2 アダプタの構成
この章の構成は、次のとおりです。
システム要件
アダプタに関する一般的な要件は次のとおりです。アクセス可能なサポート構成と認証に関する情報:
Siebel Adapter for WebCenter Contentには、次が必要です。
-
Siebel SIAまたはSEA。Siebel Webクライアントも必要です。
-
Oracle WebCenter Content 11gリリース1 (11.1.1以上)。
-
Oracle WebCenter Content 12cリリース
-
スキャン機能を実装する場合は、Oracle WebCenter Enterprise Capture 11g/12cまたはOracle Distributed Document Capture 10.1.3.5.1以上を使用できます。Oracle Distributed Document Captureを使用する場合は、Oracle UCM 11g Commit Driverをインストールする必要があります。
-
Siebelアダプタは、コンテンツ・サーバーの次の検索エンジンをサポートしています。詳細は、Siebel WebクライアントでのIFrame URLの構成を参照してください。
-
メタデータのみの検索
-
データベース – 全文検索
-
Oracleテキスト – 全文検索
-
コンテンツ・サーバー用のアダプタの構成
次では、コンテンツ・サーバーの詳しい構成手順を示します。
Siebelアダプタのコンテンツ・サーバー・コンポーネントの有効化
アダプタには、次のコンテンツ・サーバー・コンポーネントが用意されています。
表2-1 Siebelアダプタに用意されているコンテンツ・サーバー・コンポーネント
コンテンツ・サーバー・コンポーネント | 必須 | 説明 |
---|---|---|
SiebelEcmIntegration |
はい |
このコンポーネントはIFrameの機能を提供します。 |
SiebelFilter |
オプション |
このコンポーネントは、Siebel Adapter for Oracle WebCenter Contentのオプション部分です。これにより、ドキュメント・タイプ、作成者、セキュリティ・グループなどのメタデータに基づいて、添付ファイル・リストをフィルタリングできます。 |
SiebelIntegrationSearchDisplay |
はい |
このコンポーネントは検索とIFrameの機能を提供します。 |
SiebelSearchExtension |
オプション |
このコンポーネントは、まだリリースされていないドキュメントを添付ファイル・リストに表示するかどうかを決定します。
注意: この機能を使用できるのは、コンテンツ・サーバーでメタデータのみの検索が使用されている場合のみです。 |
SiebelSearchExtraParams |
オプション |
このコンポーネントは、「新規」または「スキャン」ボタンを使用してコンテンツ・サーバーにSiebelメタデータを渡すことができるようにします。手順については、Siebelからコンテンツ・サーバーに追加のメタデータ・パラメータを渡す方法を参照してください。構成変数の設定の説明に従って、構成変数として渡すパラメータを指定します。 |
コンポーネント・マネージャを使用してコンポーネントを有効化するには、次のステップを実行します。
Siebel用のアダプタの構成
アダプタのSiebel側を構成するには、次のステップを実行します。
Siebel構成手順は次のとおりです。
重要事項
Siebelの構成では、次の点に注意してください。
-
SiebelアダプタのSiebel SIFファイルは、インストール後の次の場所にあります。
middleware
/Oracle_ECM1/ucm/Distribution/SiebelEcmIntegration
-
コンパイル先のファイルとテスト対象のファイルが同じSiebelリポジトリ・ファイル(.SRF)であることを確認してください。
-
一般的な方法としては、SIFファイルをローカルのSiebelデータベースにインポートし、ローカルでテストします。準備ができたら、オブジェクトをSiebelサーバーにチェックインし、オブジェクトをコンパイルし、ブラウザ・スクリプトを生成します。
-
生成された新しいブラウザ・スクリプトは、本番用の適切な場所(ローカル・クライアント/PUBLIC/ENUフォルダ、サーバーWebクライアント(SWE)/PUBLIC/ENUフォルダ、その両方など)に配置する必要があります。
-
Siebel構成ステップを実行すると、対応するSiebelファイル・システム・アプレットの表示が自動的に無効化されます。これは、SIFファイルをインポートするときに発生し、特定のファイル・システム添付アプレットを非アクティブにします。必要な場合(移行プロセス中など)は、これらのアプレットを再アクティブ化してSiebelファイル・システム添付ファイルを表示してください。アプレットのアクティブ化および非アクティブ化の詳細は、Siebelオブジェクトのロックを参照してください。
-
Siebel Adapter for WebCenter Contentを構成すると、ユーザーがSiebelファイルシステムからコンテンツ・サーバーに移行し、以前にSiebel EAIまたはEIM Webサービスを使用してアクセスしていたSiebel添付ファイルは、使用できなくなります。ただし、コンテンツ・サーバーWebサービスを使用すれば、これらの移行されたドキュメントにアクセスできます。
Siebelオブジェクトのロック
