2 Oracle Internet Directoryのインストールと構成の準備

Oracle Internet Directoryのインストールの準備をするには、システムが基本要件を満たしていることを確認してから、正しいインストール・ソフトウェアを入手します。

標準インストール・トポロジのインストールと構成のロードマップ

このロードマップでは、Oracle Internet Directoryの標準インストール・トポロジのインストールと構成に必要なステップについて説明します。

表2-1では、標準インストール・トポロジをインストールするためのおおまかなステップを示します。

表2-1 標準インストールのロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

システム環境の確認。

インストールを開始する前に、最小限のシステム要件およびネットワーク要件を満たしていることを確認します。

「システム環境の確認のロードマップ」を参照してください

インストールの前に必要な必須パッチの確認。

インストールするソフトウェア製品に必要な必須パッチの有無については、Oracle Fusion Middleware Infrastructureのリリース・ノートを確認してください。

『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureリリース・ノート』インストールと構成に関する項を参照してください。

適切なディストリビューションを入手します

Oracle Internet Directory (OID)は、スタンドアロンとコロケート(同じ場所に配置)の2つのモードでインストールできます。スタンドアロン・モードでインストールする場合、Oracle Fusion Middleware Infrastructureは不要です。OIDをコロケート・モードでインストールする場合は、Oracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールする必要があり、Oracle Internet DirectoryがInfrastructureと同じOracleホームにインストールされていることを確認する必要があります。

「製品ディストリビューションについて」を参照してください。

ディストリビューションのダウンロードの詳細は、Oracle Fusion Middlewareのダウンロード、インストールおよび構成のReadMeを参照してください。

インストール・ディレクトリの決定。 インストーラが、必要なインストーラ・ディレクトリにアクセスまたは作成できることを確認します。また、最小限の要件を満たすシステムにディレクトリが存在することを確認します。 Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解Oracle Fusion Middlewareの主要なディレクトリに関する項を参照してください。

前提条件となるソフトウェアのインストール。

このステップは省略可能です。Oracle Internet Directory (OID)をコロケート・モードでインストールする場合は、Oracle Fusion Middleware InfrastructureをインストールしてOracle Internet Directory用のOracleホーム・ディレクトリを作成する必要があります。OIDスタンドアロン・インストールの場合、Infrastructureは不要です。

『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』Infrastructureソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。

ソフトウェアのインストール。

Oracle Universal Installerを実行してOracle Internet Directoryをインストールします。

ソフトウェアのインストールにより、使用しているシステムにソフトウェアが転送され、Oracleホーム・ディレクトリが作成されます。

「Oracle Internet Directoryソフトウェアのインストール」を参照してください。

データベース・プロファイルの選択と、必要なカスタム変数の確認

データベースに必要なスキーマをインストールする前に、Oracle Internet Directoryのスキーマに設定する必要のあるカスタム変数についての情報を確認します。

Oracle Fusion Middlewareのインストールのためのデータベース要件についてを参照してください。

スキーマの作成。

リポジトリ作成ユーティリティを実行して、構成に必要なスキーマを作成します。

「データベース・スキーマの作成」を参照。

WebLogicドメインの作成

構成ウィザード/アシスタントを使用して、WebLogicドメインを作成して構成します。

Oracle Internet Directoryのスタンドアロン・モードの場合は、スタンドアロン・ドメインを構成する必要があります。

Oracle Internet Directoryの標準トポロジの作成については、「ドメインの構成」を参照してください。Oracle Directory Integration Platformの構成については、「Oracle Directory Integration Platformの構成」を参照してください。

高可用性のためのドメインの管理と準備

ドメインを管理するための追加のツールおよびリソースを確認し、可用性が高くなるようにドメインを構成します。

「ドメイン構成後の次のステップ」を参照してください。

システム環境の確認のロードマップ

インストールおよび構成プロセスを開始する前に、システム環境を検証する必要があります。

表2-2に示された重要なタスクおよびチェックを実行することにより、Oracle Internet Directoryのインストールと構成のために環境が準備されているかどうかを確認できます。

