55 ポータルでのElasticsearchの構成

WebCenter Portalでは、ポータルでの検索にElasticsearchが使用されます。ポータル・マネージャは、検索範囲のカスタマイズ、カスタム属性またはファセットのカスタマイズ、およびポータル・ページでの保存済検索タスク・フローの有効化など、ポータルの検索設定を調整できます。

権限:

この章のタスクを実行するには、ポータル・マネージャであるか、ポータル・レベルの権限であるBasic Services: Edit Page Access and Structure (単純権限)またはPages: Edit Pages (アドバンスト権限)を持つポータル・メンバーであることが必要です。

権限の詳細は、「ポータルのロールと権限について」を参照してください。

WebCenter Portalでの検索について

WebCenter Portalでは、ポータルの検索にElasticsearchが使用されます。Elasticsearchでの検索の理解を参照してください。

WebCenter Portalの検索機能以外に、ドキュメント・ツールにはファイル検索用の独自の検索エンジンが用意されています。これを使用してファイルの検索範囲を絞り込むことで、検索時間が短縮され、検索結果の妥当性が向上します。ドキュメント・ツールは、特定のポータルのドキュメント・ライブラリ内を検索します。

アイデンティティ・ストアのユーザーの検索には、別のタイプの検索を使用します(たとえば、メールの「作成」ウィンドウの「ユーザーの検索」アイコン)。

図55-1 メールの「作成」ウィンドウの「ユーザーの検索」アイコン

図55-1の説明が続きます
「図55-1 メールの「作成」ウィンドウの「ユーザーの検索」アイコン」の説明

Elasticsearchでの検索の理解

Elasticsearchは高度にスケーラブルな検索エンジンです。大量のデータを迅速に保存、検索および分析でき、HTTP WebインタフェースとスキーマレスなJSONドキュメントを使用する分散型マルチテナント対応の全文検索エンジンを備えています。

Elasticsearchの利点

  • Elasticsearchは、Luceneに組み込まれている機能と同様の全文検索機能を備えています。

  • Elasticsearchはドキュメント指向型です。データを構造化されたJSONドキュメントとして保存し、すべてのフィールドがデフォルトで索引付けされるため、優れたパフォーマンスを実現します。

  • ElasticsearchはAPI指向であり、シンプルなRestful APIを使用して処理の実行が可能です。

  • Elasticsearchでは、テキストを直接検索するかわりに索引を検索するので、検索結果を高速に取得します。

WebCenter Portalでは、Elasticsearchを構成して次のリソースを検索できます。

  • ドキュメント(Wikiおよびブログを含む)

  • ポータル、ページ・メタデータ、ページ・コンテンツ(HTML、テキストおよびスタイル・テキスト・コンポーネントのコンテンツ)、リストおよび人的リソース

  • お知らせおよびディスカッション(以前のリリースからアップグレードされたポータルでのみ使用可能)

Elasticsearchを使用した検索のカスタマイズ

WebCenter Portalの検索設定は、WebCenter Portal管理でシステム管理者によって構成されます。ポータル・マネージャは、検索範囲を構成して、ホーム・ポータルのみの検索結果を含めるか、すべてのポータルの検索結果を含めるか選択できます。

この項では、次の項目について説明します。

ポータル管理の検索設定へのアクセス

  1. ポータル管理の左側のナビゲーション・ペインで、「ツールとサービス」をクリックします。
  2. 「検索」をクリックします

    「検索設定」ページが開きます。

    この図は、Elastic Searchが構成されている「検索」の管理ページを示しています。

    「検索」設定ページから次を構成できます。

Elasticsearchでの結果タイプの構成

「結果タイプとフィルタリング」セクションでは、検索結果に表示する結果タイプと、フィルタリング・ドロップダウンに含める項目(存在する場合)を選択できます。フィルタリングにより、ユーザーは検索結果またはグローバル検索ボックスのフィルタ・リストを使用して検索結果を絞り込むことができます。

結果タイプを構成し、フィルタリング・オプションを有効にするには:
  1. 「ツールとサービス」ページで、「検索」を選択します。

    右ペインには、WebCenter Portalに構成されている検索オプションが表示されます。ユーザーの検索環境は、構成されている検索のタイプによって異なります。

  2. 「結果タイプとフィルタリング」セクションで、「フィルタリング・ドロップダウンの有効化」を選択して、選択したサービスに基づいた検索結果のフィルタリングを有効にします。
  3. 目的の「WebCenter Portal」サービスを選択し、「使用可能な結果タイプ」「組み込まれた結果タイプ」間でこれらを移動します。
    このイメージは、「結果タイプとフィルタリング」オプションを示しています。
  4. 「保存」をクリックします。

Elasticsearchでの検索範囲の構成

WebCenter Portalで検索範囲を設定するには:

  1. 「ツールとサービス」ページで、「検索」を選択します。

    右ペインには、WebCenter Portalに構成されている検索オプションが表示されます。ユーザーの検索環境は、構成されている検索のタイプによって異なります。

    この図は、Elasticsearchの検索範囲オプションを示しています。
  2. 適切な「検索範囲」を選択して、現在のポータルのみ、またはすべてのポータル(ホーム・ポータルを含む)から結果を表示します。
  3. 「保存」をクリックします。

Elasticsearchでのファセットの構成

ファセット検索を使用すると、複数のフィルタ(作成者、ポータルまたは最終更新日による検索など)を適用して情報を検索できます。「ファセット」セクションでは、このポータルの検索結果で表示するファセットを選択できます。ファセットを使用すると、ユーザーは新しい検索を実行せずに索引データをナビゲートできます。検索内のファセット・ナビゲーションにより、ユーザーは検索対象を明確にすることができ、また新しい発見さえも可能になります。

