1 概要

移行ユーティリティおよびOracle BPM Suite 12cの概要を取得します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 このガイドの読み方

このマニュアルは、次のタスクを実行するために必要な情報を提供します。

1.2 BPM移行の経路について

このトピックでは、BPM 10gR3とBPM 12cの間のBPM移行の経路をまとめます。

このガイドでは、BPMバージョン10gR3からBPMバージョン12cへのBPM Studioプロジェクトの移行に特に焦点を当てて説明します。Oracle BPM Studioは、Oracle JDeveloper環境で実行するプラグインとして提供され、これを使用すると、ビジネス・プロセスのモデル化と実装が可能です。

BPM 12c以外のターゲットへの移行については、このドキュメントの範囲外となります。

BPM 10gR3以前のリリースからBPM 12cに移行するには、まずBPM 10gR3に移行してからBPM 12cに移行する必要があります。

BPM 11gからBPM 12cへのプロジェクトの移行を実現するには、12cバージョンのBPM StudioでBPM 11gプロジェクトを開きます。

BPM 11gからBPM 12cへのライブ・データおよび進行中のプロセスの移行方法については、このドキュメントの範囲外となります。

Oracle Supportに連絡して移行のサポートを受けるには、「はじめに」を参照してください。

1.3 BPM移行の概要

このトピックでは、プロジェクト移行の機能およびアプローチについて概説します。

BPM 10gR3とBPM 12cとの間には、アーキテクチャ、ツール、アプリケーション、機能および内部実装の面で違いがあります。

一部の10gR3要素は変更なしで12cに正常に移行できますが、12cの新しい構成概念を含む全体を交換するなど、ある程度の手動操作が必要になる要素もあります。

1.4 BPM移行ユーティリティの概要

このトピックでは、BPM移行ユーティリティ、その機能、およびそれにより作成される出力アーティファクトの概要を示します。

BPM移行ユーティリティは、Antに基づいたユーティリティで、BPM 10gR3プロジェクトをBPM 12cプロジェクトに移行します。BPM移行ユーティリティで作成される内容は次のとおりです。

  • BPM 12cの.expファイル

    Oracle BPM StudioまたはOracle Business Process Composerにインポート可能な、エクスポート済のBPM 12c BPMプロジェクト

  • 移行レポート

    各コンポーネントの移行の詳細が含まれます。移行されなかったコンポーネント、警告およびエラーがリストされます。

BPM移行ユーティリティにより、すべてのマップ可能なプロジェクト・プリファレンス、プロセス設計、互換性のあるカタログ・コンポーネントおよび組織が移行されます。BPM 10gR3の元のプロジェクトと同じ名前と構造を持つBPM 12cプロジェクトが生成されます。

使用方法および必要な引数の詳細は、「BPM移行ユーティリティを使用したプロジェクトの移行」を参照してください。

BPM 10gr3プロジェクトのBPM 12cへの移行は、次の内容で構成されます。

1.5 BPM 12cアプリケーション

Oracle BPM Suite 12cは、プロセスとタスクのモデル化や実装を行い、それらを実行して管理する次のアプリケーションを備えています。

  • Oracle Business Process Management Studio

    Oracle BPM StudioはOracle BPM Suiteのコンポーネントの1つです。これを使用すると、プロセス開発者はプロセスベースのアプリケーションを作成して、ビジネス・プロセスをモデル化および実装できます。BPM Studioは、Oracle JDeveloper環境で実行するプラグインとして提供されます。

  • Oracle Business Process Composer

    Oracle Business Process Composerは、Webベースのコラボレーション・アプリケーションであり、これによって、ビジネス・アナリストはビジネス・プロセスをモデル化し、ビジネス・プロセスで使用されるアーティファクトのいくつかの基本的な実装を行えます。

  • Oracle Business Process Management Workspace

    Oracle Business Process Management Workspaceはカスタマイズ可能なWebベースのインタフェースであり、タスクおよびプロセス・インスタンスに対するユーザーのロールと責任に応じたアクセスと管理を実現します。

  • Oracle Business Process Managementサーバー

    Oracle Business Process Management Serverは、ビジネス・プロセスを実行するためのランタイム環境を提供します。BPMN 2.0の両プロセスのネイティブ・サポートも提供します。詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』Oracle BPMNプロセス・サービス・コンポーネントとエンジンの管理に関する項を参照してください。