表2-2 システム環境の検証ロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

動作保証およびシステム要件を確認します

対象のオペレーティング・システムが動作保証されていて、インストールと構成に備えて構成されていることを確認します。

動作保証、システムおよび相互運用性の要件の確認を参照してください。

適切なインストール・ユーザーを特定します

インストール・ユーザーが、ソフトウェアをインストールおよび構成するための必要な権限を持っていることを確認します。

「インストール・ユーザーの選択」を参照してください。

目的のシステムでインストール・ディレクトリおよび構成ディレクトリを選択します

推奨ディレクトリ構造に従って、ソフトウェアのインストールと構成に必要なディレクトリを作成できるかどうかを確認します。

インストールおよび構成のためのディレクトリについてを参照してください。

動作保証されたJDKをインストールします

配布のインストール・プログラムは、ご使用のシステムで動作保証されたJDKを必要とします。

Oracle Fusion MiddlewareのインストールのためのJDK要件についてを参照してください。

中間層のスキーマのデータベースのインストールと構成

WebLogicドメインを構成するには、Oracle Internet Directoryで必要とされるスキーマ用に構成され、動作保証されたデータベースにアクセスできる必要があります。

Oracle Fusion Middlewareのインストールのためのデータベース要件についてを参照してください。

動作保証、システムおよび相互運用性の要件の確認

ご使用の環境がインストールの要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスおよびシステム要件のドキュメントを使用することをお薦めします。

  1. 環境が動作保証要件を満たしていることの確認:

    サポートされているハードウェアまたはソフトウェア構成上に製品をインストールすることを確認してください。Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成のページで、使用しているリリースの動作保証ドキュメントを参照してください。

    Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しています。新しい動作保証要件がリリースされると、それらはすぐに動作保証に関するドキュメントに追加されます。動作保証情報は随時発表されます。そのため、動作保証ドキュメントは、ドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  2. 動作保証情報を確認するためのシステム要件ドキュメントの使用:

    Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントを使用して、動作保証要件が満たされていることを確認することをお薦めします。たとえば、動作保証ドキュメントに、お使いの製品が64ビットOracle Linux 6.5のインストールに対して動作保証されていることが示されている場合、このドキュメントを使用してシステムが必要な最小要件を満たしていることを確認します。その中には、ディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージとパッチ、およびその他のオペレーティング・システム固有の要件が含まれます。システム要件は、将来的に変更されることがあります。そのため、システム要件情報のドキュメントは、ドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  3. 複数の製品間での相互運用性の確認:

    複数のFusion Middleware製品を同一リリースから、または異なるリリースが混在した状態でインストールし実行する方法を学習するには、『Oracle Fusion Middleware相互運用性および互換性の理解』「Oracle Fusion Middleware 12cの相互運用性および互換性」を参照してください。

インストール・ユーザーの選択

システムをインストールおよび構成するユーザーは、必要な権限を持っている必要があります。

ユーザー権限について

Fusion Middleware製品をインストールするユーザーは、そのファイルを所有し、そのファイルに対する特定の権限を持ちます。

  • 実行可能ファイル以外(.jar.properties.xmlなど)のすべてのファイルに対する読取り権限と書込み権限。その他の同じグループのすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限のみがあります。

  • すべての実行可能ファイル(.exe.shまたは.cmd)に対する読取り、書込みおよび実行権限。同じグループのその他のすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限および実行権限のみがあります。

これは、ソフトウェアをインストールしたユーザー以外のユーザーが、Oracleホーム・ディレクトリにインストールされているバイナリを使用して、ドメインやFusion Middleware製品を構成できることを意味します。

構成中に構成処理で生成されたファイルの所有権は、構成ウィザードを実行するユーザーに属します。このユーザーは、前述のインストール・ユーザーと同じ権限を持ちます。ただし、セキュリティ・センシティブなファイルは、グループ権限では作成されません。ドメインを作成したユーザーのみが読取りおよび書込み権限を持ち、ドメインを管理できます。

