5 ツールおよびサービスの管理

WebCenter Portalは、ポータルでコラボレーション、ソーシャル・ネットワーキングおよび個人生産性の機能を公開するツールとサービスをサポートします。一部の機能はデフォルトで使用できますが、その他の機能にはWebCenter Contentのようなバックエンド・サーバーを追加でインストールして構成する必要があります。

注意:

12c (12.2.1.3.0)からは、Oracle WebCenter PortalでのJive機能(お知らせとディスカッション)のサポートは非推奨になりました。 以前のリリースからアップグレードする場合、これらの機能はアップグレード対象の既存のインストールで引き続き使用できます。

権限:

この章のタスクを実行するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールでWebLogic ServerのAdminロール、WebCenter Portal管理でAdministratorロールが付与されている必要があります。

ロールと権限の詳細は、「管理操作、ロールおよびツールの理解」を参照してください。

説明するタスクは、システム管理者がアプリケーションレベルで実行します。『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』ポータル・ツールおよびサービスの概要に関する項で説明されているように、ポータル・レベルでツールとサービスを使用することは、アプリケーション・スペシャリストまたはポータル・マネージャのタスクです。

ツールとサービスについて

WebCenter Portalが提供するツールとサービスにより、ポータルのメンバーは、これらのツールとサービスに関連付けられた各種のタスク・フローを使用してコラボレーションとコミュニケーションが可能になります。個人用ノートなど、一部のツールはデフォルトで使用できるため、さらに構成を行う必要はありません。その他のツール(ドキュメントなど)や、その他のサービス(メールなど)では、バックエンド・サーバーへの接続と追加の構成が必要です。

初期設定で使用可能なツールとサービス

次の表に、WebCenter Portalの初期設定で使用可能なツールとサービスを示します。

表5-1 初期設定で使用可能なツールとサービス

ツールとサービス 説明 外部リポジトリ 関連情報

分析

ポータル・アプリケーションの使用状況とパフォーマンスのメトリックを表示できます

 

分析の管理

お知らせ

重要なアクティビティおよびイベントに関するお知らせを投稿できる機能を、認証されたすべてのユーザーに提供します。  

お知らせおよびディスカッションの管理

ディスカッション

スレッドで構成されるディスカッションの作成、質問の投稿と返信、および回答の検索が可能な機能を提供します。  

お知らせおよびディスカッションの管理

ドキュメント

ファイルのアップロード、ファイルやフォルダの作成と管理、ファイルのチェックアウト、バージョニングなどを含む、コンテンツの管理およびストレージの機能を提供します。ドキュメント・ツールは、Wikiとブログの機能もサポートします。

Oracle WebCenter Content

Oracle WebCenter Content Serverへの接続の管理

イベント

認証されたユーザーの広範囲なグループに関連するイベントのスケジュールの作成およびメンテナンスの機能を提供します。また、Exchangeサーバーが構成されている場合は、Outlookカレンダーから個人用イベントへのアクセスも提供します。

グループ・イベントは初期設定で使用でき、個人イベントは追加構成が必要です。

カレンダ・イベントの管理

リンク

関連情報の表示、アクセスおよび関連付けの機能を提供します。たとえば、イベントからドキュメントにリンクできます

『Oracle WebCenter Portalでのポータルの使用』WebCenter Portalの情報のリンクに関する項

リスト

リストを作成、公開および管理できる機能を提供します。

『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』ポータルへの情報リストの追加に関する項

注意

素早く書き留める機能、および様々な個人関連情報を保持する機能を提供します。

 

通知

サービスおよびアプリケーション・オブジェクトをサブスクライブして、それらのオブジェクトが変更されると1つ以上のメッセージング・チャネルから通知を受信するための手段を提供します。

サブスクリプションおよび通知の管理

ピープル・コネクション

個人プロファイルの作成、現在のステータスの表示、および他のユーザーのアクティビティの表示などのソーシャル・ネットワーキング機能を提供します

ピープル・コネクション機能のオプションを設定できます。

ピープル・コネクションの内容:

  • アクティビティ・ストリーム: アプリケーションまたはソーシャル・ネットワーキング・アクションによって生成されたユーザー・アクティビティを表示します。

  • コネクション: 他のアプリケーション・ユーザーとつながって、情報の共有、パフォーマンスに対するコメント、メッセージの交換およびアクティビティの追跡ができます。

