4 アップグレードのトラブルシューティング
- アップグレードのトラブルシューティング
Upgrade Assistantの実行中に発生する可能性のあるエラーを理解すると、効果的なトラブルシューティングに役に立ちます。 - ログ・ファイルの確認
ログ・ファイルを削除しないでください。Upgrade Assistantの実行中に発生する問題の診断と修正に役立ちます。 - 調査時に発生した障害の調査
アップグレードの調査フェーズで発生する障害を特定してトラブルシューティングします。 - アップグレード時に発生した障害の調査
アップグレード時に発生する障害を特定してトラブルシューティングします。 - Upgrade Assistantの一般的なエラーの解決方法
Oracleサポートに問い合せる前に、Upgrade Assistantの一般的なエラーの解決を試行します。 - サポートされていないドメインのアップグレードの試行
サポート対象外のドメインのスキーマやドメイン構成は、アップグレードしないでください。 - 障害が発生した後のUpgrade Assistantの再起動
Upgrade Assistantを再起動する前にエラーを解決する必要があります。
アップグレードのトラブルシューティング
Upgrade Assistantの実行中に発生する可能性のあるエラーを理解すると、効果的なトラブルシューティングに役に立ちます。
注意:
処理は、エラーがどのフェーズで発生したかによって異なります。Upgrade Assistantの実行時にエラーが発生した場合は、次のステップを実行して問題のトラブルシューティングを行ってください。
親トピック: アップグレードのトラブルシューティング
ログ・ファイルの確認
ログ・ファイルは削除しないでください。Upgrade Assistantの実行中に発生する問題の診断と修正に役立ちます。
-logLevel
値を指定することで変更できます。デフォルト値は-logLevel NOTIFICATION
です。-logDir
パラメータを使用して、ログ・ファイルの場所を変更できます。-logLevel TRACE
を使用してUpgrade Assistantを実行することにより、より詳細なロギング情報を取得できます。ただし、これによってログ・ファイルのサイズが非常に大きくなる場合があります。
注意:
TRACE
メッセージは、Upgrade Assistantログ・ファイル・ビューアに含まれていません。TRACE
メッセージを表示するには、別のツールを使用します。
ヒント:
確認プロセスを容易にするには、ERROR
という語句を検索します。
ログ・ファイルのエラー・メッセージの詳細は、「Upgrade Assistantの一般的なエラーの解決方法」を参照してください。
ログ・ファイルは、次のデフォルトのディレクトリに格納されます。
-
(UNIX)
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/uatimestamp.log
-
(Windows)
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs\uatimestamp.log
timestamp
には、Upgrade Assistantが実行された実際の日時が反映されます。
一部のコンポーネントでは、uatimestamp.out
という2番目のログ・ファイルが、同じ場所に作成されます。
特定のコンポーネントのデータベース・スキーマのアップグレードでは、シェル・プロセスで実行されたコマンドやPL/SQLスクリプトとして実行されたコマンドの画面出力を含む出力(.out
)ファイルが存在することもあります。これらの出力ファイルは、同じデフォルトのディレクトリ内にあります。
このガイドの情報で解決できない、アップグレード時に発生した障害に関する質問や問題がある場合、ログ・ファイルを保存しておくことが重要です。サービス・リクエストを発行する必要がある場合、Upgrade Assistantの.log
ファイルおよび.out
ファイル(使用可能な場合)全体をサービス・リクエストとともにアップロードする必要があります。
親トピック: アップグレードのトラブルシューティング
調査時に発生した障害の調査
アップグレードの調査フェーズで発生する障害を特定してトラブルシューティングします。
確認時の障害の原因を判別するには、次の手順を実行します。
アップグレードを完了するには、問題を解決し、Upgrade Assistantを再度起動します。または、可能であれば、「戻る」をクリックして前の画面に戻り、必要な変更を加えます。
注意:
準備状況チェックを使用すると、調査フェーズよりはるかに詳細なレベルのチェックが実行されます。調査時に障害が発生した場合は、-readiness
パラメータを使用してUpgrade Assistantを実行し、テストの障害がレポートに表示されないことを確認できます。