次の例を参考にしてください。

  • 例1: 1人のユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合

    この例は、同じユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合のファイル権限を説明します。

    すべてのファイルに対して適切な権限があるようにするには、同じ所有者が構成ウィザードを使用してOracle Fusion Middleware製品のインストールとWebLogic Serverドメインの構成の両方のタスクを実行することをお薦めします。

    図2-1 1人のユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合のディレクトリ構造



    ドメインを作成するユーザーがソフトウェアをインストールしたユーザーと異なる場合、次の例に示すように、どちらのユーザーにも同じ権限が必要です。

  • 例2: Oracleホーム・ディレクトリとドメインを別のユーザーが作成する場合

    この例は、あるユーザーがOracleホームを作成し、別のユーザーがドメインを構成する場合のファイル権限を説明します。

    図2-2 様々なユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合のディレクトリ構造



ノート:

特定のドメイン・ファイルには、グループ権限がありません。たとえば、cwallet.ssoです。

インストーラを実行する前に、次の点について考慮してください。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、ソフトウェアをインストールする前にumask027に設定することをお薦めします。これにより、インストール時にファイルの権限を適切に設定できます。次のコマンドを使用します。

    umask 027

    このコマンドは、製品のインストーラと同じ端末ウィンドウで実行する必要があります。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、インストール・プログラムをrootユーザーで実行しないでください。rootユーザーとしてインストーラを実行すると、起動検証に失敗し、インストールを続行できなくなります。

  • 製品のインストールを管理する際(パッチ適用、管理対象サーバーの起動など)は、製品インストールに使用したものと同じユーザーIDを使用します。

  • Windowsオペレーティング・システムでは、製品のインストールに管理者権限が必要です。「Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認」を参照してください。

UNIXオペレーティング・システムの非デフォルト・ユーザー権限について

デフォルトの権限の設定を変更すると、インストールおよびシステムのセキュリティが低下します。デフォルトの権限の設定を変更することはお薦めしません。

他のユーザーが特定のファイルまたは実行可能ファイルにアクセスする必要がある場合は、UNIXのsudoコマンド(または他の同様のコマンド)を使用してファイルのアクセス権を変更してください。

さらにサポートが必要な場合は、ご使用のUNIXオペレーティング・システムに付属している管理者ガイドを参照するか、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認

Windowsレジストリを更新するには、管理者権限が必要です。

デフォルトでは、管理者権限を持つグループのユーザーは、一般レベルの権限でシステムにサインインしますが、管理タスクを実行する際には権限レベルの引き上げをリクエストできます。

高い権限が必要なタスクを実行するには:

  1. 左下の「スタート」メニューまたはWindowsアイコンから、「コマンド・プロンプト」アイコンを見つけます。
  2. コマンド・プロンプトを右クリックして「管理者として実行」を選択します。
    こうするとコマンド・プロンプトのウィンドウが新規に開き、このウィンドウで実行されるすべてのアクションが管理者権限で実行されます。

    ノート:

    システムでユーザーアクセス制御が有効な場合、このアクションの確認を求めるウインドウが表示される場合があります。確認し、この手順を続行します。

    ノート:

    Oracle Internet Directoryの場合は、ユーザー・アカウント制御(UAC)が有効化されていることを確認します。完了していない場合、適切なバージョンのOracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様ユーザー・アカウント制御(UAC)の有効化に関する項で説明する手順に従い、UACを有効化します。
  3. 必要なタスクを実行します。

    たとえば、製品のインストーラを起動するには:

    jarファイルの場合は、次のように入力します。

    java —jar distribution_name.jar

    実行可能ファイル(.exe.binまたは.shファイル)の場合、次のように入力します。

    distribution_name.exe

インストールおよび構成のためのディレクトリについて

インストールとドメイン構成のプロセス中に、Oracleホーム、ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームのディレクトリの場所の指定について計画する必要があります。

推奨ディレクトリ構造について

Oracleホーム、ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームには、推奨される特定の場所があります。