SIFアーカイブ・ファイルには、プロジェクト、アプレット、ビュー、ビジネス・コンポーネントおよびブラウザ・スクリプトを含む複数のSiebelオブジェクトの変更が含まれています。SIFファイルをインポートする前に、次のステップに従って、インポートによって変更されるオブジェクトをロックします。
SIFファイルのインポート
インポート・ウィザードを使用してSiebel Adapter for WebCenterの管理対象添付ファイル・オブジェクトをSiebelアーカイブ・ファイルからSiebelにインポートするには、次のステップを実行します。
警告:
特定のカスタムSiebel構成では、(この手順の説明に従って)マージ・オプションを使用してSIFファイルをインポートすると、カスタムSiebel構成のフィールド、ユーザー・プロパティおよび結合が上書きされる可能性があります。
Siebel WebクライアントでのIFrame URLの構成
Siebel Webクライアントで「管理対象添付ファイル」IFrameへのシンボリックURLを構成するステップを実行します。(シンボリックURLは、コンテンツ・サーバーの検索結果ページを参照する一種のリンクです。)
IFrameの高さの構成
IFrameのサイズは、シンボリックURLで定義されるResultCountとIFrameSRCの高さ設定に基づいています。
-
ResultCountは、結果ページの画面下部にページ区切りコントロールが追加される前に表示される結果の数を決定します。
-
IFrameSRC heightは、IFrameの高さ(ピクセル単位)を決定します。
ResultCountの設定によってIFrameの表示がこの高さを超える場合は、垂直スクロール・バーが表示されます。ユーザーが下側にスクロールすると、ヘッダー情報が表示されなくなる場合があります。
このため、スクロール・バーが表示されないように、ResultCountとIFrameSRCの高さ設定を組み合せて調整することをお薦めします。結果の数がIFrameの高さに収まるようにしてください。推奨される設定の組合せは、IFrameの高さ設定が280、ResultCountの設定が6です。
コンテンツ・サーバーでのプロファイル・トリガー値の追加
- コンテンツ・サーバーの「管理」トレイから、「管理アプレット」リンクをクリックします。
- 「構成マネージャ」アプレットを選択します。「構成マネージャ」が表示されます。
- 「情報フィールド」タブをクリックし、アルファベット順のリストからIdcProfileを選択して「値の編集」をクリックします。
- 「値の編集」ダイアログ・ボックスで、「追加」をクリックします。
- 「値の追加」ダイアログ・ボックスで、dProfileTriggerValueフィールドにSiebelDocProfileと入力し、dProfileTriggerOrderフィールドに1と入力します。
- 「OK」をクリックします。
- 「追加」をクリックします。
- 「値の追加」ダイアログ・ボックスで、dProfileTriggerValueフィールドにScanProfileと入力し、dProfileTriggerOrderフィールドに1と入力します。
- 「OK」をクリックします。
Siebel構成のテスト
注意:
このアダプタの構成中にコンテンツ・サーバー側またはSiebel側で技術的な問題が発生した場合は、My Oracle Supportを使用してサービス・リクエストをログに記録してください。
AllowContentServerInAnyDomainsの設定
コンテンツ・サーバーのログイン・ページがIFrameではなくSiebelページに表示される場合は、コンテンツ・サーバーのconfig.cfgにAllowContentServerInAnyDomains=1を設定すると問題が解決します。
注意:
AllowContentServerInAnyDomains変数を1に設定すると、コンテンツ・サーバー・ページがIFrameで開き、潜在的なセキュリティの問題が引き起こされるので注意してください。
Oracle WebCenter Enterprise Captureの構成
次のトピックで、Oracle WebCenter Enterprise Captureを構成する方法について説明します。
注意:
この項では、Oracle WebCenter Enterprise Capture 11gを使用した管理対象添付ファイルでのスキャンについて説明します。Oracle Distributed Document Capture 10gを使用したスキャンの詳細は、Oracle Distributed Document Captureの構成を参照してください。
Oracle WebCenter Enterprise Captureの使用によるドキュメント・スキャンについて
Oracle WebCenter Enterprise Captureアプリケーションを使用すると、Siebelアダプタなどのアプリケーションに対して、ドキュメントをスキャンしてドキュメントのメタデータ値を渡すように指示できます。これにより、ユーザーは、ドキュメントをスキャンしたり、ファイル(イメージ・ファイルまたはPDFやMicrosoft Wordファイルなどのイメージ以外のファイル)を「管理対象添付ファイル」IFrameからインポートして、選択したSiebelレコードに添付することができます。
Siebelアダプタ用に構成されている場合、ドキュメント・スキャンは次のように機能します。
- 「管理対象添付ファイル」IFrameに「スキャン」ボタンが追加されます。ユーザーがそのボタンをクリックし、「ドキュメント分類」や「セキュリティ・グループ」(Oracle WebCenter Enterprise Captureクライアント・プロファイルに割り当てられる)を選択します。たとえば、ユーザーは、Identity Documentsの分類を選択して、運転免許証またはパスポートのコピーをスキャンできます。(Oracle WebCenter Enterprise Captureクライアント・プロファイルは、スキャン、インポートおよび索引作成の設定を指定します。)
