1 WebCenter Portalの管理の概要
注意:
12c (12.2.1.3.0)からは、Oracle WebCenter PortalでのJive機能(お知らせとディスカッション)のサポートは非推奨になりました。 以前のリリースからアップグレードする場合、これらの機能はアップグレード対象の既存のインストールで引き続き使用できます。
Oracle WebCenter Portalの概要
企業ではOracle WebCenter Portalを使用して、Oracle Fusion MiddlewareおよびOracle Fusion Applicationsに次世代のユーザー・エクスペリエンス(UX)の基盤を提供する、エンタープライズ規模のイントラネットおよびエクストラネット・ポータルを構築します。通常、Oracle WebCenter Portalを使用して構築されたポータルでは、何千ものユーザーによる、複数のバックエンド・ソースからのコンテンツおよびデータの作成、更新およびアクセスがサポートされます。Oracle WebCenter Portalは、主要ポータル製品と関連テクノロジーの豊富なポートフォリオから最高のUX機能を利用して、直観的なユーザー・エクスペリエンスを提供します。ユーザーの観点から見た場合、統合はシームレスです。
Oracle WebCenter Portal は、ユーザーがパーソナライズされた安全かつ効率的な方法で、ビジネス・プロセスのコンテキストに合った情報を入手し、人やアプリケーションとやり取りすることを可能にします。人々、情報、アプリケーション間のつながりを最適化し、ビジネス・アクティビティ・ストリームを提供することでユーザーが目的に適ったコンテンツを探して、移動したり、アクセスできるようにします。また、アプリケーション、ポータルおよびサイトを動的にパーソナライズする機能を備え、エクスペリエンスのカスタマイズが可能です。
この項では、Oracle WebCenter Portalのコンポーネントおよびアーキテクチャについて説明します。この項の内容は次のとおりです。
Oracle WebCenter Portalのアーキテクチャ
Oracle WebCenter Portalは次のコンポーネントで構成されています。
WebCenterポートレット
次のポートレットを開発してWebCenter Portalに統合します。
-
JSR-168およびJSR-286標準ベースのWSRPポートレットのサポート
-
JSFページおよびOracle ADFタスク・フローを標準ベースのポートレットとして公開できる、Oracle JSF Portlet Bridge
Application Development Framework
Oracle Application Development Framework (ADF)は、JSFの上に存在する生産性レイヤーであり、次のものを提供します。
-
データベース、Webサービス、XML、CSV、BPELなどのバックエンドへの統合されたアクセス
-
バックエンドのデータ制御によりユーザー・インタフェースに接続する、データ・バインディング(JSR 227)
-
100個を超えるデータ認識JSFビュー・コンポーネント
-
タスク・フローを含むネイティブ・コンポーネント・モデル
-
ファイングレインJAASセキュリティ・モデル
ポータル・コンポーザ
ポータル・コンポーザは、WebCenter Portalのブラウザ・ベースの作成、編集および管理のすべての領域を含みます。
-
エンタープライズ・ポータル、複数のサイトおよびコミュニティを作成するためのブラウザ・ベースのプラットフォーム。
-
ホーム・ポータルとは、ユーザーが自分のプロファイル、使用可能なポータル、ポータル・テンプレートおよびドキュメントへのアクセス権を持つ場所であり、ホーム・ポータルの独自のビューの特定の要素をカスタマイズできます。
-
実行時にポータルをカスタマイズでき、ポータルの設定変更や、ポータル・ページおよびデバイス対応のページ・バリアントを作成できる、ブラウザ・ベースのポータル・エディタです。直観的なページ・エディタでページ・レイアウトやプロパティ、配線を変更することができ、タスク・フロー、ポートレット、スレッド・ディスカッション、ブログ、Wiki、お知らせ、RSS、アクティビティ・ストリーム、検索およびその他のコンポーネントが含まれます。
ツールとサービス
表1-1に、WebCenter Portalで使用可能なツールとサービスを示します。
表1-1 WebCenter Portalのツールとサービス
A - I | L - T |
---|---|
アクティビティ・ストリーム |
リンク |
分析 |
リスト |
お知らせ |
メール |
ディスカッション |
注意 |
ドキュメント(Wikiおよびブログを含む) |
ピープル・コネクション |
イベント |
RSS |
インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP) |
検索 タグ |
WebCenter Portalのツールとサービスは、次のものを提供します。
-
エンタープライズレベルのサービスとのシームレスな統合
-
バックエンド・サービスを抽象化するシン・アダプタ・レイヤー。例:
-
コンテンツ・アダプタ: Content Server
-
プレゼンス・アダプタ: Microsoft Lync
-
-
統合された接続アーキテクチャによって表されるバックエンド・システム
-
機能豊富なタスク・フロー・コンポーネントによって提示されるサービスへのユーザー・インタフェース
詳細は、「ツールおよびサービスの管理」を参照してください。
ディスカッション・サーバー