図2-3に推奨するディレクトリ構造を示します。

図2-3 Oracle Fusion Middlewareの推奨ディレクトリ構造



システムでベースの場所(Oracleベース)を決めます(/home/oracleなど)。このベースの場所から、productディレクトリおよびconfigディレクトリの2つの別々のブランチを作成します。productディレクトリには、製品のバイナリ・ファイルとすべてのOracleホーム・ディレクトリを含めます。configディレクトリにはドメイン・データとアプリケーション・データを格納します。

Oracleホーム・ディレクトリには構成データを保存しないことをお薦めします。製品を別のメジャー・リリースにアップグレードする場合、バイナリ用に新しいOracleホームの作成が必要になります。また構成データは、Oracleホームのバイナリがアクセス可能な場所に置く必要があります。

このドキュメント全体の例を通じて、/home/oracle/productディレクトリ(Oracleホーム)と/home/oracle/configディレクトリ(アプリケーション・データと構成データ)を使用していますが、これらのディレクトリはご使用のシステムの実際のディレクトリに読み替えてください。

Oracleホーム・ディレクトリについて

Oracle Fusion Middleware製品をインストールする場合は、Oracleホーム・ディレクトリを使用する必要があります。

このディレクトリは、同じマシンにインストールされた複数のFusion Middleware製品で使用される共通ファイルのリポジトリです。これらのファイルにより、Fusion Middlewareがシステムで正しく動作することが保証されます。これらによって、インストール時の製品間の依存関係のチェックが容易になります。このためOracleホーム・ディレクトリは、システムにインストールされるすべてのOracle Fusion Middleware製品の中心的なサポート・ディレクトリとみなすことができます。

Oracleホーム・ディレクトリは、Fusion MiddlewareドキュメントでORACLE_HOMEと呼ばれています。

Oracleホームの考慮事項

Oracleホーム・ディレクトリを作成してFusion Middleware製品をインストールするときには、次の点に注意してください。

  • Oracleホーム・ディレクトリの名前に空白を含めないでください。Oracleホーム・ディレクトリのパスに空白が含まれていると、エラー・メッセージが表示されます。

  • 単一のOracleホーム・ディレクトリには、Oracle Fusion Middlewareの各製品に1つのインスタンスのみインストールできます。異なるバージョンの製品を同じマシンにインストールするには、それぞれのバージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリに格納する必要があります。

    単一のOracleホームに複数の異なる製品をインストールすることもできますが、Oracleホームには各製品で1つのバージョンのみをインストールできます。

複数のホーム・ディレクトリ

ほとんどの場合、Oracleホームは1つで十分ですが、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合もあります。たとえば次の場合に、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する必要があります。

  • それぞれ製品のスタックが別々の開発と本番環境を別々に管理する場合。2つのディレクトリを使用するこのにより、準備ができるまで本番環境を変更せずに、開発環境を更新できるようになります。

  • 2つのバージョンのFusion Middleware製品を同時に保持する場合。たとえば、製品の既存のバージョンを残したまま新しいバージョンをインストールする場合です。この場合、製品の各バージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。

  • 相互に互換性のない複数の製品をインストールする必要があります。『Oracle Fusion Middleware相互運用性および互換性の理解』「Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.3.0)の相互運用性および互換性」を参照してください。

ノート:

複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合は、各製品の構成段階で重複しないポート範囲を指定する必要があります。
ドメイン・ホーム・ディレクトリについて

ドメイン・ホームは、構成するドメインが作成されるディレクトリです。

デフォルトのドメイン・ホームの場所は、ORACLE_HOME/user_projects/domains/domain_nameです。ただし、このデフォルトの場所を使用しないことをお薦めします。ドメイン・ホームは、Oracleホーム・ディレクトリの外部に置きます(たとえば、/home/oracle/config/domains)。configディレクトリには、ドメインとアプリケーションのデータが含まれている必要があります。新規インストール、パッチの適用およびその他の操作によって、ORACLE_HOMEのみが更新され、ドメインの構成は更新されないように、ドメイン専用のディレクトリをお薦めします。