  • フィードバック: 他のユーザーに非定型なパフォーマンス・フィードバックを送ります

  • メッセージ・ボード: 他のユーザーにメッセージを投稿できます。

  • プロファイル: 自分に関する情報を入力したり、他のユーザーの情報を表示することができます

  • パブリッシャ: ステータス・メッセージの公開やファイルおよびリンクの投稿ができます。

  WebCenter Portalのピープル・コネクションの構成

注意: ピープル・コネクションは初期設定で使用でき、追加構成が必要です。

「WebCenter Portalのピープル・コネクションの構成」を参照してください

RSS

単一の場所(ニュース・リーダー)から多数の異なるWebサイトのコンテンツにアクセスできる機能を提供します。

RSSの管理

タグ

1つ以上の個人関連キーワードを特定のページに割り当てる機能を提供します

 

追加構成を行うことで使用可能なツールとサービス

一部のツールとサービスは、適切なバックエンド・アプリケーションへの接続を構成するとWebCenter Portalで使用できるようになります。ポータル・マネージャは、各自のポータルでツールとサービスの管理を担当します。システム管理者は、WebCenter Portal管理の「ツールとサービス」ページで一部の追加構成を設定できます。

図5-1 WebCenter Portalの「ツールとサービス」ページ

図5-1の説明が続きます
「図5-1 WebCenter Portalの「ツールとサービス」ページ」の説明

次の表に、WebCenter Portal Cloud管理の「ツールとサービス」ページで構成可能なツールとサービスを示します。

表5-2 WebCenter Portal管理での「ツールとサービス」の構成

ツールまたはサービス 説明 外部リポジトリ 詳細情報

イベント

認証されたユーザーの広範囲なグループに関連するイベントのスケジュールの作成およびメンテナンスの機能を提供します。また、Exchangeサーバーが構成されている場合は、Outlookカレンダーから個人用イベントへのアクセスも提供します。

 

グループ・イベントは初期設定で使用でき、個人イベントは追加構成が必要です。

カレンダ・イベントの管理

外部アプリケーション

新しい外部アプリケーションの登録、または既存の外部アプリケーションの編集および登録解除が可能です。

  「実行時の外部アプリケーションの管理」

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)

認証された他のユーザーのステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認したり、ユーザーに即時に連絡できる機能を提供します。

Microsoft Exchange Server

インスタント・メッセージおよびプレゼンスの管理

『Oracle WebCenter Portalでのポータルの使用』「インスタント・メッセージおよびプレゼンス・ビューアの使用」

メール

WebCenter Portal内でメールにアクセスしたり、読取り、返信、転送といった基本的な操作を実行できます。

デフォルトのメール・クライアントに、ローカル・メール・クライアントかWebCenter Portalのメール・サービスのいずれかを指定します。

Microsoft Exchange Server

WebCenter Portalのメール通知の送信の構成
ピープル・コネクション

個人プロファイルの作成、現在のステータスの表示、および他のユーザーのアクティビティの表示などのソーシャル・ネットワーキング機能を提供します

ピープル・コネクション機能のオプションを設定できます。

ピープル・コネクションの内容:

  • アクティビティ・ストリーム: アプリケーションまたはソーシャル・ネットワーキング・アクションによって生成されたユーザー・アクティビティを表示します。

  • コネクション: 他のアプリケーション・ユーザーとつながって、情報の共有、パフォーマンスに対するコメント、メッセージの交換およびアクティビティの追跡ができます。

  • フィードバック: 他のユーザーに非定型なパフォーマンス・フィードバックを送ります

  • メッセージ・ボード: 他のユーザーにメッセージを投稿できます。

  • プロファイル: 自分に関する情報を入力したり、他のユーザーの情報を表示することができます

  • パブリッシャ: ステータス・メッセージの公開やファイルおよびリンクの投稿ができます。

  WebCenter Portalのピープル・コネクションの構成
ポートレット・プロデューサ

新しいポートレット・プロデューサの登録、または既存のポートレット・プロデューサの編集および登録解除が可能です。

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  ポートレット・プロデューサの管理
ポータル・サーバー接続 WebCenter Portalをデプロイする新しいポータル・サーバーを登録できます。   ポータル・サーバー接続の作成
検索

