11 エンタープライズ・デプロイメント用のOracle HTTP Serverの構成
Web層を構成する場合、Oracle HTTP ServerまたはOracle Traffic Directorの使用を選択できます。Oracle HTTP Serverを選択して使用する場合、各Web層ホストにOracle HTTP Serverをインストールし、各ホストでOracle HTTPスタンドアロン・ドメインを構成する必要があります。
Web層のOracle HTTP Serverインスタンスによって、HTTPリクエストがハードウェア・ロード・バランサからアプリケーション層の特定の管理対象サーバーに転送されます。
Oracle HTTP Serverを構成する前に、「Web層の理解」を確認してください。
注意:
Oracle Managed File Transferを構成する予定の場合、TCPを介してFTPおよびSFTPリクエストをルーティングするようにOracle Traffic Directorを構成する必要があります。
- Oracle HTTP Serverドメインについて
エンタープライズ・デプロイメントでは、各Oracle HTTP Serverインスタンスは別個のホストおよび独自のスタンドアロン・ドメイン内に構成されます。これにより、実行および管理に必要な構成およびリソースを最小限に抑えた簡易な構成が可能になります。 - Oracle HTTP Serverの構成時に使用される変数
この章のタスクを実行する際には、この項にリストされているディレクトリ変数を参照します。 - WEBHOST1へのOracle HTTP Serverのインストール
Web層にOracle HTTP Serverソフトウェアをインストールする手順を理解することが重要です。 - WEBHOST1でのOracle HTTP Serverドメインの作成
次の項では、最初のWeb層ホストで新しいOracle HTTP Serverスタンドアロン・ドメインを作成する方法について説明します。 - WEBHOST2でのOracle HTTP Serverドメインのインストールおよび構成
WEBHOST1でOracle HTTP Serverをインストールしてドメインを構成したら、同じタスクをWEBHOST2でも実行する必要があります。 - WEBHOST1およびWEBHOST2でのノード・マネージャおよびOracle HTTP Serverインスタンスの起動
WEBHOST1およびWEBHOST2でOracle HTTP Serverインスタンスを起動する方法を理解することが重要です。 - アプリケーション層にリクエストをルーティングするためのOracle HTTP Serverの構成
Oracle HTTP Server構成ファイルを更新して、Webサーバー・インスタンスによりリクエストがドメイン内のサーバーにルーティングされるようにする方法を理解することが重要です。
上位トピック: 「エンタープライズ・ドメインの構成」
Oracle HTTP Serverドメインについて
エンタープライズ・デプロイメントでは、各Oracle HTTP Serverインスタンスは別個のホストおよび独自のスタンドアロン・ドメイン内に構成されます。これにより、実行および管理に必要な構成およびリソースを最小限に抑えた簡易な構成が可能になります。
注意:
Oracle Fusion Middlewareでは、動作保証されたJava Development Kit (JDK)がシステムにインストールされており、Web層のホストでJAVA_HOMEが設定されている必要があります。
Web層でのOracle HTTP Serverインスタンスのロールおよび構成の詳細は、「Web層の理解」を参照してください。
Oracle HTTP Serverの構成時に使用される変数
この章のタスクを実行する際には、この項にリストされているディレクトリ変数を参照します。
いくつかのディレクトリ変数の値については、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」に定義されています。
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WEB_ORACLE_HOME
-
WEB_DOMAIN_HOME
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JAVA _HOME
さらに、次の仮想IP (VIP)アドレスとホスト名を参照します。
-
ADMINVHN
-
WEBHOST1
-
WEBHOST2
WEBHOST1へのOracle HTTP Serverのインストール
Web層にOracle HTTP Serverソフトウェアをインストールする手順を理解することが重要です。
サポートされているJDKのインストール
Oracle Fusion Middlewareでは、動作保証されたJava Development Kit (JDK)がシステムにインストールされている必要があります。
JDKソフトウェアの検索とダウンロード
動作保証されているJDKを調べるには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証ドキュメントを参照してください。
現在のOracle Fusion MiddlewareリリースのOracle JDKを特定したら、Oracle Technology Networkの次の場所からOracle JDKをダウンロードできます。
http://www.oracle.com/technetwork/java/index.html
Java SE JDKのダウンロードに必ず移動してください。
親トピック: サポートされているJDKのインストール
JDKソフトウェアのインストール
Oracle Fusion Middlewareでは、動作保証されたJava Development Kit (JDK)をシステムにインストールする必要があります。
Web層の各ホスト・コンピュータのローカル記憶域デバイスに、JDKをインストールする必要があります。DMZに配置されるWeb層ホスト・コンピュータは、アプリケーション層の共有記憶域に必ずしもアクセスできるとはかぎりません。