推奨ディレクトリ構造およびドメイン・ホームの配置の詳細は、「推奨ディレクトリ構造について」を参照してください。

Fusion Middlewareドキュメントで、ドメイン・ホーム・ディレクトリはDOMAIN_HOMEと呼ばれ、ドメイン名を含むそれ以下のすべてのフォルダが含まれます。たとえば、ドメイン名がexampledomainで、/home/oracle/config/domainsディレクトリにドメイン・データを配置する場合、ドキュメントでのDOMAIN_HOME/home/oracle/config/domains/exampledomainを指します。

アプリケーション・ホーム・ディレクトリについて

アプリケーション・ホームは、構成するドメインのアプリケーションが作成されるディレクトリです。

デフォルトのアプリケーション・ホームの場所は、ORACLE_HOME/user_projects/applications/domain_nameです。ただし、アプリケーション・ホームは、Oracleホーム・ディレクトリ以外に置くことを強くお薦めします。製品を別のメジャー・リリースにアップグレードする場合、バイナリ用に新しいOracleホームの作成が必要になります。

推奨ディレクトリ構造およびアプリケーション・ホームの配置の詳細は、「推奨ディレクトリ構造について」を参照してください。

Fusion Middlewareドキュメントでは、アプリケーション・ホーム・ディレクトリのことをAPPLICATION_HOMEと呼び、ドメイン名を含むそれ以下のすべてのフォルダが含まれます。たとえば、ドメインexampledomainという名前を付けて、/home/oracle/config/applicationsディレクトリにアプリケーション・データを置いた場合、ドキュメントでは/home/oracle/config/applications/exampledomainを示すためにAPPLICATION_HOMEを使用します。

同じドメインへの複数の製品のインストール

1つのドメインに複数の製品をインストールして構成するには、2つの方法があります。これは、ドメインの拡張とも呼ばれます。

  • 方法1

    スキーマの作成やドメイン内の全サーバーの起動によるドメイン構成の成功の確認も含めて、製品Aのインストールと構成を行います。

    これは、Fusion Middlewareライブラリのすべてのインストール・ガイドで使用される方法です。製品の数に応じて、必要なだけこの手順を繰り返すことができます。この方法では、一度に1つの製品を検証し、製品を段階的に追加することができます。

    製品Aと同じドメインに製品Bをインストールするには:

    1. 新しい製品を追加する間、すべてのサーバーを停止して、ドメインが更新されないようにします。

      Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理Oracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。

    2. 製品Bについて、必要なスキーマの作成など、インストレーション・ガイドの手順に従います。

    3. 構成ウィザードを実行してドメインを構成します。

      構成中、構成ウィザードはインストールされているコンポーネントを自動的に検出し、製品Bを含めるように既存の製品Aドメインを拡張するオプションを提供します。

  • 方法2

    必要なすべての製品をインストールしてから、すべての製品のスキーマを作成します。スキーマの作成後、必要な製品テンプレートを使用してドメインを構成してから、すべてのサーバーを起動します。

    この方法で複数の製品のドメインを作成すると方法1より若干高速になる場合がありますが、Fusion Middlewareライブラリのインストール・ガイドには、この方法でのドメイン作成についての具体的な手順は示されていません。

関連項目:

共有記憶域の準備

Oracle Fusion Middlewareでは、1つのOracleホームから複数のWebLogic Serverドメインを構成できます。これにより、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールすることや、複数のホストのインストールにOracleホームを再利用することができます。

ご使用の環境で共有記憶域を使用する場合は、詳細についてOracle Fusion Middleware高可用性ガイド共有記憶域の使用に関する説明を参照してください。

Oracle Fusion MiddlewareのインストールのためのJDK要件について

ほとんどのFusion Middleware製品は、.jarファイル形式で配布されます。これらの配布にJDKは含まれていません。.jar配布インストーラを実行するには、動作保証されたJDKがシステムにインストールされている必要があります。

