19 外部アプリケーションの管理
外部アプリケーションは独自の認証プロセスを実装したアプリケーションです。つまり、これはWebCenter Portalアプリケーションのシングル・サインオン・プロセスに参加しないアプリケーションのことです。
アプリケーション管理者は、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンド行ツールを使用するか、実行時に組込みの管理ページまたは外部アプリケーション・タスク・フローを使用して、外部アプリケーションを登録および管理できます。
デプロイ後にWebCenter Portalに対して行った外部アプリケーションの変更はすべて、MDSリポジトリにカスタマイズとして格納されます。
注意:
外部アプリケーションの構成は動的です。WebCenter Portalの構成変更は即時反映されます。アプリケーションや管理対象サーバーを再起動する必要はありません。
権限:
この章のタスクを実行するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールでWebLogic ServerのAdmin
ロール、WebCenter Portal管理を使用して付与されるAdministrator
ロールが付与されている必要があります。
ロールと権限の詳細は、「管理操作、ロールおよびツールの理解」を参照してください。
外部アプリケーションについて
独自の認証を処理するアプリケーションとWebCenter Portalがやり取りする場合、そのアプリケーションと外部アプリケーション定義を関連付けて、資格証明プロビジョニングに備えることができます。そのためには、外部アプリケーション定義を使用して、それらの個別に認証されたアプリケーションからコンテンツにアクセスする手段を指定します。
外部アプリケーション・サービスは、エンド・ユーザー側からのシングル・サインオン操作を再現するために、ユーザー名とパスワードおよび外部アプリケーション用のその他の資格証明をすべて取得し、これらの情報を資格証明が必要なWebCenter Portalツールやアプリケーションに渡します。WebCenter Portalツールや他のアプリケーションは、この情報をエンド・ユーザーのかわりに使用してログインします。このユーザー名とパスワードの組合せは、アプリケーションがデプロイされているWebLogicドメイン用に構成された資格証明ストアにセキュアに格納されます。
注意:
外部アプリケーションへのログイン時に、「ログイン情報を保存する」チェック・ボックスを選択しない場合、高可用性(HA)環境でフェイルオーバーが発生すると、そのユーザー・セッションのプロビジョニング済の資格証明は失われます。同一ユーザー・セッション内で外部アプリケーション・コンテンツにアクセスしようとすると、資格証明を再度指定するように要求されます。
外部アプリケーションの登録
WebCenter Portalの外部アプリケーションは、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して登録できます。
外部アプリケーションを登録する前に、アプリケーションのログイン・ページにアクセスし、アプリケーションのログイン・フォームのHTMLソースを調べます。必要な登録詳細はすべて、<form tag>
の中にあります。
たとえば、Yahoo! Mailのログイン・フォームの基礎となるコードは、次のようになっています。
<form method=post action="https://login.yahoo.com/config/login?" autocomplete="off" name="login_form"> ... <td><input name="login" size="17"</td> ... <td><input name="passwd" size="17"</td> ...
この例の場合、WebCenter PortalユーザーにYahoo! Mailアプリケーションへの直接リンクを提供するには、次のサンプルの登録情報が必要です。
登録情報 | サンプル値 | HTMLソース |
---|---|---|
ログインURL |
|
|
「ユーザー名」/「ユーザーID」フィールド |
|
|
パスワード・フィールド名 |
|
|
認証方式 |
|
|
注意:
外部アプリケーションの構成は動的です。新規の外部アプリケーションおよび既存アプリケーションの更新はすぐに使用可能になります。WebCenter Portalを再起動する必要はありません。
この項では、次の手順を説明します。
WebCenter Portal管理を使用した外部アプリケーションの登録の詳細は、「実行時の外部アプリケーションの登録」を参照してください。
WLSTを使用した外部アプリケーションの登録
WLSTコマンドのcreateExtAppConnection
を使用して、外部アプリケーション接続を作成します。コマンドの構文と例は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』のcreateExtAppConnection
に関する項を参照してください。
WLSTコマンドのaddExtAppCredential
を使用して、外部アプリケーション接続の共有資格証明またはパブリック資格証明を追加します。詳細は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』のaddExtAppCredential
に関する項を参照してください。
WLSTコマンドのaddExtAppField
を使用して、既存の外部アプリケーション接続に追加のログイン基準を定義します。詳細は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』のaddExtAppField
に関する項を参照してください。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
外部アプリケーション接続の詳細の変更
この項では、外部アプリケーション接続の詳細を変更する方法を説明します。この項の内容は次のとおりです。
Fusion Middleware Controlを使用した外部アプリケーション接続の変更
外部アプリケーション接続の詳細を更新するには:
- Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。
- 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」→「サービス構成」を選択します。
- 「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「外部アプリケーション」を選択します。
