4 クラスタ化されていないWebCenter Content 12cを同じインフラストラクチャ上の新しいホストに移行する方法

クラスタ化されていないWebCenter Contentリリース12cインスタンスを、WebCenter Contentのオペレーティング・システムおよびディレクトリ構造が既存のインフラストラクチャと同じであるインフラストラクチャに移行する場合、後続のトピックに従うことでその目的を達成できます。

4.1 クラスタ化されていないWebCenter Contentリリース12cを移行する前の検討事項

WebCenter Contentリリース12cを移行する前に検討する必要がある項目

  • chghostユーティリティでは、バイナリ・データまたはデータベースに格納されたデータは移動されません。
  • chghostユーティリティでは、SSLのみが構成されている環境、または管理ポートとSSLポートのみのいずれかが有効化されている環境はサポートされません。
  • 古い(ソース)ホストと新しい(ターゲット)ホストの両方で、同じパスに同じバージョンのJDKをインストールする必要があります。
  • トポロジを変更することはできません。つまり、管理対象サーバー、WebLogic Serverドメイン名、ポート番号などを追加、削除または変更することはできません。
  • ソース・インスタンスとターゲット・インスタンスのパスは、両方とも同じである必要があります。これは変更できません。
  • Oracle Fusion Middlewareは、同じタイプのオペレーティング・システムにのみ移行できます。
  • マルチノード環境で、各ノードのネットワーク構成を別個に移動または変更することは可能です。たとえば、管理サーバーがホストAにあり、管理対象サーバーがホストBにある場合、管理サーバーまたは管理対象サーバー(あるいはその両方)のネットワーク構成を移動または変更できます。
  • Fusion Middleware Infrastructure (WebLogic Server)とWebCenter Contentのバージョンは、古いホストと新しいホストの間で一致している必要があります。新しいホストへの移行中に、より新しいバージョンにアップグレードすることはできません。
  • あるホストから別のホストにデータベースを移行する場合、データベース・タイプは同じままである必要があります。たとえば、データベース・タイプをOracleデータベースからSQL Serverデータベースに変更することはできません。
  • 移行を予定している同じWebLogicドメインにインストールされたBPMやPortalなどのFusion Middlewareアプリケーションを移行する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』新しいホストへのOracle Fusion Middlewareの移行に関する項を参照してください。

4.2 クラスタ化されていないWebCenter Contentリリース12cを新しいホストに移行する方法

このサンプル・ステップのセットは、ArchiverおよびConfigMigrationUtilityを使用せずにWebCenter Contentリリース12cドメインのインスタンスを新しいホストに移行するために役立ちます。

これらのステップを『Oracle Fusion Middlewareの管理』新しいホストへのOracle Fusion Middlewareの移行に関する項のステップと組み合せて、WebCenter Content、RefineryおよびWebCenter Contentユーザー・インタフェースを新しいホストに移行します。
移行の前に実行するタスク:
  • すべての管理対象サーバー、管理サーバーおよびノード・マネージャを停止します
  • WebCenter Contentのファイル・システムをバックアップします
  • WebCenter Contentのデータベースをバックアップします
  • 「JTAトランザクション・ログ永続性」が「デフォルトの永続ストア」に設定されている場合、それをバックアップします。
  • 「JMSサーバー永続性」が「JMSファイル・ストア」に設定されている場合、それをバックアップします。
  • 適切なバージョンとプラットフォームに対応するJDKをダウンロードして、新しいホストにインストールします。
  • Fusion Middleware InfrastructureおよびWebCenter Contentのインストール・メディアを新しいホストにダウンロードします。
  • Fusion Middleware InfrastructureおよびWebCenter Contentを、古いホストと同じ場所にある新しいホストのディレクトリにインストールするか、copyBinary.shおよびpasteBinary.shを使用して古いシステムからそれらをクローニングします。
  • 古いホストにインストールされていたすべてのパッチを、新しいホストのORACLE_HOMEにインストールします。copyBinary.shおよびpasteBinary.shを処理した場合、それによってORACLE_HOMEが新しいホストにクローニングされるため、このステップはスキップします。
  • WebCenter Contentのvaultおよびweblayoutがリモートまたは共有ディスクに存在する場合、ファイル共有が古いホストと同じパスで新しいホストにマウントされていることを確認します。ファイル共有に適切な権限が付与されていることも確認します。

WebCenter Content、Inbound RefineryおよびWebCenter Contentユーザー・インタフェースを移行するには:

  1. 新しいホストの/tmp/myinputfile.txtなどの場所に次のコードを含む入力ファイルを作成します。これは移行中に必要になります。
    [ARGUMENTS]
    
    [SERVER_HOST_MAPPING]
    #pattern source_host_name=target_host_name
    source.domain.com=target.domain.com

