12 エンタープライズ・デプロイメント用のOracle Traffic Directorの構成

Web層を構成する場合、リクエストをアプリケーション層にルーティングするように、Oracle HTTP ServerではなくOracle Traffic Directorを使用することもできます。Oracle Traffic Directorの構成手順は、Oracle HTTP Serverの構成手順とは異なります。Oracle Traffic Directorを使用する場合、Web層ホストとアプリケーション層ホストの両方にOracle Traffic Directorをインストールする必要があります。その後、Oracle Traffic Directorを含めるようにエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張します。

Oracle Traffic Directorを構成する前に、「Web層の理解」を確認してください。

注意:

Oracle Managed File Transferを構成する予定の場合、TCPを介してFTPおよびSFTPリクエストをルーティングするようにOracle Traffic Directorを構成する必要があります。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントでのOracle Managed File Transferの構成」を参照してください。

Oracle Traffic Directorについて

Oracle Traffic Director (OTD)は、アプリケーション層に対するHTTP/SおよびTCPトラフィックをロード・バランシングするためのソフトウェア・ロード・バランサです。Oracle Traffic Directorからのリクエストを受信するアプリケーション層サーバーは、Oracle Traffic Directorオリジン・サーバーと呼ばれます。オリジン・サーバーは、アプリケーション・サーバー、Webサーバー、Oracle Managed File Transfer、LDAPディレクトリ・サーバー、MLLPサーバーまたは任意のタイプのTCPサーバーのいずれかです。

Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1)以降、Oracle Traffic Directorは、エンジニアド・システム(Oracle LinuxやOracle Solarisが稼働するOracle ExalogicまたはOracle Solarisが稼働するOracle SuperCluster)と組み合せて使用できることに加え、Oracle WebLogic Server Multi-tenancyまたはOracle WebLogic Server Continuous Availabilityアドオン・オプションを保持するユーザーが使用できるようになりました。

OTDの詳細は、『Oracle Traffic Directorの管理』Oracle Traffic Directorの概要に関する項を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントでのOracle Traffic Directorについて

Oracle Traffic Directorは、Web層のOracle HTTP Serverのかわりとして使用できます。Oracle HTTP Serverと同様に、これはHTTPリクエストをフロントエンド・ロード・バランサからアプリケーション層のWebLogic管理対象サーバーにルーティングできます。ただし、TCPロード・バランシングおよびフェイルオーバーを提供できるのは、Oracle Traffic Directorのみです。

Managed File Transferを構成する場合(SFTPリクエストのルーティングおよびロード・バランシングを必要とする)、Oracle Traffic Directorを使用する必要があります。

エンタープライズ・デプロイメントでは、システム管理目的でOracle Traffic Directorがアプリケーション層ホストのドメインに追加されるため、Web層ホストとアプリケーション層ホストの両方にOracle Traffic Directorをインストールします。

各アプリケーション層ホストで、アプリケーション層ソフトウェアをインストールしたのと同じOracleホームに、コロケート・モードでOracle Traffic Directorをインストールします。

各Web層ホストで、スタンドアロン・モードでOracle Traffic Directorをインストールします。

その後、Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、Oracle Traffic Directorシステム・コンポーネントを含めるようにアプリケーション層ドメインを拡張します。これにより、ドメインの管理対象サーバーの制御に使用するものと同じ管理サーバーによって、Oracle Traffic Directorコンポーネントを管理できます。

次の項では、Managed File Transferに必要なOracle Traffic Director構成を使用するための具体的な手順について説明します。ただし、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジ内の他のコンポーネントのためにWeb層としてOracle Traffic Directorを構成するには、これらの項の手順を使用します。

Oracle Traffic Directorの構成時に使用される変数

Oracle Traffic Director参照をインストールして構成する手順では、環境内で使用される実際の値に置換できる一連の変数を使用します。

これらの手順では、次のディレクトリの場所の変数が使用されます。

  • WEB_ORACLE_HOME

  • ASERVER_HOME

  • MSERVER_HOME

  • WEB_DOMAIN_HOME

  • JAVA_HOME

  • NM_HOME

  • WEB_APPLICATION_HOME

ファイル・システム・ディレクトリとディレクトリ変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。

さらに、「エンタープライズ・デプロイメント用の必須IPアドレスの予約」で定義されている、仮想IP (VIP)アドレスADMINVHNを参照してください。

  • ADMINVHN

この章のアクションは、次のホスト・コンピュータで実行します。

  • APPHOST1

  • APPHOST2

  • WEBHOST1

  • WEBHOST2

注意:

この章では、APPHOST1とAPPHOST2は、アプリケーション層ホストのより汎用的な変数を示すことに注意してください。この理由は、作成されるドメインに応じて、ホスト名変数が異なるためです。

たとえば、Oracle SOA Suiteドメイン用にOracle Traffic Directorを構成する場合、APPHOST1はSOAHOST1と同じです。ただし、Oracle Managed File Transferドメイン用にOracle Traffic Directorを構成する場合(通常は独自のドメイン内に構成される)、APPHOST1はMFTHOST1と同じです。

コロケート・モードでのアプリケーション層ホストへのOracle Traffic Directorのインストール

Oracle Universal Installerによる対話的なグラフィカル・ウィザードを使用して、Oracle Traffic Directorをインストールすることができます。高可用性に対応するようにOracle Traffic Directorを構成するには、2つのマウント・ポイントでステップを実行します。

Oracle Traffic Directorインストーラの起動

インストール・プログラムを起動する手順は次のとおりです。

  1. アプリケーション・ホストにログインし、インストーラをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  2. 次のコマンドを実行して、インストール・ウィザードを起動します。

    Linuxの場合

    fmw_12.2.1.3.0_otd_linux64.bin

インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備ができています。

Oracle Traffic Directorのインストール画面のナビゲート(コロケート)

次の表では、最初のアプリケーション層ホストにコロケート・モードでOracle Traffic Directorをインストールするためにインストーラ画面を使用する方法について説明します。

注意:

アプリケーション層の残りでもOracle Traffic Directorをインストールする必要があるのは、次の場合です。

  • ドメイン拡張を予定していたが、アプリケーション・ホストの残りでドメインを解凍したとき、必要なコンポーネントがないためにエラーが発生した場合。

  • アプリケーション・ホストで、AdminServerによってOTDコンポーネントが必要とされるためにAdminServerがフェイルオーバーする可能性がある場合。

インストール画面に関して詳細な情報が必要な場合は、画面名をクリックしてください。

画面 説明

インストール・インベントリの設定

UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、この画面が表示されます。中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名には、中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認してください。

中央インベントリの詳細は、『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』Oracle Fusion Middleware Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。

注意:

製品の共有ボリューム上に、中央インベントリ・ディレクトリを構成することをお薦めします。例: /u01/oracle/products/oraInventory

インストーラが完了したら、oraInventoryからrootとしてcreateCentralinventory.shスクリプトを実行することが必要になる場合もあります。