ディスカッション・サーバーは、Oracle WebCenter Portalとともに提供されるため、ポータルにディスカッション・フォーラムおよびお知らせを統合できます。詳細は、「お知らせおよびディスカッションの管理」を参照してください。
分析
WebCenter Portalの分析機能により、ユーザーは、次のような様々なユーザー・アクティビティを表示できます。
-
ログイン・データ
-
ページ・ビュー
-
ポートレット・ビュー
-
検索メトリック
-
ページ・レスポンス・データ
-
ポータルの使用状況
詳細は、「分析の管理」を参照してください。
Oracle WebCenter Portalのトポロジ
この項では、Oracle WebCenter Portalのトポロジおよび構成について説明します。この項の内容は次のとおりです。
Oracle WebCenter Portalのディレクトリ構造
Oracle WebCenter Portalのインストールにより、Oracleホーム・ディレクトリの下にWebCenter Portal製品ホーム・ディレクトリ(wcportal
)が作成され、WebCenter Portalのバイナリとサポート・ファイルが格納されます。次の図に、Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造を示します。
また、インストールによって、様々なWebCenter Portalコンポーネントをホストする管理サーバーおよび複数の管理対象サーバーを含むWebCenter Portalドメイン(デフォルト名はbase_domain
)も作成されます。図1-2では、アプリケーションは黄色で表示され、それらが実行される管理対象サーバーは茶色で表示されます。
初期設定の管理対象サーバーは、次のOracle WebCenter Portalコンポーネントをホストします。
-
WC_Portal
: WebCenter Portal (Oracleの初期設定のポータル・アプリケーション)および分析をホストします -
WC_Portlet
: 初期設定のポートレット、ページレット・プロデューサおよびWebCenter Portalツールをホストします -
WC_Collaboration: ディスカッション・サーバーおよび統合のために選択した追加のサービスをホストします
管理対象サーバーの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareの理解に関する項を参照してください。
Oracle WebCenter Portalの管理対象サーバー
Oracle WebCenter Portalのインストール時に、管理対象サーバーは、システム・ライブラリおよびOracle ADFライブラリでプロビジョニングされます。表1-2に、管理対象サーバー、およびそれらで実行するアプリケーションをリストします。
表1-2 Oracle WebCenter Portal管理対象サーバーおよびアプリケーション
管理対象サーバー | インストールされるアプリケーション | アプリケーション名 |
---|---|---|
WC_Portal |
WebCenter Portal WebCenter Portalオンライン・ヘルプ 分析 |
webcenter webcenter-help analytics-collector |
WC_Portlet |
OmniPortlet WSRPツール ページレット・プロデューサ |
portalTools wsrp-tools pagelet-producer |
WC_Collaboration |
ディスカッション・サーバー |
owc_discussions |
Oracle WebCenter Portalの構成に関する考慮事項
WebCenter Portalの主な構成ファイルを表1-3に示します。これらのファイルは、アプリケーションのデプロイメントの.EARファイル内で供給されます。
表1-3 WebCenter Portalの構成ファイル
アーティファクト | 用途 |
---|---|
|
WebCenter Portalがどのディスカッション・サーバーまたはメール・サーバーを現在使用しているかなど、Application Development Framework (ADF)およびアプリケーションの設定に関する基本構成を格納します。 |
|
外部サービスへの接続のための基本構成を格納します。 |
WebCenter Portalは、構成データを格納するためにOracle Metadata Services (MDS)リポジトリを使用し、Oracle WebLogicフレームワーク内のJDBCデータ・ソースとしてMDSリポジトリにアクセスします。
MDSリポジトリは、アプリケーションのカスタマイズとして、WebCenter Portalへのデプロイ後の構成変更を格納します。MDSは、デプロイされた元バージョンのadf-config.xml
およびconnections.xml
をベース・ドキュメントとして使用し、単一のカスタマイズ・レイヤーを使用して後続のすべてのアプリケーション・カスタマイズを別個にMDSに格納します。
WebCenter Portalが起動すると、MDSに格納されているアプリケーション・カスタマイズが適切なベース・ドキュメントに適用され、アプリケーションは、マージ済ドキュメント(カスタマイズが適用されたベース・ドキュメント)を構成プロパティの最終セットとして使用します。
サーバー・クラスタにデプロイされるアプリケーションの場合、クラスタのすべてのメンバーは、MDSリポジトリ内の同じ場所から読み取ります。