- 変更する外部アプリケーションの名前を選択し、「編集」をクリックします。
- 必要に応じて接続の詳細を編集します。パラメータの詳細は、表19-2を参照してください。外部アプリケーションの名前は編集できないので注意してください。
- 「OK」をクリックして、変更を保存します。
WLSTを使用した外部アプリケーション接続の変更
WLSTコマンドのsetExtAppConnection
を使用して、既存の外部アプリケーション接続の詳細を編集します。コマンドの構文と例は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』のsetExtAppConnection
に関する項を参照してください。
注意:
追加のログイン・フィールドに関連する詳細を編集するには、setExtAppField
を使用します。既存の共有資格証明またはパブリック資格証明を編集するには、setExtAppCredential
を使用します。
追加のログイン・フィールドを削除するには、removeExtAppField
を使用します。共有資格証明またはパブリック資格証明を削除するには、removeExtAppField
を使用します。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
WebCenter Portalでの外部アプリケーションの変更の詳細は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの使用』の外部アプリケーション接続の詳細の編集に関する項を参照してください。
外部アプリケーション接続の削除
外部アプリケーション接続を削除すると、WebCenter Portalのユーザーはその外部アプリケーションにアクセスできなくなり、外部アプリケーションに依存するツールまたはサービスが正常に機能しなくなる可能性があるため、削除する際は注意してください。
この項には次のトピックが含まれます:
Fusion Middleware Controlを使用した外部アプリケーション接続の削除
外部アプリケーション接続を削除するには:
- Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。
- 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」→「サービス構成」を選択します。
- 「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「外部アプリケーション」を選択します。
- 削除する外部アプリケーションの名前を選択し、「削除」をクリックします。
WLSTを使用した外部アプリケーション接続の削除
WLSTコマンドのdeleteConnection
を使用して、外部アプリケーション接続を削除します。コマンドの構文と例は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』のdeleteConnection
に関する項を参照してください。
注意:
追加のログイン・フィールドを削除するには、removeExtAppField
を使用します。共有資格証明またはパブリック資格証明を削除するには、removeExtAppCredential
を使用します。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
実行時の外部アプリケーションの管理
外部アプリケーションは独自の認証プロセスを実装したアプリケーションです。つまり、これはWebCenter Portalアプリケーションのシングル・サインオン・プロセスに参加しないアプリケーションのことです。WebCenter Portalアプリケーションが、自身の認証を行うアプリケーションと対話する場合、資格証明プロビジョニングを可能にする外部アプリケーションを登録できます。
デフォルトでは、Administrator
ロールを持つユーザーはAppConnectionManager
ロールが割り当てられるため、実行時にWebCenter Portal管理コンソールを通じて外部アプリケーションを構成および管理できます。AppConnectionManager
ロールの詳細は、「デフォルトのアプリケーション・ロール」を参照してください。
この項には次のトピックが含まれます:
実行時の外部アプリケーションの登録
実行時に外部アプリケーションを登録する手順は次のとおりです。
-
「設定」ページで(「WebCenter Portal管理の設定ページへのアクセス」を参照)、「ツールとサービス」をクリックします。
ブラウザに次のURLを入力して、直接「ツールとサービス」ページに移動することも可能です。
http://host:port/webcenter/portal/admin/settings/tools
関連項目:
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のWebCenter PortalプリティURLに関する項。
-
「外部アプリケーション」をクリックします。
-
「登録」をクリックします。
-
外部アプリケーションの接続の詳細を入力します。
1つ以上のフィールドの詳細は、次を参照してください。
-
「テスト」をクリックして、接続の詳細を検証します。
-
「OK」をクリックして、アプリケーションを登録します。
実行時の外部アプリケーションの編集と削除
実行時に外部アプリケーションを変更または削除する手順は次のとおりです。
-
「設定」ページで(「WebCenter Portal管理の設定ページへのアクセス」を参照)、「ツールとサービス」をクリックします。
ブラウザに次のURLを入力して、直接「ツールとサービス」ページに移動することも可能です。
http://host:port/webcenter/portal/admin/settings/tools
関連項目:
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のWebCenter PortalプリティURLに関する項。
-
「外部アプリケーション」をクリックします。
-
編集または削除する外部アプリケーションを選択し、次のいずれかをクリックします。
-
接続の詳細を更新するには、「編集」をクリックします。
-
外部アプリケーションを削除するには、「登録解除」をクリックします。
外部アプリケーション接続を削除すると、ユーザーはそのアプリケーションにアクセスできなくなり、外部アプリケーションに依存するサービスが正常に機能しなくなる可能性があるため、削除する際は注意してください。
-