ようこそ

製品のインストーラの紹介画面です。

「次」をクリックします。

自動更新

この製品の自動更新を受け取るかどうかを選択します。

インストールの場所

既存のアプリケーション層のOracleホームへのパスを入力します。

ランタイム・プロセスからこのディレクトリに書き込むことはできません。

このエンタープライズ・デプロイメントのためには、表7-2に示すORACLE_HOME変数の値を入力します。

インストール・タイプ

この画面を使用してインストールのタイプと、それに従ってインストールされる製品および機能を選択します。

「同じ場所に配置されたOTD(WebLogic Server経由で管理)」を選択します。

JDKの選択

JDKホームの値として、JDKソフトウェアのインストール時に設定したJAVA_HOMEの値を入力します。

前提条件のチェック

前提条件が満たされているか確認するために、ホスト・コンピュータがインストーラによって分析されます。前提条件チェックの結果が画面に表示されます。

前提条件チェックが失敗した場合は、エラーまたは警告メッセージが表示されます。次の操作を実行できます。
  • エラーを修正し、「再実行」をクリックします。たとえば、「Oracle Traffic Directorのインストールの前提条件」に示されている必須パッケージのいずれかがシステムにない場合は、そのパッケージをインストールします。

  • エラーや警告を無視してインストールを続行する場合は、「スキップ」をクリックします。

  • 前提条件のチェック・プロセスを中止するには、「停止」をクリックします。

「次へ」をクリックして、続行します。

インストール・サマリー

この画面には、前に指定したOracleホーム・ディレクトリが表示されます。また、インストールに使用されるディスク領域、および使用可能な空き領域が示されます。

この画面の情報を確認してください。

インストール・ウィザードでこれまで指定した設定をテキスト・ファイル(レスポンス・ファイル)に保存するには、「保存」をクリックします。必要な場合は、このレスポンス・ファイルを使用して、同じインストールをコマンドラインから実行できます。

「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

サイレント・インストールやコマンド行インストールの詳細は、Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールでサイレント・モードにおけるOracle Universal Installerの使用方法に関する項を参照してください。

インストールの進行状況

この画面には、インストール・プロセスの進捗状況とステータスが表示されます。

インストールを取り消す場合は、「取消」をクリックします。インストールを取り消す前にシステムにコピーされたファイルは、システムにそのまま残ります。これらは手作業で削除する必要があります。

「次へ」をクリックして、続行します。

インストール完了

「終了」をクリックします。

アプリケーション層ホストのインストールの確認

インストールおよびインストール後のステップを完了したら、Oracleホーム・ディレクトリ(ORACLE_HOME/otd)に次のディレクトリが含まれることを確認します。

common
lib
plugins

スタンドアロン・モードでのWeb層ホストへのOracle Traffic Directorのインストール

Oracle Universal Installerによる対話的なグラフィカル・ウィザードを使用して、Oracle Traffic Directorをインストールすることができます。このスタンドアロン・インストールは、エンタープライズ・デプロイメントで使用される2つのWEBHOSTシステムで実行します。

サポートされているJDKのインストール

Oracle Fusion Middlewareでは、動作保証されたJava Development Kit (JDK)がシステムにインストールされている必要があります。

JDKソフトウェアの検索とダウンロード

動作保証されているJDKを調べるには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証ドキュメントを参照してください。

現在のOracle Fusion MiddlewareリリースのOracle JDKを特定したら、Oracle Technology Networkの次の場所からOracle JDKをダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technetwork/java/index.html

Java SE JDKのダウンロードに必ず移動してください。

JDKソフトウェアのインストール

Oracle Fusion Middlewareでは、動作保証されたJava Development Kit (JDK)をシステムにインストールする必要があります。

Web層の各ホスト・コンピュータのローカル記憶域デバイスに、JDKをインストールする必要があります。DMZに配置されるWeb層ホスト・コンピュータは、アプリケーション層の共有記憶域に必ずしもアクセスできるとはかぎりません。

JDKソフトウェアの推奨場所の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメント用の推奨ディレクトリ構造の理解」を参照してください。

次の例では、JDK 1.8.0_131の最新バージョンをインストールする方法について説明します。

  1. ディレクトリを、JDKアーカイブ・ファイルをダウンロードした場所に変更します。
    cd download_dir
  2. JDKホーム・ディレクトリにアーカイブを解凍してから、次のコマンドを実行します。
    tar -xzvf jdk-8u131-linux-x64.tar.gz
    ここに記載されたJDKバージョンは、このドキュメントの発行時点のものです。サポートされている最新のJDKについては、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様で現在のOracle Fusion Middlewareリリースを参照してください。
  3. JDKディレクトリを、ディレクトリ構造内の推奨される場所に移動します。
    例:
    mv ./jdk1.8.0_131 /u02/oracle/products/jdk
  4. ホスト・コンピュータでJavaを実行するためのJAVA_HOMEおよびPATH環境変数を定義します。
    例:
    export JAVA_HOME=/u02/oracle/products/jdk
    export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH
  5. 次のコマンドを実行して、適切なjava実行可能ファイルがそのパスにあり、環境変数が適切に設定されていることを確認します。
    java -version
    出力のJavaバージョンは「1.8.0_131」と表示されます。
  6. Web層ホストごとにステップ1から5を繰り返してください。たとえば、WEBHOST1およびWEBHOST2です。

Oracle Traffic Directorインストーラの起動

インストール・プログラムを起動する手順は次のとおりです。

  1. アプリケーション・ホストにログインし、インストーラをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  2. 次のコマンドを実行して、インストール・ウィザードを起動します。

    Linuxの場合

    fmw_12.2.1.3.0_otd_linux64.bin

インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備ができています。

Oracle Traffic Directorのインストール画面のナビゲート(スタンドアロン)

インストール・プログラムでは、次の表にリストされている順序で一連の画面が表示されます。

インストール画面に関して詳細な情報が必要な場合は、画面名をクリックしてください。

画面 説明

インストール・インベントリの設定

UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、この画面が表示されます。中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名には、中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認してください。

中央インベントリの詳細は、Oracle Universal InstallerによるソフトウェアのインストールOracle Universal Installerの使用に関する項を参照してください

注意:

製品ディレクトリ内に、中央インベントリ・ディレクトリを構成することをお薦めします。例: /u02/oracle/products/oraInventory

インストーラが完了したら、oraInventoryからrootとしてcreateCentralinventory.shスクリプトを実行することが必要になる場合もあります。

ようこそ

「次」をクリックします。

自動更新

この製品の自動更新を受け取るかどうかを選択します。

インストールの場所

この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。

Oracleホームは、Oracle製品のソフトウェア・バイナリが格納されているディレクトリです。

注意:

ランタイム・プロセスからこのディレクトリに書き込むことはできません。

エンタープライズ・デプロイメントのためには、表7-3に示すWEB_ORACLE_HOME変数の値を入力します。

インストール・タイプ

この画面を使用して、インストールのタイプを選択し、インストールする製品および機能セットを選択します。

「スタンドアロンOTD(WebLogic Serverとは切り離して管理)」を選択します。

JDKの選択

JDKホームの値として、JDKソフトウェアのインストール時に設定したJAVA_HOMEの値を入力します。

前提条件のチェック

前提条件が満たされているか確認するために、ホスト・コンピュータがインストーラによって分析されます。前提条件チェックの結果が画面に表示されます。

前提条件チェックが失敗した場合は、エラーまたは警告メッセージが表示されます。次の操作を実行できます。

  • エラーを修正し、「再実行」をクリックします。たとえば、「Oracle Traffic Directorのインストールの前提条件」に示されている必須パッケージのいずれかがシステムにない場合は、そのパッケージをインストールします。

  • エラーや警告を無視してインストールを続行する場合は、「スキップ」をクリックします。

  • 前提条件のチェック・プロセスを中止するには、「停止」をクリックします。

「次」をクリックします。

インストール・サマリー

この画面には、前に指定したOracleホーム・ディレクトリが表示されます。また、インストールに使用されるディスク領域、および使用可能な空き領域が示されます。

この画面の情報を確認してください。

インストール・ウィザードでこれまで指定した設定をテキスト・ファイル(レスポンス・ファイル)に保存するには、「保存」をクリックします。必要な場合は、このレスポンス・ファイルを使用して、同じインストールをコマンドラインから実行できます。

「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

サイレント・インストールやコマンド行インストールの詳細は、Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールでサイレント・モードにおけるOracle Universal Installerの使用方法に関する項を参照してください。

インストールの進行状況

この画面には、インストール・プロセスの進捗状況とステータスが表示されます。

インストールを取り消す場合は、「取消」をクリックします。インストールを取り消す前にシステムにコピーされたファイルは、システムにそのまま残ります。これらは手作業で削除する必要があります。

「次」をクリックします。

インストール完了

「終了」をクリックします。

Web層ホストのインストールの確認

インストールおよびインストール後のステップを完了したら、ls --format=single-columnコマンドを使用して、Oracleホーム・ディレクトリに次のディレクトリが含まれていることを確認します。

bin
cdata
cfgtoollogs
crs
css
cv
has
install
inventory
jlib
ldap
lib
network
nls
OPatch
oracle_common
oracore
oraInst.loc
otd
oui
perl
plsql
plugins
precomp
QOpatch
racg
rdbms
slax
sqlplus
srvm
webgate
wlserver
xdk

Oracle Traffic Directorシステム・コンポーネントを含めるドメインの拡張

Oracle Traffic Directorソフトウェアを追加してエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張するには、特定のタスクを実行する必要があります。

構成ウィザードの起動

注意:

ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用されるサーバー起動パラメータをカスタマイズするには、setUserOverridesLate.shというファイルを作成して構成します。たとえば、WebLogic Serverクラスパスにカスタム・ライブラリを追加し、サーバーを実行するための追加のJAVAコマンドライン・オプションを指定するか、追加の環境変数を指定します。このファイルに追加されたカスタマイズはドメインのアップグレード操作中に保存され、PackおよびUnpackコマンドを使用する際にリモート・サーバーに継承されます。

次のディレクトリに移動し、「管理サーバー」ノード(SOAHOST1)でWebLogic Server構成ウィザードを起動します。
cd ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
./config.sh

ドメインを拡張するために構成ウィザード画面へ移動

構成ウィザードを起動したら、次の手順に従って既存のドメインを拡張します。

タスク1   ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。

「ドメインの場所」フィールドに、ASERVER_HOME変数に割り当てられている値を入力します。

注意:

「次」をクリックします。

タスク2   Oracle Traffic Directorの構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面で、Oracle Traffic Director -12.2.1.3.0 [otd]を選択します

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』テンプレートに関する項を参照してください。

「次」をクリックします。

タスク3   GridLink Oracle RACデータベース接続の詳細情報の指定

「GridLink Oracle RACコンポーネント・スキーマ」画面で追加のデータソースを作成する必要はありません。

「次」をクリックします。

タスク4   JDBC接続のテスト

「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面で、構成したデータソース接続をテストします。

すべてのテストが正常に実行されたことを確認して、「次へ」をクリックします。

タスク5   詳細構成オプションの選択

トポロジのドメイン構成を完了するには、「拡張構成」画面で次のオプションを選択します。

システム・コンポーネント

「次」をクリックします。

タスク6   Oracle Traffic Directorのシステム・コンポーネントの追加

「システム・コンポーネント」画面で、「次へ」をクリックします。

構成ウィザードでシステム・コンポーネントを構成する必要はありません。エンタープライズ・デプロイメントに必要なOracle Traffic Directorインスタンスの作成方法については、Oracle Traffic Directorインスタンスの起動を参照してください。

タスク7   Oracle Traffic DirectorのWebLogic Serverマシンの作成

「マシン」画面を使用して、ドメインに2つの新しいマシンを作成します。マシンは、ノード・マネージャでサーバーを起動または停止できるようにするために必要です。

  1. 「Unixマシン」タブを選択します。

  2. 「追加」ボタンをクリックして、2つの新しいUnixマシンを作成します(OTDインスタンスごとに1つ)。

  3. 各マシンで、「ノード・マネージャ・リスニング・アドレス」フィールドにWEBHOSTnを、「ノード・マネージャ・リスニング・ポート」フィールドに5556を指定します。

  4. 「次」をクリックします。
タスク8   構成の仕様の確認とドメインの構成

「構成サマリー」画面には、これから拡張するドメインの構成情報の詳細が含まれています。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。

変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで、任意の画面に戻れます。

「更新」をクリックして、ドメインの拡張を実行します。

終了したら、「構成の進行状況」画面で「次へ」をクリックします。

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成サマリーに関する項を参照してください。

タスク9   ドメイン・ホームと管理サーバーURLのメモ

「構成に成功しました」画面には、構成したドメインに関する次の項目が表示されます。

  • ドメインの場所

  • 管理サーバーURL

どちらの項目も後で必要になるため、メモしておく必要があります。ドメインの場所は、管理サーバーの起動に使用するスクリプトへのアクセスで必要になります。

「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。

タスク10   管理サーバーの起動

ドメイン拡張プロセスの間に管理サーバーを実行していた場合は、サーバーを再起動し、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。

注意:

ドメインを拡張してOTDを含めると、すべてのアプリケーション層ノードに、OTDを使用しない場合でもOTDインストールが含まれるようになります。この追加が必要なのは、ホームの一貫性を保ち、すべてのノード間で必要なスクリプト参照を維持するためです。

