4.2.1 Kubernetesクラスタの要件

OAA、OARMおよびOUAは、クラウド・ネイティブ環境にデプロイするよう設計されています。これらは、Helmチャートで管理されるKubernetesクラスタ上でマイクロサービスとして実行される複数のコンポーネントで構成されます。具体的には、各コンポーネント(マイクロサービス)は、クラスタ内のKubernetesノードにデプロイされるKubernetesポッドとして構成されます。

4.2.1.1 Kubernetesクラスタの構成

次の要件を満たすKubernetesクラスタをインストールする必要があります:

  • Kubernetesクラスタには3つ以上のノードが必要です。
  • これらのノードは、次の最小システム仕様要件を満たしている必要があります:
    システム 最小要件
    メモリー 64GB RAM
    ディスク 150GB
    CPU 8 CPU (仮想化サポート付き。たとえば、Intel VTなど)
  • HelmをKubernetesクラスタにインストールする必要があります。Helmは、必要なリソースを作成およびデプロイするために使用されます。
  • サポートされているコンテナ・エンジンをKubernetesクラスタにインストールして実行する必要があります。
  • Kubernetesクラスタおよびコンテナ・エンジンは、My Oracle SupportのドキュメントID 2723908.1で概説されている最小バージョン要件を満たす必要があります。
  • Kubernetesクラスタのノードは、ネットワーク・ファイル・システム(NFS)マウントなどの共有ボリュームにアクセスできる必要があります。このNFSマウントは、インストール中に管理コンテナによって使用され、(OCIベースのボールトを使用していない場合は)ファイル・ベースのボールトに対して、またジオロケーション・データのロードなどの他のインストール後のタスクに対して使用されます。

ノート:

任意の準拠しているKubernetesベンダーに製品をデプロイできるため、このドキュメントではKubernetesクラスタを構成する方法については説明しません。OAA、OARMおよびOUAデプロイメントの準備ができたKubernetesクラスタの構成方法を理解する必要がある場合は、『Kubernetesクラスタ内のOracle Identity and Access Managementのためのエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』に従ってください。

4.2.1.2 NFSボリュームの構成

Kubernetesクラスタ内のすべてのノードがNFSサーバー上の共有ボリュームにアクセスできる必要があります。インストール中、管理コンテナ・ポッドは構成情報、資格証明およびログをNFSボリュームに格納します。インストールが完了すると、ポッドは、ランタイム資格証明の格納およびアクセスのために、ファイル・ベースのボールト(OCIベースのボールトを使用しない場合),を含むボリュームにアクセスできる必要があります。

インストール前に、次のNFSボリュームを作成する必要があります。いずれの場合も、NFSエクスポート・パスにはすべてに対する読取り/書込み/実行権限が必要です。クラスタ内のすべてのノードでNFSボリュームにアクセスできることを確認します。

ボリューム 説明 パス
構成 installOAA.propertiesなどのOAA構成を格納するNFSボリューム。 <NFS_CONFIG_PATH>
資格証明 Kubernetes構成、Helm構成、SSHキー、PKCS12ファイル、OUA TAPパートナ・キーストアなどのOAA資格証明を格納するNFSボリューム。 <NFS_CREDS_PATH>
ログ OAAインストール・ログおよびステータスを格納するNFSボリューム。 <NFS_LOGS_PATH>
ファイル・ベースのボールト OAAランタイム資格証明を格納するNFSボリューム。 <NFS_VAULT_PATH>

ノート:

NFSサーバーのIPアドレスとNFS PATHは、installOAA.propertiesinstall.mount.*パラメータ内に設定されます。「インストールのためのプロパティ・ファイルの準備」を参照してください。