- ユーザーが「ドキュメントのスキャン」をクリックすると、Oracle WebCenter Enterprise Captureのクライアントが新しいウィンドウで起動し、使用するクライアント・プロファイルや後で添付するSiebelエンティティ値などのパラメータを渡します。
- Oracle WebCenter Enterprise Captureクライアント内で、ユーザーは、ドキュメントを確認し、必要に応じて変更し、クライアント・プロファイル内で構成された任意のメタデータ・フィールドに入力してから、バッチをリリースします。バッチをリリースすると、WebCenter Contentにコミットするように構成されたCaptureコミット・プロファイルを使用して、コンテンツ・サーバーに新しいドキュメントがコミットされます。(Contentコミット用に構成されたCaptureコミット・プロファイルは、WebCenter Enterprise Captureとコンテンツ・サーバーのメタデータ・フィールド間の接続情報とフィールド・マッピングを指定します。)
- バッチ・リリースが成功すると、ユーザーは、「管理対象添付ファイル」IFrameに戻り、新しくスキャンされたドキュメントまたはインポートされたファイルが表示されるように表示をリフレッシュします。
Siebelアダプタ用のOracle WebCenter Enterprise Captureの構成
Oracle WebCenter Enterprise Capture側での添付ファイルのスキャンを構成するには、次のステップを実行します。
-
必要に応じて、Oracle WebCenter Enterprise Capture用にシングル・サインオン(SSO)を構成します。
Siebelアダプタ・ソリューションおよびWebCenter Enterprise CaptureがOracle Access Manager (OAM)で構成されているかぎり、CaptureのユーザーをSSOによって認証できます。
-
Captureワークスペース・コンソールで、図2-2に示すように、新しいドキュメントに値をキャプチャするため、選択したワークスペースにメタデータ・フィールドを追加します。詳細は、Oracle WebCenter Enterprise Captureの管理のメタデータ・フィールドの追加または編集に関する項を参照してください。
-
コンテンツ・サーバー上に添付済ドキュメントとともに保存する値のためのメタデータ・フィールドを作成します。たとえば、ユーザーが標準設定から選択するための「ドキュメント・タイプ」および「セキュリティ・グループ」選択リスト・メタデータ・フィールドを構成できます。
-
Siebelエンティティ値を格納するメタデータ・フィールドを作成します。使用するSiebelエンティティ(次の表にリストします)に基づいてフィールドに名前を付けます。
識別子
Siebelエンティティの識別子を次に示します。
-
dDocAuthor
-
dDocAccount
-
xAccountId
-
xsiebelAcct
-
xsiebelActivity
-
xsiebelArrest
-
xsiebelAsset
-
xsiebelCallRpt
-
xsiebelCase
-
xsiebelClaim
-
xsiebelContact
-
xsiebelEvidence
-
xsiebelGroup
-
xsiebelIncident
-
xsiebelLead
-
xsiebelOffense
-
xsiebelOpprnty
-
xsiebelOrder
-
xsiebelProject
-
xsiebelQuote
-
xsiebelSuspect
-
xsiebelSvcReq
注意:
キャプチャでは、DocAuthorをカスタム・メタデータ・フィールドとしてマップできます。これにより、ドキュメントにデフォルトの作成者以外の作成者を含めることができます。
注意:
Siebel識別子メタデータ・フィールド(xsiebel<entity>という名前で、xsiebelContactおよびxsiebelAcct内)には、Siebelエンティティへの添付ファイルのリンクに使用されるSiebelエンティティ値が格納されます。これらは通常のメタデータ・フィールドとして格納されないので、検索されず、プロファイルを構成する管理者は通常のメタデータ・フィールドとしてこれを扱わないでください(デフォルトで、これらの識別子フィールドはWebCenter Contentでユーザーに表示されません。表示されていればユーザーはこのフィールドに検索値を入力できますが、一致するドキュメントはContent Serverの検索エンジンで見つかりません)。
ユーザーはSiebel識別子フィールドにカンマ区切りリストでエンティティ行IDを入力することで、ドキュメントをエンティティに添付できます。この場合、管理対象添付リストでは別個のデータベース表に値が格納されます。
-
-
ワークスペースの「分類」タブで、図2-2に示すように、Siebelメタデータ・フィールドのドキュメント・プロファイルを作成します。詳細は、Oracle WebCenter Enterprise Captureの管理のドキュメント・プロファイルの追加または編集に関する項を参照してください。
注意:
通常、Siebel識別子フィールド(xsiebelContactなど)はユーザーへの表示用として選択しません。表示するように選択した場合には、メタデータ設定の下でロックして、ユーザーが値を変更できないようにします。
