2 クラスタ化されていないWebCenter Contentリリース11gを同じかまたは異なるインフラストラクチャ上の新しいホストに移行する方法
次のトピックでは、11g WebCenter Contentドメイン・インスタンス、RefineryおよびWebCenter Contentユーザー・インタフェースを、WebLogic Serverのテンプレート・ビルダー・ツールを使用して新しいホストに移行する方法について説明します。この情報は、『ドメイン・テンプレート・ビルダーによるドメイン・テンプレートの作成』の補足です。
ノート:
移行プロセスを開始する前に次のことを検討してください:
- WebLogic ServerとWebCenter Contentのバージョンは、古いホストと新しいホストの間で一致している必要があります。次のトピックに含まれるサンプル・ステップを使用して、WebCenter Contentを新しいホストに移行するのと同時により新しいバージョンにアップグレードすることはできません。
- ドメイン内にWebCenter PortalやBPMなどの他の製品が存在する場合、それらの作業手順も考慮してください。次のトピックは、WebCenter Contentのみを対象としています。
2.1 クラスタ化されていないWebCenter Contentリリース11gを移行する前の準備ステップ
- すべての管理対象サーバー、管理サーバーおよびノード・マネージャを停止します
- WebCenter Contentのファイル・システムをバックアップします。詳細は、Oracle WebCenter Contentの推奨事項に関する項を参照してください。
- 適切な方法を使用してWebCenter Contentのデータベースをバックアップします。
- 古いホストと同じJDKバージョンを新しいホストにインストールします
- WebLogic Serverのバイナリを新しいホストにインストールします。
- WebCenter Contentのバイナリを新しいホストにインストールします。
- 古いホストに適用したものと同じパッチを新しいホストにインストールします。
- WebCenter Contentが移行され、vaultおよびweblayoutディレクトリがリモート・ファイル・システムに存在している場合、この時点でそれらをアンマウントします。
- WebCenter Contentがクローニングされ、vaultおよびweblayoutディレクトリがリモート・ファイル・システムに存在している場合、この時点でそれらをアンマウントし、新しい場所にコピーします。
- データベースを移行するシナリオもいくつかあります。そのようなシナリオの1つは、WebCenter ContentをOracle Cloudに移行する場合です。2番目のシナリオは、オンプレミス移行でデータベースを新しいインフラストラクチャに移行する場合です。3番目のシナリオは、WebCenter Contentをクローニングする場合です。これらのどのケースでも、データベース・スキーマは、新しいデータベース・インスタンスで使用可能であることと、WebCenter Contentが存在している新しいホストからアクセス可能であることが前提となります。構成ウィザード(
config.sh
)を実行するときに、新しい場所にあるデータベース・スキーマに接続できるよう、追加のステップを実行する必要があります。システム・スキーマ内には3つのオブジェクトがあり、これらのオブジェクトは、特にアップグレード時に、Fusion Middlewareが適切に動作するために必要です。これらのオブジェクトは、schema_version_registryビュー、schema_version_registryシノニムおよびschema_version_registry$表です。これらの項目のいずれかがない場合は、「RCUデータベースのなくなったSYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRYオブジェクトのリカバリ」のステップに従って、なくなったオブジェクトを新しいデータベース・インスタンスで再作成し、今後の問題を回避する必要があります。さらに、対象の環境に定義した接頭辞が名前に付いているすべてのスキーマを組み込む必要があります。
2.2 RCUデータベースのなくなったSYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRYオブジェクトのリカバリ
SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY
スキーマ・バージョン・レジストリ表には、すべてのスキーマのバージョン・データが格納されています。この表がないと、アップグレードなど、多くの操作を進められません。
2.4 新規ドメインの作成
ドメイン・テンプレートを作成して、WebCenter Contentインスタンスの移行先となる新しいホストにコピーしました。ここでは、新しいホストに新しいドメインを作成します。
2.5 WebCenter Content 11gディレクトリの新しいホストへのコピー
ドメインを作成したら、次にWebCenter Contentディレクトリを新しいホストにコピーします。このタスクを実行するために役立つ複数のツールがあります。この例では、あるLinuxホストから別のホストにコピーするためにrsync
を使用します。
2.6 vaultおよびweblayoutディレクトリのマウントとWebCenter Content 11gおよびInbound Refinery 11gの構成設定の調整
デフォルトでは、vaultおよびweblayoutディレクトリは、両方ともDOMAINHOME/ucm/cs
ディレクトリ内に存在します。WebCenter Contentが移行され、vaultおよびweblayoutディレクトリがリモート・ファイル・システムに存在している場合、この時点でそれらをマウントします。かわりに、それがクローニングされ、vaultおよびweblayoutディレクトリがリモート・ファイル・システムに存在している場合、この時点で新しい場所からそれらのコピーをマウントします。
DOMAINHOME/ucm/cs/bin/intradoc.cfg
ファイルでVaultDir
およびWeblayoutDir
構成エントリを編集して、それらの設定内容がわかるようにする必要があります。11.1.1.9.0以上のリリースでは、intradoc.cfg
を確認するだけでなく、同じディレクトリで(intradoc.cfg
に優先する) MANAGEDSERVERNAME_intradoc.cfg
を確認する必要もあります。
2.7 サーバーの起動およびboot.propertiesファイルの作成
boot.properties
ファイルを構成すると、起動時にユーザー名とパスワードを指定するよう求められることなく、コマンドラインから管理対象サーバーを起動できます。ユーザー名とパスワードは、起動時に読み取られるboot.properties
ファイルに格納します。
startManagedWebLogic.sh/cmd
スクリプトを使用する方法です。
- 新しいホストで管理サーバーを起動します。
- 新しいホストでノード・マネージャを起動します。
- 新しいホストで管理対象サーバーを起動します。
- 管理サーバーおよび各管理対象サーバー用の
