします。

データベースの準備

Oracle GoldenGateレプリケーション用にOracle Databaseを構成します。

Oracle GoldenGateのサービスまたはプロセスを開始する前に、Oracle Databaseが正しく構成および起動されていることを確認します。データベースを起動するには、次のタスクを実行します。
  1. Linuxプラットフォームで、次のように入力します。
    
    sqlplus / as sysdba
    
    SQL*Plus: Release 12.2.0.1.0 Production on Thu Jan 5 16:38:53 2018
    
    Copyright (c) 1982, 2018, Oracle.  All rights reserved.
    
    Connected to an idle instance.
    
    SQL> startup
    ORACLE instance started.
    
    Total System Global Area 1560281088 bytes
    Fixed Size		    2924784 bytes
    Variable Size		  503320336 bytes
    Database Buffers	 1040187392 bytes
    Redo Buffers		   13848576 bytes
    Database mounted.
    Database opened.
    SQL> ALTER DATABASE ADD SUPPLEMENTAL LOG DATA;
    
    Database altered.
    
    SQL> ALTER DATABASE FORCE LOGGING;
    
    Database altered.
    
    SQL> shutdown immediate
    Database closed.
    Database dismounted.
    ORACLE instance shut down.
    SQL> startup mount
    ORACLE instance started.
    
    Total System Global Area 1560281088 bytes
    Fixed Size		    2924784 bytes
    Variable Size		  503320336 bytes
    Database Buffers	 1040187392 bytes
    Redo Buffers		   13848576 bytes
    Database mounted.
    SQL> alter database archivelog;
    
    Database altered.
    
    SQL> alter database open;
    
    Database altered.
    
    SQL> alter system set enable_goldengate_replication=true;
    
    System altered.
    
    
    
    
    

    注意:

    統合Extractや統合Replicatの機能を使用する場合は、streams_pool_sizeパラメータを設定することをお薦めします。
  2. ユーザーを作成したらSQLプロンプトを終了します。

データベース・シャーディングの前提条件

Oracle GoldenGateでデータベース・シャーディングを使用したい場合は、次の手順を実行する必要があります。
  1. STREAMS_POOL_SIZEを1200MB以上に設定します。

  2. デプロイ前にOracle GoldenGateシャーディングPL/SQLパッケージをロードします。これによってggadminスキーマが追加されます。

  3. PL/SQL utl_httpルーチンを介してOracle GoldenGateサービス・エンドポイントと通信するために、データベースのクライアント・ウォレットをインストールします。

環境変数の設定

デプロイメント・タスクを実行する際にMA固有の環境変数を設定できます。

  • Oracle GoldenGate Configuration Assistant (OGGCA)

  • SSL/TLSセキュリティ(オプション)

Oracle GoldenGate Configuration Assistant、oggca.shでは、次の環境変数が設定されます。

ORACLE_HOME
export ORACLE_HOME=database_install_location
OGG_HOME
export OGG_HOME=ogg_install_location
LD_LIBRARY_PATH
export LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH
TNS_ADMIN
export TNS_ADMIN=$ORACLE_HOME/network/admin
PATH
export PATH=$OGG_HOME/bin:$PATH
Oracle_SID
Oracle Database SID

セキュアなデプロイメントを設定するには、追加の環境変数が必要です。

JAVA_HOME
export JAVA_HOME=$OGG_HOME/jdk

「Oracle GoldenGate Microservices Architectureのコンポーネント」を参照してください。

注意:

コマンドライン・ユーティリティを使用する場合は、OGG_HOMEOGG_VAR_HOMEおよびOGG_ETC_HOME変数を環境内で適切に設定する必要があります。

データ・レプリケーション・タスクのロードマップ

データ・レプリケーションを設定するためにはいくつものタスクを実行する必要があります。

分散パスを構築するフェーズを次の表に示します。
タスク 説明
Oracle GoldenGate Configuration Assistant (oggca)の実行によるセキュアなデプロイメントやセキュアでないデプロイメントの作成および構成 「セキュアなデプロイメントおよびセキュアでないデプロイメントの設定」を参照してください。
Service Managerへのログイン Service Managerにログインすると、他のサーバー(Administration Server、Distribution Server、Performance Metrics ServerおよびReceiver Server)のステータスを確認できます。「Service Managerに接続する方法」を参照してください
資格証明ストアの追加 Extractを作成する前にデータベースに接続するためのユーザーIDとパスワードを設定します。「データベース資格証明を追加する方法」を参照してください。資格証明構成を設定する際にドメイン別名を設定することもできます。
Extractの追加 「Extractを追加する方法」
Extractの登録 統合Extractを作成するときにはExtractを登録する必要があります。「Extractを追加する方法」を参照してください。
分散パスの追加 「分散パスを追加する方法」を参照してください
Replicatの追加 「Replicatを追加する方法」を参照してください
Replicatの登録 「Replicatを追加する方法」を参照してください
Extractの起動 「Extractを追加する方法」を参照してください
分散パスの開始 「分散パスを追加する方法」を参照してください
Replicatの起動 「Replicatを追加する方法」を参照してください
パスの詳細に関するReceiver Serverのチェック 「パスのモニター」を参照してください
ExtractおよびReplicatのモニター 「パスのモニター」「ネットワーク・パラメータのチューニング」および「サーバー・パフォーマンスのモニター」を参照してください
パフォーマンス・メトリックのモニター 「パフォーマンスのモニター」を参照してください