-
「キャプチャ」タブで、図2-5に示すように、クライアント・プロファイルを作成します。後でこのクライアント・プロファイルを1つ以上のドキュメント分類に関連付けます。そのため、ユーザーが分類を選択する際に、関連付けられたクライアント・プロファイルの設定が使用されます。詳細は、Oracle WebCenter Enterprise Captureの管理のクライアント・プロファイルの概要に関する項を参照してください。
-
「一般設定」トレイン・ストップの「プロファイル・タイプ」フィールドで「2 - キャプチャと索引」を選択します。このキャプチャ・タイプは索引作成を含み、ページをスキャンするか、バッチで単一のドキュメントにインポートします。クライアント・プロファイルのプロファイル名とバッチ・プレフィクスを指定します。
-
「ドキュメント索引付け設定」トレイン・ストップで、ステップ3で作成したSiebelドキュメント・プロファイルを選択します。「メタデータ」タブで作成したデータベース参照と選択リストをオプションで選択できます。
-
「送信」をクリックし、クライアント・プロファイルを保存します。
-
-
「コミット」タブで、Oracle WebCenter Contentコミット・プロファイルを作成し、完了したバッチをユーザーがリリースする際にコンテンツ・サーバーにスキャン済ドキュメントまたはインポート済ドキュメントをコミットします。図2-6を参照してください。
このコミット・プロファイルは、コンテンツ・サーバーへの接続方法およびSiebelとキャプチャの値がコンテンツ・サーバーにどのように渡されるかを指定します。Oracle WebCenter Contentコミット・プロファイルの作成の詳細は、Oracle WebCenter Enterprise Captureの管理のWebCenter Contentコミット・ドライバに関する項を参照してください。
-
「コミット・ドライバ」ドロップダウン・リストから「WebCenter Content」を選択します。
-
「ログイン」タブで、コンテンツ・サーバー・インスタンスへのログインのための設定を指定します。(他のタブは、ログイン後にアクティブになります。)
-
「チェックイン」タブで、ドキュメントを表示できるようにする場所、ドキュメントに名前を付ける方法、およびタイプ、セキュリティ・グループ、アカウントの各メタデータ値を割り当てる方法を指定します。
-
「フィールド・マッピング」タブで、キャプチャ・メタデータ値をコンテンツ・サーバー・フィールドに書き込む方法を指定します。
注意:
ステップ2.bで作成したSiebelエンティティ・フィールドをマップする必要があります。これは、新しいコンテンツ・サーバー・ドキュメントをSiebelレコードに添付するために使用されます。
-
「オプション」タブで追加の設定を指定します。
図2-6 WebCenter Enterprise Capture、Contentコミット・プロファイル用のフィールド・マッピング
「図2-6 WebCenter Enterprise Capture、Contentコミット・プロファイル用のフィールド・マッピング」の説明 -
アダプタを使用したWebCenter Enterprise Capture用のコンテンツ・サーバーの構成
次のステップに従って、コンテンツ・サーバー側で添付ファイルのスキャンを構成します。
-
コンテンツ・サーバーで、Oracle WebCenter Enterprise Captureに対する次の構成変数を編集します(していない場合)。構成変数の設定を参照してください。
-
ODCURLPath=http://
capture_host:port
/dc-client
-
ODDCScanAction=ODDCスキャン・アクション
-
AdapterAppScanBtnVisible=true
-
-
コンテンツ・サーバーを再起動します。
-
コンテンツ・サーバーで、ドキュメント分類およびスキャン・タイプを構成します。
-
コンテンツ・サーバーの「管理」トレイから、「管理アプレット」リンクをクリックします。
-
「構成マネージャ」アプレットを選択します。「構成マネージャ」が表示されます。
-
「ビュー」タブをクリックし、アルファベット順のリストからDocClassViewを選択して「値の編集」をクリックします。
-
-
「値の編集」ダイアログ・ボックスで「追加」をクリックし、ドキュメントの分類と対応するクライアント・プロファイルを指定します。documentClassificationエントリは一意である必要がありますが、クライアント・プロファイルは複数回使用できることに注意してください。終了したら、「閉じる」をクリックします。
-
「オプション」メニューから、「スキーマのパブリッシュ」を選択してデータをパブリッシュします。
Siebelアダプタ構成を使用したWebCenter Enterprise Captureのテスト
次のステップに従って、エンド・ユーザーとして構成をテストします。エンド・ユーザーとしてOracle WebCenter Enterprise Captureを使用してスキャンする方法の詳細は、Oracle WebCenter Enterprise Captureの使用のスキャンの動作に関する項を参照してください。
Oracle Distributed Document Captureの構成
次のトピックで、Oracle Distributed Document Captureを構成する方法について説明します。
注意:
この項では、Oracle Distributed Document Capture 10gを使用した管理対象添付ファイルでのスキャンについて説明します。Oracle WebCenter Enterprise Capture 11gを使用してスキャンする方法の詳細は、Oracle WebCenter Enterprise Captureの構成を参照してください。