ドメインの伝播とWeb層ホスト上のノード・マネージャの起動

アプリケーション層ホストにOracle Traffic Directorをインストールし、Oracle Traffic Directorシステム・コンポーネントを含めるようにドメインを拡張したら、Web層のホストにドメイン構成をコピーしてノード・マネージャを構成できます。

アプリケーション層でのドメインの圧縮

次のステップを使用して、ドメイン構成情報が含まれるテンプレートJARファイルを作成します。

  1. APPHOST1にログインし、次のようにpackコマンドを実行してテンプレートJARファイルを作成します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
     
    ./pack.sh -managed=true \ 
              -domain=ASERVER_HOME \
              -template=full_path/extend_otd_template.jar\
              -template_name=extend_otd_template
    

    この例では、次のようになります。

    • ASERVER_HOMEを、共有記憶域デバイスに作成したドメイン・ディレクトリの実際のパスに置き換えます。

    • full_pathを、テンプレートJARファイルを保存するディレクトリの完全なパスで置き換えます。

    • extend_otd_template.jarは、作成するJARファイルのサンプル名です。これには、Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルなどのドメイン構成ファイルが含まれます。

    • extend_otd_templateは、ドメイン・テンプレート・ファイルに割り当てられる名前です。

  2. packコマンドで作成したばかりのテンプレートJARファイルの場所を書き留めます。

    ヒント:

    packおよびunpackコマンドの詳細は、Oracle Fusion Middleware PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成PackおよびUnpackコマンドの概要に関する項を参照してください。

  3. Web層ホストで使用可能な場所にテンプレートJARファイルをコピーします。

Web層ホストでのドメイン構成の解凍

次の手順を使用して、Oracle Traffic Directoryのドメイン構成情報をWeb層ホストにコピーします。
  1. WEBHOST1にログインします。
  2. まだ作成していない場合は、WEBHOST1の記憶域デバイスに管理対象サーバー・ドメインの推奨ディレクトリ構造を作成します。
  3. packコマンドで作成したテンプレートJARファイルにWEBHOST1からアクセスできることを確認します。
  4. 次のようにunpackコマンドを実行して、ドメイン・ディレクトリ内のテンプレートをローカル記憶域に解凍します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=WEB_DOMAIN_HOME \
    	    -overwrite_domain=true \
                -template=complete_path/extend_otd_template.jar \ 
                -log_priority=DEBUG \
                -log=/tmp/unpack.log \
                -app_dir=WEB_APPLICATION_HOME
    

    この例では、次のようになります。

    • WEB_DOMAIN_HOMEを、ローカル記憶域ディスクに作成するドメイン・ホームの完全なパスに置き換えます。これは、ドメインのコピーの解凍先となる場所です。

    • complete_pathを、packコマンドを実行して共有記憶域デバイス上のドメインを圧縮したときに作成したドメイン・テンプレートJARファイルの完全なパスに置き換えます。

    • WEB_APPLICATION_HOMEを、ローカル記憶域上のそのドメインのアプリケーション・ディレクトリの完全なパスに置き換えます。「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。

    ヒント:

    packおよびunpackコマンドの詳細は、『PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』「PackおよびUnpackコマンドの概要」を参照してください。

  5. ディレクトリを、新しく作成したWEB_DOMAIN_HOMEディレクトリに変更して、ドメイン構成ファイルがWEBHOST1のローカル記憶域デバイスの適切な場所にコピーされていることを確認します。
  6. WEBHOST2で解凍ステップを繰り返します。

Web層ホストでのノード・マネージャの構成および起動

Oracle Traffic Directorは、Web層ホストで単独で実行されるため、Web層ホストごとにノード単位でノード・マネージャを作成する必要はありません。かわりに、Oracle Traffic Directorノードでは、デフォルトのドメイン単位のノード・マネージャを使用します。

セキュリティ上の理由から、DMZでSSLノード・マネージャを使用することもお薦めします。

必要なノード・マネージャ構成を作成して各Web層ホストでノード・マネージャを起動するには、次のステップを実行します。Web層ホストごとに繰り返してください。

  1. WEB_DOMAIN_HOME/nodemanagerに移動します。
  2. nodemanager.propertiesファイルを編集して次のプロパティを確認します。
    • ListenAddress = WEBHOSTn

    • SecureListener = true

  3. ディレクトリをWEB_DOMAIN_HOME/binに変更します。
  4. 次のコマンドを実行してノード・マネージャを起動します。
    nohup ./startNodeManager.sh > $WEB_DOMAIN_HOME/nodemanager/nodemanager.out 2>&1 &

Oracle Traffic Director構成の作成

Oracle Traffic Director構成とは、Oracle Traffic Directorのインスタンス化に使用できるメタデータの集合です。この構成は、Web層ホスト上のサーバー・インスタンスの起動時およびクライアント・リクエストの処理中に、Oracle Traffic Directorによって読み取られます。

構成を作成するには、次のようにします。

  1. アプリケーション層ドメインのFusion Middleware Controlにログインします。
  2. 「WebLogicドメイン」メニューで、「管理」「OTD構成」を選択します。
  3. 「チェンジ・センター」メニュー(ロック・アイコン)で、「ロックして編集」を選択します。
  4. 「作成」をクリックします。
    「新規構成ウィザード」画面が表示されます。
  5. 構成名とオリジン・サーバー・タイプを指定します。
    たとえば、構成名としてedgconfigを指定し、「オリジン・サーバー・タイプ」として「HTTP」を選択して、「次へ」をクリックします。
  6. 「構成の作成: リスナー」画面で、デフォルト値を受け入れて「次へ」をクリックします。
  7. 「構成の作成: オリジン・サーバー・プール」画面で、「次へ」をクリックします。
    エンタープライズ・デプロイメントで構成している製品に対して、後から他のオリジン・サーバーおよびオリジン・サーバー・プールを追加できます。
  8. 「構成の作成: デプロイメント」画面で、デプロイメントのWebLogic ServerマシンとしてWEBHOST1およびWEBHOST2を選択します。「次」をクリックします。
  9. 構成定義が表示された画面を確認し、「構成の作成」をクリックして構成を作成します。
  10. 「チェンジ・センター」メニュー(ロック・アイコン)で、「変更のアクティブ化」を選択して変更を有効にします。

注意:

構成を作成すると、次のものが自動的に作成されます。

  • edgconfigという名前の1つの仮想サーバー。

  • 構成に対して定義されたホストごとに、1つのインスタンス。

Oracle Traffic Directorデフォルト・インスタンスの起動

Oracle Traffic Director構成を使用して、1つ以上の管理ノードにOracle Traffic Directorサーバーのインスタンスを作成できます。

Oracle Traffic Directorデフォルト・インスタンスを起動する手順は次のとおりです。

  1. Traffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
  2. 「WebLogicドメイン」で、「管理」「OTD構成」を選択します。
    使用可能な構成のリストが表示されます。
  3. 前に作成した構成を選択します。詳細は、Oracle Traffic Director構成の作成を参照してください。
  4. 「Traffic Director構成」メニューで、「管理」「インスタンス」を選択します。
    「インスタンス」ページが表示されます。
  5. インスタンスのリストからインスタンスを選択し、「起動」をクリックして、操作が正常に完了したことを確認します。