Oracleはデプロイ後構成のための複数の管理ツールを提供するため、一般には、管理者は、adf-config.xml
およびconnections.xml
などのファイルのためにベース・ドキュメントのコンテンツ(またはMDSカスタマイズ・データ)を調べたり手動で変更したりする必要はありません。ベース・ドキュメントの場所を特定する必要がある場合や、MDS内の情報を確認する必要がある場合は、「Oracle WebCenter Portalの構成」を参照してください。
利用可能な構成ツールの詳細は、「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」を参照してください。
注意:
構成ミスをもたらす可能性があるため、adf-config.xml
またはconnections.xml
を手動で編集することはお薦めしません。
WebCenter Portalは、デプロイ後の構成情報をMDSに格納しますが、ポートレット・プロデューサおよびディスカッション・サーバーのための構成情報は、ファイル・システムまたはデータベースに格納されます(表1-4)。
表1-4 WebCenter Portalの構成の場所
アプリケーション | 構成情報の格納場所がMDS | 構成情報の格納場所がファイル・システム | 構成情報の格納場所がデータベース |
---|---|---|---|
WebCenter Portal |
はい |
いいえ |
いいえ |
ポートレット・プロデューサ |
いいえ |
はい |
いいえ |
ディスカッション・サーバー |
いいえ |
はい |
はい |
ディスカッション・サーバーの構成
Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーは、構成情報をそのデータベースに格納します。また、起動構成情報をDOMAIN_HOME
/config/fmwconfig/servers/WC_COLLABORATION/owc_discussions
に格納します。このディレクトリには、jive_startup.xml
、jive.license
ファイル、およびディスカッション・サーバー・インスタンスのためのログ・ファイルを含むlogs
ディレクトリが含まれます。
Oracle WebCenter Portalの状態および構成の永続性
WebCenter PortalはJ2EEアプリケーションとして実行され、アプリケーションの状態と構成はMDSリポジトリに永続的に残ります。アプリケーション内のユーザー・セッション情報は、ローカルでメモリーに保持されます。クラスタ環境では、この状態は、クラスタの他のメンバーにレプリケートされます。
ポートレットまたはサービス環境内のアプリケーション・カスタマイズは、そのサービスによって存続します。初期設定では、Oracleポートレット、構築した任意のカスタム・ポートレット、およびディスカッション・サーバーには、すべて、それら固有のデータベース永続性メカニズムがあります。
分析に関する考慮事項
WebCenter Portalの分析機能には、状態はありません。分析コレクタによって受け取られた要求は、すぐに実行されます。WebCenter Portalによって開始される要求、または分析コレクタによって処理される要求など、転送中の状態は保証されません。
Oracle WebCenter Portalのログ・ファイルの場所
WebCenter Portal、ポートレット・プロデューサ、ディスカッション・サーバーなどで実行される操作は、アプリケーションを実行しているWebLogic管理対象サーバーに直接ログ記録されます。
DOMAIN_HOME/servers/Server_Name/logs/Server_Name-diagnostic.log
たとえば、WebCenter Portalの診断は、/base_domain/servers/
にログ記録されますWC_Portal
/logs/WC_Portal
-diagnostic.log
各WebLogic管理対象サーバーのログ・ファイルは、Oracle WebLogic Server管理コンソールから表示できます。ログを表示するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールhttp://<admin_server_host>:<port>/console
にアクセスし、診断ログ・ファイルをクリックします。
Fusion Middleware Controlから診断ログを表示および構成することもできます。「ログ情報の表示および構成」を参照してください。
Oracle WebCenter Portalのインストールの理解
WebCenter Portalのインストールには、多少の計画が必要です。考慮する質問の一部には、次のものがあります。
-
どのOracle WebCenter Portalコンポーネントを使用しますか。
-
何人のユーザーがこのデプロイメントにアクセスしますか。
-
エンタープライズ・デプロイメントのためにどのように高可用性を提供できますか。
-
WebCenter Portalをどのように保護できますか。
Oracle WebCenter Portalのインストールとインストール後の管理タスクの説明は、『Oracle WebCenter Portalのインストールと構成』の標準インストール・トポロジのインストールと構成のロードマップに関する項を参照してください。
インストール後の高可用性構成については、『高可用性ガイド』の高可用性環境の設定に関する項を参照してください。
管理操作、ロールおよびツールの理解
