1 Oracle Universal Installerの使用方法
Oracle Universal Installerの使用の詳細は、次の項を参照してください。
- Oracle Universal Installerのシステム要件
使用するシステムでOracle Universal Installerを実行できるようにするために、システム要件を確認してください。インストーラを起動するには、これらの要件を満たす必要があります。 - Oracle中央インベントリについて
製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされた場合、Oracle中央インベントリには、使用するシステム上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。 - Oracleホームの内容の表示
Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、ORACLE_HOME/oui/bin
のviewInventory.sh
(UNIXオペレーティング・システム)またはviewInventory.cmd
(Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、Oracleホーム・ディレクトリの内容を表示できます。 - 2つのOracleホームの内容の比較
Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、ORACLE_HOME/oui/bin
のcompareInventory.sh
(UNIXオペレーティング・システム)またはcompareInventory.cmd
(Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、2つのOracleホームの場所の内容を比較できます。 - 可能なインストール・モードについて
Oracle Universal Installerはグラフィカル・モードまたはサイレント・モードで実行できます。 - Oracle Universal Installerの起動
Oracle Universal Installerは、製品ディストリビューションのパッケージ方法に応じて、様々な方法で起動できます。
Oracle Universal Installerのシステム要件
使用するシステムでOracle Universal Installerを実行できるようにするために、システム要件を確認してください。インストーラを起動するには、これらの要件を満たす必要があります。
Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様の「Oracle Universal Installerの要件」を参照してください。
Oracle中央インベントリについて
製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされた場合、Oracle中央インベントリには、使用するシステム上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。
Oracle Universal Installerは実行されるたびに、システムでの中央インベントリの場所を確認します。中央インベントリの場所がみつからない場合(たとえば、Oracle製品を初めてインストールしている場合)、作成するように求められます(UNIXオペレーティング・システム上にOracle Central Inventoryの場所を指定します)。
インベントリ情報は、Extensible Markup Language (XML)形式で格納されます。XML形式によって、問題の診断が容易になり、データを短時間でロードできます。保護情報は直接中央インベントリには格納されません。このため、一部の製品の削除時、検証用に必須の資格証明を入力するよう求められます。
中央インベントリはシステム固有のインストールのインベントリであり、中央インベントリは他のシステムと共有していないローカル・ファイル・システムに置くことをお薦めします。他のシステムのインストールによってインベントリが破損することがないよう、中央インベントリをローカル・ディスクに配置することを強くお薦めします。中央インベントリをOracleホーム、ドメイン・ホームまたはアプリケーション・ホームの場所には置かないでください。
同じOracleホームにインストールされたすべての製品は、同じOracle中央インベントリに関連付けられている必要があります。
- UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の指定
UNIXオペレーティング・システムで、グラフィカル・インストーラまたはサイレント・インストールを使用してOracle中央インベントリの場所を設定できます。 - UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所
UNIXオペレーティング・システム上のOracle中央インベントリを見つけるには、中央インベントリの場所へのポインタを含むoraInst.loc
ファイルを検索します。 - Windowsオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所
Windowsオペレーティング・システムの場合、中央インベントリ・ディレクトリのデフォルトの場所は、C:\Program Files\Oracle\Inventory
です。
UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の指定
UNIXオペレーティング・システムで、グラフィカル・インストーラまたはサイレント・インストールを使用してOracle中央インベントリの場所を設定できます。
- グラフィカル・インストーラを使用したUNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の設定
Oracle Universal Installerグラフィカル・インタフェースを使用してOracle製品をインストールする際に既存のOracle中央インベントリがUNIXオペレーティング・システムで検出されない場合、「インストール・インベントリの設定」画面が表示されます。 - サイレント・インストールを使用したUNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の設定
UNIXオペレーティング・システムでサイレント・インストールを行う場合は、システムにOracle中央インベントリを設定してから、インストールを実行する必要があります。これを行うには、/tmp/createCentralInventory.sh
スクリプトをroot
として実行し、中央インベントリを作成する必要があります。
親トピック: Oracle中央インベントリについて
グラフィカル・インストーラを使用したUNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の設定
Oracle Universal Installerグラフィカル・インタフェースを使用してOracle製品をインストールする際に既存のOracle中央インベントリがUNIXオペレーティング・システムで検出されない場合、「インストール・インベントリの設定」画面が表示されます。
「インストール・インベントリの設定」画面の指示に従いOracle中央インベントリを設定してください。製品のインストールを続行するには、まず、これを完了する必要があります。
