E インストールのトラブルシューティング

Oracle Fusion Middleware製品のインストールまたはアンインストール中に問題が発生する場合があります。この情報は、これらの問題のトラブルシューティングに役立ちます。

インストール・ログ・ファイルおよび構成ログ・ファイルの構成

「インストーラ」ウィザードおよび「構成」ウィザードによって作成されるログ・ファイルには、インストールまたは構成に関する問題のトラブルシューティングに役立つ情報が含まれています。

インストール・ログ・ファイル

デフォルトでは、インストーラはログ・ファイルをCentral_Inventory_Location/log (UNIXオペレーティング・システムの場合)またはCentral_Inventory_Location\logs (Windowsオペレーティング・システムの場合)ディレクトリに書き込みます。

UNIXオペレーティング・システムでは、Oracle中央インベントリの場所が不明な場合は、次のディレクトリ(デフォルトの場所)に格納されているoraInst.locファイルでその場所を検索できます。

  • Linux: /etc/oraInst.loc

  • HP-UX、IBM AIX、Mac OS XおよびSolarisの場合: /var/opt/oracle/oraInst.loc

Windowsオペレーティング・システムの場合、中央インベントリ・ディレクトリの場所は%SystemDrive%\Program Files\Oracle\Inventory\logsです。

次のインストール・ログ・ファイルがログ・ディレクトリに書き込まれます。

  • installdate-time-stamp.log

    これはメインのログ・ファイルです。

  • installProfiledate-time-stamp.log

    このログ・ファイルには、インストールを完了するまでの時間、構成、メモリーおよびCPUの詳細などの全体的な統計情報が含まれています。

  • oraInstalldate-time-stamp.out

    このログ・ファイルには、その他のログ出力が含まれます。

  • oraInstalldate-time-stamp.err

    このログ・ファイルには、その他のログ出力が含まれます。

「自動更新」機能によって作成されたパッチ関連のログ・ファイルは、ORACLE_HOME/cfgtoollogsディレクトリに書き込まれます。

ロギング・レベルを変更してロギングの詳細情報を増減するには:

インストーラの起動時にコマンドラインから-logLevelオプションを指定します。たとえば:

java -jar fmw_12.2.1.3.0_infrastructure_generic.jar  -logLevel finer

時間の使用状況に関する情報をログに記録するには:

インストーラの起動時にコマンドラインから-printtimeオプションを指定します。-printtimeオプションでは、timetimestamp.logファイルを作成して、要求されたOracle Universal Installerの操作(-installなど)の各種要素の実行にかかった時間に関する情報を記録します。たとえば:

java -jar fmw_12.2.1.3.0_infrastructure_generic.jar  -printtime

timeTakendate-time-stamp.logファイルおよびtimedate-time-stamp.logファイルについて、簡単に説明します。

  • timeTakendate-time-stamp.log

    このファイルには、画面間の移動にかかった時間の情報が含まれます(GUIインストールの場合のみ)。

  • timedate-time-stamp.log

    このファイルには、コピー・セッションに関する時間情報が含まれます。

構成ログ・ファイル

構成セッションのログ・ファイルを作成するには、-logオプションを指定して構成ウィザードを起動します。

UNIXオペレーティング・システムの場合:

ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/config.sh -log=log_filename -log_priority=log_level

Windowsオペレーティング・システムの場合:

ORACLE_HOME\oracle_common\common\bin\config.cmd -log=log_filename -log_priority=log_level

-logオプションおよび-log_priorityオプションの詳細は、次の表を参照してください。

表E-1 構成ウィザードのログ・ファイルのオプション

オプション 説明

-log

ログ・ファイルの格納場所を指定します。

log_filenameで絶対パスを指定すると、ログ・ファイルはそのパスに作成されます。ファイル名のみを指定し、パスを指定しない場合、ログ・ファイルはOracleホームのlogsディレクトリに作成されます。

-logと指定できるその他の値は次のとおりです。

  • stdout

    これは、エラー・メッセージを標準出力ストリームに書き込みます。

  • stderr

    これは、エラー・メッセージを標準エラー・ストリームに書き込みます。

  • disable

    デフォルトのロギングを無効にして、ORACLE_HOME/logs(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはORACLE_HOME\logs(Windowsオペレーティング・システムの場合)にログ・ファイルが生成されないようにします。

-log_priority

記録されるログの詳細レベルを指定します。

最も詳細から最も詳細でない値まで、指定可能な値を次に示します。

  • debug

  • info

  • warning

  • error

  • fatal

カスタム一時ディレクトリの指定

インストール・プログラムは、一時ディレクトリを使用して、ターゲット・システム上にソフトウェアをインストールするために必要なファイルを解凍します。インストーラの実行時にインストール・プログラムが使用するデフォルトの一時ディレクトリ(/var/tmpなど)に十分な空きメモリーがない場合は、インストーラの起動に失敗します。

このため、インストール・プログラムが使用する一時ディレクトリに十分な領域がない場合は、Fusion Middleware製品をインストールする前にこのディレクトリの領域をクリーン・アップする必要があります。

または、次のいずれかを実行して、インストーラの実行時に使用するカスタム一時ディレクトリを指定することもできます。

  • 汎用(.jar)ディストリビューションをインストールする場合は、インストール・プログラムの起動時のコマンド行に-Djava.io.tmpdir=tmp_dir_pathオプションを指定します。tmp_dir_pathは、インストール・プログラム用の一時的な格納領域として指定するディレクトリのフルパスに置き換えます。

    たとえば、Oracle Fusion Middleware InfrastructureをLinuxにインストールするための一時ディレクトリとして/scratch/tempを使用する場合は、次のコマンドを実行してインストーラを起動します。

    java -Djava.io.tmpdir=/scratch/temp -jar fmw_12.2.1.3.0_infrastructure_generic.jar 
  • プラットフォーム固有の(.bin)ディストリビューションをインストールする場合は、インストール・プログラムの起動時のコマンド行に-J-Djava.io.tmpdir=tmp_dir_pathオプションを指定します。tmp_dir_pathは、インストール・プログラム用の一時的な格納領域として指定するディレクトリのフルパスに置き換えます。

    たとえば、Oracle HTTP ServerをLinuxにインストールするための一時ディレクトリとして/scratch/tempを使用する場合は、次のコマンドを実行してインストーラを起動します。

    ./fmw_12.2.1.3.0_ohs_linux64.bin -J-Djava.io.tmpdir=/scratch/temp