3 ドキュメント・タイプおよびドキュメント・プロトコルの操作

この章では、Oracle SOA Suite for healthcare integrationでサポートされるドキュメント・プロトコルとメッセージ・タイプに関する情報を示し、ヘルスケア統合ユーザー・インタフェースでドキュメント定義を操作する方法について説明します。

この章のトピックは、次のとおりです:

3.1 ドキュメント・プロトコルの概要

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、カスタム・プロトコルおよびHL7 V2.xプロトコルがサポートされます。

図3-1は、Oracle SOA Suite for healthcare integrationでサポートされているドキュメント・プロトコルを示しています。

図3-1 Oracle SOA Suite for healthcare integrationのドキュメント・プロトコル

図3-1の説明が続きます
「図3-1 Oracle SOA Suite for healthcare integrationのドキュメント・プロトコル」の説明

ドキュメント定義の一部として、ドキュメント・ガイドライン・ファイルを指定します。このファイルは通常、Oracleドキュメント・エディタで作成されます。(カスタム・ドキュメントの場合、Oracle Document Editorは使用できません。また、ドキュメントの検証も実行できません。)検証が有効な場合、実行時のペイロードは、使用するドキュメント定義ファイルのタイプに準拠している必要があります。

3.1.1 ドキュメント階層に関する注意事項

図3-2に示すように、ドキュメント・プロトコルは階層とみなすことができます。

図3-2 ドキュメント階層

図3-2の説明が続きます
「図3-2 ドキュメント階層」の説明

ドキュメント・プロトコルは、複数のドキュメント・プロトコル・バージョンで構成できます。ドキュメント・プロトコル・バージョンは、複数のドキュメント・タイプで構成できます。ドキュメント・タイプは、複数のドキュメント定義で構成できます。通常、1つのドキュメント定義で作業を開始し、そのドキュメント定義を様々なエンドポイント向けにカスタマイズします。

図3-3に、HL7 V2.3.1に適用されるドキュメント・プロトコル階層を示します。

図3-3 HL7 V2.3.1ドキュメント階層

図3-3の説明が続きます
「図3-3 HL7 V2.3.1ドキュメント階層」の説明

Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースでは、ドキュメント定義を作成するとき、ドキュメント・プロトコル階層が定義に反映されます。

ドキュメント・プロトコル-バージョン-ドキュメント・タイプ-ドキュメント定義名

例 - HL7ドキュメントに対するドキュメント定義名に、HL7ドキュメントに対する定義に反映される階層を示します。

HL7ドキュメントに対するドキュメント定義名

Document protocol: HL7Document protocol version: 2.3.1Document type: ADT_A01Document definition: ADT_A01_defThe resulting document definition is:HL7-2.3.1-ADT_A01-ADT_A01_def

3.1.2 確認を含むドキュメント・プロトコルに関する注意事項

確認を含むメッセージ・フローに対して、Oracle SOA Suite for healthcare integrationは確認を1回のみ送信します。メッセージがすでに確認されている場合、再発行時に別の確認は生成されません。

3.2 カスタム・ドキュメント・プロトコルの使用

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、独自のトランザクションに必要なドキュメントを作成するためのカスタム・ドキュメント・プロトコルがサポートされます。XMLメッセージでは、スキーマ適用(XSD)の利点があります。

非XMLメッセージでは、特定のメッセージ・タイプに対するエンドポイントを作成できます。

カスタム・ドキュメントの作成時には、着信ドキュメントを識別するルールを指定します。XMLドキュメントでは、XPath式またはXPath式と値(式の予想される結果)を指定します。

フラット・ファイルなどの非XMLドキュメントでは、「識別開始位置」、「終了位置」および「識別値」を指定できます。

3.2.1 カスタム・ドキュメント・バージョン・パラメータに関する注意事項

カスタム・ドキュメントのドキュメント・バージョンを作成する場合、パラメータを設定する必要はありません。

3.2.2 カスタム・ドキュメント・タイプ・パラメータに関する注意事項

カスタム・ドキュメント・タイプを作成する場合は、ebXMLドキュメントを識別するためのebXMLメッセージング・サービス(ebMS)を設定できます。図3-4に、カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

図3-4 カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

図3-4の説明が続きます
「図3-4 カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ」の説明

表3-1に、カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

表3-1 カスタム・ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

パラメータ 説明

「ebMS」タブ

[-]

