3 レスポンス・ファイルを使用したサイレント・アップグレードの実行

サイレント・アップグレードは、ユーザーの操作が必要ないアップグレードです。レスポンス・ファイルを使用して、サイレント・アップグレードを実行できます。

レスポンス・ファイルは、Upgrade Assistantのグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)画面で入力されるすべての情報を収集します。後で、レスポンス・ファイルを使用して、Upgrade Assistantウィザードが実行する完全に同じ機能を自動的に実行できます。

注意:

最初にUpgrade AssistantをGUIモードで実行して、サイレント・アップグレードを完了するためのレスポンス・ファイルを生成します。

アップグレード・レスポンス・ファイルの作成

グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)・モードでUpgrade Assistantを実行する場合、レスポンス・ファイルの生成を選択できます。

「アップグレード・サマリー」画面の「レスポンス・ファイルの保存」オプションは、Upgrade Assistant画面ですでに入力した情報を格納するファイルを作成します。

「レスポンス・ファイルの保存」オプションを選択すると、レスポンス・ファイルの名前と保存場所を入力するように求められます。作成されたら、そのファイルをそのまま使用して他のシステムにアップグレード・オプションを複製するか、必要に応じて変更できます。

レスポンス・ファイルを使用したFusion Middlewareのアップグレード

レスポンス・ファイルを作成してUpgrade Assistantの画面で入力される情報を記録する場合、サイレント・モードのコマンドラインを使用して、後で同じアクションを実行できます。

注意:

レスポンス・ファイルを生成するには、まず、GUIモードでUpgrade Assistantを実行する必要があります。生成されたファイルを使用すると、サイレント準備状況チェックやサイレント・アップグレードを完了できます。

レスポンス・ファイルを使用してUpgrade Assistantを起動するには:
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) NEW_ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) NEW_ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. 次のコマンドを入力します。
    (UNIX) ./ua -response response_file[-examine] [-logLevel log_level] [-logDir log_directory] [-threads number]
    (Windows) ua.bat -response response_file[-examine] [-logLevel log_level] [-logDir log_directory] [-threads number]

    オプションのコマンドライン・パラメータの詳細は、次を参照してください。

Upgrade Assistantのパラメータ

Upgrade Assistantをコマンドラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表3-1 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須またはオプション 説明

-readiness

準備状況チェックの場合は必須

注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

アップグレードの準備状況チェックを実行します(実際のアップグレードは実行しません)。

スキーマと構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを指定しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を特定します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックの場合は必須

レスポンス・ファイルに保存した入力を使用して、Upgrade Assistantを実行します。このレスポンス・ファイルは、GUIモードでUpgrade Assistantを実行したときの入力データから生成されます。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれかの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定して、より多くのログが記録されるようにすることを検討してください。これは、アップグレードの失敗をトラブルシューティングする際に役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルと一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

(UNIX)

NEW_ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
NEW_ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

(Windows)

NEW_ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
NEW_ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

-help

オプション

すべてのコマンドライン・オプションを表示します。