3 クラスタ化されたWebCenter Content 11gを同じかまたは異なるインフラストラクチャ上の新しいホストに移行する方法
後続のトピックでは、WebCenter Content 11gのクラスタを、オペレーティング・システムおよびディレクトリ構造が既存のインフラストラクチャと同じであるかどうかにかかわらず、別のインフラストラクチャに移行する方法について説明します。
ノート:
WebLogic ServerとWebCenter Contentのバージョンは、古いホストと新しいホストの間で一致している必要があります。次のトピックには、新しいバージョンにアップグレードする手順ではなく、WebCenter Contentの現在の設定を移行する手順が含まれます。既存のインフラストラクチャからWebCenter PortalやBPMなどの他のOracle製品を移行するには、その必要な作業手順も考慮してください。ここでのトピックでは、WebCenter Contentの移行のみを取り上げます。3.1 クラスタ化されたWebCenter Contentリリース11gを移行する前の準備ステップ
- すべての管理対象サーバー、管理サーバーおよびノード・マネージャを停止します
- WebCenter Contentのファイル・システムをバックアップします。
- WebCenter Contentのデータベースをバックアップします。
- 古いホストと同じJDKバージョンを新しいホストにインストールします
- WebLogic Serverのバイナリを新しいホストにインストールします。
- WebCenter Contentのバイナリを新しいホストにインストールします。
- 古いホストに適用したものと同じパッチを新しいホストにインストールします。
- WebCenter Contentを移行する場合、古いホストから共有ファイル・システムをデタッチ/アンマウントします。
- WebCenter Contentをクローニングする場合、古いホストから共有ファイル・システムをデタッチ/アンマウントして、共有ファイル・システムを新しい場所にコピーします。
- データベースを移行するシナリオもいくつかあります。そのようなシナリオの1つは、WebCenter ContentをOracle Cloudに移行する場合です。2番目のシナリオは、オンプレミス移行でデータベースを新しいインフラストラクチャに移行する場合です。3番目のシナリオは、WebCenter Contentをクローニングする場合です。これらのどのケースでも、データベース・スキーマは、新しいデータベース・インスタンスで使用可能であることと、WebCenter Contentが存在している新しいホストからアクセス可能であることが前提となります。構成ウィザード(
config.sh
)を実行するときに、新しい場所にあるデータベース・スキーマに接続できるよう、追加のステップを実行する必要があります。システム・スキーマ内には3つのオブジェクトがあり、これらのオブジェクトは、特にアップグレード時に、Fusion Middlewareが適切に動作するために必要です。これらのオブジェクトは、schema_version_registryビュー、schema_version_registryシノニムおよびschema_version_registry$表です。これらの項目のいずれかがない場合は、「RCUデータベースのなくなったSYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRYオブジェクトのリカバリ」のステップに従って、なくなったオブジェクトを新しいデータベース・インスタンスで再作成し、今後の問題を回避する必要があります。さらに、対象の環境に定義した接頭辞が名前に付いているすべてのスキーマを組み込む必要があります。
3.2 RCUデータベースのなくなったSYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRYオブジェクトのリカバリ
SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY
スキーマ・バージョン・レジストリ表には、すべてのスキーマのバージョン・データが格納されています。この表がないと、アップグレードなど、多くの操作を進められません。
3.4 新規ドメインの作成
ドメイン・テンプレートを作成して、WebCenter Contentインスタンスの移行先となる新しいホストにコピーしました。ここでは、新しいホストに新しいドメインを作成します。
3.5 WebCenter Contentディレクトリの新しいホストへのコピー
ドメインを作成したら、次にWebCenter Contentディレクトリを新しいホストにコピーします。このタスクを実行するために役立つ複数のツールがあります。この例では、あるLinuxホストから別のホストにコピーするためにrsync
を使用します。
3.6 ホスト名の検証の無効化
- ターゲット・ホスト(この例では
apphost1
)の管理サーバーを起動し、ステータスがRUNNINGと表示されるまで待機します。 - 管理サーバー・コンソールにログインします。本番モードで実行している場合、チェンジ・センターで「ロックして編集」をクリックします。
- 「環境」→「サーバー」→「AdminServer(管理サーバー)」に移動します。
- 「SSL」タブ、「詳細」を順にクリックします。
- 「ホスト名の検証」を「なし」に設定し、「保存」をクリックします。
- 「環境」→「サーバー」→WebCenter Contentサーバー1 (この例では
UCM_server1
)に移動します。 - 「SSL」タブ、「詳細」を順にクリックします。
- 「ホスト名の検証」が「なし」に設定されていることを確認し、「保存」をクリックします。
- 「環境」→「サーバー」→WebCenter Contentサーバー2 (この例では
UCM_server 2
)に移動します。 - 「SSL」タブ、「詳細」を順にクリックします。
- 「ホスト名の検証」が「なし」に設定されていることを確認し、「保存」をクリックします。