アクション名

ebXMLヘッダーのアクション名。インバウンド・メッセージとアウトバウンド・メッセージの識別基準でもあります。ebMSドキュメントには、実行時エラーを回避するためのアクション名が必要です。

サービス名

ebXMLヘッダーのサービス名。インバウンド・メッセージの識別基準でもあります。ebMSドキュメントには、実行時エラーを回避するためのサービス名が必要です。

サービス・タイプ

ebXMLヘッダーのサービス・タイプ。インバウンド・メッセージの識別基準でもあります。ebMSドキュメントには、実行時エラーを回避するためのサービス・タイプが必要です。

開始ロール

メッセージを送信するエンドポイント。ここで指定する値は、「プロファイル」タブで指定した「識別子」の値をオーバーライドします。

終了ロール

メッセージを受信するエンドポイント。ここで指定する値は、「プロファイル」タブで指定した「識別子」の値をオーバーライドします。

ebMSヘッダーの検証

選択すると、インバウンドebMSヘッダー(ロールから/ロールへ)の検証が実行されます。

3.2.3 カスタム・ドキュメント定義パラメータに関する注意事項

カスタム・ドキュメント定義を作成するときは(ドキュメント定義の作成の詳細は、ドキュメント定義の作成を参照)、識別タイプ(XMLまたはフラット)を選択し、タブ領域でパラメータを設定します。図3-5に、XMLタイプ・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

図3-5 XMLタイプ・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

図3-5の説明が続きます
「図3-5 XMLタイプ・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ」の説明

図3-6に、フラット・ファイル・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

図3-6 フラット・ファイル・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

図3-6の説明が続きます
「図3-6 フラット・ファイル・カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ」の説明

表3-2に、カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

表3-2 カスタム・ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

パラメータ 説明

「XML」タブ

(「識別タイプ」から「XML」を選択した場合に使用可能)

識別式(XPath)

XMLペイロードのノードを特定します。

識別値

識別式で識別されたノードに照合する値を指定します。値が一致した場合、ドキュメントは正常に識別されます。この値を空欄にしておくと、Oracle SOA Suite for healthcare integrationがノードの存在をチェックし、ドキュメントが正常に識別されます。

DTD/XSDネームスペース変換

「なし」「両方」「インバウンド」「アウトバウンド」の中から選択します。

「ルーティング」タブ

[-]

ドキュメント・ルーティングID

バックエンド・アプリケーションに対してコンシューマ名を設定します。

「XPath」タブ

カスタムXMLドキュメントのXPath式の構成方法を参照してください。

XPath名1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

「相関」タブ

[-]

XPath名からの相関

相関を開始するための相関プロパティの名前。

XPath式からの相関

相関を開始するためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

XPath名への相関

相関のための相関プロパティの名前。

XPath式への相関

相関のためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

「フラット」タブ

[-]

識別開始位置

終了位置と組み合せて使用し、開始位置と終了位置の間のペイロードから値を取得します。

識別終了位置

開始位置と組み合せて使用し、開始位置と終了位置の間のペイロードから値を取得します。

識別値

開始位置と終了位置の間の値。

「アプリケーション」タブ

[-]

ドキュメント

内部アプリケーション・ドキュメントの名前。

アクション

ドキュメント内のサブ分類。

XSLTファイル

XSLTファイルの名前。

3.2.3.1 カスタムXMLドキュメントのXPath式の構成方法

カスタムXMLドキュメントは、XPath式によって識別されます。XPath式は、ドキュメント・タイプ・パラメータを指定する際に構成します。

XPath式の構成時のオプションは、次のとおりです。

3.2.3.1.1 オプション 1: XPathおよび一致する値の指定

トランザクションIDが12345だとします。パラメータを次のように設定します。

フィールド

識別値

12345

識別式

//*[local-name() = 'TransactionID']/text()

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、ペイロードの識別式の値と、「識別値」に指定した値が比較されます。値が一致するとドキュメントが正常に識別され、対応するドキュメント・タイプとドキュメント・プロトコル・バージョンを使用してエンドポイントが識別されます。例 - XPathおよび一致する値の指定に、このオプションのXMLペイロードの一部を示します。

