完全なバックアップの作成
アップグレードを開始する前に、Oracle Fusion Middlewareスキーマをホストするデータベースを含め、システムに重要なファイルをすべてバックアップします。
バックアップには、SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表を含める必要があります。これにより、アップグレードが失敗したときに、コンテンツをアップグレード前の状態にリストアできるようになります。
Upgrade Assistantの「前提条件」画面では、アップグレードを実際に進める前に、バックアップが実行されていることについての確認を求められます。ただし、Upgrade Assistantは、バックアップが作成されていることを検証しない点に注意してください。
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Oracle Fusion Middlewareの管理の環境のバックアップ
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『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』の12c (12.2.1.3.0)のためのOracleデータベースのアップグレードおよび準備に関する項
- スキーマ・バージョン・レジストリ表のバックアップ
システム・バックアップには、SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表またはFMWREGISTRY.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表を含める必要があります。 - カスタマイズされたドメイン設定および環境設定のメンテナンス
アップグレード前の環境において、ドメインで生成されたスクリプト、サーバー起動スクリプトまたは構成ファイルを変更した場合は、これらの変更内容がインストール、ドメイン・アップグレードおよび再構成の操作中に上書きされることに注意する必要があります。アップグレード後に引き続き使用できるように、カスタマイズされたファイルを共有ライブラリの場所に保存します。
親トピック: アップグレード前の要件
スキーマ・バージョン・レジストリ表のバックアップ
システム・バックアップには、SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表またはFMWREGISTRY.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表を含める必要があります。
Fusion Middlewareの各スキーマは、SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表内に1つの行を持ちます。Upgrade Assistantを実行して既存のスキーマを更新する際、正常に更新できなかった場合は、元のスキーマをリストアしてからやりなおす必要があります。Upgrade Assistantを実行する前に、既存のデータベース・スキーマおよびスキーマ・バージョン・レジストリをバックアップしてください。
ノート:
Upgrade Assistantを使用してスキーマをアップグレードする前に、完全なデータベース・バックアップを実行する必要があります。アップグレード中、バックアップが実行されていることを確認する必要があります。親トピック: 完全なバックアップの作成
カスタマイズされたドメインおよび環境設定のメンテナンス
アップグレード前の環境でドメイン生成スクリプト、サーバー起動スクリプトまたは構成ファイルを変更した場合、こうした変更はインストール、ドメイン更新および再構成操作の際に上書きされることに注意する必要があります。アップグレード後に引き続き使用できるように、カスタマイズされたファイルを共有ライブラリの場所に保存します。
どのドメインのインストールにも、動的に生成されたドメインおよびサーバーの起動スクリプト(setDomainEnv
など)が含まれています。これらのファイルは、インストールとアップグレードのプロセスで新しいバージョンに置き換えられます。カスタムのドメインレベルの環境設定を維持する場合は、スクリプトを直接変更するのではなく、アップグレード前に、カスタムのドメイン情報を保存しておく個別のファイルを作成することをお薦めします。
たとえば、ドメインのすべてのサーバーに適用されるサーバー起動パラメータをカスタマイズする場合は、setUserOverrides.cmd
(Windows)またはsetUserOverrides.sh
(UNIX)という名前のファイルを作成して、WebLogic Serverクラスパスにカスタム・ライブラリを追加する、サーバー実行用の追加のコマンドライン・オプションを指定する、または追加の環境変数を指定するように構成します。pack
およびunpack
コマンドを使用する際に、このファイルに追加されたカスタム設定はドメインのアップグレード操作中に保存され、リモート・サーバーに継承されます。
setUserOverrides
ファイルでの起動のカスタマイズを示しています。# add custom libraries to the WebLogic Server system claspath
if [ "${POST_CLASSPATH}" != "" ] ; then
POST_CLASSPATH="${POST_CLASSPATH}${CLASSPATHSEP}${HOME}/foo/fooBar.jar"
export POST_CLASSPATH
else
POST_CLASSPATH="${HOME}/foo/fooBar.jar"
export POST_CLASSPATH
fi
# specify additional java command-line options for servers
JAVA_OPTIONS="${JAVA_OPTIONS} -Dcustom.property.key=custom.value"
サーバーの起動中にsetUserOverrides
ファイルが存在する場合、このファイルが起動シーケンスに含まれ、このファイルにオーバーライドがあれば、有効になります。setUserOverrides
ファイルは、EXISTING_DOMAIN_HOME/bin
ディレクトリに格納する必要があります。
ノート:
アップグレード前に、setUserOverrides
スクリプトを作成できない場合は、Oracle WebLogic Serverのアップグレードの起動スクリプトへのカスタマイズの再適用の説明に従って、設定を再適用する必要があります。
親トピック: 完全なバックアップの作成