Oracle WebCenter Portalは、WebCenter Portalのデプロイ、構成、起動と停止、および維持のための複数の異なるツールを提供します。実行できる管理タスクは、割り当てられているOracle WebLogic Serverロール(Admin
、Operator
またはMonitor
)によって異なります。表1-5に、一般的な操作のために必要なOracle WebLogic Serverロールをリストします。これらのロールは、操作がFusion Middleware Control、WLSTコマンドまたはWebLogic Server管理コンソールを介して実行されるかどうかに該当します。
表1-5 WebCenterポータルの操作およびOracle WebLogic Serverロール
操作 | Adminロール | Operatorロール | Monitorロール |
---|---|---|---|
起動および停止 |
はい |
はい |
いいえ |
パフォーマンス・メトリックの表示 |
はい |
はい |
はい |
ログ情報の表示 |
はい |
はい |
はい |
ログ・ファイルの構成 |
はい |
はい |
はい |
構成の表示 |
はい |
はい |
はい |
新しい接続の構成 |
はい |
はい |
いいえ |
接続の編集 |
はい |
はい |
いいえ |
接続の削除 |
はい |
はい |
いいえ |
アプリケーションのデプロイ |
はい |
いいえ |
いいえ |
セキュリティの構成 |
はい |
いいえ |
いいえ |
セキュリティの表示(アプリケーション・ロール/ポリシー) |
はい |
はい |
はい |
アプリケーション全体のエクスポート |
はい |
いいえ |
いいえ |
アプリケーション全体のインポート |
はい |
いいえ |
いいえ |
表1-6に、WebCenter Portalに関連する様々な管理操作を実行するために使用できるツールをまとめています。「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」では、管理ツールについて説明します。
表1-6 WebCenter Portalの操作および管理ツール
操作 | Fusion Middleware Control | WLSTコマンド | WebLogic Server管理コンソール | WebCenter Portal管理 |
---|---|---|---|---|
起動および停止 |
はい |
はい |
はい |
いいえ |
パフォーマンス・メトリックの表示 |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
ログ情報の表示 |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
ログ・ファイルの構成 |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
構成の表示 |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
新しい接続の構成 |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
接続の編集 |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
接続の削除 |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
ポートレット・プロデューサの管理 |
はい |
はい |
いいえ |
はい |
外部アプリケーションの管理 |
はい |
はい |
いいえ |
はい |
アプリケーションのデプロイ |
はい |
はい |
はい |
いいえ |
セキュリティの構成 |
はい |
はい |
はい |
いいえ |
ワークフローの構成 |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
アプリケーション全体のエクスポート |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
アプリケーション全体のインポート |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
WebCenter Portalのカスタマイズ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
はい |
アプリケーション・ユーザーおよびロールの管理 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
はい |
ページの管理 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
はい |
ポータルの管理 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
はい |
ポータルのエクスポート |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
はい |
ポータルのインポート |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
はい |
パフォーマンスのモニタリングおよび診断
パフォーマンスのモニタリングにより、管理者は、環境内の問題およびパフォーマンスのボトルネックを識別できます。「WebCenter Portalのパフォーマンスのモニタリング」では、WebCenter Portalで使用できるパフォーマンス・メトリックの範囲、およびFusion Middleware Controlを使用したパフォーマンス・メトリックのモニター方法について説明します。また、診断ログ・ファイルに記録された情報を分析することにより、問題をトラブルシューティングする方法についても説明します。