例 - XPathおよび一致する値の指定

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<Message xmlns:ns1="http://www.example1.org" xmlns:ns2="http://www.example2.org"
  xmlns="http://www.example3.org"
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
  xmlns:ns="http://www.example4.org">
  <MessageHeader>
    <Source>201944019</Source>
    <Destination>205704856</Destination>
    <TransactionID>123456</TransactionID>
    <Version>1-0-0</Version>
  </MessageHeader>
  <Body>
    <ns:Case xsi:schemaLocation="http://www.example4.org" ns1:caseCategoryID="1">
       <ns1:OfficialProvisionNumber>String</ns1:OfficialProvisionNumber>
    </ns:Case>
  </Body>
</Message>
3.2.3.1.2 オプション 2: ノードの存在のチェック

registerCommandというノードの存在をチェックする場合を想定します。パラメータを次のように設定します。

フィールド

識別値

空白のままにします。

識別式

/*[local-name()='envelope']/body/transaction/command/*[local-name()='registerCommand']

「識別値」フィールドを空欄のままにした場合、Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは識別式に指定したノードがチェックされます。ペイロードのノードが一致すると、ドキュメントが正常に識別されます。例 - ノードの存在のチェックに、このオプションのXMLペイロードの一部を示します。

ノードの存在のチェック

<uccnet:envelope xmins:eanucc="http://www.ean-ucc.org/schemas/1.3/eanucc"
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
  xmlns:uccnet="http://www.uccnet.org/schemas/2.2/uccnet"
    communicationVersion="2.2"
  xsi:schemaLocation="http://www.uccnet.org/schemas/2.2/uccnet
  http://www.testregistry.net/xmlschema/uccnet/2.2/Envelope.xsd">
  <messageHeader>
    <messageIdentifier>
      <value>791:1_EB3CDC749A1F2BABE03014906CC4605A</value>
    </messageIdentifier>
    <userId>oraclesupXSD</userId>
    <representingParty>
      <gin>0060974050142</gin>
    </representingParty>
  </messageHeader>
  <body>
    <transaction>
      <entityIdentification>
        <uniqueCreatorIdentification>856</uniqueCreatorIdentification>
        <globalLocationNumber>
          <gin>0060974050142</gin>
        </globalLocationNumber>
      </entityIdentification>
      <command>
        <uccnet:registerCommand>
          <registerCommandHeader type="ADD" />
        </uccnet:registerCommand>
      </command>
    </transaction>
  </body>
</uccnet:envelope>
3.2.3.1.3 オプション 3: 属性の値のチェック

国属性の値がUSであるとします。パラメータを次のように設定します。

フィールド

識別値

US

識別式

//*/@country

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、国属性の値と、「識別値」に設定した値が比較されます。値が一致するとドキュメントが正常に識別されます。例 - 属性の値のチェックに、このオプションのXMLペイロードの一部を示します。

例 - 属性の値のチェック

<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<MyAddress country="US" xmlns="http://www.example.org"
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
  xsi:schemaLocation="PO.xsd">
  <name>B2B Buyer</name>
  <street>100 Oracle Parkway</street>
  <city>Redwood City</city>
  <state>CA</state>
  <zip>94065</zip>
</MyAddress>

3.3 HL7ドキュメント・プロトコルの使用

Oracle SOA Suite for healthcare integrationには、Generic交換またはMLLP交換を使用して医療情報を含むドキュメントを交換するためのHealth Level 7 (HL7)バージョン2.xが実装されています。

HL7使用時には、標準のOracle SOA Suite for healthcare integrationの機能(検証、変換、アウトバウンド・エンベロープ・ヘッダーの自動生成および確認など)を使用できます。

HL7標準を作成し、管理している組織の詳細は、http://www.hl7.orgを参照してください。

3.3.1 HL7ドキュメント・バージョン・パラメータに関する注意事項

HL7ドキュメント・バージョンを作成する場合は、様々なパラメータを設定できます。図3-7に、HL7ドキュメントのドキュメント・バージョン・パラメータを示します。

図3-7 HL7ドキュメントのドキュメント・バージョン・パラメータ

図3-7の説明が続きます
「図3-7 HL7ドキュメントのドキュメント・バージョン・パラメータ」の説明

表3-3に、HL7ドキュメントのドキュメント・バージョン・パラメータを示します。

表3-3 HL7ドキュメントのドキュメント・バージョン・パラメータ

パラメータ 説明

「メッセージ・ヘッダー」タブ

[-]