Oracle Distributed Document Captureの使用によるドキュメント・スキャンについて
Oracle Distributed Document Captureアプリケーションを使用すると、Siebelアダプタなどのアプリケーションに対して、ドキュメントをスキャンしてドキュメントの索引値を渡すように指示できます。これにより、ユーザーは、ドキュメントをスキャンしたり、スキャンしたイメージ・ファイルを「管理対象添付ファイル」IFrameからインポートして、選択したSiebelレコードにそれらを添付することができます。
Siebelアダプタ用に構成されている場合、ドキュメント・スキャンは次のように機能します。
- 「管理対象添付ファイル」IFrameに「スキャン」ボタンが追加されます。ユーザーがそのボタンをクリックし、「ドキュメント分類」(Oracle Distributed Document Captureスキャン・プロファイルに割り当てられる)を選択します。たとえば、ユーザーは、Identity Documentsの分類を選択して、運転免許証またはパスポートのコピーをスキャンできます。(Oracle Distributed Document Captureスキャン・プロファイルは、スキャン、インポートおよび索引作成の設定を指定します。)
- ユーザーが「ドキュメントのスキャン」をクリックすると、Oracle Distributed Document Captureのリモート・クライアントが新しいウィンドウで起動し、ユーザーを自動的に認証してログインさせ、使用するスキャン・プロファイルや後で添付するSiebelエンティティ値などのパラメータを渡します。
- Oracle Distributed Document Captureクライアント内で、ユーザーは、ドキュメントを確認し、必要に応じて変更し、スキャン・プロファイル内で構成された任意の索引フィールドに入力してから、バッチを送信します。バッチの送信により、スキャン・プロファイルのために指定されたOracle 11g UCMコミット・プロファイルを使用して、新しいドキュメントがコンテンツ・サーバーにコミットされます。(Capture UCMのコミット・プロファイルは、キャプチャとコンテンツ・サーバーのメタデータ・フィールド間の接続情報およびフィールド・マッピングを指定します。)
- 送信が成功すると、ユーザーは、「管理対象添付ファイル」IFrameに戻り、新しくスキャンされたドキュメントまたはインポートされたスキャン済のイメージ・ファイルが表示されるように表示をリフレッシュします。
Siebelアダプタ用のOracle Distributed Document Captureの構成
Oracle Distributed Document Capture側での添付ファイルのスキャンを構成するには、次のステップを実行します。
-
Oracle Distributed Document Captureが自動ログイン用に設定されていることを確認します(オプション)。
図2-7で示されているDistributed Document Captureの「サーバーの構成」アプリケーションの「システム設定」タブで、「認証メソッド」オプションからWebサーバー認証済アクセスを選択します。これにより、ユーザーがログインする必要なく、クライアントを自動的に起動できます。詳細は、Oracle Distributed Document Captureインストレーション・ガイドの認証に関する項を参照してください。
図2-7 Distributed Document Capture Server Configuration、「システム設定」タブ
「図2-7 Distributed Document Capture Server Configuration、「システム設定」タブ」の説明 -
図2-8で示されているように、取得管理で、新規ドキュメントのための値を取得するために、選択されたファイル・キャビネットへ索引フィールドを追加します。詳細は、Oracle Distributed Document Capture管理者ガイドのCapture管理に関する項を参照してください。
-
コンテンツ・サーバー上に添付済ドキュメントとともに保存する値のための索引フィールドを作成します。たとえば、ユーザーが標準設定から選択するための「ドキュメント・タイプ」および「セキュリティ・グループ」選択リスト索引フィールドを構成できます。
-
Siebelエンティティ値を格納する索引フィールドを作成します。使用するSiebelエンティティ(次の表にリストします)に基づいてフィールドに名前を付けます。
識別子
Siebelエンティティの識別子を次に示します。
-
xsiebelAcct
-
xsiebelActivity
-
xsiebelArrest
-
xsiebelAsset
-
xsiebelCallRpt
-
xsiebelCase
-
xsiebelClaim
-
xsiebelContact
-
xsiebelEvidence
-
xsiebelGroup
-
xsiebelIncident
-
xsiebelLead
-
xsiebelOffense
-
xsiebelOpprnty
-
xsiebelOrder
-
xsiebelProject
-
xsiebelQuote
-
xsiebelSuspect
-
xsiebelSvcReq
-
-
-