ここでは次を実行します。
-
Oracle中央インベントリ・ディレクトリ(デフォルトは
USER_HOME/oraInventory
)を作成します。このディレクトリは、インストールを実行するユーザーによって所有されます。 -
Oracle中央インベントリの場所内(たとえば、
USER_HOME/oraInventory/createCentralInventory.sh
)にcreateCentralInventory.sh
スクリプトを作成します。このスクリプトを
root
として実行し、Oracle中央インベントリの場所をシステムの標準ファイル(/etc/oraInst.loc
など)に登録する必要があります。UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所を参照してください。
サイレント・インストールを使用したUNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の設定
UNIXオペレーティング・システムでサイレント・インストールを行う場合は、システムにOracle中央インベントリを設定してから、インストールを実行する必要があります。これを行うには、/tmp/createCentralInventory.sh
スクリプトをroot
として実行し、中央インベントリを作成する必要があります。
/tmp/createCentralInventory.sh
スクリプトを実行する方法の詳細は、UNIXユーザー対象: 中央インベントリの作成を参照してください。
作成後、スクリプトを実行することで作成されたすべてのディレクトリの所有者は、インストールを実行するユーザーではなくroot
になります。
UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所
UNIXオペレーティング・システム上のOracle中央インベントリを見つけるには、中央インベントリの場所へのポインタを含むoraInst.loc
ファイルを検索します。
oraInst.loc
ファイルは、次のディレクトリ(デフォルトの場所)にあります。
-
Linux:
/etc/oraInst.loc
-
HP-UX、IBM AIX、Mac OS XおよびSolarisの場合:
/var/opt/oracle/oraInst.loc
親トピック: Oracle中央インベントリについて
Windowsオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所
Windowsオペレーティング・システムの場合、中央インベントリ・ディレクトリのデフォルトの場所は、C:\Program Files\Oracle\Inventory
です。
親トピック: Oracle中央インベントリについて
Oracleホームの内容の表示
Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、ORACLE_HOME/oui/bin
のviewInventory.sh
(UNIXオペレーティング・システム)またはviewInventory.cmd
(Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、Oracleホーム・ディレクトリの内容を表示できます。
インベントリは、Oracle中央インベントリとOracleホーム・インベントリの2種類です。viewInventory.sh
またはviewInventory.cmd
スクリプトを使用して、Oracleホーム・ディレクトリを表示します。
次の情報が出力されます。
-
インストールされているディストリビューションの名前およびバージョン。
-
インストールされている機能セットの名前およびバージョン。
-
インストールされているコンポーネントの名前およびバージョン。
-
インストールされているパッチのパッチIDおよび一意のID。
ノート:
ディストリビューションおよび機能セットの詳細は、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングの製品の配布に関する項を参照してください。
スクリプト出力は、コンソール・ウィンドウ、XMLファイルまたはCSVファイル(スプレッドシートにインポート可能)に送ることができます。
このスクリプトは、ORACLE_HOME/oui/bin
ディレクトリにあります。
UNIXオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。
viewInventory.sh [-jreLoc jre_location] [-oracle_home oracle_home_location] [-output_format [report|xml|csv]] [-output_file output_file_location_and_name]
Windowsオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。
viewInventory.cmd [-jreLoc jre_location] [-oracle_home oracle_home_location] [-output_format [report|xml|csv]] [-output_file output_file_location_and_name]
このコマンドのすべてのオプションは任意指定で、次の表で説明しています。
表1-1 viewInventoryスクリプトのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
|
|
インベントリ情報を表示するOracleホーム。Oracleホームを指定しない場合、デフォルトはスクリプトが実行されるOracleホームです。 |
|
出力の記録形式。有効な値は次のとおりです。
出力形式を指定しないと、 |
|
出力ファイルの名前と形式。このオプションはXML形式またはCSV形式で保存する場合のみ必須です。出力ファイルが指定されないと、スクリプトはデフォルトでコンソール・ウィンドウに出力します。 |
2つのOracleホームの内容の比較
Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、ORACLE_HOME/oui/bin
のcompareInventory.sh
(UNIXオペレーティング・システム)またはcompareInventory.cmd
(Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、2つのOracleホームの場所の内容を比較できます。
相違点が見つかると、次の情報が出力されます。
-
Oracleホームの場所。
-
ディストリビューションの名前およびバージョン。
-
機能セットの名前およびバージョン。
-
コンポーネントの名前およびバージョン。
-
パッチのパッチIDおよび一意のID。
ノート:
配布および機能セットの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品の配布についてに関する項を参照してください。
スクリプト出力は、コンソール・ウィンドウ、XMLファイルまたはCSVファイル(スプレッドシートにインポート可能)に送ることができます。
このスクリプトは、ORACLE_HOME/oui/bin
ディレクトリにあります。
UNIXオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。