セキュリティ

HL7の一部のアプリケーションでは、このフィールドがセキュリティ機能の実装に使用されます。

処理ID

MSH.11。このフィールドは、HL7アプリケーション(レベル7)処理ルールの定義に従ってメッセージを処理するかどうかを決定するために使用されます。最初のコンポーネントでは、メッセージが本番、トレーニングまたはデバッグ・システムのいずれに属しているかを定義します(値については、HL7表0103 - 処理IDを参照してください)。2番目のコンポーネントでは、メッセージがアーカイブ・プロセスまたは初期ロードのいずれに属しているかを定義します(値については、HL7表0207 - 処理モードを参照してください)。この結果、異なる処理モードに異なる優先度を設定できます。

確認タイプの受入

メッセージに対する応答でアプリケーション確認の返信が必要となる条件を設定します。値「AL」(常時)が指定されます。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、確認を生成する必要があるかどうかを調べるために、着信メッセージのペイロード(MSH.15)がチェックされます。一部のHL7システムでは、ペイロードでMSH.15は送信されないため、確認の送信が必要です。

アプリケーション確認タイプ

MSH.16.値「AL」(常時)が指定されます。

国コード

メッセージの作成国を設定します。値「US」が指定されます。

文字セット

メッセージ全体の文字セットを設定します。値「ASCII」が指定されます。

国際化コード識別子

MSH.19

国際化コード・テキスト

MSH.19

国際化コード体系名

MSH.19

国際化コード代替識別子

MSH.19

国際化コード代替テキスト

MSH.19

国際化コード代替コード体系名

MSH.19

国際バージョン識別子

MSH.12

国際バージョンIDテキスト

MSH.12

国際バージョンIDコード体系名

MSH.12

国際バージョンID代替識別子

MSH.12

国際バージョンID代替テキスト

MSH.12

国際バージョンID代替コード体系名

MSH.12

「バッチ・ヘッダー」タブ

[-]

バッチ・ヘッダーの作成

バッチ・ヘッダーを作成する場合は、ボックスを選択します。

バッチ・ヘッダーECSファイル

「参照」ボタンをクリックして、標準ファイルをオーバーライドするECSファイルを検索します。指定しない場合、用意されているデフォルト・ファイルが使用されます。

バッチ・セキュリティ

BHS.8

バッチ日付

BHS.7.システム日付タイムスタンプが指定されます(#SystemDateTime(CCYYMMDDHHMM)#)。

「ファイル・ヘッダー」タブ

[-]

ファイル・ヘッダーの作成

ファイル・ヘッダーを作成する場合は、チェック・ボックスを選択します。

ファイル・ヘッダーECSファイル

「参照」ボタンをクリックして、標準ファイルをオーバーライドするECSファイルを検索します。指定しない場合、用意されているデフォルト・ファイルが使用されます。

ファイル・セキュリティ

FHS.8

ファイル日付

FHS.7.システム日付タイムスタンプが指定されます(#SystemDateTime(CCYYMMDDHHMM)#)。

「デリミタ」タブ

デリミタ・フィールドの横にある「16進文字の選択」をクリックすると値が指定されます。

要素デリミタ

セグメント識別子の後に続く1文字で、セグメント内の各データ要素(最後の要素を除く)を区切ります。値「0x7c」が指定されます。

エスケープ文字

「0x5c」が指定されます。

繰返しセパレータ

繰返しデータ要素の隣接する出現を区切るため、またはフィールドの複数の出現を区切るために使用されるサービス文字。値「0x7e」が指定されます。

セグメント・デリミタ

メッセージ内のセグメント(データ・フィールドの論理的なグループ)の終了を示す構文文字。値「0x0d」が指定されます。

サブコンポーネント・デリミタ

値「0x26」が指定されます。

サブ要素デリミタ

値「0x5e」が指定されます。

「その他」タブ

[-]

エンベロープ・パラメータの無視

このオプションを使用して、参照検証時に無視するエンベロープ要素のリストをカンマ区切りで指定します。HL7アグリーメントの場合、指定可能な値は、MessageSendingApp、MessageReceivingApp、MessageSendingFacilityおよびMessageReceivingFacilityです。

確認モード

このオプションを選択して、インバウンド・バッチHL7メッセージの対して確認を1つ送信するか複数送信するかを指定します。

3.3.2 HL7ドキュメント・タイプ・パラメータに関する注意事項

HL7ドキュメント・タイプを作成する場合は、様々なパラメータを設定できます。図3-8に、HL7ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

