4 エンドポイントの操作

この章では、Oracle SOA Suite for healthcare integrationにおけるエンドポイントの概念について説明し、ヘルスケア統合アプリケーション用にエンドポイントを作成および構成する手順を示します。

この章のトピックは、次のとおりです:

4.1 エンドポイントの概要

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、エンドポイントは事前定義済のドキュメントが送信または受信される通信チャネルです。エンドポイントは、ドキュメントが外部システムと交換される方法を定義し、場所、トランスポート・プロトコル、交換するドキュメントおよびその他の構成パラメータを指定します。

URL、フォルダ、パスなどをエンドポイントにすることができます。メッセージの方向に基づいて、エンドポイントはインバウンド、アウトバウンドまたはその両方の場合があります。たとえば、Oracle SOA Suite for healthcare integrationがディレクトリから読み取る場合、ディレクトリはインバウンド・エンドポイントです。反対に、Oracle SOA Suite for healthcare integrationがディレクトリにメッセージを書き込むか送信する場合、ディレクトリはアウトバウンド・エンドポイントです。また、MLLPエンドポイントは、メッセージの受信と送信の両方に使用できます。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、エンドポイントをドキュメント定義に関連付け、エンドポイントがメッセージの送信と受信を開始できるようにする必要があります。

図4-1は、ドキュメント定義にまだ関連付けられていないサンプルのエンドポイントを示しています。

図4-1 Oracle SOA Suite for healthcare integrationのサンプル・エンドポイント

図4-1の説明が続きます
「図4-1 Oracle SOA Suite for healthcare integrationのサンプル・エンドポイント」の説明

4.2 エンドポイントの作成

Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースには、エンドポイントを作成および構成できるエンドポイント・ページがあります。この手順では、インタフェースを使用してエンドポイントを作成する方法について説明します。

双方向(MLLP)および単一方向(FILE、JMS)トランスポート・プロトコル用のエンドポイントを作成できます。双方向プロトコルの場合、レスポンス・メッセージまたは機能確認(FA)の送受信を1つのエンドポイントで実行できます。一方、単一方向プロトコルの場合、ドキュメントの送受信を行うように構成しないと、1つのエンドポイントでメッセージまたはFAの送受信を実行できません。

双方向トランスポート・プロトコル(MLLP)を使用してエンドポイントを作成するには:

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースにログオンします。

  2. 「設計」タブの「構成」タブで、「エンドポイント」フォルダをクリックし、図4-2に示す「作成」ボタンをクリックします。

    図4-2 エンドポイントの作成ボタン

    図4-2の説明が続きます
    「図4-2 エンドポイントの作成ボタン」の説明
  3. 図4-3に示すように、「作成」ウィンドウに次を入力して、「OK」をクリックします。

    • 名前: エンドポイントの名前。

    • トランスポート・プロトコル: メッセージを送信または受信するトランスポート・プロトコル。この場合、MLLP10を選択します。

    • 接続モード: 「サーバー」または「クライアント」。エンドポイントがサーバーとして構成されている場合、Oracle SOA Suite for healthcare integrationエンジンはポートでリスニングを開始し、クライアントが接続するのを待機します。一般に、サーバー接続モードはインバウンド用です。クライアントとして構成されている場合、エンジンはリモート・コンピュータまたはデバイスのホスト名およびポートに接続します。一般に、これはアウトバウンド用です。

      ノート:

      Oracle Healthcareでは、単一サーバー・チャネルに対する複数のクライアント接続をサポートしています。このため、複数のクライアントが同一サーバーに接続し、データを交換したりFAを受信することができます。

      バックエンド・アプリケーションに渡されたメッセージは、次の方法で送信されます。

      • Oracle Healthcareが動的IPアドレスを使用してエンドポイント詳細をバックエンド・アプリケーションに渡し、アプリケーションが同じ値をアウトバウンドの動的IPヘッダーに戻します。Oracle Healthcareはこの動的IPヘッダーを使用して、正しい接続を選択します。

      • クライアントは確認またはレスポンス・メッセージのプロパティでreplytoMsgIdプロパティを設定して、接続詳細をリクエスト・メッセージからフェッチできます。

    • ホスト名: MLLPサーバー・エンドポイントの場合はOracle SOA Suiteをホストしているコンピュータの名前またはIPアドレス、MLLPクライアント・エンドポイントの場合はリモート・ホストの名前またはデバイス名にする必要があります。通常、これはlocalhostである必要があります。ただし、localhostが指定されている場合は、(localhost/127.0.0.1アドレスではなく) WLSサーバーのリスニング・アドレスがかわりに使用されます。

      ノート:

      NIOモードを使用する場合は、localhostではなくIPアドレスまたはコンピュータ名を指定する必要があります。

    • ポート: ポート番号は500より大きい値にする必要があります。接続モードが「サーバー」に設定されている場合、ポート番号は有効なTCPポート番号である必要があります。接続モードが「クライアント」に設定されている場合、ポート番号はMLLPサーバーで使用するポートと同じである必要があります。

    これにより、エンドポイントが作成され、エンドポイントがOracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースの右のパネルに表示されます。

    図4-3 エンドポイント・パラメータの指定

    図4-3の説明が続きます
    「図4-3 エンドポイント・パラメータの指定」の説明

単一方向トランスポート・プロトコル(FILE)を使用してエンドポイントを作成するには:

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースにログオンします。
  2. 「設計」タブの「構成」タブで、「エンドポイント」フォルダをクリックし、「作成」ボタンをクリックします。
  3. 図4-4に示すように、「作成」ウィンドウに次を入力して、「OK」をクリックします。
    • 名前: エンドポイントの名前。

    • トランスポート・プロトコル: メッセージを送信または受信するトランスポート・プロトコル。この場合、FILEを選択します。

    • 方向: 「インバウンド」または「アウトバウンド」。エンドポイントをインバウンドとして構成した場合、他のエンドポイントからレスポンス・メッセージまたはFAを受信できます。反対に、エンドポイントをアウトバウンドとして構成した場合、メッセージまたはFAを送信できます。

    • フォルダ名: 絶対ディレクトリ・パスをお薦めします。このフォルダにはインバウンドまたはアウトバウンドのメッセージやFAは格納されません。インバウンド・メッセージはこのフォルダ内にある必要があり、アウトバウンド・メッセージまたはFAはここに配信される必要があります。