図2-9で示されているように、Oracle Distributed Document Captureのプロファイル管理で、スキャン・プロファイルを作成します。後で、ユーザーが分類を選択する際に関連付けられたスキャン・プロファイルの設定が使用されるようにするため、このスキャン・プロファイルを1つ以上のドキュメント分類に関連付けます。詳細は、Oracle Distributed Document Capture管理者ガイドのスキャン・プロファイルに関する項を参照してください。
-
「一般」ペインのスキャン・タイプフィールドで2 - ドキュメントのスキャンおよび索引作成を選択します。このスキャン・タイプは索引作成を含み、ページをスキャンするか、バッチで単一のドキュメントにインポートします。ファイル・キャビネットおよびバッチ・プリフィックスを指定します。
-
「ドキュメント索引付け」ペインで、ユーザーに表示するすべてのフィールドを「選択したフィールド」ボックスに移動します。
注意:
通常、Siebel識別子フィールド(xsiebelContactなど)はユーザーへの表示用として選択しません。それらを表示する場合は、「フィールドのプロパティ」ペインでそれらをロックし、ユーザーが値を変更できないようにします。
-
「フィールドのプロパティ」、「自動入力」および「データベース参照」ペインで、索引作成に必要な任意の選択リスト、データベース参照または自動移入を構成します。スキャン・プロファイルを保存します。
図2-9 スキャン・プロファイル、Oracle Distributed Document Captureプロファイルの管理
「図2-9 スキャン・プロファイル、Oracle Distributed Document Captureプロファイルの管理」の説明 -
-
Captureの管理で、Oracle UCM 11gコミット・プロファイルを作成し、完了したバッチをユーザーが送信する際にコンテンツ・サーバーにスキャン済ドキュメントまたはインポート済ドキュメントをコミットします。図2-10を参照してください。
このコミット・プロファイルは、コンテンツ・サーバーへの接続方法およびSiebelとキャプチャの値がコンテンツ・サーバーにどのように渡されるかを指定します。Oracle UCM 11gコミット・プロファイルの作成の詳細は、Oracle Distributed Document Capture管理者ガイドのプロファイルのコミットに関する項を参照してください。
-
「コミット・ドライバ」フィールドでOracle UCM 11g Commit Driverを選択します。「コミット・ドライバ」フィールドの隣にある「構成」ボタンをクリックします。
-
「ログイン」タブで、コンテンツ・サーバー・インスタンスへのログインのための設定を指定します。(他のタブは、ログイン後にアクティブになります。)
-
「チェックイン」タブで、ドキュメントに名前を付ける方法とタイプ、セキュリティ・グループ、アカウントの各値を割り当てる方法を指定します。
-
「フィールド・マッピング」タブで、キャプチャ・フィールドをコンテンツ・サーバー・フィールドにマップします。
注意:
ステップ2.bで作成したSiebelエンティティ・フィールドをマップする必要があります。これは、新しいコンテンツ・サーバー・ドキュメントをSiebelレコードに添付するために使用されます。
-
Siebel-UCMコミット・プロファイルをアクティブ化します。
-
アダプタを使用したDistributed Document Capture用のコンテンツ・サーバーの構成
次のステップに従って、コンテンツ・サーバー側で添付ファイルのスキャンを構成します。
-
コンテンツ・サーバーで、Oracle Distributed Document Captureのための次の構成変数を編集します(まだ行っていない場合)。構成変数の設定を参照してください。
-
ODDCURLPath=http://
ODDC_host/ODDC_webcapture_address
-
ODDCScanAction=ODDCスキャン・アクション
-
AdapterAppScanBtnVisible=true
-
-
コンテンツ・サーバーを再起動します。
-
コンテンツ・サーバーで、ドキュメント分類およびスキャン・タイプを構成します。
-
コンテンツ・サーバーの「管理」トレイから、「管理アプレット」リンクをクリックします。
-
構成マネージャ・アプレットを選択します。「構成マネージャ」が表示されます。
-
「ビュー」タブをクリックし、アルファベット順のリストからDocClassViewを選択して「値の編集」をクリックします。
-
-
「値の編集」画面で、「追加」をクリックし、ドキュメント分類およびそれらに対応するスキャン・プロファイルを追加します。documentClassificationエントリは一意である必要がありますが、スキャン・プロファイルは複数回使用できることに注意してください。終了したら、「閉じる」をクリックします。
-
「オプション」メニューから、「スキーマのパブリッシュ」を選択してデータをパブリッシュします。
Siebelからコンテンツ・サーバーに追加のメタデータ・パラメータを渡す方法
アダプタ構成の一部として、Siebel IFrame内の「新規」および「スキャン」ボタンのURLを移入するために、1つ以上のメタデータ値をSiebelからコンテンツ・サーバーに渡すことができます。たとえば、ユーザーが「新規」または「スキャン」ボタンを使用して新しいドキュメントをチェックインするたびに、チェックインで使用するSiebelアカウント名を渡すことができます。
その仕組みを次に示します。
-
値を渡すには、Siebelフィールドとコンテンツ・サーバーのメタデータ・フィールドが必要です。
-
新しいドキュメント用とドキュメントのスキャン用の2つの構成変数が用意されています。これらの変数を、コンテンツ・サーバー側で移入するメタデータ・フィールドに設定します。