- 「環境」→「サーバー」→Oracle Inbound Refinery 1 (この例では
IBR_server1
)に移動します。 - 「SSL」タブ、「詳細」を順にクリックします。
- 「ホスト名の検証」が「なし」に設定されていることを確認し、「保存」をクリックします。
- 「環境」→「サーバー」→Oracle Inbound Refinery 2 (この例では
IBR_server2
)に移動します。 - 「SSL」タブ、「詳細」を順にクリックします。
- 「ホスト名の検証」が「なし」に設定されていることを確認し、「保存」をクリックします。
- 本番モードで実行している場合、チェンジ・センターで「変更のアクティブ化」をクリックします。
3.7 共有ファイル・システムのマウントとWebCenter Contentの構成設定の調整
WebCenter Contentが移行された場合、この時点で共有ファイル・システムをマウントします。かわりに、それがクローニングされた場合、この時点で新しい場所から共有ファイル・システムをマウントします。
3.8 WebCenter Content 1 (UCM_server1)が新しいホストで起動することの確認
- ターゲット・クラスタの
apphost1
で、ノード・マネージャを起動します。 - 「ドメイン構造」で、「環境」→「サーバー」に移動します。
- 「制御」タブで、WebCenter Content 1 (この例では
UCM_server1
)のチェック・ボックスを選択します。 - 「起動」をクリックし、「はい」をクリックして確認します。
- 「サーバー」表の上で、「リフレッシュ」矢印をクリックして、UCM_server1の状態がRUNNINGに変更されていることを確認します。
- ブラウザを開き、新しい
apphost1
ホストのportal.htm
が正常にロードされることを確認します。
3.10 WebCenter Contentディレクトリの新しいホストへのコピー
WebCenter Contentディレクトリを新しいホストにコピーするために役立つ複数のツールがあります。この例では、あるLinuxホストから別のホストにコピーするためにrsync
を使用します。
3.12 UCM_server2が新しいホストで起動することの確認
- ターゲット・クラスタの
apphost1
で、管理サーバーを起動します。 - ターゲット・クラスタの
apphost2
で、ノード・マネージャを起動します。 - 「ドメイン構造」で、「環境」→「サーバー」に移動します。
- 「制御」タブで、UCM_server2のチェック・ボックスを選択します。
- 「起動」をクリックし、「はい」をクリックして確認します。
- 「サーバー」表の上で、「リフレッシュ」矢印をクリックします。
UCM_server2
の状態がRUNNINGに変更されていることを確認します。 - ブラウザを開き、新しい
apphost2
ホストのportal.htm
が正常にロードされることを確認します。 - 既存の管理コンソール・ブラウザ・タブから、「環境」→「サーバー」に移動します。
- 「制御」タブで、UCM_server2のチェック・ボックスを選択します。
- 「停止」/「強制停止」をクリックします(強制停止を使用しない場合、実行状態の問題が発生します。)
- 「はい」をクリックして確認します。
- 「サーバー」表の上で、「リフレッシュ」矢印をクリックします。UCM_server2の状態がSHUTDOWNに変更されていることを確認します。
3.14 Inbound Refineryが新しいホストで正常に起動することの確認
- 「ドメイン構造」で、「環境」→「サーバー」に移動します。
- 「制御」タブで、IBR_server1およびIBR_server2のチェック・ボックスを選択します。
- 「起動」をクリックし、「はい」をクリックして確認します。
- 「サーバー」表の上で、「リフレッシュ」矢印をクリックします。
IBR_server1
およびIBR_server2
の状態がRUNNINGに変更されていることを確認します。 - 両方のリファイナリに正常にログインできることを確認します。
3.15 実行可能ファイルのスワップ・アウト
オペレーティング・システムが変更された場合やディレクトリ・パスが変更された場合、実行可能ファイルを置換するか、シンボリック・リンクを適切な内容で再作成する必要があります。次に、考えられるシナリオをいくつか示します。
3.15.3 LinuxからWindows
DOMAINHOME/ucm/cs/bin
ディレクトリに移動して、次の項目を削除します:Archiver
BatchLoader
ComponentTool
ComponentWizard
ConfigurationManager
IdcAnalyze
IdcCommand
IdcServer
IdcShell
Installer
IntradocApp
RepositoryManager
SystemProperties
UnixProcCtrl
UserAdmin
WebLayoutEditor
WorkflowAdmin
FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/Launcher.exe
をDOMAINHOME/ucm/cs/bin
ディレクトリにコピーします。DOMAINHOME/ucm/cs/bin/Launcher.exe
を、次の名前でDOMAINHOME/ucm/cs/bin
ディレクトリにコピーします:Archiver.exe
BatchLoader.exe
ComponentTool.exe
ComponentWizard.exe
ConfigurationManager.exe
IdcAnalyze.exe
IdcCommand.exe
IdcServer.exe
IdcShell.exe
Installer.exe
IntradocApp.exe
RepositoryManager.exe
SystemProperties.exe
UserAdmin.exe
WebLayoutEditor.exe
WorkflowAdmin.exe
DOMAINHOME/ucm/cs/bin/Launcher.exe