    これにより、エンドポイントが作成され、エンドポイントがOracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースの右のパネルに表示されます。

    図4-4 エンドポイント・パラメータの指定

    図4-4の説明が続きます
    「図4-4 エンドポイント・パラメータの指定」の説明

    ノート:

    単一方向エンドポイント(インバウンド/アウトバウンド)の作成後、後からこれを「構成」リンクをクリックして編集し、インバウンドまたはアウトバウンドの構成を追加できます。

ノート:

様々なトランスポート・プロトコルでのエンドポイントの作成の詳細は、「各種トランスポート・プロトコルを使用したエンドポイントの作成」を参照してください。

4.2.1 単一方向プロトコルのエンドポイントでのチャネルの構成

双方向トランスポート・プロトコル(MLLPなど)を使用してエンドポイントを作成した場合、エンドポイントはリクエストとリプライの双方(インバウンドおよびアウトバウンド)とACKを処理することができます。しかし、単一方向トランスポート・プロトコル(FileやFTPなど)の場合、通常、構成できるのはインバウンド・チャネルまたはアウトバウンド・チャネルの一方であり、両方一緒に構成することはできません。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、単一方向プロトコルの場合、管理およびモニタリング用に2つの通信チャネル(送信および受信メッセージ用に1つずつ)を1つのエンティティ(エンドポイント)として構成することができます。この概念により、サポートされるドキュメントの有効化または無効化および表示が可能になり、関連するチャネルの関連モニタリング・データ(メッセージ数や実際のメッセージ)を同時に表示できます。

この機能を使用して単一方向トランスポート・プロトコルを使用するときに、構成する必要があるチャネルは1つのみです。もう一方のチャネル(逆方向)の構成はオプションです。この場合、Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールには、メッセージの送信または受信用に構成されたチャネルが1つ表示されますが、図4-5に示すとおり、もう一方のチャネルは未構成として表示されます。

図4-5 未定義のセカンダリ・チャネル

図4-5の説明が続きます
「図4-5 未定義のセカンダリ・チャネル」の説明

図4-6に示すとおり、もう一方のチャネルは、未定義チャネルのセクションで+ボタンをクリックし、構成ダイアログ・ボックスで必要なチャネル詳細を指定することで構成できます。

図4-6 セカンダリ・チャネルの定義

図4-6の説明が続きます
「図4-6 セカンダリ・チャネルの定義」の説明

トランスポート・プロトコルおよびその他の設定はチャネルごとに定義します。2つのチャネルに異なる単一方向トランスポート・プロトコルを使用できます。たとえば、1つのチャネルではFTPを使用して、もう一方のチャネルではFileを使用することもできます。唯一の要件は、両方とも単一方向プロトコルを使用するという点です。

両方の通信チャネルを定義しドキュメントをチャネルに関連付けると(エンドポイントとドキュメントの関連付けを参照)、エンドポイントが図4-7のように表示されます。

図4-7 両方のチャネルが構成された単一方向エンドポイント

図4-7の説明が続きます
「図4-7 両方のチャネルが構成された単一方向エンドポイント」の説明

必要に応じて、各チャネルの構成を編集できます。また、対応するチャネルのセクションで「削除」リンクを使用して、各チャネルの構成を削除することもできます。

4.3 エンドポイントとドキュメントの関連付け

エンドポイントを作成した後で、それをドキュメントに関連付けて、エンドポイントがメッセージを送信または受信できるようにする必要があります。メッセージを送信、受信または送受信するようにエンドポイントを構成できます。

双方向エンドポイントをドキュメントに関連付けるには:

  1. 必要なエンドポイントを開きます。

  2. メッセージを送信または受信するようにエンドポイントを構成します。

    1. エンドポイントの「送信」または「受信」セクションで、「+」ボタンをクリックしてドキュメント選択ウィンドウを表示します。

    2. 使用可能なドキュメント階層から、ADT_A04_defなど必要なドキュメント定義を選択します。ドキュメント定義がエンドポイントに関連付けられます。機能確認、検証またはエンドポイントの変換が必要かどうかを指定でき、必要な内部デリバリ・チャネル、トランスポートまたはアグリーメント・レベルのコールアウトおよびマップセットも指定できます。

      ノート:

      ドキュメント定義を「送信」または「受信」セクションにドラッグ・アンド・ドロップすることもできます。

      図4-8は、ドキュメント定義に関連付けられたエンドポイントを示しています。

      図4-8 エンドポイントとドキュメント定義の関連付け

      図4-8の説明が続きます
      「図4-8 エンドポイントとドキュメント定義の関連付け」の説明

      ノート:

      FAの場合、「機能確認」、「検証」、「変換」、「再試行間隔」および「再試行数」は無効になります。

    3. 次のドキュメント構成オプションを選択します。

      オプション 説明

      機能確認

      成功またはエラーの条件に対して機能確認を有効にする場合に選択します

      検証

      構成済のECSファイルに対してドキュメントの検証を有効にする場合に選択します。

      変換

      XMLからネイティブ・フォーマットへの変換、またはその逆の変換を有効にする場合に選択します。

    4. 「内部チャネル」「ドキュメント・コールアウト」「マップセット」または「コンポジット」のいずれかがエンドポイントに対して定義されている場合は、これらを適切なフィールドから選択します。詳細は、『Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』取引パートナ・アグリーメントの作成とデプロイに関する項を参照してください。

      ノート:

      インバウンド・ドキュメントの場合、コンポジット名とJMS内部デリバリ・チャネル名の選択はオプションです。Oracle Healthcareは特定のドキュメント定義について、1つのコンポジットのみサポートできます。複数のコンポジットを使用できる場合、Oracle Healthcareは実行時に最初にOracle Healthcareに登録されたコンポジットにメッセージを送信するため、結果は予測できないものになります。

  3. 「有効」チェック・ボックスを選択し、「適用」をクリックして、エンドポイントでのメッセージの送受信を有効にします。「適用」操作の適用には30から60秒ほどかかることがあります。これは、XSD/ECSの作成とメタデータの検証が原因です。

    ノート:

    エンドポイントに変更を加えた後で、左側のパネルでエンドポイント名を右クリックし、「リフレッシュ」をクリックしてエンドポイントを更新できます。

    ノート:

    エンドポイントの有効化と無効化は、「有効」チェック・ボックスの選択または選択解除の後、「適用」ボタンをクリックすることで切り替えることができます。

単一方向エンドポイントとドキュメントの関連付け

Fileなど、単一方向エンドポイントを関連付ける場合の手順は、双方向エンドポイントの場合とほぼ同じです。ただし、異なる点がいくつかあります。

  • エンドポイントを作成する際、SOA Suite for healthcare integrationコンソールは選択された方向の構成オプションを表示した状態で開きます。

  • 双方向エンドポイントとドキュメントの関連付けステップにリストされているその他のステップを実行すると、図4-9に示すとおり、エンドポイントがドキュメントに関連付けられます。

    図4-9 単一方向エンドポイントとドキュメントの関連付け

    図4-9の説明が続きます
    「図4-9 単一方向エンドポイントとドキュメントの関連付け」の説明
  • エンドポイントの作成時に、エンドポイントの方向をインバウンドとして指定した場合、「構成」リンクをクリックし、同じページでエンドポイントにアウトバウンド構成を定義できます。この機能により、関連する2つの単一方向エンドポイント(送信メッセージ用と受信メッセージ用にそれぞれ1つずつ)を1つのエンティティとして結び付け、管理とモニタリングを効率的に行うことができます。

ノート:

エンドポイントからドキュメントの関連付けを解除するには、「ドキュメント」セクションでドキュメント・エンティティを選択し、「削除」(X)ボタンをクリックします。

4.3.1 エンドポイント・レベルでのドキュメント・パラメータのオーバーライド

Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationでは、個々のエンドポイント・レベルでドキュメント・パラメータをオーバーライドできます。通常、ドキュメントはすべてのエンドポイントで共通です。その場合、特定のエンドポイントのドキュメント・バージョン・パラメータとドキュメント・タイプ・パラメータを変更することはできません。

ドキュメント・パラメータのオーバーライド機能を使用すると、エンドポイントに固有のドキュメント・パラメータをオーバーライドできます。たとえば、ドキュメント定義で「HL7汎用確認」オプションが有効になっている場合、Oracle SOA Suite for healthcare integrationは汎用確認を送信します。このため、同じドキュメント定義を使用しているすべてのエンドポイントが汎用確認を送信します。ただし、この機能を選択したエンドポイントでのみ有効にするには、それらのエンドポイントのドキュメント定義をオーバーライドする必要があります。

ドキュメント・パラメータをオーバーライドするには:

  1. 必要なエンドポイントを開きます。
  2. 「送信するドキュメント」または「受信するドキュメント」セクションでオーバーライドするドキュメント・リンクをクリックして、「ドキュメントの詳細」ダイアログ・ボックスを表示します。このダイアログ・ボックスには、「ドキュメント・バージョン」「ドキュメント・タイプ」のタブがあります。
  3. 「ドキュメント・バージョン」タブをクリックして、「バッチ・ヘッダー」「メッセージ・ヘッダー」「デリミタ」「ファイル・ヘッダー」「その他」など、前のステップで選択したドキュメントのドキュメント・バージョンに関連するすべてのサブタブを表示します(図4-10を参照)。

    図4-10 ドキュメント・バージョン・パラメータのオーバーライド

    図4-10の説明が続きます
    「図4-10 ドキュメント・バージョン・パラメータのオーバーライド」の説明
  4. 「オーバーライド」チェック・ボックスを選択して、これらの各タブのフィールドを編集可能にします。
  5. 変更を加えます。HL7ドキュメント・パラメータの詳細は、「HL7ドキュメント・バージョン・パラメータに関する注意事項」を参照してください。
  6. 「ドキュメント・タイプ」タブをクリックして、「HL7汎用確認」「確認制御IDのマップ」「確認の受入」など、ドキュメント・タイプに関連するパラメータを表示します(図4-11を参照)。

    図4-11 ドキュメント・タイプ・パラメータのオーバーライド

    図4-11の説明が続きます
    「図4-11 ドキュメント・タイプ・パラメータのオーバーライド」の説明
  7. 「オーバーライド」チェック・ボックスを選択して、これらの各タブのフィールドを編集可能にします。
  8. 変更を加えます。HL7ドキュメント・パラメータの詳細は、「HL7ドキュメント・タイプ・パラメータに関する注意事項」を参照してください。
  9. 「OK」をクリックします。

オーバーライドされたドキュメント定義は横のボタンでマークされます(図4-12を参照)。

図4-12 オーバーライドされたドキュメント定義

図4-12の説明が続きます
「図4-12 オーバーライドされたドキュメント定義」の説明

4.4 MLLPエンドポイントの順序付けの有効化

ドキュメントをエンドポイントに関連付けた後、エンドポイントの構成のために複数のオプションを使用できます。

  • 確認モード: エンドポイントがメッセージを受信するモードとして同期非同期または「なし」を選択します。

  • 再試行間隔: メッセージの配信が再試行される間隔。

  • 再試行数: メッセージ配信を再試行する回数。

  • トランスポート・コールアウト: メッセージの受信後または送信前に呼び出すトランスポート・コールアウト。コールアウトは、コールアウトの作成後にのみ選択できます。

  • トランスポート・プロトコル: 「トランスポートの詳細」ボタンをクリックして、次の図に示すようにトランスポート・プロトコル・パラメータをカスタマイズします。

    MLLP 1.0上で、現在のメッセージの肯定ACKの受信後にのみ次のメッセージが送信されるようにHL7メッセージを送信する必要がある場合は、MLLP 1.0の順序付けモードをOneToOne順序付けに設定できます。

    MLLP 1.0エンドポイントをドキュメントに関連付ける場合は、「トランスポート・プロトコル・パラメータ」ダイアログ・ボックスの「詳細」タブで、アウトバウンド・メッセージについて次の順序付けモードから選択できます。

