照合プロセッサの拡張オプション

照合プロセッサの一部の設定は拡張オプションとして格納されます。これらのオプションにアクセスするには、照合プロセッサを開いた後に「拡張オプション」リンクをクリックします。

これらの設定は通常、変更する必要はありませんが、調整が必要になる場合もあります。

次のオプションは「拡張」タブから使用できます。

一致グループは作業レコードを共有 [一致レビューのみ]

このオプションは、同じ一致グループに複数の作業レコードを含めるかどうかを決定します。たとえば、データを拡張またはリンクする際の目的は、多くの場合、各作業レコードのみを検討対象とし、それを単に1つ以上の参照データ・ソースと照合することです。この場合、オプションをオフにして、各一致グループに1つの作業データ・レコードのみが含まれるようにします。それ以外の場合は、作業レコードが直接、相互に比較されない場合でも、両方の作業レコードが同じ参照データ・レコードと一致するときは、それらを同じ一致グループに含めることができます。

クラスタ・サイズ制限

クラスタ・サイズ制限は、クラスタ内の最大レコード数のデフォルト上限です。この上限を超えると、照合サブプロセッサではクラスタ内のレコード間の比較が実行されません。この上限を超える各クラスタについては、実行時に照合プロセッサのプロセッサ・パネルに警告メッセージが表示され、ログ・ファイルに出力されます。

デフォルトのクラスタ・サイズ制限は500レコードです。特定のクラスタに対するこの設定は、クラスタ構成で上書きできることに注意してください。

注意:

この方法でレコードを比較する際は、いくつかのグループをスキップすることが望ましい場合があります。たとえば、複数のクラスタを使用している場合は、クラスタ構成により1回のクラスタ機能で1つの大きいクラスタが生成され、すべてのレコードのクラスタ値がnullまたは非常に一般的な値(たとえば、姓がSMITH)になる場合があります。その場合、照合対象のレコードは、別のクラスタがあるために相互に比較されることがあります。

一致グループおよびレビュー・グループのサイズ制限

出力処理、レビューおよびケース生成のために一致グループおよびレビュー・グループをロードするときに照合プロセスがメモリー不足になることがあります。

「一致グループ・サイズ制限」フィールドおよび「レビュー・グループ・サイズ制限」フィールドは、生成できるグループ数の上限を設定します。デフォルトでは、両方のフィールドが5000に設定されています。フィールドをクリアすると、上限の設定がない状態になります。

一致グループ・サイズ制限フィールドおよびレビュー・グループ・サイズ制限フィールドは、生成できるグループ数の上限を設定します。デフォルトでは、両方のフィールドが5000に設定されています。フィールドをクリアすると、上限の設定がない状態になります。

クラスタ比較制限

クラスタ比較制限は、1つのクラスタで実行される比較の最大数のデフォルト上限です。この数値は、クラスタ内で実行される比較の数をそのクラスタの処理前に評価して計算されます。クラスタで実行される比較の数がこの制限を超える場合、そのクラスタはスキップされます。これは、複数データ・セットの使用時に、同じクラスタ内のレコードが必ずしもすべて相互に比較されるわけではない場合に、パフォーマンスの観点から最も負荷の高いクラスタを検出して処理から除外する合理的な方法です。たとえば、1つのクラスタに1000レコードが含まれ、その中の999レコードはレコードが相互に比較されない1つのデータ・セットからのレコードで、1レコードのみが2番目のデータ・セットのレコードの場合は、999の比較のみが実行されます。クラスタ内のすべてのレコードが相互に比較される場合、比較の数は非常に多くなります。たとえば、重複除外プロセッサでは、500レコードに対して249500(500*499)の比較が実行されます。

デフォルトでは、クラスタ比較制限に値は設定されません(つまり、適用制限はありません)。

特定のクラスタに対するこの設定は、クラスタ構成で上書きできることに注意してください。

クラスタ分割しきい値

1つの作業データと複数の参照データが入力されるマッチ・プロセッサでは、マルチスレッド環境でより効率的に処理できるように、大きいクラスタをサブクラスタに分割できます。このフィールドに設定された値を超えるクラスタは各しきい値ごとにより小さなグループへと自動的に分割され、複数のスレッドに割り当てられます。

しきい値のデフォルト設定は250です。これを0に設定すると、各クラスタが単一スレッドによって処理されます。

このオプションは、これらの条件を満たさないプロセッサでは使用できません。

nullクラスタを許可

このオプションは、Null値のクラスタを生成するかどうかを決定します。たとえば、Postcode属性についてクラスタを構成する場合は、郵便番号がNullのすべてのレコードを相互に比較して一致候補を検索するかどうかを決定する必要があります。