図3-8 HL7ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

図3-8の説明が続きます
「図3-8 HL7ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ」の説明

表3-4に、HL7ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータを示します。

表3-4 HL7ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータ

パラメータ 説明

「トランザクション」タブ

[-]

HL7汎用確認

選択した場合、Oracle SOA Suite for healthcare integrationから汎用確認が送信されます。

ノート:

HL7標準では、ファイルまたはバッチ・ヘッダーに対するエラーの受信確認の生成ルールが指定されません(メッセージに対してのみ)。Oracle B2Bは、HL7インバウンド・メッセージのファイルとバッチ・ヘッダーのエラーに対する受信確認を生成しません(エラー・レポートのみが生成されます)。

確認制御IDのマップ

ビジネス・メッセージのMSH.10から確認のMSH.10へのマッピングを有効にする場合に選択します。

ノート: この「確認制御IDのマップ」パラメータは、機能確認用です。

確認の受入

機能確認は、MSH.15に値がない場合に生成されます。アクションを実行しない場合は「なし」を選択します。確認の生成は、ビジネス・メッセージのMSH.15内の値に依存します。どのような条件でも確認を生成する場合は、「AL」(常時)を選択します。メッセージ・エラーまたはメッセージが拒否されたときに確認を生成する場合は、「ER」(エラー/拒否)を選択します。メッセージが正常に処理されたときに確認を生成する場合は、「SU」(正常終了)を選択します。

個々のエンドポイント・レベルでドキュメント・パラメータをオーバーライドする方法の詳細は、「エンドポイント・レベルでのドキュメント・パラメータのオーバーライド」を参照してください。

3.3.3 HL7ドキュメント定義パラメータに関する注意事項

HL7ドキュメント定義を作成するときは(ドキュメント定義の作成の詳細は、ドキュメント定義の作成を参照)、様々なパラメータを設定できます。図3-9に、HL7ドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

図3-9 HL7ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

図3-9の説明が続きます
「図3-9 HL7ドキュメントのドキュメント定義パラメータ」の説明

表3-5に、HL7ドキュメントのドキュメント定義パラメータを示します。

表3-5 HL7ドキュメントのドキュメント定義パラメータ

パラメータ 説明

「トランザクション」タブ

[-]

*トランザクション・セットECSファイル

ecsファイルを検索する場合は「参照」ボタンをクリックします。

「ルーティング」タブ

[-]

ドキュメント・ルーティングID

バックエンド・アプリケーションに対してコンシューマ名を設定します。

「XPath」タブ

詳細は、カスタムXMLドキュメントのXPath式の構成方法を参照してください。

XPath名1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式1

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式2

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

XPath名3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath名。

XPath式3

ペイロードから値を取得するためのXML XPath式。

「相関」タブ

[-]

XPath名からの相関

相関を開始するための相関プロパティの名前。

XPath式からの相関

相関を開始するためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

XPath名への相関

相関のための相関プロパティの名前。

XPath式への相関

相関のためにペイロードから値を取得するためのXML XPath。

「アプリケーション」タブ

[-]

ドキュメント

内部アプリケーション・ドキュメントの名前。

アクション

ドキュメント内のサブ分類。

XSLTファイル

XSLTファイルの名前。

3.3.4 HL7の使用に関する注意事項

HL7即時確認(トランスポート・レベルの確認)の場合、ビジネス・メッセージは生成されません。

HL7交換のエラーを示す否定応答メッセージは、HL7バージョン2.1から2.5では、80文字長制限のために切り捨てられる場合があります。

3.4 ドキュメント定義の作成

ドキュメント定義では、メッセージの検証に使用されるドキュメント・プロトコル(ドキュメント・プロトコル・バージョンおよびドキュメント・タイプ)が指定されます。ドキュメント定義には、HL7メッセージの場合はECSファイル、XMLメッセージの場合はXSD/DTDを使用できます。

トランザクションにエンドポイントを参加させると、同じドキュメント定義が使用されます。ドキュメント定義は、ドキュメント・プロトコル、プロトコル・バージョンおよびドキュメント・タイプの標準に準拠する必要があります。

ノート:

ドキュメント定義が標準に準拠するようにするには、Oracleドキュメント・エディタを使用してドキュメントのガイドライン・ファイルを作成し、ドキュメント定義の作成時にはOracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースを使用して、それらのファイルをインポートします。