    • なし: メッセージはACKを待たずに順番にディスパッチされます。

    • OneToOne (デフォルト): メッセージは順番に送信されますが、ACKは管理番号の搬送を期待されません(相関は、ACK内の管理番号をチェックせずに行われます)。否定ACKの場合、メッセージ送信は肯定ACKが受信されるか再試行数が尽きる(この時点でメッセージはエラー状態になります)まで再試行されます。

    • OneToOneMapping: メッセージは順番に送信されますが、適切な相関を行うためにACKは管理番号を搬送する必要があります。管理番号は、ACKを送信済メッセージに相関付けるために使用されます。

    図4-13は、アウトバウンド・メッセージで使用可能な順序付けモードを示しています。

    図4-13 アウトバウンド・メッセージの順序付けモード

    図4-13の説明が続きます
    「図4-13 アウトバウンド・メッセージの順序付けモード」の説明

    エンドポイントに対してインタフェース順序付けを有効にするには、「インタフェース順序付け」チェック・ボックスを選択します。インタフェース順序付けの構成の詳細は、「インタフェース順序付け」を参照してください。

    ノート:

    「HL7確認の破棄」チェック・ボックスに選択した値は、ACKペイロードが持続するかどうかを示します。これは、即時確認および確認の破棄の場合にのみ適用されます。チェック・ボックスを選択解除すると、ペイロードの持続によるデータベース層でのI/O負荷が軽減されます。

    トランスポート・プロトコルおよびそれらに対応する交換プロトコルの詳細は、『Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』トランスポート・プロトコル・パラメータに関する表および交換プロトコル・パラメータに関する表を参照してください。

単一方向エンドポイントの場合:

4.5 MLLPエンドポイントの接続タイムアウトの管理

双方向接続が永続接続である場合、ある期間アイドル状態の後に接続がタイムアウトする可能性があります。これを防ぐため、タイムアウト値を変更できます。

タイムアウト間隔は、「トランスポート・プロトコル・パラメータ」ダイアログ・ボックスの「詳細」タブのタイムアウト値で決定されます。デフォルト値を変更しない場合、実際のタイムアウト値はEMコンソールで設定されているhc.mllp.permanentConnectionTimeoutプロパティから取得します。デフォルト値を変更する場合、更新された値がタイムアウト間隔として適用されます。

ノート:

非永続接続は、常にタイムアウト・パラメータ値を使用します。永続接続のデフォルトのタイムアウトは24時間です。アクティビティが24時間ない場合、永続接続であっても接続がクローズされます。

MLLPエンドポイントのTCP接続タイムアウトを管理するには:
  1. エンドポイントを開きます。
  2. 「トランスポートの詳細」ボタンをクリックします。
    「トランスポート・プロトコル・パラメータ」ダイアログ・ボックスが開きます。
  3. 「詳細」タブをクリックします。
  4. 「タイムアウト」フィールドの間隔を変更します。
  5. 「OK」をクリックします。

4.6 MLLPエンドポイントに対するSSL/TLSサポートの有効化

Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationは、Secured Socket layer (SSL)/Transport Layer Security (TLS)プロトコルを使用することで、セキュアなソケット接続を介したメッセージ交換をサポートしています。ハッカーによって交換プロセスでメッセージのセキュリティが損われないように、SSL/TLSプロトコルによりOracle SOA Suite for healthcare integrationにセキュリティが提供されます。Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、メッセージ交換を保護するためにSSLまたはTLSを使用するオプションが用意されています。現在、これはMLLP 1.0エンドポイントに対してのみサポートされています。

SSLは、インターネットで私的なドキュメントを送信する際に使用する暗号化プロトコルです。SSLでは、2つのキー(ネットワーク内のすべての人が知っている公開キーとメッセージの受信者のみが知っている秘密キー)を使用してデータを暗号化および復号化する暗号化システムを使用しています。SSLについてさらに学習するには、http://www.tldp.org/HOWTO/SSL-Certificates-HOWTO/x64.htmlを参照してください。

TLSは事実上、SSLの標準化バージョンです。SSLバージョン3がSSLの最終更新で、この後にTLSが登場しました。実際のところ、TLSはSSLの拡張バージョンで、SSLに比べて次のようなメリットがあります。

  • 接続を保護するための新しい暗号化アルゴリズムを提供

  • 同じポートに対して安全な接続と安全でない接続の両方が可能

  • 拡張可能性が高い

  • データ交換時に双方向(サーバーとクライアント)認証が可能。サーバー認証はデフォルトで行われる

MLLP 1.0エンドポイントに対するSSL/TLSサポートを有効にするには:

  1. エンドポイントを開きます。
  2. 「トランスポートの詳細」ボタンをクリックして、「トランスポート・プロトコル・パラメータ」ダイアログ・ボックスを表示します。
  3. 「接続」をクリックして、構成可能な接続オプションのリストを表示します(図4-15を参照)。

    図4-15 エンドポイントでのSSL/TLSの有効化

    図4-15の説明が続きます
    「図4-15 エンドポイントでのSSL/TLSの有効化」の説明
  4. 「セキュリティ・プロトコル」リストから必要なプロトコルを選択します。使用可能なオプションは次のとおりです。
    • NONE: セキュリティ・プロトコルは使用されません。デフォルトではこれが選択されています

    • SSLv3: SSLv3セキュリティが使用されます

    • TLSv1: TLSv1セキュリティが使用されます

  5. 「クライアント認証の有効化」をクリックして、双方向認証を可能にします。デフォルトでは、クライアントがセキュアなデータ交換をリクエストすると、サーバー証明書認証が行われます。「クライアント認証の有効化」チェック・ボックスを選択すると、クライアント証明書認証も可能になります。この構成はオプションです。

    ノート:

    「クライアント認証の有効化」チェック・ボックスが有効になるのは、「接続モード」として「サーバー」を選択し、「セキュリティ・プロトコル」として「NONE」以外を選択した場合のみです。「接続モード」として「クライアント」を選択し、「セキュリティ・プロトコル」として「NONE」を選択した場合、このチェック・ボックスは灰色表示になります。クライアント・エンドポイントではサーバー認証がデフォルトで行われるためです。