クラスタリングで使用する元の属性(1つまたは複数)がnullでない場合でも、変換によってすべての値が削除されたためにクラスタ値がnullになる場合もあります。たとえば、Trim Whitespace変換およびStrip Words変換を使用して、空白文字および「Company」や「Limited」などの単語をクラスタ値から削除すると、値「Company Limited」はNull値として索引付けされます。

デフォルトではNullのクラスタが作成されますが、グループに多数の(クラスタ・サイズ制限を超える)レコードが含まれている場合は、照合処理で無視されることに注意してください。

特定のクラスタに対するこの設定は、クラスタ構成で上書きできることに注意してください。

一致グループでレビュー関係を使用[一致レビューのみ]

デフォルトでは、一致グループは、一致として決定された関係、つまり、自動ルールまたは手動決定を使用して確定一致と判定された関係によって相互に関連するレコードのみで構成されます。

ただし、照合プロセスの開発時には、一致グループの最終的な構造(すべての関係がレビューされた後)が不明な場合があります。外部のレビュー・プロセスを支援し、照合プロセッサの出力によって照合処理で作成されるすべての関係の全体像を示すためには、一致グループのレポート時またはマージ時に、レビュー途中の関係を含めることもできます。

このオプションを選択すると、一致グループの形成方法が変わり、一致グループにレビュー待ちの関係が含まれます。このオプションはいつでも変更できますが、最終的にマージされる出力も含めて、照合プロセッサから作成されるすべてのタイプの出力に適用されます。このため、変更は、照合プロセスの開発時のみに限定する必要があります。

トークン属性の接頭辞

このオプションを適用できるのは、通常、リアルタイム重複防止のために重複除外照合プロセッサを使用する場合のみです。クラスタ・キー属性で使用する接頭辞を構成し、重複除外プロセッサからクラスタ化された出力フィルタに出力できます(新規レコードの適切なクラスタ・キー値を使用して呼出し側システムに初期応答を発行する目的で)。新しい属性名を形成するには、クラスタ名の前に指定の接頭辞を使用します。たとえば、'Name_Meta' クラスタの場合、デフォルト接頭辞'Clustered_'を使用すると、出力属性の名称は'Clustered_Name_Meta'になります。

ソートおよびフィルタ

一致レビューで照合プロセスの出力をソート、フィルタおよび検索する機能が不要な場合は、ソート/フィルタ・オプションを使用して、照合処理のパフォーマンスを向上させることができます。ケース管理を使用中の場合や、ユーザーが照合結果をレビューする必要がない場合がこれに該当します。

照合プロセッサごとに、3つの設定が可能です。

  • ソート/フィルタの有効化(デフォルト)

  • ソート/フィルタを有効にしない

  • インテリジェント・ソート/フィルタリングの使用

「ソート/フィルタの有効化」は、プロセスまたはジョブの実行プリファレンスの設定が上書きされないかぎり(「プロセス実行プリファレンス」を参照)、照合プロセッサからの出力に対して、一致レビューでのソートおよびフィルタを有効にします。ユーザーが一致レビューを使用して照合プロセスの結果をレビューするときには、この設定を使用します。

「ソート/フィルタを有効にしない」とは、一致プロセッサからの出力に対して、一致レビューでソートおよびフィルタが有効にならないという意味です(プロセスまたはジョブのレベル・オプションとは無関係)。これは、照合プロセッサの結果がレビューできないことを意味します。結果の処理にマッチ・レビューを使用しない場合に、この設定を使用します。

「インテリジェント・ソート/フィルタリングの使用」は、一致出力のデータ・サイズ(行と列の両方を使用)に応じて、一致レビューでソートおよびフィルタを有効にするかどうかを決定します。構成可能なシステム・プロパティを使用して、レビュー、ソート、フィルタおよび検索を有効にしないサイズを設定します。この設定は、サンプル・データ・セット(一般的に100,000行未満)に対して照合プロセスを設計し、設計段階では結果をレビューする必要があるが、完全データ・セット(数百万行が含まれる可能性がある)に対して照合プロセスをデプロイした後は、ユーザーがその結果を一致レビューでレビューする必要がない場合に使用します。

関係決定トリガー

このオプションを使用すると、関係決定が行われたときに、構成済トリガー・アクションの実行を選択できます。

任意のアクションをトリガーにできます。たとえば、トリガーには、JMSメッセージの送信、Webサービスの呼出し、通知電子メールの送信などがあります。トリガーには、関係および決定データを含めることができます。