compareInventory.sh -oracle_home1 oracle_home1_location -oracle_home2 oracle_home2_location [-jreLoc jre_location] [-input_type1 [dir|xml]] [-input_type2 [dir|xml]] [-output_file output_file_location_and_name]
Windowsオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。
compareInventory.cmd -oracle_home1 oracle_home1_location -oracle_home2 oracle_home2_location [-jreLoc jre_location] [-input_type1 [dir|xml]] [-input_type2 [dir|xml]] [-output_file output_file_location_and_name]
-oracle_home1
オプションと-oracle_home2
オプションのみが必要です。このコマンドのすべてのオプションは任意指定で、次の表で説明しています。
表1-2 compareInventoryスクリプトのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
比較する2つのOracleホームの場所のいずれかへのフルパス。 |
|
比較する2つ目のOracleホームの場所へのフルパス。 |
|
|
|
値を指定しないと、スクリプトはソース形式を自動的に検出します。 |
|
値を指定しないと、スクリプトはソース形式を自動的に検出します。 |
|
出力ファイルの名前と形式。このオプションはXML形式またはCSV形式で保存する場合のみ必須です。出力ファイルが指定されないと、スクリプトはデフォルトでコンソール・ウィンドウに出力します。
|
可能なインストール・モードについて
Oracle Universal Installerはグラフィカル・モードまたはサイレント・モードのいずれかで実行できます。
-
グラフィカル・モード
グラフィカル・モード・インストールは、GUIベースで対話的にソフトウェアをインストールする方法です。WindowsとUNIXのどちらのシステムでも実行できます。
UNIXオペレーティング・システムでグラフィカル・モードでインストール・プログラムを実行するには、ソフトウェアのインストール先のマシンに接続されているコンソールで、JavaベースのGUIがサポートされている必要があります。WindowsシステムのすべてのコンソールではJavaベースのGUIがサポートされていますが、UNIXシステムのコンソールではサポートされていないものもあります。
また、UNIXオペレーティング・システムでは、インストーラGUIを表示するモニターに
DISPLAY
環境変数を設定する必要があります。インストールを実行する場合、DISPLAY
が設定されているマシンに対するアクセス権限が必要です。オペレーティング・システムに応じて手順が異なるため、具体的な手順については、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。 -
サイレント・モード
サイレント・モード・インストールは、ソフトウェアを非対話的にインストールする方法です。インストール・オプションの指定にはプロパティ・ファイル(レスポンス・ファイルと呼ばれる)を使用します。サイレント・モード・インストールは、スクリプトまたはコマンド・ラインから実行できます。サイレント・モード・インストールを使用すると、インストール構成を1回だけ定義し、その構成を使用して複数のマシン上に同じ構成のインストールを複製できます。
サイレント・モード・インストールの詳細、およびレスポンス・ファイルの作成方法については、「サイレント・モードでのOracle Universal Installerの使用」を参照してください。サンプル・レスポンス・ファイルの詳細は、「サイレント・インストールおよびサイレント・アンインストール用のレスポンス・ファイルの例」を参照してください。
Oracle Universal Installerの起動
Oracle Universal Installerは、製品ディストリビューションのパッケージ方法に応じて、様々な方法で起動できます。
- 汎用(.jar)ディストリビューションでのOracle Universal Installerの起動
このステップに従い、.jar
ディストリビューションのOracle Universal Installerを起動します。 - プラットフォーム固有のディストリビューションでのOracle Universal Installerの起動
このステップに従い、プラットフォーム固有のディストリビューションのOracle Universal Installerを起動します。
汎用(.jar)ディストリビューションでのOracle Universal Installerの起動
このステップに従い、.jar
ディストリビューションのOracle Universal Installerを起動します。
.jar
ディストリビューションでパッケージ化されているOracle Universal Installerを起動するには、動作保証されたJDKがすでにシステムにインストールされていることを確認してください。Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページの動作保証に関するドキュメントOracle Fusion Middleware 12cのシステム要件およびサポートされるプラットフォームを参照してください。
環境変数を設定せずにインストーラを起動するには:
-
製品ディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。
-
JDKホーム内にある
java -jar
コマンドを呼び出します。たとえば:UNIXオペレーティング・システムの場合:
/home/Oracle/products/jdk1.8.0_101/bin/java -jar distribution_name.jar
Windowsオペレーティング・システムの場合:
C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_101\bin\java -jar distribution_name.jar
JAVA_HOME
およびPATH
環境変数を設定してインストーラを実行することもできます。
プラットフォーム固有のディストリビューションでのOracle Universal Installerの起動
このステップに従い、プラットフォーム固有のディストリビューションのOracle Universal Installerを起動します。
Oracle HTTP Serverなど、一部の製品では製品固有のディストリビューションを入手できます。そのディストリビューションは、UNIXオペレーティング・システムでは .bin
ファイルとして、Windowsオペレーティング・システムでは .exe
ファイルとして入手できます。
.bin
ディストリビューションでOracle Universal Installerを起動するには:
.exe
ディストリビューションでOracle Universal Installerを起動するには、Windows Explorerを使用してディストリビューションが含まれているディレクトリにナビゲートし、setup_
distribution_name
.exe
ファイルをダブルクリックします。