JDKがOracleホームの外部にインストールされていることを確認してください。Oracleホームの下にJDKをインストールすると、将来タスクを実行しようとしたときに、問題が発生する可能性があります。Oracle Universal Installerは、Oracleホーム・ディレクトリが空であるかどうかを検証し、空のディレクトリが指定されるまで、インストールを進めません。JDKのインストールは、/home/oracle/products/jdkディレクトリに配置することをお薦めします。

プラットフォーム固有のディストリビューションには、.bin (UNIXオペレーティング・システム用)または.exe (Windowsオペレーティング・システム用)インストーラが含まれます。その場合は、プラットフォーム固有のJDKがディストリビューションに含まれており、JDKを別途インストールする必要はありません。ただし、認定されたJDKのバージョンによっては、より新しいバージョンにそのJDKをアップグレードする必要があります。

Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成のページで動作保証情報を参照し、必要なJDKバージョンであることを確認してください。12c (12.2.1.3.0)では、動作保証されたJDKは1.8.0_131以上です。

必要なJDKをダウンロードするには、次のURLにアクセスしてJava SE JDKをダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html

Oracle Fusion Middlewareのインストールのためのデータベース要件について

多くのOracle Fusion Middleware製品は、構成の前にデータベース・スキーマが必要です。このようなスキーマをインストールできるデータベースがない場合は、動作保証されたデータベースをインストールして構成する必要があります。

ノート:

12cではマルチテナント機能がサポートされており、プラガブル・データベース(PDB)とコンテナ・データベース(CDB)がサポートされています。

オペレーティング・システムで動作保証されているデータベースを調べるには、Oracle Technology Network (OTN)のOracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

スキーマ作成用にデータベースが適切に構成されていることを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントのリポジトリ作成ユーティリティの要件に関する項を参照してください。

データベースが正しく構成されたら、Repository Creation Utility(RCU)を使用してデータベースに製品スキーマを作成する必要があります。このツールはOracle Fusion Middleware製品のOracleホームにあります。『Oracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』リポジトリ作成ユーティリティの概要に関する項を参照してください。

製品の配布について

Oracle Fusion Middleware Infrastructureディストリビューションを使用して、Oracle WebLogic ServerソフトウェアおよびOracle Java Required Files (JRF)ソフトウェアの両方を含む初期Oracle Internet Directoryドメインを作成します。

Oracle JRFソフトウェアは、次のものから構成されています。

  • Oracle Web Services Manager。

  • Oracle Application Development Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。

  • リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)

  • Oracle Fusion Middleware製品をサポートするために必要な、その他のライブラリとテクノロジ

前提条件:
  • Oracle Fusion Middleware InfrastructureのインストールOracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』Infrastructureソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。
  • SUSE 11以上の場合:

    • openmotifパッケージは、SUSE 11以降ではデフォルトでは含まれません。Oracle Internet DirectoryをSUSE 11以降に正常にインストールするには、openmotifパッケージがインストールされている必要があります。

      このパッケージをNovell Webサイトから取得し、Novellで指定された手順を使用してインストールを実行します。

    • /lib64/libnsl.soから/lib64/libnsl.so.1へのソフトリンクを作成します。

製品の配布の入手

Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle Internet Directoryディストリビューションは、オラクル社の技術リソースで入手できます。

Oracle Fusion Middleware InfrastructureとOracle Internet Directoryのインストールを準備するには:

  1. コマンドラインでjava -versionと入力し、動作保証されたJDKがシステムにインストールされていることを確認します。12c (12.2.1.3.0)では、動作保証されたJDKは1.8.0_131以上です。

    Oracle Fusion MiddlewareのインストールのためのJDK要件についてを参照してください。

  2. Oracle Fusion Middleware InfrastructureとOracle Internet Directoryソフトウェアを特定してダウンロードします。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング製品ディストリビューションの入手に関する項を参照してください。

    製品評価のためにディストリビューションを取得するには、Identity and Access Managementのダウンロード・ページにアクセスしてください。

ソフトウェアのインストールと構成を準備したら、「Oracle Internet Directoryソフトウェアのインストール」および「Oracle Internet Directoryドメインの構成」を参照してください。