ファイルを削除します。DOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin
ディレクトリに移動して、次の項目を削除します:IdcAdmin
Launcher.sh
UnixProcCtrl
FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/Launcher.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin
ディレクトリにコピーしますDOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin/Launcher.exe
を、次の名前でDOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin
ディレクトリにコピーします:IdcAdmin.exe
IdcAdminNT.exe
DOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin/Launcher.exe
ファイルを削除します。FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/NtProcCtrl.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin
ディレクトリにコピーします。- ドメイン内の他のコンテンツ・サーバー・クラスタ・ノードでステップ1から4までを繰り返します。
DOMAINHOME/ucm/ibr/bin
ディレクトリに移動して、次の項目を削除します:ComponentWizard
IdcCommand
IdcRefineryInstaller
Launcher.sh
SystemProperties
UnixProcCtrl
FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/Launcher.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/ibr/bin
ディレクトリにコピーします。DOMAINHOME/ucm/ibr/bin/Launcher.exe
を、次の名前でDOMAINHOME/ucm/ibr/bin
ディレクトリにコピーします:ComponentWizard.exe
IdcRefinery.exe
IdcRefineryNT.exe
Installer.exe
SystemProperties.exe
DOMAINHOME/ucm/ibr/bin/Launcher.exe
ファイルを削除します。DOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin
ディレクトリに移動して、次の項目を削除します:IdcAdmin
Launcher.sh
UnixProcCtrl
FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idcnative/windows-amd64/bin/Launcher.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin
ディレクトリにコピーします。DOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin/Launcher.exe
を、次の名前でDOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin
ディレクトリにコピーします:IdcAdmin.exe
IdcAdminNT.exe
DOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin/Launcher.exe
ファイルを削除しますFMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/NtProcCtrl.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin
ディレクトリにコピーします。- ドメイン内の他のリファイナリでステップ11から19までを繰り返します。
3.16 Inbound Refineryの送信プロバイダ設定の調整
- 「ドメイン構造」で、「環境」→「サーバー」に移動します。
- 「制御」タブで、UCM_server1およびUCM_server2のチェック・ボックスを選択します。
- 「起動」をクリックし、「はい」をクリックして確認します。
- 「サーバー」表の上で、「リフレッシュ」矢印をクリックします。
UCM_server1
およびUCM_server2
の状態がRUNNINGに変更されていることを確認します。 - WebCenter Contentインスタンスにログインします。
- 「管理」→「プロバイダ」ページで、
apphost1
のリファイナリに接続している送信プロバイダについて、「情報」をクリックします。 - 「編集」をクリックし、「サーバー・ホスト名」および「HTTPサーバー・アドレス」に新しい値を指定します。
- 「更新」をクリックし、
apphost2
のリファイナリに接続している送信プロバイダについて、「情報」をクリックします。 - 「編集」をクリックし、「サーバー・ホスト名」および「HTTPサーバー・アドレス」に新しい値を指定します。
- 「更新」をクリックします。
UCM_server1
およびUCM_server2
管理対象サーバーを再起動します。
3.17 セキュリティ・プロバイダの構成
セキュリティ・プロバイダ・データをドメインの新しい場所に手動で転送できます。ドメイン・テンプレート・ビルダーは、オフライン・ユーティリティであり、組込みLDAPデータなどのセキュリティ・プロバイダ・データをドメイン・テンプレートにエクスポートしないため、これは必須です。
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