boot.properties
ファイルを作成します。
2.8 実行可能ファイルのスワップ・アウト
オペレーティング・システムが変更された場合やディレクトリ・パスが変更された場合、実行可能ファイルを置換するか、シンボリック・リンクを適切な内容で再作成する必要があります。次に、考えられるシナリオをいくつか示します。
2.8.3 LinuxからWindows
DOMAINHOME/ucm/cs/bin
ディレクトリに移動して、次の項目を削除します:Archiver
BatchLoader
ComponentTool
ComponentWizard
ConfigurationManager
IdcAnalyze
IdcCommand
IdcServer
IdcShell
Installer
IntradocApp
RepositoryManager
SystemProperties
UnixProcCtrl
UserAdmin
WebLayoutEditor
WorkflowAdmin
FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/Launcher.exe
をDOMAINHOME/ucm/cs/bin
ディレクトリにコピーします。DOMAINHOME/ucm/cs/bin/Launcher.exe
を、次の名前でDOMAINHOME/ucm/cs/bin
ディレクトリにコピーします:Archiver.exe
BatchLoader.exe
ComponentTool.exe
ComponentWizard.exe
ConfigurationManager.exe
IdcAnalyze.exe
IdcCommand.exe
IdcServer.exe
IdcShell.exe
Installer.exe
IntradocApp.exe
RepositoryManager.exe
SystemProperties.exe
UserAdmin.exe
WebLayoutEditor.exe
WorkflowAdmin.exe
DOMAINHOME/ucm/cs/bin/Launcher.exe
ファイルを削除します。DOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin
ディレクトリに移動して、次の項目を削除します:IdcAdmin
Launcher.sh
UnixProcCtrl
FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/Launcher.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin
ディレクトリにコピーしますDOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin/Launcher.exe
を、次の名前でDOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin
ディレクトリにコピーします:IdcAdmin.exe
IdcAdminNT.exe
DOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin/Launcher.exe
ファイルを削除します。FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/NtProcCtrl.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/cs/admin/bin
ディレクトリにコピーします。- ドメイン内の他のコンテンツ・サーバー・クラスタ・ノードでステップ1から4までを繰り返します。
DOMAINHOME/ucm/ibr/bin
ディレクトリに移動して、次の項目を削除します:ComponentWizard
IdcCommand
IdcRefineryInstaller
Launcher.sh
SystemProperties
UnixProcCtrl
FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/Launcher.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/ibr/bin
ディレクトリにコピーします。DOMAINHOME/ucm/ibr/bin/Launcher.exe
を、次の名前でDOMAINHOME/ucm/ibr/bin
ディレクトリにコピーします:ComponentWizard.exe
IdcRefinery.exe
IdcRefineryNT.exe
Installer.exe
SystemProperties.exe
DOMAINHOME/ucm/ibr/bin/Launcher.exe
ファイルを削除します。DOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin
ディレクトリに移動して、次の項目を削除します:IdcAdmin
Launcher.sh
UnixProcCtrl
FMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idcnative/windows-amd64/bin/Launcher.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin
ディレクトリにコピーします。DOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin/Launcher.exe
を、次の名前でDOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin
ディレクトリにコピーします:IdcAdmin.exe
IdcAdminNT.exe
DOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin/Launcher.exe
ファイルを削除しますFMWHOME/Oracle_ECM1/ucm/idc/native/windows-amd64/bin/NtProcCtrl.exe
ファイルをDOMAINHOME/ucm/ibr/admin/bin
ディレクトリにコピーします。
2.9 Inbound RefineryのためのWebCenter Contentでの送信プロバイダ設定の調整
- WebCenter Contentにログインします。
- 「管理 - プロバイダ」ページに移動します。リファイナリに接続された送信プロバイダで、「情報」をクリックしてから「編集」をクリックします。
- 「サーバー・ホスト名」および「HTTPサーバー・アドレス」に新しい値を指定して、「更新」をクリックします。
- WebCenter Contentの管理対象サーバーを再起動します。
2.10 セキュリティ・プロバイダの構成
セキュリティ・プロバイダ・データをドメインの新しい場所に手動で転送できます。ドメイン・テンプレート・ビルダーは、オフライン・ユーティリティであり、組込みLDAPデータなどのセキュリティ・プロバイダ・データをドメイン・テンプレートにエクスポートしないため、これは必須です。
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