  6. 「OK」をクリックし、エンドポイント・ページで「適用」をクリックします。

セキュアなデータ交換では、信頼できるクライアント/サーバー証明書および暗号化アルゴリズムおよび公開キー/秘密キーのキー・ペアが格納されているインフラストラクチャが必要です。そのためには、キーストアを定義し、秘密キーのパスワードを指定する必要があります。双方向認証の場合は、クライアント側でサーバー証明書を格納するキーストアと、サーバー側でクライアント証明書を格納するキーストアの、2つのキーストアを構成する必要があります。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールでキーストアを構成し、秘密キーのパスワードを指定する方法の詳細は、表13-1を参照してください。

4.7 MLLPエンドポイントのアクション可能なエラーの処理

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、MLLP 1.0プロトコルを介してHL7 v2.xメッセージを送受信し、メッセージ解析の失敗、メッセージ検証の失敗または拒否などの問題を処理するサポートを提供します。

  • メッセージ解析エラーは、SOA HealthcareでHL7メッセージMSH (HL7メッセージ・メッセージ・ヘッダー・セグメント)解析/検証エラーに使用される用語です。

  • メッセージ検証エラーは、SOA Healthcareでペイロード検証エラーに使用される用語です。

さらに、失敗したメッセージの自動再試行、障害状態にある可能性のあるTCP接続のリセット、および連続する複数のメッセージ配信エラー後のメッセージ・フローの停止も行うことができます。

一般に、メッセージ配信は次のエラーによって失敗します。

  • 解析失敗: HL7メッセージの文法またはセマンティックスのエラーによって生じます

  • 検証失敗: HL7メッセージの不適切な値によって生じます

  • ACKエラー: 受信した否定確認によって生じます

解析失敗または検証失敗エラーが発生した場合は、サーバー側(インバウンド)で特定の修正処理を実行でき、ACKエラーの場合はクライアント側(アウトバウンド)で処理を実行できます。

エンドポイントが修正処理を実行すべき状態になった場合(前のエラーに基づいて)、Oracle Healthcareではシステム通知(メッセージ処理中に発生したエラーに対して送信される例外メッセージと類似する)を送信できます。Oracle Healthcareで、前のシステム・エラーに対して実行された修正処理に関するシステム通知を送信できるようにするには、Oracle Fusion Middleware Enterprise Manager Controlコンソールでhc.mllp.EnableEventNotificationサーバー・プロパティを設定する必要があります。このプロパティがtrueに設定されている場合のみ、Oracle Healthcareはシステムレベルのエラーに対してシステム通知を生成し、それ以外についてはシステムレベル通知を生成しません。

例 - Notification.xsdは、通知メッセージを通知キューに送信するために使用するファイルを示しています。

Notification.xsd

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<xs:schema targetNamespace="http://integration.oracle.com/B2B/Notification"
  xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
  xmlns="http://integration.oracle.com/B2B/Notification">
  <xs:element name="Notification">
    <!--xs:complexType name="Notification"-->
    <xs:complexType>
      <xs:sequence>
        <xs:element ref="eventType" minOccurs="0"/>
        <xs:element ref="eventCode" minOccurs="0"/>
        <xs:element ref="eventText" minOccurs="0"/>
        <xs:element ref="eventDescription" minOccurs="0"/>
        <xs:element ref="eventSeverity" minOccurs="0"/>
              <xs:element ref="ComponentDetails" minOccurs="0"/>
              <xs:element ref="eventDetails" minOccurs="0"/>				
      </xs:sequence>
    </xs:complexType>
  </xs:element>
  <xs:element name="eventType" type="xs:string"/>
  <xs:element name="eventCode" type="xs:string" />
  <xs:element name="eventText" type="xs:string" />
  <xs:element name="eventDescription" type="xs:string" />
  <xs:element name="eventSeverity" type="xs:string" />
 
  <xs:element name="ComponentDetails">
    <xs:complexType>
      <xs:sequence>
        <xs:element ref="ComponentName" minOccurs="0"/>
             <xs:element ref="ComponentType" minOccurs="0"/>
             <xs:element ref="ComponentSubType" minOccurs="0"/>
      </xs:sequence>
    </xs:complexType>
  </xs:element>
  <xs:element name="ComponentName" type="xs:string" />
  <xs:element name="ComponentType" type="xs:string" />
  <xs:element name="ComponentSubType" type="xs:string" />
 
  <xs:element name="eventDetails">
    <xs:complexType>
      <xs:sequence>
        <xs:element ref="parameter" maxOccurs="unbounded"/>
      </xs:sequence>
    </xs:complexType>
  </xs:element>
  <xs:element name="parameter">
    <xs:complexType>
      <xs:attribute name="name" type="xs:string" use="required" /> 
      <xs:attribute name="value" type="xs:string" use="required" /> 
    </xs:complexType>
  </xs:element>
</xs:schema>

hc.mllp.EnableEventNotificationサーバー・プロパティがtrueに設定され、Oracle Healthcareコンソールの「管理」タブの「設定」>「ランタイム」>「通知キュー」で通知キュー値が指定されている場合、接続のリセットおよびエンドポイントの一時停止エラーの処理に際して、Oracle Healthcareは指定した通知キューに送信されたシステム通知を送信します。

すべての通知メッセージが通知キューに移動します。通知メッセージとエラー・メッセージは別々のキューに移動するため、これらを区別するフィルタを設定する必要があります。次の理由により、Message_Typeヘッダーが通知イメージに追加されます。

  • 下位互換性

  • 通知キューと例外キューを設定しない場合、両方のメッセージ・セットが同じデフォルト・キューに移動します。このような場合、Message_Typeヘッダーを使用してメッセージを区別することができます。

ノート:

デフォルトでは、通知キュー・ドロップダウン・リストは空です。リストに移入するには、「デザイナ」 > 「管理」 > 「内部デリバリ・チャネル」 > 「内部に送信」を使用してJMSチャネルを作成する必要があります(内部に送信、内部デリバリ・チャネル)。

通知キューが指定されていない場合、Oracle Healthcareはデフォルト・キューまたはSOA通知コンポジットにシステム通知を送信します。

これらの処理は、次のいずれかで設定できます。

  • エンドポイント・レベル

  • グローバル・レベル

4.7.1 エンドポイント・レベルでのエラーの処理

Oracle SOA Suite for healthcare integrationには、Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールを使用してエンドポイント・レベルでエラー・メッセージを処理するオプションがあります。

