3 リモート・システムの管理対象サーバーの作成および起動

packコマンドとunpackコマンドを使用して、リモート・システム上で管理対象サーバーを作成および起動できます。

一部のWebLogicドメインで、WebLogicドメインの管理サーバーからリモートのシステムで管理対象サーバーを実行する必要がある場合には、この章に示されているステップを実行します。

この章の内容は次のとおりです。

管理対象サーバー・テンプレートの作成

管理対象サーバー・テンプレートは、1つ以上の管理対象サーバーが定義され、管理対象サーバーの定義がconfig.xmlファイルに記述された既存のWebLogicドメインでpackコマンドを実行することにより作成できます。

管理対象サーバーのテンプレートを作成するには:

  1. ローカル・マシン(管理サーバー、および管理対象サーバーの定義を含むマシン)のコマンド行で、ORACLE_HOME/oracle_common/common/binディレクトリに移動します。
  2. 次のコマンドを実行します。

    pack -managed=true -domain=domain -template=template.jar -template_name="template_name"

    コマンドの説明は次のとおりです。

    • domainは、テンプレートの作成元WebLogicドメインの絶対パスまたは相対パスです。

    • template.jarは、作成されるテンプレートのファイル名まで含めた、テンプレートのフル・パスまたは相対パスです。

    • template_nameは、引用符で囲まれたテンプレートを表す名前です。

    たとえば、次のコマンドを実行すると、mydomainというWebLogicドメインから、mydomain_managed.jarという管理対象サーバー・テンプレートが作成されます。

    pack -managed=true -domain=C:/oracle/user_projects/domains/mydomain -template=C:/oracle/user_templates/mydomain_managed.jar -template_name="My Managed Server Domain"

リモート・システムでの管理対象サーバーの作成

リモート・システムに管理対象サーバーを作成する前に、リモート・システムのIPアドレスとポート番号が、管理対象サーバー・テンプレートに指定されている管理対象サーバー定義に一致することを確認します。

  1. WebLogicドメインの管理対象サーバーをホストするシステムにWebLogic Serverをインストールします。

    ノート:

    WebLogicドメイン内のすべてのWebLogic Serverインスタンスで、同じバージョンのWebLogic Serverソフトウェアを実行する必要があります。WebLogic Serverのインストールの詳細は、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』Oracle WebLogic ServerとCoherenceのソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。

  2. リモート・システムとのセッションを確立します。そのためには、Telnetなどの任意の有効なメソッドを使用できます。
  3. リモート・システムに管理対象サーバー・テンプレートをコピーします。
  4. リモート・システムで、ORACLE_HOME\oracle_common\common\binディレクトリに移動します。
  5. 次のコマンドを実行します。

    unpack -domain=domain -template=template.jar

    コマンドの説明は次のとおりです。

    • domainは、作成するドメインのフル・パスまたは相対パスです。

    • template.jarは、ステップ3でシステムにコピーした管理対象サーバーのフル・パスまたは相対パスです。

    たとえば、次のコマンドでは、myManagedDomainというWebLogicドメインが作成されます。

    unpack -domain=C:\oracle\user_projects\domains\myManagedDomain -template=C:\oracle\user_templates\mydomain_managed.jar

リモート・システムでの管理対象サーバーの起動

unpackコマンドを使用して管理対象サーバーのWebLogicドメイン・ディレクトリを作成すると、そのディレクトリには、現在のリモート・システムをターゲットとする各管理対象サーバーのカスタム起動スクリプトが含まれます。

カスタム起動スクリプトは、マシン名が割り当てられていないサーバー、またはサーバーのマシン名がunpackが実行されるマシンのホスト名またはIPアドレスと一致しないサーバーの場合に生成されます。これらのカスタマイズ起動スクリプトを使用して、関連する管理対象サーバーを起動できます。

たとえば、作成するWebLogicドメインに、2つの管理対象サーバー(my_managed_server1およびmy_managed_server2)が含まれ、どちらのサーバーもマシンをターゲットにしていない場合、管理対象ドメインを作成すると、4つのカスタム起動スクリプトが作成されます:

  • startmy_managed_server1.cmd
  • startmy_managed_server1.sh
  • startmy_managed_server2.cmd
  • startmy_managed_server2.sh

これらのスクリプトを使用して、対応する管理対象サーバーを起動できます。あるいは、startManagedWebLogicスクリプトを必要なパラメータと共に使用することもできます。

  1. 『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』サーバーの起動と停止に関する項の説明に従って、WebLogicドメインの管理サーバーを起動します。
  2. リモート・システムで、「リモート・システムでの管理対象サーバーの作成」で作成したWebLogicドメインのディレクトリに移動します。
  3. リモート・システムの管理対象サーバーを起動します。
    • Windowsシステムのコマンド・プロンプトで、次のいずれかのコマンドを実行します。

      startmy_managed_server

      startManagedWebLogic my_managed_server admin-url

    • UNIXの場合、以下のいずれかのコマンドを実行します。

      ./startmy_managed_server.sh

      ./startManagedWebLogic.sh my_managed_server admin-url

    上記のコマンドで、my_managed_serverは起動する管理対象サーバーの名前、admin-urlは管理サーバーをホストするシステムのリスニング・アドレス(ホスト名またはIPアドレス)およびポート番号です。必要に応じて、startManagedWebLogic_Readme.txtファイルに提供された、WebLogicドメインのすべての管理対象サーバーおよびadmin-urlのリストを参照してください。

ノート:

『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』ノード・マネージャを使用した管理対象サーバーの起動に関する項の説明に従って、ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動することもできます。