-
Siebelとコンテンツ・サーバーのフィールドをリンクする引数(変数名に接頭辞extraを追加したもの)をシンボリックURLに追加して、「新規」または「スキャン」ボタンのURLに付加されるようにします。IFrameが表示されると、アプリケーションはURLに追加されたパラメータ変数を検索し、それらに割り当てられた値を使用して「新規」または「スキャン」ボタンのアクションを移入します。
-
渡された追加の値がドキュメントをチェックインまたはスキャンするユーザーに対して表示されるか非表示になるかは、構成によって異なります。たとえば、アカウント番号は非表示にしますが、別の値についてはドロップダウン・フィールドに値を移入してユーザーが変更できるようにします。
追加のメタデータ・パラメータの構成には、次の主なステップが含まれます。
SiebelアダプタのIFrame表示のカスタマイズ
次で説明する方法で、Siebelアダプタをカスタマイズできます。
カスタム・ボタンの追加
IFrameにカスタム・ボタンを追加して追加機能を実装するには、次のステップを実行します。
js_custom_siebel_functions
メイン・ボタン・バーを表示するには、super.js_custom_siebel_functionsを含める必要があります。このインクルードは、カスタム・ボタンにJavaScriptリスナーを追加します。YAHOO.oracle.ucm.adapter.extensionは、名前の競合を検出して回避するのに役立つYUIネームスペースです。
<@dynamichtml js_custom_siebel_functions@> <$include super.js_custom_siebel_functions$> <script type="text/javascript"> //namespace definition YAHOO.namespace("YAHOO.oracle.ucm.adapter.extension"); /** * Function for custom functionality added to the existing adapter. * */ YAHOO.oracle.ucm.adapter.extension.customFunctionListener=function(){ //custom code goes in here alert("You have your custom functionality running"); }; </script> <@end@>
custom_configurable_btn_bar
このスーパー・インクルードが存在する必要があります。このコードによって、ユーザー・インタフェースにボタンが表示されるようになります。
<@dynamichtml custom_configurable_btn_bar@> <$include super.custom_configurable_btn_bar$> <a id="customBtn" href="http://hostname/pages/editpage.action#" >Custom Button</a> <@end@>
js_custom_configurable_btn_bar
このコードは、リスナー機能をボタンのコードに関連付けます。
<@dynamichtml js_custom_configurable_btn_bar@> <$include super.js_custom_configurable_btn_bar$> YAHOO.util.Event.addListener("customBtn","click",YAHOO.oracle.ucm.adapter.extension.customFunctionListener); <@end@>
表示モードの動的な変更
オプションとして、デフォルトの表示構成設定を動的にオーバーライドして、1つ以上のボタンを非表示にしたり、1つ以上のアイコンを無効化したりする特殊な表示モードを構成できます。たとえば、ユーザーが特定のSiebelレコード・タイプ(たとえば、Orders)を表示するときに、「新規」および「スキャン」ボタンを非表示にして、ユーザーが注文に新しい添付ファイルを追加できないようにしたり、「編集」アイコンを無効化して、注文に関する添付ファイルを表示できても編集できないようにします。
その仕組みを次に示します。
-
デフォルトでは、動的な表示モードは構成されていません。通常のデフォルト設定では、IFrame内のボタンはその構成変数の設定に従って表示されます(構成変数の設定を参照)。列はユーザーのフィールド構成設定に従って表示され、列が表示されている場合、その列のアイコンは常に機能します。
-
SiebelDisplayModeというパラメータは、代替表示モードで無効化されるボタンとアイコンの組合せを設定します。このパラメータを設定すると、他の構成変数(たとえば、AdapterAppCheckinBtn=true)がオーバーライドされます。SiebelDisplayModeパラメータは、ユーザーが計算する整数です。表示中に、この整数を変換してボタンとアイコンのステータスが動的に決定されます。
-
代替の動的表示モードをアクティブ化するには、IFrame用の2次シンボリックURLを構成し、その内部にSiebelDisplayModeパラメータを指定します。次に、代替表示モードを必要とするビジネス・オブジェクトのシンボリックURLを、2次シンボリックURLを指すように変更します。
SiebelDisplayMode整数の計算
各ボタンおよびアイコンには、表2-3にリストされている整数値が図2-14のように割り当てられています。表示モード整数を計算するには、無効化する各ボタンおよびアイコンの整数値を加算します。