エンドポイント・レベルでのエラー・アクションを設定するには:

  1. エンドポイントを開きます。
  2. 「トランスポートの詳細」ボタンをクリックして、「トランスポート・プロトコル・パラメータ」ダイアログ・ボックスを表示します。
  3. 「エラー・アクション」タブをクリックして、構成可能なエラー・アクションおよびこれらのアクションを実行すべきタイミングを表示します(図4-16を参照)。

    図4-16 「エラー・アクション」タブ

    図4-16の説明が続きます
    「図4-16 「エラー・アクション」タブ」の説明
  4. 表4-1にリストされているアクションを選択します。

    表4-1 エラー・アクション

    エラー・アクション 説明

    サーバーの失敗アクション

    これは、HL7メッセージを受信中に、メッセージ解析失敗やメッセージ検証失敗などのメッセージ失敗が発生したときに実行するアクションです。

    使用可能なオプションは次のとおりです。

    • デフォルト: Oracle Fusion Middleware Enterprise Manager Controlコンソールで設定されたプロパティが施行されます。何も指定されていない場合、アクションは行われません。

    • なし: エンドポイントに対してアクションは行われません。

    • 接続のリセット: 解析失敗または検証失敗数が指定された限度に達すると、接続はリセットされます。クライアントは接続を確立してメッセージを再度送信する必要があります。

    • エンドポイントの一時停止: 解析失敗または検証失敗数が指定された限度に達すると、エンドポイントは一時停止されます。soaサーバーを再起動すると、エンドポイントが起動されます。ただし、順序付けマネージャ表へのエントリによりアウトバウンド方向は一時停止のままになります。メッセージの処理を続けるには、Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールまたはコマンドライン・ユーティリティを使用して、アウトバウンド方向を手動で再開する必要があります。検証失敗数に達した後、Oracle Healthcareでエンドポイントを一時停止するには、機能確認を構成する必要があります。

    ノート: 検証失敗エラー・アクションとともに解析失敗エラー・アクションを起動する場合は、「否定」に設定して即時確認を構成する必要があり、検証失敗エラー・アクションの場合は、機能確認を構成する必要があります。そうでない場合、これらのエラー・アクションは起動されません。

    クライアントの失敗アクション

    これは、HL7メッセージを受信中に、否定確認を受信したときに実行するアクションです。

    使用可能なオプションは次のとおりです。

    • デフォルト: Oracle Fusion Middleware Enterprise Manager Controlコンソールで設定されたプロパティが施行されます。何も指定されていない場合、アクションは行われません。

    • なし: エンドポイントに対してアクションは行われません。

    • メッセージのスキップ: 否定確認を受信した場合、メッセージをスキップします。メッセージのスキップ・エラー・アクションが選択されている場合、Oracle Healthcareは否定確認を受信したメッセージをスキップし、スキップ回数に達しない間は、次のメッセージの配信に進みます。スキップ回数に到達後、次のメッセージが否定確認を受信した場合、エンドポイントは一時停止されます。

      メッセージのスキップ・アクションは、サーバー・プロパティb2b.discardACKListAE (アプリケーション・エラー)またはAR (アプリケーション拒否)またはALLに設定されている場合にのみ使用できます。

    • エンドポイントの一時停止: エンドポイントの一時停止エラー・アクションが選択されている場合、否定確認の受信後、Oracle Healthcareはエンドポイントを一時停止します。エンドポイントは、スキップ・メッセージ数が指定された限度に達した場合にも一時停止されます。メッセージの処理を続けるには、Oracle SOA Suite for healthcare integrationダッシュボードでエンドポイントを手動で再開する必要があります。

      ノート: クライアント・エンドポイントが一時停止されると、アウトバウンド・メッセージをブロックする順序付けマネージャ・エントリの存在により、サーバーの再起動によってクライアント・エンドポイントは一時停止状態が保たれます。

    機能確認がタイムアウトして再試行が使い尽くされたときに、接続をリセットするには、サーバー・プロパティhc.mllp.ResetConnectionOnAckTimeOuttrueに設定し、チャネル/ドキュメントの「再試行間隔*」値を設定する必要があります。このため、再試行間隔時間が超過したときに、前のプロパティが設定されている場合、接続はリセットされます。

    解析失敗数

    サーバーの失敗アクションが実行されるまでの、エンドポイントの最大解析失敗数。

    検証失敗数

    サーバーの失敗アクションが実行されるまでの、エンドポイントの最大検証失敗数。

    スキップ・メッセージ数

    エンドポイントが一時停止になるまでの、最大連続スキップ・メッセージ数。

  5. 「OK」をクリックしてから「変更の保存」ボタンをクリックします。

4.7.2 グローバル・レベルでのエラーの処理

Oracle SOA Suite for healthcare integrationには、Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールを使用してサーバー・プロパティを設定することで、グローバル・レベルでエラー・メッセージを処理するオプションがあります。

エラー・アクションを設定するためのプロパティを設定するには:

  1. 次の場所にアクセスして、Oracle Fusion Middleware Enterprise Manager Controlコンソールにログオンします。

    http://<hostname>:<port>/em。ここで、hostnameはOracle Weblogicサーバーが実行されているコンピュータの名前で、portは通常7001です。

  2. 「SOA」>「SOA管理」を展開して<soa domain name>を右クリックし、「B2Bサーバー・プロパティ」に移動します(図4-17を参照)。

    図4-17 B2Bサーバー・プロパティへのアクセス

    図4-17の説明が続きます
    「図4-17 B2Bサーバー・プロパティへのアクセス」の説明
  3. B2Bサーバー・プロパティ・ページで詳細B2B構成プロパティ...リンクをクリックして、システムMbeanブラウザを表示します。
  4. 「操作」をタブをクリックして「addProperty」をクリックします(図4-18を参照)。

    図4-18 B2Bサーバー・プロパティの追加

    図4-18の説明が続きます
    「図4-18 B2Bサーバー・プロパティの追加」の説明
  5. 表4-2にリストされているプロパティを追加します。プロパティは、Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールで構成可能な表4-1にリストされているエラー・アクションと同じです。