エンタープライズ・デプロイメント用のOracle Traffic Director仮想サーバーの定義

デフォルトでは、構成を作成すると、HTTPアクセス用のデフォルト仮想サーバー(edg_config)が作成されます。ただし、各エンタープライズ・デプロイメントでは、固有の目的で追加のOracle Traffic Director仮想サーバーおよびオリジン・サーバー・プールを使用します。たとえば、新しいFusion Middleware製品を含めるようにドメインを拡張するたびに、追加の仮想サーバーを定義する必要があります。

エンタープライズ・デプロイメントで必要な仮想サーバーの一覧は、「エンタープライズ・デプロイメントに必要な仮想サーバーのサマリー」を参照してください

Oracle Traffic Director仮想サーバーの作成に関する一般情報は、Oracle Fusion Middleware Oracle Traffic Directorの管理仮想サーバーの作成に関する項を参照してください。

仮想サーバーを作成して構成するには、オリジン・サーバー・プールを作成して仮想サーバーを定義する必要があります。

必要なオリジン・サーバー・プールの作成

表12-1に、エンタープライズ・デプロイメントに必要なオリジン・サーバー・プールを示します。Fusion Middleware Controlを使用して必要なオリジン・サーバー・プールを作成する手順は、次のとおりです。
  1. Fusion Middleware Controlにログインします。
  2. 「WebLogicドメイン」メニューで、「管理」「OTD構成」を選択します。
    使用可能な構成のリストが表示されます。
  3. オリジン・サーバー・プールを追加する構成を選択します。
  4. 「Traffic Director構成」メニューで、「管理」「オリジン・サーバー・プール」を選択します。
    「サーバー・プール」ページが表示されます。その構成に定義されているサーバー・プール(HTTP/SおよびTCPサーバー・プール)のリストが表示されます。
  5. 「チェンジ・センター」メニュー(ロック・アイコン)で、「ロックして編集」を選択します。
  6. 「HTTP/Sオリジン・サーバー・プール」で、「作成」をクリックして必要なHTTPオリジン・サーバー・プールを作成します。
  7. 「オリジン・サーバー情報」で、オリジン・サーバー・プールに関連付けられたサーバーのアドレスを指定します。
  8. 画面の右上にある「OK」をクリックします。

    オリジン・プール・ページに戻ります。

  9. 「TCPオリジン・サーバー・プール」で、「作成」をクリックしてTCPオリジン・サーバー・プールを作成します。
  10. 「オリジン・サーバー情報」で、オリジン・サーバー・プールに関連付けられたサーバーのアドレスを指定します。
  11. 画面の右上にある「OK」をクリックします。

    オリジン・プール・ページに戻ります。

  12. 画面の右上にあるロック・アイコンをクリックすると表示されるサブメニューの「変更のアクティブ化」を選択します。
    作成したオリジン・サーバー・プールの詳細が、「オリジン・サーバー・プール」ページに表示されます。
  13. エンタープライズ・デプロイメントに必要な追加のオリジン・サーバー・プールについてステップを繰り返します。

    オリジン・サーバー・プールが作成された後、新規オリジン・サーバー・プール・ウィザードの「結果」画面にオリジン・サーバー・プールの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。

  14. 画面の右上にあるロック・アイコンをクリックすると表示されるサブメニューの「変更のアクティブ化」を選択します。

表12-1に、Fusion Middleware製品に必要なオリジン・サーバー・プールを示します。この情報は、Fusion Middleware ControlのOracle Traffic Director管理ページを使用してオリジン・サーバー・プールを作成するときに使用できます。

表12-1 各製品に必要なオリジン・サーバー・プール

製品 オリジン・サーバー・プール タイプ オリジン・サーバー

すべての製品(ドメインごとに1つ)

admin-pool

HTTP

ADMINVHN.example.com:7001

Oracle Web Services Manager。

wsm-pool

HTTP

soahost1.example.com:7010

soahost2.example.com:7010

Oracle SOA Suite

Business Process Management

Oracle SOA Suite for Healthcare

soa-pool

HTTP

soahost1.example.com:8001

soahost2.example.com:8001

Oracle Enterprise Scheduler

ess-pool

HTTP

soahost1.example.com:8021

soahost2.example.com:8021

Business Activity Monitoring

bam-pool

HTTP

soahost1.example.com:9001

soahost2.example.com:9001

Oracle Service Bus

osb-pool

HTTP

soahost1.example.com:8011

soahost2.example.com:8011

Oracle Managed File Transfer。

mft-pool

HTTP

mfthost1.example.com:7500

mfthost2.example.com:7500

Oracle Managed File Transfer。

mft-sftp-pool

TCP

mfthost1.example.com:7022*

mfthost2.example.com:7022*

Oracle SOA Suite for Healthcare

healthcare-tcp-pool

TCP

soahost1.example.com:95nn

soahost2.example.com:95nn

注意:

  • *7022は、Managed File TransferサーバーのSFTPリスナーで使用されるデフォルト・ポートです。

  • 静的または動的クラスタへの割当てに従って、適切なポート番号を構成します。動的クラスタでリスニング・ポートの計算オプションを選択している場合は、作成する動的な管理対象サーバーごとに、増分でポート番号が割り当てられます。

仮想サーバーの作成

表12-2に、エンタープライズ・デプロイメントに必要な仮想サーバーを示します。仮想サーバーを作成する手順は次のとおりです。
  1. Fusion Middleware Controlにログインします。
  2. 「WebLogicドメイン」メニューで、「管理」「OTD構成」を選択します。
    使用可能な構成のリストが表示されます。
  3. 仮想サーバーを作成する構成を選択します。
  4. 「Traffic Director構成」メニューで、「管理」「仮想サーバー」を選択します。
  5. 「チェンジ・センター」メニュー(ロック・アイコン)で、「ロックして編集」を選択します。
  6. 「仮想サーバー」で、「作成」をクリックします。
    新規仮想サーバー・ウィザードが開始されます。
  7. 仮想サーバーの名前を入力します。
  8. 「この仮想サーバー用にリスナーを選択」を選択し、「次へ」をクリックします。
  9. 構成を使用して作成したリスナーを選択し、他のデフォルトを受け入れます。「次」をクリックします。
  10. 「仮想サーバーの作成: オリジン・サーバー・プール」画面で、「オリジン・サーバーのプールの選択」を選択します。
  11. 各仮想サーバーについて、表12-2に示すプールを選択します。