    ノート:

    "="の左右どちらでもIPアドレスにすることができます。左側は、古いホストのconfig.xmlconfig.cfgなどで現在使用されている記載と一致する必要があります。これらのファイルでIPアドレスが使用されているのに、入力ファイルでホスト名が使用されている場合(その逆の場合も同様)、後でchghost.shスクリプトを実行すると失敗します。
  2. 新しいホストにウォレット・ディレクトリおよびウォレットを作成します:
    1. mkdir /tmp/mywalletdir
    2. ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/configWallet.sh -walletDir /tmp/mywalletdir weblogic
    3. プロンプトが表示されたら、weblogicユーザーのパスワードを指定します
  3. 新しいホストにORACLE_HOME/user_projects/domainsディレクトリを作成します。
  4. 新しいホストにORACLE_HOME/user_projects/applicationsディレクトリを作成します。
  5. searchディレクトリまたはarchivesディレクトリを再配置した場合、適切な場所の新しいホストにそれらも作成します。
  6. ドメインに対してrsyncを実行します:
    rsync -avzh ORACLE_HOME/user_projects/domains/DOMAINNAME
          USER@target.domain.com:/ORACLE_HOME/user_projects/domains
  7. アプリケーションに対してrsyncを実行します:
    rsync -avzh ORACLE_HOME/user_projects/applications/DOMAINNAME
          USER@target.domain.com:/ORACLE_HOME/user_projects/applications
  8. 新しいホストでchghost.shを実行します。次のサンプル・コマンドは、単一のコマンドとして実行する必要があります。ここではわかりやすいように複数の行に分割しています。
    ORACLE_HOME/oracle_common/bin/chghost.sh
    -chgHostInputFile /tmp/myinputfile.txt
    -javaHome JDK_INSTALL_LOCATION
    -domainLoc ORACLE_HOME/user_projects/domains/DOMAINNAME
    -domainAdminUserName weblogic
    -walletDir /tmp/mywalletdir
    -logDir /tmp
  9. 必要に応じて、管理サーバーおよび管理対象サーバーのDOMAINHOME/servers/SERVERNAME/securityディレクトリでboot.propertiesファイルを再作成します。これらは、chghost.shの実行後、この場所で使用できなくなります。
  10. リファイナリも移動された場合、新しいホストのDOMAINHOME/ucm/cs/data/providers/PROVIDERNAME/provider.hdaで、それが新しいホスト名で更新されていることを確認します。
  11. レプリケーション目的で他のWebCenter ContentインスタンスからこのWebCenter Contentインスタンスを指し示しているプロバイダを編集します。
  12. 古いホストと同じパスに、リファイナリでのビデオ変換用にサードパーティのビデオ変換ツールをインストールします。
  13. 管理サーバーおよびWCCADF_server1管理対象サーバーを起動します。
  14. Fusion Middleware Controlで、WebCenter Contentユーザー・インタフェースからWebCenter Contentインスタンスへの接続を確立するために使用されるPropConnectionUrl mBeanの値を編集して、新しいホスト名を使用できるようにします。
    1. ページの左上隅の「ターゲット・ナビゲーション」アイコンをクリックし、「ターゲット・ナビゲーション」メニューを表示して、WCCADF_server1管理対象サーバーを選択します。
    2. 「WebLogic Server」→「システムMBeanブラウザ」に移動します。
    3. 「アプリケーション定義のMBean」「oracle.adf.share.connections」「サーバー: WCCADF_server1」「アプリケーション: Oracle WebCenter Content - Web UI」「ADFConnections」「ADFConnections」「WccConnection」「WccAdfServerConnection」の順に移動します。
    4. PropConnectionUrlの値を更新して「適用」をクリックします。
    5. 「アプリケーション定義のMBean」「oracle.adf.share.connections」「サーバー: WCCADF_server1」「アプリケーション: Oracle WebCenter Content - Web UI」「ADFConnections」「ADFConnections」の順に移動します。
    6. 「操作」タブで、「保存」をクリックしてから「起動」をクリックします。
  15. 新しいIPアドレスを使用するようにWebCenter ContentおよびInbound RefineryのSocketHostAddressSecurityFilter構成設定を更新するか、新しいホスト名を使用するようにその両方でSocketHostNameSecurityFilter構成設定を更新します。
  16. WCCADF_server1管理対象サーバーを停止して、すべての管理対象サーバーを再起動します。
  17. WebCenter Contentに接続している他のアプリケーションで新しい場所を更新して、運用が中断しないようにします。
  18. SSLを使用している場合、新しいホスト名でSSL証明書を更新するために、それらを新しいJDKのキーストアにインポートします。
  19. IdcAnalyzeを実行して全体的な動作を検証します。