セキュリティの理解
Oracle WebCenter Portalの推奨セキュリティ・モデルは、Java Authentication and Authorization Service (JAAS)モデルを実装するOracle ADF Securityに基づいています。次の章では、WebCenter Portalアプリケーションのセキュリティ構成について説明します。
データの移行、バックアップおよびリカバリ
Oracle WebCenter Portalでは、様々な機能領域についての構成および内容に関連するデータが複数の場所に格納されています。Oracle WebCenter Portalには、障害回復や、開発からステージングおよび本番までの本番ライフ・サイクル全体を容易にするための一連のユーティリティが用意されており、それによりこのデータをバックアップし、ステージング環境と本番環境間でデータを移動できます。
「WebCenter Portalのバックアップ、リカバリおよびクローニングの管理」では、これらの作業に利用可能なバックアップ、インポートおよびエクスポートの機能とツールについて説明します。
Oracle WebCenter Portalの管理ツール
Oracle WebCenter Portalには、次の管理ツールが用意されています。
管理者は、構成ファイルを編集するかわりに、これらのツールを使用して管理タスクを実行する必要があります。最適なツールを決定するためのヘルプは、「構成ツール」を参照してください。
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールは、Oracle WebCenter Portalをインストールする際にデプロイされるブラウザベースの管理アプリケーションです。Fusion Middleware Controlコンソールを使用すると、ドメイン(Oracle WebCenter Portalを含むドメインなど)をモニターおよび管理できます。
Fusion Middleware Controlでは、多種多様なパフォーマンス・データおよび管理機能を整理し、個別のWebベースのホームページで提供しています。これらのホームページでは、Webブラウザから、WebCenter Portalコンポーネントの最も重要なモニタリング・データおよび最も一般的な管理機能をすぐに見つけることができます。Fusion Middleware Controlコンソールの一般情報は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用の開始に関する項を参照してください。
Fusion Middleware Controlは、Oracle WebCenter Portalの主要管理ツールです。このツールを使用して、次のことができます。
-
バックエンドのサービスとツールの構成
-
セキュリティ管理の構成
-
プロセス・ライフ・サイクルの制御
-
ログ・ファイルへのアクセスおよびログ構成の管理
-
データ移行の管理
-
パフォーマンスのモニター
-
実行時の問題の診断
-
関連コンポーネントの管理(親管理対象サーバー、MDS、ポートレット・プロデューサなど)
Fusion Middleware Controlコンソールの表示
Fusion Middleware Controlの起動の詳細は、「Fusion Middleware Controlコンソールの表示」を参照してください。
Oracle WebLogic Server管理コンソール
Oracle WebLogic Server管理コンソールは、WebLogic Serverドメインの管理に使用されるブラウザ・ベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。
管理サーバーは、管理コンソール(管理サーバー管理対象サーバーのホスト・アプリケーションへネットワーク・アクセスできる、サポートされている任意のWebブラウザからアクセス可能なWebアプリケーション)をホストします。
管理コンソールを使用すると、以下の操作ができます。
-
WebLogic Serverインスタンスの構成、起動、停止
-
WebLogic Serverクラスタの構成
-
データベース接続(JDBC)、メッセージング(JMS)などのWebLogic Serverサービスの構成
-
セキュリティ・パラメータの構成(ユーザー、グループおよびロールの作成や管理など)
-
アプリケーションの構成とデプロイ
-
サーバー・パフォーマンスとアプリケーション・パフォーマンスのモニター
-
サーバー・ログ・ファイルとドメイン・ログ・ファイルの表示
-
アプリケーションのデプロイメント記述子の表示
-
選択した実行時アプリケーションのデプロイメント記述子要素の編集
Oracle WebLogic Server管理コンソールの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle WebLogic Server管理コンソールの表示に関する項を参照してください。
Oracle WebLogic Scripting Tool(WLST)
WebLogic Scripting Tool (WLST)により、コマンド行から、Oracle WebCenter PortalなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを管理できます。