トリガーは、管理者がEDQサーバーで設定する必要があります。トリガーを設定する必要がある場合(たとえば、一致レビュー・アプリケーションでの一致決定時に別のアプリケーションに通知する)、詳細はサポートに連絡してください。

レビュー・システム

「レビュー・システム」オプションを使用して、照合プロセッサからの結果の手動レビューを有効にするかどうか、および使用するレビューUIのタイプを制御します。3つのオプションがあります。

  • 関係レビューなし - 照合プロセッサは、EDQでの手動レビュー用のデータを書き込みません。照合結果は書き込まれ、外部でレビューされます。

  • 一致レビュー - 照合プロセッサは、ユーザーがEDQ一致レビューUIでレビューする最新実行の結果を書き込みます。

  • ケース管理 - 照合プロセッサは実行のたびに、結果をEDQケース管理UIに公開します。

使用するレビュー・システムの詳細は、「照合結果のレビュー」のトピックを参照してください。

リアルタイム・プロセスのキャッシュ参照レコード

リアルタイム参照照合サービスの実行中に、このオプションを有効にすると、リアルタイム照合プロセスの参照データは結果データベースに格納されて照合されるのではなく、EDQサーバーのメモリーにキャッシュされて照合されます。このオプションは、EDQに十分なメモリーが割り当てられているときにのみ有効にします。

決定キーの変更[一致レビューのみ]

決定キーは、手動の一致決定を再適用(保持)するためにハッシュ・アルゴリズムで使用される入力属性のセットで構成されます。これは、レコードのペアに対して行われた手動の一致決定は、決定キーを構成する属性のデータ値が同じであるかぎり、照合プロセスの後続の実行に再適用されることを意味します。

たとえば、氏名と住所の詳細を使用して個人を照合し、手動で照合したレコードの1つが変更された場合は、変更前のデータに基づいて行われた手動決定を適用するのではなく、そのレコードの再評価が必要になる場合があります。ただし、別な属性の値が変更された場合でも、照合処理で使用するレコードの詳細に実質的な変更はないと判断する場合があります。たとえば、金額が含まれるBalance属性は、出力の選択ロジックに使用される可能性があるため、照合プロセスに入力できますが、この属性値が変更されても、一致決定を再評価したり、レコードを相互に照合する必要はありません。

デフォルトでは、照合プロセッサが前バージョンからアップデートされていないかぎり(後述の注意を参照)、識別子にマップされたすべての属性は決定キーに含まれます。ただし、照合プロセッサに入力されたすべての属性を使用するように決定キーを変更したり、キーを構成する属性を選択してキーをカスタマイズすることはできます。たとえば、レコードのデータが変更されても、対象のレコードが同じであるかぎり、常に一致決定を再適用する場合は、一致処理に含まれるソースごとにレコードの主キー属性のみを選択できます。

注意:

入力属性のサブセットを使用するように決定キーを構成する機能はバージョン7.0の新機能であるため、古いバージョンのEDQを使用して構成した照合プロセッサではすべての属性が選択されますが、これは変更可能で、すでに行われた決定は失われません。

決定を行った後に決定キーを変更した場合

一般的には、決定キーの構成方法を決定してから、照合プロセスを運用可能にし、その結果をレビューのために割り当てます。ただし、決定キーの構成を変更する際にすでに決定が行われていた場合、EDQではその決定を可能なかぎり保持するように試みますが、次の制限があります。

決定キーで以前に使用された属性が照合プロセッサに入力されない場合、そのキーを使用して行われた決定は再適用できません。

これは、構成されたキー列に基づいて各決定が一意である場合、属性を決定キーに追加しても以前の決定は失われないことを意味します。

このタブで属性を決定キーから削除して以前の決定を移行することも可能ですが、前回の実行と同じデータ・セットを使用して少なくとも1回の実行が完了するまでは、照合プロセッサに入力属性が保持されることに注意してください。これが実行された後は、属性を照合プロセスから削除しても安全です。

ケース・ソースの構成[ケース管理のみ]

ケース・ソースは、ケース管理がアクティブなときに使用する権限、ワークフローおよびデータを定義するために使用します。ケース・ソースは、この画面の「ケース・ソース」タブで構成します。

ワークフロー・パラメータの構成[ケース管理のみ]

ケース管理では、ワークフロー・パラメータを使用して、ケースおよびアラートの拡張処理を行います。これらは、この画面の「ワークフロー・パラメータ」タブで構成します。