JDKソフトウェアの推奨場所の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメント用の推奨ディレクトリ構造の理解」を参照してください。
次の例では、JDK 1.8.0_131の最新バージョンをインストールする方法について説明します。
親トピック: サポートされているJDKのインストール
Oracle HTTP Serverのインストール画面のナビゲート
次の表に、インストール・プログラムで表示される順序で画面をリストします。
インストール画面に関して詳細な情報が必要な場合は、画面名をクリックしてください。
表11-1 Oracle HTTP Serverインストール画面
画面 | 説明 |
---|---|
UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、この画面が表示されます。中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システムのグループ名に、中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認します。 『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』のOracleセントラル・インベントリに関する項を参照してください。 注意: 製品ディレクトリ内に、中央インベントリ・ディレクトリを構成することをお薦めします。例: インストーラが完了したら、 |
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製品のインストーラの紹介画面です。 |
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この画面を使用して、使用可能なパッチをMy Oracle Supportで自動的に検索するか、組織のためにすでにダウンロードされているパッチを、ローカル・ディレクトリで自動的に検索します。 |
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この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。 エンタープライズ・デプロイメントのためには、表7-3に示すWEB_ORACLE_HOME変数の値を入力します。 |
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「スタンドアロンHTTPサーバー(WebLogic Serverとは別に管理される)」を選択します。 このインストール・タイプでは、他の既存のOracle WebLogic Serverドメインとは別個にOracle HTTP Serverインスタンスを構成できます。 |
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JDKホームの値として、JDKソフトウェアのインストール時に設定したJAVA_HOMEの値を入力します。 |
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この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。 警告またはエラー・メッセージが表示された場合、ホスト・コンピュータおよび必須ソフトウェアが「ホスト・コンピュータのハードウェア要件」および「エンタープライズ・デプロイメント・トポロジのオペレーティング・システム要件」に示すシステム要件および動作保証情報を満たしていることを確認してください。 |
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この画面を使用して、選択したインストール・オプションを検証できます。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。レスポンス・ファイルは、今後、サイレント・インストールを実行する場合に使用できます。 『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』で、サイレント・モードにおけるOracle Universal Installerの使用方法に関する項を参照してください。 |
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この画面では、インストールの進行状況を参照できます。 |
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インストールが完了すると、この画面が表示されます。この画面に表示される情報を確認してから、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。 |
Oracle HTTP Serverインストールの確認
WEB_ORACLE_HOME
フォルダの内容を検証して、Oracle HTTP Serverのインストールが正常に完了していることを確認してください。
次のコマンドを実行し、インストールしたフォルダ構造を次のリストと比較します。
ls --format=single-column WEB_ORACLE_HOME
Oracle HTTP Server Oracleホーム内の次のファイルとディレクトリがリストされます。
bin
cdata
cfgtoollogs
crs
css
cv
has
install
inventory
jlib
ldap
lib
network
nls
ohs
OPatch
oracle_common
oracore
oraInst.loc
oui
perl
plsql
plugins
precomp
QOpatch
racg
rdbms
slax
sqlplus
srvm
webgate
wlserver
xdk
WEBHOST1でのOracle HTTP Serverドメインの作成
次の項では、最初のWeb層ホストで新しいOracle HTTP Serverスタンドアロン・ドメインを作成する方法について説明します。
WEBHOST1での構成ウィザードの起動
構成ウィザードを起動するには、次のディレクトリに移動し、次のようにWebLogic Server構成ウィザードを起動します。