    必要な情報の入力を完了したら、「次へ」をクリックします

  12. 「仮想サーバーの作成: 確認」画面のデータを確認し、「仮想サーバーの作成」をクリックします。
    仮想サーバーが作成された後、新規仮想サーバー・ウィザードの「結果」画面に、仮想サーバーの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。
  13. 画面の右上にあるロック・アイコンをクリックすると表示されるサブメニューの「変更のアクティブ化」を選択します。

表12-2は、Fusion Middleware製品に必要な仮想サーバーを示しています。この情報は、Fusion Middleware ControlのOracle Traffic Director管理ページを使用して必要な仮想サーバーを作成するときに使用できます。

表12-2 各製品に必要な仮想サーバー

製品 仮想サーバー名 提供ホスト プール リスナー

すべての製品(ドメインごとに1つ)

admin.example.com

admin.example.com

admin-pool

*

Oracle SOA Suite

Business Process Management

Oracle B2B

Oracle SOA Suite for Healthcare

soa.example.com

soa.example.com

soa-pool

*

Oracle Enterprise Scheduler

soa.example.com

soa.example.com

ess-pool

*

Business Activity Monitoring

soa.example.com

soa.example.com

bam-pool

*

Oracle SOA Suite

Business Process Management

soainternal.example.com

WEBHOST1-V1*

soa-pool

*

Oracle Web Services Manager。

soainternal.example.com

WEBHOST1-V1*

wsm-pool

*

Oracle Enterprise Scheduler

soainternal.example.com

WEBHOST1-V1*

ess-pool

*

Business Activity Monitoring

soainternal.example.com

WEBHOST1-V1*

bam-pool

*

Oracle Service Bus

osb.example.com

osb.example.com

osb-pool

*

Oracle Service Bus

osbinternal.example.com

WEBHOST2-V1*

osb-pool

*

Oracle Managed File Transfer。

mft-http.example.com

mft.example.com

mft-pool

*

注意:

*WEBHOST1-V1WEBHOST2-V1は、対応するOracle Traffic Directorフェイルオーバー・グループで使用されるVIPです。

必要な仮想サーバー・ルートの作成

一部のOracle Fusion Middleware製品では、特定のリクエストを適切な管理対象サーバーに適切なプロトコルでルーティングできるように、特定のURIを定義する必要があります。Oracle Traffic Directorでは、作成済の選択した仮想サーバーに対して特定のルートを作成することで、これらのURIを定義できます。
  1. 表12-3の情報を確認します。

    この項には、特定のOracle Fusion Middleware製品のそれぞれに必要なすべてのルートがリストされています。デプロイする製品について、仮想サーバー、ルートの名前、URIのリストおよびオリジン・サーバー・プールを書き留めてください。その情報を使用して、必要な各ルートを作成できます。

  2. Fusion Middleware Controlにログインします。
  3. 「WebLogicドメイン」メニューで、「管理」「OTD構成」を選択します。
    使用可能な構成のリストが表示されます。
  4. 仮想サーバーを作成する構成をクリックします。
    「Traffic Director構成」ページが表示されます。
  5. 「Traffic Director構成」メニューで、「管理」「仮想サーバー」を選択します。
  6. 編集する仮想サーバーの名前をクリックします。
  7. 「ルート」タブを選択します。
  8. 「チェンジ・センター」メニュー(ロック・アイコン)で、「ロックして編集」を選択します。
  9. 「作成」をクリックします。
    「ルートの作成」ページが表示されます。
  10. 「名前」フィールドに、ルートの名前を入力します。

    各Fusion Middleware製品に対して作成する必要があるルートのリストを参照してください。

  11. 「条件」フィールドで、「式の編集」をクリックします。.「式の編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。
  12. 「手動編集」をクリックします。
  13. ルーティング情報を割り当てる特定のURLを指定する、次の構文を入力します。
    $uri =~ '/context_string'

    例:

    $uri =~ '/soa-infra'

    複数のURLを入力する必要がある場合、それらをorで区切ります。例:

    $uri =~ '/soa-infra' or $uri=~'/inspection.wsil'

    別の方法としては、「作成」をクリックし、ウィザードで式を作成できます。例:

    1. 「変数/関数」リストで$uriを選択します。

    2. 演算子=~を選択します。

    3. 「値」フィールドで/context_stringと入力します。

    4. 「OK」をクリックします。追加する条件ごとに繰り返します。後続の条件では、式タイプをorに変更する必要もあります。

  14. 「検証」をクリックして式の構文を確認します。正しい場合は、「OK」をクリックしてルート条件を保存します。
  15. 「オリジン・サーバー・プール」ドロップダウン・メニューから、このルートに関連付けられたプールを選択します。

    このルートの条件に一致するリクエストが、選択したプールに転送されます。

表12-3は、Fusion Middleware製品に必要な仮想サーバー・ルート(またはURI)を示しています。この情報は、Fusion Middleware ControlのOracle Traffic Director管理ページを使用して必要なルートを作成するときに使用できます。

表12-3 各製品に必要な仮想サーバー・ルート

製品 仮想サーバー名 ルート オリジン・サーバー・プール URI

すべての製品(ドメインごとに1つ)

admin.example.com

admin-route

admin-pool

/console
/em
/consolehelp

Oracle Service Bus

admin.example.com

osbadmin-route

admin-pool

/sbconsole
/servicebus 

Oracle Web Services Manager。

soainternal.example.com

wsm-route

wsm-pool

/wsm-pm

Oracle SOA Suite

soa.example.com

soa-route

soa-pool

/soa-infra
/inspection.wsil
/integration
/sdpmessaging/userprefs-ui
/DefaultToDoTaskFlow
/workflow
/ADFAttachmentHelper
/soa/composer
/frevvo
/insight-soa/

Oracle Service Bus

osb.example.com

osb-route

osb-pool

/sbinspection.wsil
/sbresource
/osb
/alsb
/insight-osb/resources/

Business Process Management

soa.example.com

soa-route

soa-pool

/bpm/composer
/bpm/workspace

Oracle Enterprise Scheduler

soa.example.com

ess-route

ess-pool

/ess
/EssHealthCheck
/ess-async
/ess-wsjob

Business Activity Monitoring

soa.example.com

bam-route

bam-pool

/bam/composer
/OracleBAMWS
/oracle/bam/
/insight

Oracle B2B

soa.example.com

soa-route

soa-pool

/b2bconsole
/b2b/services
/b2b/httpreceiver 

Oracle SOA Suite for Healthcare

soainternal.example.com

soa-route

healthcare-pool

/healthcare

Oracle Managed File Transfer。

mft-http-example.com

mft-route

mft-pool

/mftconsole

SSLパススルーの有効化

エンタープライズ・デプロイメントのトポロジでは、SSLはハードウェア・ロード・バランサで終了し、HTTPプロトコルを使用してOracle Traffic Directorにパススルーされます。

Oracle Traffic Directorでは、アプリケーションのリダイレクトが正しく行われることを保証するため、追加の構成ステップが必要です。

アプリケーションのリダイレクトが正しく発生するように、SSLを使用しLBRで終端される仮想サーバーに対応した各ルートについて、次のステップを実行します。対象は、次の仮想サーバーです。