サービス、アプリケーションまたはサイト全体を検索できる機能を提供します。

必要に応じた検索設定のカスタマイズ、検索範囲の変更、拡張検索のフィルタリング・オプションの構成が可能です。

12c (12.2.1.3.0)以降、Oracle WebCenter Portalでは、ElasticsearchによるWebCenter Portalのオブジェクトの索引付けと検索をサポートしています。

WebCenter Portal用のElasticsearchの構成

以前のリリースからアップグレードした場合には、「WebCenter PortalでのOracle SESによる検索の構成」で説明されているように、WebCenter PortalはOracle SESを使用するように構成できます

WebCenter Portalでのツールおよびサービスの有効化と無効化

システム管理者は、外部サーバーへの接続の管理を担当し、また、データベース・スキーマと、WebCenter Portal Cloudに固有のアプリケーション・データを格納するMetadata Service (MDS)リポジトリのメンテナンスも行います。

有効な接続が存在する場合は、関連するツールまたはサービスがWebCenter Portalで利用できます。メール・サービスを除き、ツールまたはサービスがテンプレートに組み込まれていない場合は、ポータル・マネージャまたはアプリケーション・スペシャリストがポータル内でツールまたはサービスを有効にする必要があります。メール・サービスは、ポータルの作成時に有効化されます。また、メール・サービスがシステム管理者によって構成されている場合は、個別のポータルでは無効化できなくなります。ポータル・テンプレートにツールが組み込まれていると、そのツールは初回使用時に有効になります。ポータル・マネージャは、ポータル内のツールを手動で無効にできます。ただし、メール・サービスは除きます。

ポータル・マネージャがポータルでツールを手動で有効にした場合は、WebCenter Portalがバックエンド・サーバーで必要な構成を処理します。たとえば、ポータル・マネージャがポータルでディスカッションを有効にした場合、WebCenter Portalはディスカッション・サーバー上でそのポータル用にディスカッション記憶域を構成し、ロールマッピング・ベースの認可を実行しますが、これはつまり、ポータル内でユーザーがディスカッションと連携できるWebCenter Portalのロールを、ディスカッション・サーバー上の対応するロールにマップするということです。ロールマッピングが失敗した場合は、ポータル・マネージャにメールで通知されますが、ユーザーはディスカッションにはアクセスできません。

新しいポータルの作成に使用したテンプレートでツールが有効化されている場合は、そのツールに初めてユーザーがアクセスしたときに、WebCenter Portalにより、バックエンド・サーバーの構成が処理されます。たとえば、/webcenter/portal/PortalName/Discussionsにあるポータルの「ディスカッション」ページにユーザーが初めて移動すると、WebCenter Portalは、ディスカッション・サーバーにそのポータル用のディスカッション記憶域を構成し、ロールマッピング・ベースの認可を実行して、ディスカッション・ページを表示します。

バックエンド・サーバーが意図的またはその他の理由で構成されていない場合、WebCenter Portal Cloudは、そのツールに関連する機能を提供できなくなります。

  • 関連するタスク・フローは、リソース・カタログで利用できなくなります。

  • 既存のタスク・フローは、ツールまたはサービスが利用できないことを示すメッセージを表示します。

  • ツールまたはサービスは、ポータルの管理設定からポータル・マネージャが利用できるものとしてリストされなくなります。

ツールまたはサービスが一時的に利用できない場合、Fusion Middleware Controlを使用してサービスに関連する問題を調査、診断および解決できます。ほとんどのツールとサービスはオプションです。特定のツールやサービスを一時的または永続的にアプリケーションで提供しないことにする場合は、デフォルトの初期設定で表示される、関連するタスク・フローの削除を検討してください。

次のツールとサービスは、ポータル・テンプレートに組み込まれていると、初回使用時に自動的に有効化できます。

  • お知らせ

  • ディスカッション

  • イベント

  • リスト

  • ドキュメント

注意:

ほとんどの場合、ポータル・マネージャは独自のポータルのツールとサービスを管理しますが、WebCenter Portalのシステム管理者は、この作業を必要に応じて実行することもできます。ポータルでのツールおよびサービスの有効化と無効化の詳細は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』ポータルで利用可能なツールおよびサービスの有効化と無効化に関する項を参照してください。