3 サーバー全体の移行

サーバー全体の移行が行われると、障害の発生時に、サーバー・インスタンスが別の物理マシンに移行されます。使用する環境でJMSおよびJTAなどの特殊な(固定)サービスを使用している場合、管理対象サーバーに対するサーバー全体の移行を構成する必要があります。

サーバー全体の移行について

WebLogic Serverには、JMSおよびJTAトランザクション・システムの可用性を高めるため、移行可能なサーバーがあります。

クラスタは、クラスタ内の冗長化された管理対象サーバー上にオブジェクトやサービスを複製することによって、高可用性とフェイルオーバーを実現します。一方、JMSサーバーやJTAトランザクション回復サービスなどの一部のサービスは、クラスタ内のサービスのアクティブなインスタンスが常に1つのみ存在するという前提のもとに設計されています。このようなタイプの場合、サーバー・インスタンス上で同時にアクティブな状態になるのは1つのみであるため、固定サービスと呼ばれます。

ほとんどのサービスは、クラスタ内のすべての管理対象サーバーに均等にデプロイされます。この設定では、サービスは、ある管理対象サーバーから別の管理対象サーバーに透過的にフェイルオーバーできます。ただし、固定サービスは、クラスタ内の1つの管理対象サーバーをターゲットにします。固定サービスの場合、WebLogic Serverは、フェイルオーバーのかわりに、移行による障害リカバリをサポートしています。

移行可能サーバーでは、サービス・レベルではなくサーバー・レベルで、自動と手動の両方で移行できます。

移行可能なサーバーがなんらかの理由(ハング、ネットワークからの切断、ホスト・システムの障害など),で使用できなくなると、自動的に移行が行われます。障害が発生した場合、移行可能なサーバーは、可能であれば同じシステム上で自動的に再起動されます。障害が発生した同じシステム上で再起動できないときは、別のシステムに移行されます。また、手動でサーバー・インスタンスの移行を開始することもできます。

注意:

サーバー全体の自動移行の準備、サーバー全体の自動移行の構成、サーバーの移行プロセスおよび通信の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの管理サーバー全体の移行を参照してください。

サービス移行メカニズムの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの管理サービスの詳細を参照してください。

JMSおよびJTAサービスの詳細は、JMSおよびJTAの高可用性を参照してください。

管理対象サーバーのフェイルオーバー用のサーバー全体の移行の構成

管理対象サーバーのフェイルオーバーを構成していて、クラスタ内の1つのサーバーで障害が発生した場合、管理対象サーバーはサーバー全体の移行によって別のマシン上で再起動されます。

サーバー全体の自動移行を構成するには、システムが特定の要件を満たす必要があります。Oracle WLSクラスタの管理サーバー全体の自動移行の準備を参照してください。

サーバー全体の移行を構成するには、Oracle WebLogic Serverクラスタの管理サーバー全体の移行の構成で示されているステップを実行します。

サーバー全体の移行の構成に関する詳細は、次の項目を参照してください。