Oracleドキュメント・エディタを使用してトランザクション・セット・ファイルを作成したら、Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースを使用して、ドキュメント定義を作成し、トランザクション・セット・ファイルをインポートします。

ノート:

ドキュメント・バージョン、ドキュメント・タイプおよびドキュメント定義は、作成後は編集できません。特定のドキュメント要素(バージョン、タイプまたは定義)を削除して、新しく作成する必要があります。作成後にドキュメント要素を更新すると、メタデータの不整合、メタデータ検証の問題、ランタイム・エラーが発生する原因となる場合があります。

ドキュメント定義を作成するには:

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationにログオンします。「構成」タブが選択された状態でOracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースが開きます。

  2. 左側のナビゲーション・パネルで「ドキュメント・プロトコル」を開きます。サポートされているプロトコル、すなわちカスタムとHL 7 V2.xのリストが表示されます。

  3. 図3-10に示すように、いずれかのドキュメント・プロトコル(たとえばHL7)を選択し、「作成」ボタンをクリックします。「ドキュメント・バージョンの作成」ウィンドウが表示されます。

    ノート:

    または、ドキュメント・プロトコル名を右クリックして、ショートカット・メニューから「作成」を選択することもできます。

    図3-10 ドキュメント・プロトコルの選択

    図3-10の説明が続きます
    「図3-10 ドキュメント・プロトコルの選択」の説明

    ノート:

    ドキュメント・プロトコル・バージョンの作成ダイアログ・ボックスに、プロトコル・バージョン名(たとえば、2.3.1)を入力します。

  4. 「名前」フィールドにドキュメント・プロトコル・バージョン名を入力します。

  5. 必要に応じてドキュメント・バージョンのパラメータを指定し、「OK」をクリックします。

    このバージョンがドキュメントの識別に使用されます。大/小文字を区別できます。プロトコル標準に準拠した固定構文を使用します。

    図3-11に、HL7 V2.3.1ドキュメントのドキュメント・プロトコル・バージョンのページを示します。

    図3-11 ドキュメント・プロトコル・バージョン情報の入力

    図3-11の説明が続きます
    「図3-11 ドキュメント・プロトコル・バージョンの情報の入力」の説明

    パラメータの詳細は、表3-3を参照してください。

  6. 新たに作成したバージョン名をクリックして、「作成」ボタンをクリックすると、「ドキュメント・タイプの作成」ウィンドウが表示されます。または、バージョン名を右クリックして、ショートカット・メニューから「作成」を選択することもできます。

  7. ドキュメント・タイプ名を入力し、ドキュメント・タイプ・パラメータを必要に応じて指定して、「OK」をクリックします。

    図3-12に、HL7 V2.3.1ドキュメントのドキュメント・タイプ・パラメータのページを示します。

    図3-12 ドキュメント・タイプ・パラメータの情報の入力

    図3-12の説明が続きます
    「図3-12 ドキュメント・タイプ・パラメータの情報の入力」の説明

    ドキュメント・タイプ・パラメータの詳細は、表3-4を参照してください。

  8. 新しいドキュメント・タイプ名を選択した状態で、「作成」をクリックすると、「ドキュメント定義の作成」ウィンドウが表示されます。

  9. ドキュメント定義名を入力して、次を行います:

    1. 任意のドキュメント・プロトコルに対して、オプションの定義ファイル(XSDファイル)を参照します。

    2. 必要なHL7用トランザクション・セットECSファイルまたは位置指定フラット・ファイルを参照します。

    3. 必要に応じてドキュメント定義のパラメータを指定し、「OK」をクリックします。

    図3-13に、HL7 V2.3.1ドキュメントのドキュメント定義パラメータのページを示します。

    図3-13 ドキュメント定義パラメータの情報の入力

    図3-13の説明が続きます
    「図3-13 ドキュメント定義パラメータの情報の入力」の説明

    定義パラメータの詳細は、次の表を参照してください。

ノート:

インストール後スクリプトを使用して標準ライブラリをインストールし、hl7 doctypesファイルをインポートしてHealthcareコンソールにドキュメント・ツリーを作成することもできます。

3.5 ドキュメント定義の削除

ドキュメント定義を削除するには2つの方法があります。

ドキュメント定義の名前を選択して「削除」をクリックします。または、定義名を選択して右クリックし、ショートカット・メニューから「削除」を選択します。