    表4-2 エラー・アクションを構成するためのサーバー・プロパティ

    プロパティ名(java.lang.String) 有効なプロパティ値(java.lang.String)

    hc.mllp.ServerFailureAction

    ResetConnectionPauseEndpoint

    hc.mllp.ClientFailureAction

    SkipMessagePauseEndpoint

    hc.mllp.ParseFailureCount

    ゼロより大きい値

    hc.mllp.ValidationFailureCount

    ゼロより大きい値

    hc.mllp.SkipMessagesCount

    ゼロより大きい値

Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールで設定したパラメータは各エンドポイント・レベルで適用でき、Oracle Fusion Middleware Enterprise Manager Controlコンソールで設定したサーバー・プロパティはすべてのエンドポイントに適用できます。実行時には各エンドポイントで、Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールを使用してエンドポイント・レベルで設定された値(失敗アクションについてはDefault以外、回数については0以外)によってグローバル・レベルで設定された値がオーバーライドされます。すなわち、グローバル・レベルの値が使用されるのは、コンソール・レベルでDefault値または0が選択されている場合のみです。

4.8 メッセージ・フロー・スロットル

B2B_EVENT_QUEUE内のメッセージが大きくなった場合、Oracle B2Bはエンドポイントを一時停止またはスロットルしてB2B_EVENT_QUEUEにメッセージを発行します。

デフォルトでは、b2b.useJMSDataSourceCacheはtrueに設定されています。スロットルを使用する場合、b2b.useJMSDataSourceCacheをfalseに設定することはできません。

メッセージ・フローの制御の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverのパフォーマンスのチューニング』ガイドのJMSサーバーおよび宛先のメッセージのフロー制御に関する項を参照してください。

エンドポイントを一時停止するには:
  1. B2Bコンソールで、B2BEventQueueConnectionFactoryの設定ページに移動し、「フロー制御」タブをクリックします。
  2. 「最大フロー」「最小フロー」「フロー間隔」、および「フロー・ステップ」に、環境に適した値を設定します。
  3. B2BEventQueueの設定ページに移動し、「しきい値と割当」タブをクリックします。
  4. 「最大メッセージしきい値」および「最小メッセージしきい値」に、環境に適した値を設定します。

4.9 エンドポイントのクローニング

既存のエンドポイントと類似する新しいエンドポイントが必要な場合、エンドポイントをクローンできます。

エンドポイントをクローンするには:
  1. 「設計」タブの「構成」タブで、「エンドポイント」フォルダをクリックします
  2. クローンするエンドポイントを選択します。
  3. ツールバーの「クローン」ボタンをクリックします。
  4. エンドポイントの名前を入力します。

    ノート:

    必要に応じて、どのパラメータでも変更できます。

  5. 「OK」をクリックしてエンドポイントを保存します。
元のエンドポイントのデータを使用して新規エンドポイントが作成されます。デフォルトでは、エンドポイントは「無効」モードであることに注意してください。

4.10 エンドポイントの削除

エンドポイントを削除するには、最初にそのエンドポイントを無効化する必要があります。有効化されたエンドポイントは削除できません。

エンドポイントを削除するには、Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースにログオンします。「デザイナ」リンクの「構成」タブで、エンドポイント名を選択し、「削除」ボタンをクリックします。エンドポイント名を右クリックし、ショートカット・メニューから「削除」をクリックすることもできます。

4.11 「エンドポイント」ウィンドウの操作

「エンドポイント」ウィンドウを使用して、既存のエンドポイントのリストを表示できます。また、「エンドポイント」ウィンドウを使用してエンドポイントを作成、変更または削除することもできます。このウィンドウでは、すべてまたは必要なエンドポイントを選択し、一括変更や削除などの必要な操作を実行することも可能です。

「エンドポイント」ウィンドウにアクセスするには:

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースにログオンします。
  2. 「デザイナ」リンクの「構成」タブで、「エンドポイント」フォルダをダブルクリックします。

図4-19はエンドポイント・ウィンドウを示しています。

図4-19 エンドポイント・ウィンドウ

図4-19の説明が続きます
「図4-19 エンドポイント・ウィンドウ」の説明

4.12 HealthcareとOracle Managed File Transferの統合

Oracle SOA Suite for healthcare integration (Oracle Healthcare)は、Oracle Managed File Transfer (MFT)をリモート・エンドポイントとして認識します。エンドポイント構成で、MFTが追加のトランスポート・プロトコルとして追加されます。Oracle Healthcareは、アウトバウンド・エンドポイントを使用してMFTにファイルを送信し、インバウンド・エンドポイントを使用してファイルを受信します。

Oracle HealthcareがMFTと同じ場所に配置されていない場合は、MFTでOracle Healthcareドメインを構成する必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTの使用ドメインの管理に関する項を参照してください。

4.12.1 Oracle Healthcareエンドポイント構成

次の項では、Oracle Healthcareエンドポイント構成を作成する方法について説明します。

4.12.1.1 Oracle Healthcareソースのアウトバウンド・エンドポイントの作成

MFTのOracle Healthcareソースは、Oracle Healthcareのリモート・エンドポイントのアウトバウンド・エンドポイントに対応します。

このプロセスのステップは次のとおりです。

  1. Oracle Healthcareの「設計」タブの下の「構成」タブで、「エンド・ポイント」フォルダをクリックし、「作成」ボタンをクリックします。
  2. 「エンドポイントの作成」ダイアログで(図4-20)、次のように入力して「OK」をクリックします。
    • 名前: 新しいエンドポイントの名前を入力します。

    • トランスポート・プロトコル: 「MFT」を選択します。

    • 方向: 「アウトバウンド」を選択します。

    • ソース: MFTソース名を入力します。

      図4-20 「エンドポイントの作成」ダイアログ

      図4-20の説明が続きます
      「図4-20 「エンドポイントの作成」ダイアログ」の説明

      エンドポイントがOracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースの右のパネルに表示されます。

  3. 「トランスポートの詳細」ボタンをクリックします。
  4. 「トランスポート・プロトコル・パラメータ」ウィンドウで(図4-21)、次のように入力して「OK」をクリックします。
  5. 「ドキュメント・プロトコル」フォルダの下で転送するドキュメントを見つけます
  6. 転送するドキュメントを「送信するドキュメント」表にドラッグ・アンド・ドロップします。
  7. エンドポイントを保存します。