  • soa.example.com

  • osb.example.com

  • mft-http.example.com

  1. Fusion Middleware Controlにログインします。
  2. 「WebLogicドメイン」メニューで、「管理」 「OTD構成」を選択します。
    使用可能な構成のリストが表示されます。
  3. 変更する構成をクリックします。
    「Traffic Director構成」ページが表示されます。
  4. 「Traffic Director構成」メニューで、「管理」 「仮想サーバー」を選択します。
  5. 編集する仮想サーバーの名前をクリックします。
  6. 「ルート」タブを選択します。定義されているルートのリストで、ルート、たとえばdefault-routeをクリックします。
  7. 「ルート・プロパティ」画面で、「詳細設定」を開きます。
  8. 「リライト・ヘッダー」というラベルのボックスに内容がある場合にはすべて削除します。
  9. 「オリジン・サーバーに転送されるパラメータ」セクションで、次を選択解除します。
    • 暗号

    • キー・サイズ

    • SSL/TLSセッションID

    • 発行者DN

    • ユーザーDN

    • 証明書

    • 秘密キー・サイズ

    • SSL

  10. 仮想サーバーの各ルートについてステップ8および9を繰り返します。
  11. 仮想サーバーのすべてのルートを変更したら、「変更のアクティブ化」をクリックします。

また、クライアントがSSLを使用していることをオリジン・サーバーに通知するヘッダーを挿入するために、OTDを構成する必要があります。SSL終端としてLBRを使用する各仮想サーバーについて、次のステップを実行します。

  1. SOAHOST1にログインします。

  2. ASERVER_HOME/config/fmwconfig/components/OTD/edgconfig/configに移動します。

  3. <virtual_server_name>-obj.confファイルを編集します。soa.example.com仮想サーバーの場合、soa.example.com-obj.confを編集します。

  4. <Object name=”default”>の後ろに、次の文字列を追加します。
    NameTrans fn="set-variable" insert-headers="wl-proxy-ssl: true"

    このディレクティブを使用してOTDを構成し、この仮想サーバーのオリジン・サーバーにヘッダーwl-proxy-ssl : trueを挿入します。

  5. osb.example.com仮想サーバーの構成ファイルと、mft-http.example.com仮想サーバーの構成ファイルについて、ステップを繰り返します。

  6. AdminServerを再起動します。

  7. OTDインスタンスを再起動します。

エンタープライズ・デプロイメント用のTCPプロキシの作成

Oracle MFTでは、TCPプロキシを使用して、SFTPリクエストをバックエンドMFT WLSサーバーにルーティングします。

TCPプロキシを作成する手順は次のとおりです。
  1. Fusion Middleware Controlにログインします。ページの左上にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
  2. 「管理」「OTD構成」を選択します。
    使用可能な構成のリストが表示されます。
  3. TCPプロキシを作成する構成を選択します。
  4. 「共通タスク」ペインで、「Traffic Director構成」をクリックします。
  5. 「管理」「TCPプロキシ」を選択します。
  6. 「TCPプロキシ」表で、「ロックして編集」をクリックし、「作成」をクリックします。
    新規TCPプロキシ・ウィザードが開始されます。表12-4は、エンタープライズ・デプロイメントに必要なTCPプロキシを示しています。
  7. FTPを選択せずにプロキシの名前を入力し、「次へ」をクリックします。
  8. 「TCPプロキシの作成: リスナー」画面で、リスナーの名前と対応するポートを指定し、アドレスに*を指定します。「次」をクリックします。
  9. 「TCPプロキシの作成: オリジン・サーバー・プール」画面で、前のステップで作成した対応するプールを選択します。「次」をクリックします。
  10. 次の画面を確認して、「TCPプロキシの作成」をクリックします。
  11. 画面の右上にあるロック・アイコンをクリックすると表示されるサブメニューの「変更のアクティブ化」を選択します。

表12-4 TCPプロキシのサマリー

製品 TCPプロキシ名 オリジン・サーバー・プール TCPリスナー名 TCPリスナー・ポート

Oracle Managed File Transfer。

mft-sftp.example.com

mft-sftp-pool

mft-ftp-listener

*:7022

Oracle SOA Suite for Healthcare

soahealthcare.example.com

healtchare-tcp-pool

healthcare-tcp-listener

*:9500

仮想ホストのフェイルオーバー・グループの作成

フェイルオーバー・グループを使用すると、2つのOracle Traffic Directorインスタンスを結合してOracle Traffic Directorインスタンスの高可用性を実現できます。

EDGの仮想ホストの1つにリクエストが送信されると、フロントエンド・ロード・バランサは、リクエストのロード・バランシング先として構成されたIPアドレスにそのリクエストをリダイレクトします。このIPアドレスは、いずれかのOTDインスタンスで有効化されますが、障害が発生した場合は別のOTDインスタンスに移行できます。1つまたは2つの仮想IP(VIP)アドレスで表されるフェイルオーバー・グループに、2つのOracle Traffic Directorインスタンスを結合することができます。これを行うには、そのIPアドレスに対してアクティブ-パッシブ・フェイルオーバー・グループを作成します。このフェイルオーバー・グループには、1つのプライマリ・インスタンスと複数のセカンダリ・インスタンスがリストされます。

次の手順では、構成内の異なる仮想サーバーに関連付けられたIPアドレスに対してフェイルオーバー・グループを作成する方法について説明します。ロード・バランサは、2つのOracle Traffic Directorインスタンス間でリスエストをフェイルオーバーするため、MFT OTD IPアドレス用のフェイルオーバー・グループはオプションですが、それによって通常のロード・バランサ監視より障害検出とフェイルオーバーが高速化します。

Oracle Traffic Directorのフェイルオーバー・グループまたは他の高可用性構成を作成する方法の詳細は、管理者ガイド高可用性を提供するためのOracle Traffic Directorの構成に関する項を参照してください。

フェイルオーバー・グループの作成

フェイルオーバー・グループを作成すると、Oracle Traffic Directorインスタンスの高可用性ペアを実装できます。

開始する前に:

  • フェイルオーバー・グループに割り当てる一意のVIPアドレスを決定します。

    • VIPアドレスは、フェイルオーバー・グループ内のノードと同じサブネットに属している必要があります。

    • クライアントはこれらのVIPアドレスにアクセスできる必要があります。

    注意:

    Oracle Traffic Directorインスタンスのアクティブ-アクティブ・ペアを構成するには、同じインスタンスを含む2つのフェイルオーバー・グループを作成する必要がありますが、その際、フェイルオーバー・グループごとに異なるVIPアドレスを割り当て、プライマリ・ノードとバックアップ・ノード・ロールを逆にします。
  • フェイルオーバー・グループ内のプライマリ・ノードおよびバックアップ・ノードとして構成するOracle Traffic Directorノードを識別します。これらのノードは同じサブネットに属している必要があります。