cdWEB_ORACLE_HOME
/oracle_common/common/bin
./config.sh
Oracle HTTP Serverドメインの構成ウィザード画面のナビゲート
各Web層ホストでOracle HTTP Serverインスタンスのスタンドアロン・ドメインを作成することをお薦めします。
次の項では、新しいスタンドアロンOracle HTTP Serverドメインを作成する方法について説明します。
- タスク1 ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択
-
「構成タイプ」画面で、「新規ドメインの作成」を選択します。
「ドメインの場所」フィールドに、WEB_DOMAIN_HOME変数に割り当てられている値を入力します。
次の点に注意してください。
-
構成ウィザードにより、ここで指定した新しいディレクトリが作成されます。
-
WebサーバーがDMZ外部の記憶域デバイスと依存関係を持たないように、ディレクトリはローカル記憶域に作成します。
注意:
-
ドメイン・ホーム・ディレクトリの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のドメイン・ホーム・ディレクトリに関する項を参照してください。
-
この画面に示されるその他のオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成の「構成タイプ」に関する項を参照してください。
-
Web層とDMZの詳細は、「標準的なエンタープライズ・デプロイメントのファイアウォールとゾーンの理解」を参照してください。
-
WEB_DOMAIN_HOMEディレクトリ変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。
-
- タスク2 構成テンプレートの選択
-
「テンプレート」画面で、Oracle HTTP Server (スタンドアロン) - 12.2.1.3.0 [ohs]を選択します。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のテンプレートに関する項を参照してください。
- タスク3 Web層ドメインのJDKの選択。
-
Oracle HTTP Serverをインストールする前に
/u02/oracle/products/jdk
ディレクトリにインストールしたOracle HotSpot JDKを選択します。 - タスク4 システム・コンポーネントの構成
-
「システム・コンポーネント」画面で、1つのOracle HTTP Serverインスタンスを構成します。この画面では、デフォルトで1つのインスタンスが定義されています。作成する必要のあるインスタンスは、これ1つのみです。
-
「システム・コンポーネント」フィールドのデフォルトのインスタンス名は、
ohs1
です。WEBHOST1
を構成する際は、このデフォルト名を使用します。 -
「コンポーネント・タイプ」フィールドで、
OHS
が選択されていることを確認します。 -
アプリケーションが応答しない場合は、「再起動間隔秒数」フィールドを使用して、アプリケーションが応答しない場合に再起動を試行するまでの待機秒数を指定します。
-
「再起動遅延秒数」フィールドを使用して、再起動を再度試行する前に待機する秒数を指定します。
-
- タスク5 OHSサーバーの構成
-
「OHSサーバー」画面を使用して、ドメイン内のOHSサーバーを構成します。
-
「システム・コンポーネント」ドロップダウン・メニューから、ohs1を選択します。
-
「リスニング・アドレス」フィールドに
WEBHOST1
と入力します。残りのフィールドはすべて事前に移入されていますが、組織での必要に応じて値を変更できます。『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』で、OHSサーバーに関する項を参照してください。
-
「サーバー名」フィールドで、リスニング・アドレスとリスニング・ポートの値を確認します。
正しくは次のようになります。
http://WEBHOST1:7777
-
- タスク6 ノード・マネージャの構成
-
ノード・マネージャのタイプとして「ドメインごとのデフォルトの場所」を選択して、ノード・マネージャのユーザー名とパスワードを指定します。
注意:
この画面に示されるオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のノード・マネージャに関する項を参照してください。
ノード・マネージャの構成については、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の複数マシンでのノード・マネージャの構成に関する項を参照してください。
- タスク7 構成の仕様の確認とドメインの構成
-
「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインの構成情報の詳細が含まれています。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。
変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで、任意の画面に戻れます。
ドメイン作成は、「作成」をクリックするまでは開始されません。
終了したら、「構成の進行状況」画面で「次へ」をクリックします。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。
- タスク8 ドメイン・ホームのメモ
-
「構成に成功しました」画面には、ドメイン・ホームの場所が表示されます。
ここに表示された情報は、サーバーの起動時および管理サーバーへのアクセス時に必要になるため、メモします。
「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。
WEBHOST2でのOracle HTTP Serverドメインのインストールおよび構成
WEBHOST1でOracle HTTP Serverをインストールしてドメインを構成したら、同じタスクをWEBHOST2でも実行する必要があります。
-