詳細は、この章の前の項を参照してください。

4.12.1.2 Oracle Healthcareターゲットのインバウンド・エンドポイントの作成

MFTのOracle Healthcareターゲットは、Oracle Healthcareのリモート・エンドポイントのインバウンド・エンドポイントに対応します。

このプロセスのステップは次のとおりです。

  1. Oracle Healthcareの「設計」タブの下の「構成」タブで、「エンド・ポイント」フォルダをクリックし、「作成」ボタンをクリックします。
  2. 「作成」ウィンドウ(図4-22)に次のように入力して、「OK」をクリックします。
  3. 「ドキュメント・プロトコル」フォルダの下で転送するドキュメントを見つけます。
  4. 転送するドキュメントを「受信するドキュメント」表にドラッグ・アンド・ドロップします。
  5. エンドポイントを保存します。

詳細は、この章の前の項を参照してください。

4.12.2 Oracle Healthcareに必要なMFTアーティファクトの作成

次の項では、Oracle Healthcareに必要なアーティファクトを作成する方法を説明します。

4.12.2.1 Oracle Healthcareエンドポイントと対話するMFTドメインの作成

次のステップを使用して、MFTユーザー・インタフェースでOracle Healthcareのドメインを構成します。

  1. 「管理」ページの「ドメイン」タブを開きます。
  2. 追加」ボタンをクリックします。

    ドメイン表に空の行が追加されます。

  3. 表のセルに次の情報を入力します(図4-23):
    • ドメインの別名: ドメインに接続するためのホスト名。ソースまたはターゲットの「ドメインの別名」設定は、この別名にマッピングされます。

    • 接続URL: リモート・サーバー上で実行されているOracle Healthcareアプリケーションに接続するためのサービス・エンドポイントURL。これらのサーバーは、MFTと同じOracle WebLogic Serverドメイン内または別のドメインで実行できます。メッセージをOracle Healthcareエクスポートに送信するために使用されます。

    • ユーザー: ドメインにアクセスしているユーザー。

    • パスワード: ユーザー・パスワード。

    • パスワードの確認: ユーザー・パスワードの確認。

    • トラッキングURL: Oracle HealthcareレポートURLを作成するためにMFTで使用されるOracle Healthcare URL。

    • タイプ: ドロップダウン・リストからドメイン・タイプHealthcareを選択します。

    • 説明: ドメインのテキスト説明。

  4. 「保存」をクリックします。
4.12.2.2 アウトバウンドOracle HealthcareエンドポイントのMFTソースの作成

Oracle HealthcareのMFTアウトバウンド・エンドポイントは、MFTのMFTソースに対応します。

次のステップでは、MFTソースを作成する方法を説明します:

  1. MFTユーザー・インタフェースの「設計」タブの下の「デザイナ」タブで、「ソース」フォルダをクリックし、「作成」ボタンをクリックします。
  2. 「ソースの作成」ウィンドウ(図4-24)に次のように入力して、「OK」をクリックします。
    • 名前: 新規ソースの名前。

    • 説明: 新規ソースの説明。

    • タイプ: ドロップダウン・リストからソース・タイプ「Healthcare」を選択します。

    • エンドポイント名: このソース用の、対応するエンドポイント名を入力します。

    • ドメイン別名: ドロップダウン・リストから対応するOracle Healthcareドメインを選択します。

    図4-24 「ソースの作成」ダイアログ

    図4-24の説明が続きます
    「図4-24 「ソースの作成」ダイアログ」の説明

作成されたソースがMFTユーザー・インタフェースの右のパネルに表示されます。

4.12.2.3 インバウンドOracle HealthcareエンドポイントのMFTターゲットの作成

MFTターゲットはOracle Healthcareインバウンド・エンドポイントに対応します。

次のステップを使用して、MFTターゲットを作成します。

  1. 左側のペインのナビゲータで「ターゲット」を選択し、「作成」ボタンをクリックします。
  2. 「ターゲットの作成」ダイアログで(図4-25)、次のように入力して「OK」をクリックします。
    • 名前: ターゲットの名前

    • 説明: 新規ターゲットの説明

    • タイプ: ドロップダウン・リストからターゲット・タイプ「Healthcare」を選択します。

    • エンドポイント名: このターゲット用の、対応するエンドポイント名を入力します。

    • ドメイン別名: ドロップダウン・リストから対応するOracle Healthcareドメインを選択します。

図4-25 「ターゲットの作成」ダイアログ

図4-25の説明が続きます
「図4-25 「ターゲットの作成」ダイアログ」の説明

新しいターゲットがMFTユーザー・インタフェースの右のパネルに表示されます。

4.12.2.4 MFT転送の作成

MFT転送は、Oracle Healthcareエンドポイントに作成されたソースとターゲットのバインディング・エンティティです。

次のステップを使用して、転送を作成します。

  1. 左側のペインのナビゲータで「転送」をクリックします。
  2. 転送の「名前」「説明」を入力して、「OK」をクリックします。転送のタブが開きます。
  3. Oracle Healthcareエンドポイントに作成された対応するソースとターゲットを追加します。
  4. 圧縮や暗号化などの前処理と後処理のアクションを追加します。

    これはオプションであり、ターゲットにのみ適用されます。ソース・アクションは、ソース・アーティファクトで直接追加します。

  5. 保存」ボタンをクリックします。
  6. 保存した後、「デプロイ」ボタンをクリックします。オプションのコメントを追加できます。

転送をデプロイする際、関連付けられているソースとターゲットがまだデプロイされていない場合は、それらが自動的にデプロイされます。

4.12.3 連結されたOracle HealthcareレポートとMFTレポート

Oracle HealthcareソースのMFTインスタンス・レポートには、「相関フローID」リンクが含まれています。このリンクをクリックすると、Oracle Healthcareエンドポイントの対応するレポートが開きます。

同様に、MFTのOracle Healthcareエンドポイント・インスタンス・レポートには「MFTソース」ボタンまたは「MFTターゲット」ボタンが含まれています。このボタンをクリックすると、対応するMFTインスタンスのレポートが開きます。

MFTインスタンスのレポートの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Managed File Transferの使用』ソース、転送およびターゲットのレポートの解釈に関する項を参照してください。