WLSTは、Jythonに基づいた、Oracle WebLogic Serverドメインを管理するための完全なコマンド行スクリプト環境です。WLSTは、ローカル変数、条件変数およびフロー制御文などのJythonの標準機能に対するサポートに加えて、Oracle WebLogic Serverに固有の一連のスクリプト機能(コマンド)も提供します。WebLogicのスクリプト言語は、Jythonの言語構文に従って個々のニーズに合せて拡張できます。
Oracleでは、WebCenter Portalを詳細に管理およびモニターしたり、コンテンツ・リポジトリ、ポートレット・プロデューサ、外部アプリケーションなどのバックエンド・サービスへの接続を管理するためのWLSTコマンドを提供しています。Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドは、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』のWebCenter PortalのカスタムWLSTコマンドに関する項で説明されています。
Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行
Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドは、Oracleホーム・ディレクトリ(ORACLE_HOME
)から実行する必要があります。
注意:
間違ったディレクトリからWLSTコマンドを実行しようとすると、NameError
が表示されます。WLSTコマンドは、常にOracleホーム・ディレクトリから実行します。
「WebCenter Portalのトラブルシューティング」も参照してください。
コマンド行からWLSTを実行するには:
Oracle WebCenter Portal WLSTコマンドの実行のヒント
-
Oracle WebCenter PortalのWLSTコマンドをリストするには、WLSTコマンド・プロンプトで、
help('webcenter')
と入力します。メッセージ
No help for webcenter found...
が表示される場合は、WLSTスクリプトを誤ったディレクトリから実行している可能性があります。たとえば、wlst.sh
またはwlst.cmd
を、ORACLE_HOME
/common/bin
ではなくoracle_common
ディレクトリから実行している可能性があります。 -
特定のコマンドのヘルプについては、WLSTコマンド・プロンプトで、
help('
WLST_command_name
')
と入力します。 -
コマンドの実行時と、特にWLSTスクリプトの記述時に、引数名を含めます。たとえば、次のように入力することをお薦めします。
createExtAppConnection(appName='webcenter', name='myXApp'...
次のように入力することはお薦めしません。
createExtAppConnection('webcenter', 'myXApp'...
どちらの構文も有効ですが、引数名を含める場合に、エラーまたは構成ミスの可能性が少なくなります。また、将来、引数を追加する場合も、コマンドが失敗することや誤ったプロパティを構成することがありません。
-
クラスタ化環境では、コマンドを実行するときに、必ず「server」引数を指定してください。Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドには、
server
引数が含まれています。この引数は、WebCenter Portalがクラスタにデプロイされている場合には必須になります。 -
Oracle WebCenter PortalのWLSTコマンドのオンライン・ドキュメントは、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』のWebCenter PortalのカスタムWLSTコマンドに関する項で参照できます
システムMBeanブラウザ
Fusion Middleware Controlには、Oracle WebLogic Serverまたは選択したアプリケーションのMBeanを参照できる、一連のMBeanブラウザが用意されています。
注意:
システムMBeanブラウザから、WebCenter PortalのMBeanをモニターおよび構成できますが、構成のためのツールとしてはお薦めしません。WebCenter Portalの設定は、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、ホームページから構成することをお薦めします。
アプリケーションのMBeanにアクセスするには:
WebCenter Portalの管理ページ
WebCenter Portalにはいくつかの管理ページがあり、これらは管理者のユーザー名とパスワードを使用してWebCenter Portalにログインしたユーザーのみに表示されます。
WebCenter Portalの管理ページでは、次のことができます。
-
WebCenter Portalのカスタマイズ
-
ユーザーおよびロールの管理
-
ツールとサービスの設定の管理
-
ポートレット・プロデューサおよび外部アプリケーションの管理
-
個々のポータルおよびポータル・テンプレートの管理
-
ビジネス・ロール・ページの作成および管理
-
個人用ページの管理
-
個々のポータルおよびポータル・テンプレートのエクスポートとインポート
詳細は、「WebCenter Portal管理の設定ページへのアクセス」を参照してください。