「WEBHOST1へのOracle HTTP Serverのインストール」の手順を使用して、WEBHOST2にログインし、Oracle HTTP Serverをインストールします。
-
「WEBHOST1でのWeb層ドメインの作成」の手順を使用して、WEBHOST2上に新しいスタンドアロン・ドメインを構成します。
WEBHOST2上のインスタンスに
ohs2
という名前を使用して、各例におけるWEBHOST1の出現箇所をすべてWEBHOST2に置き換え、ohs1
の出現箇所をすべてohs2
に置き換えるようにしてください。
WEBHOST1およびWEBHOST2でのノード・マネージャおよびOracle HTTP Serverインスタンスの起動
WEBHOST1およびWEBHOST2でOracle HTTP Serverインスタンスを起動する方法を理解することが重要です。
WEBHOST1およびWEBHOST2でのノード・マネージャの起動
Oracle HTTP Serverインスタンスを起動する前に、WEBHOST1およびWEBHOST2でノード・マネージャを起動する必要があります。
Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理のノード・マネージャの高度な構成を参照。
リクエストをアプリケーション層にルーティングするようにOracle HTTP Serverを構成
Webサーバー・インスタンスがリクエストをドメインのサーバーにルーティングするように、Oracle HTTP Server構成ファイルを更新する方法を理解することが重要です。
エンタープライズ・デプロイメント用のOracle HTTP Server構成について
次の各項では、エンタープライズ・デプロイメントでのOracle HTTP Server構成ファイルに必要な変更について概要を説明します。
Oracle HTTP Server仮想ホストの目的
このガイドの参照用トポロジでは、ハードウェア・ロード・バランサで一連の仮想サーバーを定義することが必要になります。これにより、Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルに<VirtualHost>
ディレクティブを追加して、(ロード・バランサ仮想サーバーにマップされた)個別の仮想ホストへのリクエストを認識するようにOracle HTTP Serverを構成できます。
各Oracle HTTP Server仮想ホストについては、ロード・バランサからOracle HTTP Serverインスタンスを経由してOracle WebLogic Serverドメイン内の該当する管理サーバーまたは管理対象サーバーにリクエストをルーティングする特定のURL (またはコンテキスト文字列)のセットを定義します。
<VirtualHost>ディレクティブのWebLogicClusterパラメータについて
Oracle HTTP Serverの<VirtualHost>
ディレクティブのキー・パラメータは、Oracle HTTP ServerのWebLogicプロキシ・プラグインの一部であるWebLogicCluster
パラメータです。エンタープライズ・デプロイメント用にOracle HTTP Serverを構成する場合は、Oracle HTTP Server構成ファイルにこのパラメータを追加するときに次の情報を考慮してください。
WebLogicCluster
パラメータで指定したサーバーは、起動時のプラグインに対してのみ重要な役割を持ちます。このノードのリストには、実行しているクラスタ・メンバーを1つ以上記述しておく必要があります。記述しておかないと、このプラグインで他のクラスタ・メンバーを検出できません。Oracle HTTP Serverを起動するときには、リストされたクラスタ・メンバーが実行されている必要があります。Oracle WebLogic Serverとこのプラグインの連携により、クラスタに発生した新規のクラスタ・メンバー、失敗したクラスタ・メンバーおよびリカバリしたクラスタ・メンバーを反映してサーバーのリストが自動的に更新されます。
次に例を示します。
-
例1: 2つのノードで構成したクラスタに3番目のメンバーを追加する場合、そのメンバーを追加するために構成を更新する必要はありません。3番目のメンバーは、実行時に自動的に検出されます。
-
例2: クラスタは3つのノードで構成されていても、構成に記述されているノードはそのうちの2つのみであるとします。Oracle HTTP Serverを起動するときにこの2つのノードが両方とも停止していると、プラグインはクラスタを検出できません。Oracle HTTP Serverを起動するときは、リストに記述したノードを1つ以上実行している必要があります。
クラスタのメンバーをすべてリストに記述した場合は、Oracle HTTP Serverの起動時にそのうちの1つ以上を実行しておくことで、クラスタに確実に到達できます。
Oracle HTTP Server構成ファイルの推奨構造
httpd.conf
ファイルに複数の仮想ホスト定義を追加するのではなく、デプロイする製品に必要な各仮想サーバーに対して、より小さくより具体的な別個の構成ファイルを作成することをお薦めします。そうすることで、すでに大きなhttpd.conf
ファイルに追加のコンテンツを移入するのを回避できます。また、構成の問題のトラブルシューティングが容易になることがあります。
たとえば、通常のOracle Fusion Middleware Infrastructureドメインでは、admin_vh.conf
という名前の特定の構成ファイルを追加できます。この構成ファイルには、管理サーバー仮想ホスト(ADMINVHN)の仮想ホスト定義が含まれています。
仮想ホスト構成ファイルを追加するためのhttpd.confファイルの変更
次のタスクを実行して、エンタープライズ・トポロジに必要な追加の仮想ホストのhttpd.conf
ファイルを準備します。
-
WEBHOST1にログインします。
-
ドメイン・ディレクトリで最初のOracle HTTP Serverインスタンス(
ohs1
)のhttpd.conf
ファイルを見つけます。cd WEB_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs1/
-
httpd.conf
ファイルが次のように正しく構成されていることを確認します。-