    ここで選択するノードに、指定した構成に使用するOracle Traffic Directorインスタンスが存在します。

  • 各ノードのネットワーク・インタフェースを識別します。

    現在ホスト上で稼働しているネットワーク・インタフェースごとに、管理サーバーによって、インタフェースのIPアドレスのネットワーク部が、指定したVIPのネットワーク部と比較されます。結果が一致した最初のネットワーク・インタフェースが、VIPのネットワーク・インタフェースとして使用されます。

    この管理サーバーによる比較では、フェイルオーバー・グループ用に指定されたVIPがIPv4アドレスであるかIPv6アドレスであるかに応じて、それぞれIPv4アドレスまたはIPv6アドレスで構成されたホスト上のネットワーク・インタフェースのみが検証されます。

  • 存在しないアドレスにバインドできるようにする(転送バインディングのような)システム構成を実行することで、HTTPリスナーのVIP IPアドレスにバインドできます。次のシステム構成のどちらかを実行します。

    echo 1 > /proc/sys/net/ipv4/ip_nonlocal_bind
    

    または

    sysctl net.ipv4.ip_nonlocal_bind=1 
    

    (再起動後も維持する場合は/etc/sysctl.confで変更)

    フェイルオーバー・グループを作成する構成では、リスナーのIPアドレスがアスタリスク(*)またはVIPと同じアドレスであることを確認してください。それ以外の場合、VIPに送信されたリクエストが仮想サーバーにルーティングされません。

  • 各フェイルオーバー・グループのルーターIDは一意である必要があります。後続のフェイルオーバー・グループを作成するたびに、デフォルトのルーターIDは、254、253のように1つずつ減ります。

Fusion Middleware Controlを使用してフェイルオーバー・グループを作成するには、次を実行します。

  1. Fusion Middleware Controlにログインします。
  2. ページの左上にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
  3. 「管理」「OTD構成」を選択します。
    使用可能な構成のリストが表示されます。
  4. フェイルオーバー・グループを作成する構成を選択します。
  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
  6. 「管理」「フェイルオーバー・グループ」を選択します。
    フェイルオーバー・グループ・ページが表示されます。これには、構成に定義されているフェールオーバー・グループのリストが表示されます。
  7. 「ロックして編集」をクリックし、次に「アクティブ・パッシブ・フェイルオーバー・グループ」タブで「作成」をクリックします。
  8. フェイルオーバー・グループの作成画面で、次のように入力します
    • 仮想IP: ノード間で移動されるフローティング・ホスト名を入力します。これは、WEBHOST1とWEBHOST2の両方で有効化できる有効な仮想IPにマップする必要があります。このVIPがまだノードで有効化されていないことを確認してください。

    • ルーターID: 1から255の数値を入力します。この値は、IPフェイルオーバーを実行するVRRPプロセスの識別子であるため、フェイルオーバー・グループ全体で一意の値である必要があります。

    • VIPをホストするプライマリおよびバックアップ・インスタンスを選択し、VIPを有効化する場所となる必要なネットワーク・インタフェースを入力します。

    注意:

    一般に、「ネットワーク・インタフェース(NIC)」はデフォルト値(「自動検出」)のままでも構いません。デフォルト値のままにすると、Oracle Traffic Director (OTD)がフェイルオーバー・グループのIPアドレスに基づいて、使用するネットワーク・インタフェース・カードを判別します。ただし、これは簡単に導出されるものではなく、たとえば関連付けられたIPアドレスに標準のCIDRが使用されていない場合、どのネットワーク・インタフェースにフェイルオーバー・グループを接続するか、OTDに手動で通知する必要が生じることがあります。

    たとえば、内部IPアドレスが192.168.1.1で、bond0に関連付けられ、有効なネット・マスク(CIDR)を使用している場合、フェイルオーバー・グループのIPアドレスが192.168.50.1だとすると、OTDはネットワーク・インタフェースbond0を使用するものと判断します。ただし、OTDが適切なインタフェースを判別できない場合は、このフィールドにインタフェースを指定しておく必要があります。

    Oracle Traffic Directorはフェイルオーバー・グループを作成する前に、情報を検証します。

    次のような検証エラーを受信した場合は、割り当てようとしているIPアドレスがネットワーク・カードの現在の構成と互換性がありません。このエラーが発生した場合は、別のIPアドレス/ネットワークを選択する必要があります。

    OTD-67322 The specified virtual IP 'x.x.x.x' cannot be bound to any of the network interfaces on the node 'hostname'. 
    The IP addresses bound to the node are [......] check if the specified virtual IP is in the proper subnet. 
    This error could also be caused if either the network interfaces on the node are not configured correctly or if the network prefix
    length is incorrect.
    
  9. 結果画面で、「閉じる」をクリックします。
    フェイルオーバー・グループ・ページに、作成したフェイルオーバー・グループの詳細が表示されます。

    注意:

    • この時点では、2つのノードはアクティブ-パッシブ・ペアになっています。これらをアクティブ-アクティブ・ペアに変更するには、同じ2つのノードを含む別のフェイルオーバー・グループを作成しますが、その際、異なるVIPを割り当て、プライマリおよびバックアップ・ロールを逆にします。

    • フェイルオーバー・グループを作成する場合は、それらのマシン上でrootユーザーとしてotd_startFailoverを実行する必要があります。これはフェイルオーバーを手動で開始するためです。このコマンドを実行しないとフェイルオーバーは開始しないため、高可用性を実現できません。otd_startFailoverの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください

      otd_startFailoverコマンドを実行するには、次のステップを実行します。

      rootとして、またはsudo権限を持つユーザーとしてWLSTを起動します。

      			[root@webhost1]# ./wlst.sh 
      			Initializing WebLogic Scripting Tool (WLST) ... 
      			Jython scans all the jar files it can find at first startup. Depending on the 
      			system, this process may take a few minutes to complete, and WLST may not 
      			return a prompt right away. 
      
      			wls:/offline> wls:/offline> props = {} 
      
      			wls:/offline> props['domain-home'] = 
      			'/u02/oracle/config/domains/mftedg_domain/' 
      
      			wls:/offline> props['instance'] ='otd_edgconfig_WEBHOST1' 
      
      			wls:/offline> otd_startFailover(props)

      WEBHOST2でもフェイルオーバー・コマンドを実行します。この場合は、WEBHOST2インスタンス名を使用します。たとえば、props['instance'] ='otd_edgconfig_WEBHOST2’です。

    • otd_startFailoverには、オペレーティング・システムの keepalivedパッケージが必要です。このパッケージは、すべてのLinuxディストリビューションにバンドルされているわけではなく、オペレーティング・システムに手動でインストールする必要があります。詳細およびインストール方法は、オペレーティング・システムを参照してください。