調査フェーズ中に検出された問題は、バックアップからリストアしなくても解決できます(実際のアップグレード中に発生したエラーを解決する必要に応じて)。ただし、システムの状態を変更する方法で調査エラーを解決しようとしている場合は、システム全体をアップグレード前の状態(アップグレード操作が行われる前の状態)にリストアする必要があります。
親トピック: アップグレードのトラブルシューティング
アップグレード時に発生した障害の調査
アップグレード時に発生する障害を特定してトラブルシューティングします。
アップグレード時の障害の原因を判別するには、次の手順を実行します。
アップグレードを完了するには、アップグレード前のバックアップを使用して、アップグレード操作が試行されていない時点まで環境全体をリストアし、問題を解決して、Upgrade Assistantを再起動します。アップグレードを正常に(完全に)行うには、アップグレード・プロセスを最初から始める必要があります。
注意:
RMAN
を使用してすべてのデータベースをバックアップし、これらのバックアップからPoint-in-Timeリカバリを実行できる必要があります。ドメインのFusion Middlewareリポジトリが複数のOracle Databaseサーバーにわたる場合、これらの各バックアップからリストアする必要があります。
親トピック: アップグレードのトラブルシューティング
Upgrade Assistantの一般的なエラーの解決方法
Oracleサポートに問い合せる前に、Upgrade Assistantの一般的なエラーの解決を試行します。
次の項では、最も一般的なアップグレード・エラーについて説明します。すべてのFusion Middlewareエラーにリストについては、エラー・メッセージに関する説明を参照してください。
ディスク領域が十分であるかどうかの確認
ディスク領域不足が原因でアップグレードに障害が発生した場合、バックアップからデータベース・サーバー環境を復元し、十分なディスク領域を追加するか、データベース・サーバーから不要なファイル(一時ファイルまたはトレース・ファイル)を削除して、アップグレードを再試行する必要があります。
注意:
このクラスのエラーが原因でデータベース・スキーマのアップグレードに障害が発生すると、ディスク領域を追加するだけではアップグレードを再試行できません。スキーマが不整合な状態になり、INVALID
としてマークされた可能性があります。バックアップから元のデータベースの状態を復元しないと、このエラーから復元できません。
次の例は、発生する可能性のあるディスク領域不足によるエラーを示しています。
ORA-01658: 表領域にセグメント用のINITIALエクステントを作成できません
原因: 既存のスキーマ表領域に、アップグレードを完了するための十分な領域がありません。
処置: 表領域に、アップグレードを正常に実行するための十分な空き(領域)を確保してください。既存のデータベース表領域に、より多くのデータファイルを追加することをお薦めします。そうしないと、アップグレードは失敗します。
ORA-01114: ファイルブロック番号にブロックを書込み中にIOエラーが発生しました
原因: ファイルが保存されているデバイスが、オフラインになっている可能性があります。そのファイルが一時ファイルの場合、そのデバイスは領域不足である可能性があります。これは、一時ファイルのディスク領域が、ファイル作成時に割り当てられるとはかぎらないために発生する場合があります。
処置: デバイスへのアクセス権限を正しく設定するか、または不要なファイルを削除して、領域を解放してください。
ORA-09945: 監査証跡ファイルの初期化ができません。
原因: システムが、監査証跡として使用されるファイルへのヘッダー情報の書込みに失敗しました。監査ファイルを生成するためのaudit_trail_dest(監査証跡の生成先)のディスク領域が一杯です。
処置: 領域を解放してから操作を再試行してください。
サポートされていないドメインのアップグレード試行
サポートされていないドメインのスキーマやドメイン構成は、アップグレードしないでください。
指定されたドメインをアップグレードできないことを示すエラーを受け取ったら、最初にドメインをサポート対象バージョンにアップグレードする必要があります。サポートされていないドメインでスキーマまたはドメイン構成をアップグレードしないでください。
親トピック: アップグレードのトラブルシューティング
障害が発生した後のUpgrade Assistantの再起動
Upgrade Assistantを再起動する前にエラーを解決する必要があります。
Upgrade Assistantがアップグレード・フェーズで失敗した場合や、一部のコンポーネントしかアップグレードされない場合は、それらの問題の解決方法を試してから次のステップを実行します。
親トピック: アップグレードのトラブルシューティング