次のコマンドを実行して、
ServerName
パラメータが正しく設定され、現在のWEBHOSTn用の正しい値が代入されていることを確認します。grep "ServerName http" httpd.conf ServerName http://WEBHOST1:7777
-
次のコマンドを実行して、moduleconfサブディレクトリからすべての
*.conf
ファイルをインクルードするinclude文があることを確認します。grep moduleconf httpd.conf IncludeOptional "moduleconf/*.conf"
-
いずれかの検証で結果が返されなかった場合、またはコメント・アウトされた結果が返された場合は、
httpd.conf
ファイルをテキスト・エディタで開き、正しい場所に必要な変更を加えます。# # ServerName gives the name and port that the server uses to identify itself. # This can often be determined automatically, but we recommend you specify # it explicitly to prevent problems during startup. # # If your host doesn't have a registered DNS name, enter its IP address here. # ServerName http://WEBHOST1:7777 # and at the end of the file: # Include the admin virtual host (Proxy Virtual Host) related configuration include "admin.conf" IncludeOptional "moduleconf/*.conf"
-
httpd.conf
ファイルを保存します。
-
-
WEBHOST2
にログインし、ステップ2および3をhttpd.conf
ファイルに対して実行します(必要に応じてWEBHOST1
またはohs1
のオカレンスをWEBHOST2
またはohs2
に置き換えてください)。
仮想ホスト構成ファイルの作成
仮想ホスト構成ファイルを作成するには:
注意:
仮想ホスト構成ファイルを作成する前に、「Oracle HTTP Server仮想ホストの目的」に説明されているとおりにロード・バランサで仮想サーバーが構成されていることを確認します。ロード・バランサでの仮想サーバー構成の検証
ロード・バランサから次のURLにアクセスして、ロード・バランサとOracle HTTP Serverが正しく構成されていることを確認します。これらのURLは、Oracle HTTP Server 12cの初期Webページを示しています。
-
http://admin.example.com/index.html
-
http://
soainternal.example.com
/index.html
管理サーバーおよびOracle Web Services Managerへのルーティングの構成
Oracle HTTP Serverが管理サーバーと、WLS_WSM管理対象サーバーが含まれているWSM-PM_Clusterにルーティングできるようにするには、一連の<Location>
ディレクティブを追加して、WebLogicCluster
パラメータをクラスタ内のノードのリストに追加する必要があります。
WebLogicCluster
パラメータを設定する手順は次のとおりです。
- 例1 admin_vh.confファイル
<VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName admin.example.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit # Admin Server and EM <Location /console> WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /consolehelp> WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /em> WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> </VirtualHost>
-
例2
soainternal_vh.conf
ファイル -
このファイルの内容:
<VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName
soainternal.example.com
:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit # WSM-PM <Location /wsm-pm> WLSRequest ON WebLogicCluster SOAHOST1:7010,SOAHOST2:7010 WLProxySSL OFF WLProxySSLPassThrough OFF </Location> </VirtualHost>
管理コンソールおよび管理サーバーへのアクセスの確認
この章で行った変更を確認する手順は、次のとおりです。
-
ハードウェア・ロード・バランサへの次のURLを使用してOracle WebLogic Server管理コンソールを表示し、Oracle WebLogic Server管理者資格証明を使用してログインします。
http://admin.example.com/console
これによって、ロード・バランサ上の
admin.example.com
仮想ホストがWeb層のOracle HTTP Serverインスタンスにリクエストをルーティングでき、さらに、このOracle HTTP ServerインスタンスがOracle WebLogic Server管理コンソールのリクエストをアプリケーション層の管理サーバーにルーティングできることが検証されます。 -
同様に、類似したURLを使用してFusion Middleware Controlにアクセスできます。
http://admin.example.com/em