たとえば、「編集」および「プロパティ」アイコンを無効化し、「新規」、「スキャン」、「削除」および「構成」ボタンを非表示にするには、次のようにSiebelDisplayModeの値を計算します。
2^1 + 2^2 + 2^3 + 2^4 + 2^5 + 2^8 = 318
注意:
SiebelDisplayModeの値を0に設定すると、すべてのボタンが表示され、すべてのアイコンが有効になります(config.cfgファイルに指定された値はオーバーライドされます)。
表2-3 表示モード整数を計算するための整数値
ボタンまたはアイコン | 整数値 |
---|---|
「情報」アイコン |
20 |
「編集」アイコン |
21 |
「プロパティ」アイコン |
22 |
「新規」ボタン |
23 |
「スキャン」ボタン |
24 |
「削除」ボタン |
25 |
「リフレッシュ」ボタン |
26 |
「拡張検索」ボタン |
27 |
「構成」ボタン |
28 |
注意:
カスタム・ボタンを非表示にするには、カスタム・ボタンの値の計算を参照してください。
特殊な表示モード用のSiebelの構成
SiebelDisplayMode整数の計算の説明に従って表示モード整数を計算したら、次のステップに従って代替表示モードを構成します。
-
Siebel Webクライアントで、IFrame用の2次シンボリックURLを構成します。
-
このURLの新しい名前(たとえば、UcmServUrl2)を入力し、元のURLと同じ設定を選択します。詳細は、Siebel WebクライアントでのIFrame URLの構成を参照してください。
-
次の表と図に示すように、SiebelDisplayModeパラメータを指定する追加の引数を含めます。
名前 必須の引数 引数タイプ 引数の値 引数として追加 テキストで代用 シーケンス番号 SiebelDisplayMode
N
定数
表示モードに対応する整数
Y
N
12
-
-
代替表示モードを必要とするビジネス・オブジェクトのシンボリックURLを、2次シンボリックURLを指すように変更します。
カスタム・ボタンの値の計算
(カスタム・ボタンの追加の説明に従って) IFrameにカスタム・ボタンを追加し、代替表示モードでそれらを非表示にする場合は、それらの値を整数の計算に含めます。
次のリソースは、EnumObj JavaScriptオブジェクトにボタン(custombtn1とcustombtn2)を追加します。これらの値は、フレームワークによって実行時に計算されます。
js_custom_button_visibility_handler
<@dynamichtml js_custom_button_visibility_handler@> <$include super.js_custom_button_visibility_handler$> NAME_ENUM.CUSTOMBTN1="CUSTOMBTN1", NAME_ENUM.CUSTOMBTN2="CUSTOMBTN2", EnumObj.add(NAME_ENUM.CUSTOMBTN1,"customBtn1",IMG_ENUM.BUTTON); EnumObj.add(NAME_ENUM.CUSTOMBTN2,"customBtn2",IMG_ENUM.BUTTON); <@end@>
次の図は、カスタム・ボタンとそれらの計算された値を示しています。
表示色の変更
IFrame内の背景、強調表示された列またはカーソル移動時の列を変更するには、コンポーネントを作成し、次のリソースをオーバーライドします。
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css_adapter_background_styling
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css_adapter_row_styling
css_adapter_background_styling
次の行で、adapterBackgroundColor Idoc変数に別の背景色を指定します(16進コードが推奨されます)。スーパー・インクルード行が存在する必要があります。
<@dynamichtml css_adapter_background_styling@> <$adapterBackgroundColor="#346a2a"$> <$include super.css_adapter_background_styling$> <@end@>
css_adapter_row_styling
次の行で、selectedRowColorおよびhighlightedRowColor Idoc変数に異なる色を指定して、行の色を変更します。スーパー・インクルード行が存在する必要があります。
<@dynamichtml css_adapter_row_styling@> <$selectedRowColor="#eac5a6"$> <$highlightedRowColor="#bdc1a3"$> <$include super.css_adapter_row_styling$> <@end@>
アダプタのアンインストール
次のステップに従って、アダプタをアンインストールします。
Siebelコンポーネントのアンインストール
Siebelアダプタ・コンポーネントのアンインストールには、アダプタ構成時に無効化されたデフォルトのSiebel添付ファイル・アプレットのアクティブ化と、SIFファイルによってアダプタ構成に追加されたアプレットの非アクティブ化が含まれます。Siebelオブジェクトのアクティブ化または非アクティブ化を参照してください。