WebCenter Portalでカスタム・ファセットを構成するには:
  1. 「ツールとサービス」ページで、「検索」を選択します。

    右ペインには、WebCenter Portalに構成されている検索オプションが表示されます。ユーザーの検索環境は、構成されている検索のタイプによって異なります。

  2. 「ファセット」セクションで、目的のファセットを選択し、「使用可能なファセット」リストと「組み込まれたファセット」リストの間でこれらを移動します。

    また、ファセットが表示される順序を変更することもできます。

    この図は、Elasticsearchのファセット・オプションを示しています。
  3. 「保存」をクリックします。

Elasticsearchでのカスタム属性を使用した検索結果の強化

「検索設定」ページの「カスタム属性」セクションでは、検索結果に表示されるカスタム検索属性と、それらの属性の表示順序を選択できます。

カスタム属性を構成するには:
  1. 「ツールとサービス」ページで、「検索」を選択します。

    右ペインには、WebCenter Portalに構成されている検索オプションが表示されます。ユーザーの検索環境は、構成されている検索のタイプによって異なります。

  2. 「カスタム属性」セクションで、目的のカスタム属性を選択し、「使用可能な属性」リストと「組み込まれた属性」リストの間でこれらを移動します。

    また、属性が表示される順序を変更することもできます。

    この図は、Elasticsearchのカスタム属性を示しています。
  3. 「保存」をクリックします。

検索結果の保存

ユーザーがポータル・ページで保存済検索を追加および管理できるようにします。ポータル・ユーザーは、ポータル・ページで検索結果を保存し、保存済検索を管理できます。

WebCenter Portalは、次の保存済検索タスク・フローをサポートしています。

  • すべての保存済検索: ポータル内で使用可能な保存済検索を表示するために使用します。このタスク・フローでは、ポータル・ユーザーが保存済検索を表示および実行できます。

  • 保存済の検索: ポータル内で使用可能なすべての保存済検索がタスク・フローとしてこのフォルダに保存されます。ポータル・ユーザーがポータル・ページで検索結果を直接参照できるようにすることができます。

内容は次のとおりです。

ページへの「保存済の検索」タスク・フローの追加

「保存済の検索」タスク・フローをページに追加すると、WebCenter Portalユーザーがポータル・ページで保存済の検索を表示、カスタマイズおよび実行できるようになります。

ページに1つ以上の「保存済の検索」タスク・フローを追加するステップは、「ページへのコンポーネントの追加」を参照してください。

ノート:

リソース・カタログでの「保存済の検索」タスク・フローの有無や場所は、リソース・カタログの構成方法によって異なります。たとえば、デフォルトのリソース・カタログでは、「保存済の検索」タスク・フローは「タグ付けと検索」フォルダに含まれます。

「保存済の検索」タスク・フローのプロパティの使用

「保存済の検索」タスク・フローには関連するプロパティがあり、これらのプロパティには、十分な権限を持つユーザーが、タスク・フローの「アクション・メニューの表示」からアクセスできます。たとえば、「パラメータ」を選択して、「パラメータ」ダイアログを表示します。


「保存済の検索」タスク・フロー・パラメータ

次の各項では、「保存済の検索」タスク・フローのプロパティと、このタスク・フローのパラメータについて説明します。

「保存済の検索」タスク・フロー・プロパティの設定

ページ・エディタでコンポーネントを選択すると、「アクション・メニューの表示」が開き、ここから、コンポーネントのプロパティ(「パラメータ」、「アクセス」、「表示オプション」、「スタイル」および「コンテンツ・スタイル」)にアクセスできます。

「保存済の検索」タスク・フロー・プロパティを設定するには:

  1. ページ・エディタで、このタスク・フローを含むページを開きます(「ページ・エディタでのページのオープン」を参照)。
  2. タスク・フローを選択して「アクション・メニューの表示」をクリックし、設定するプロパティを選択します。
    • パラメータによって、デフォルトのタスク・フロー・コンテンツが制御されます。各パラメータの詳細は、「「保存済の検索」タスク・フロー・パラメータ」を参照してください。パラメータをイベントに結び付けたり、パラメータを使用してタスク・フローとページ・パラメータおよびページ定義変数を簡単に結び付けることができます。詳細は、「ページとコンポーネントの結付け」を参照してください。

    • アクセス設定で、特定のロール、ユーザーまたはグループに対してコンポーネントを表示または非表示にします。詳細は、「コンポーネント・アクセスの設定」を参照してください。

    • 「表示オプション」、「スタイル」および「コンテンツ・スタイル」のプロパティは、すべてのユーザーのタスク・フローの外観および動作に影響を及ぼします。これらのプロパティは、すべてのタスク・フローに共通しています。詳細は、「コンポーネント・プロパティの変更」を参照してください。

    「パラメータ」ダイアログと「表示オプション」ダイアログから式言語(EL)エディタにアクセスできます。ELエディタを使用すると、定数値のかわりに変数値を選択または指定できます。プロパティの横にある式エディタのアイコンアイコンをクリックし、「式ビルダー」を選択してエディタを開きます。

    ノート:

    「表示オプション」ダイアログにELを入力する際、閉じ大カッコがないなど無効な構文が検出された場合にのみ、パーサーはエラーを報告します。検証は構文に対してのみ行われ、式の値に対しては行われません。汎用の表示オプションとは、表10-1に掲載されているオプションです。

    ELの検証は、汎用ではない表示オプションに対しては実行されません。

    ELのサポートが必要な場合は、アプリケーション開発者がEL式を指定できます。Oracle WebCenter Portalの開発「式言語式」を参照してください。

  3. 変更を保存します。
「保存済の検索」タスク・フロー・パラメータ

次の表は、「保存済の検索」タスク・フローに固有のパラメータについて説明しています。

ノート:

「すべての保存済検索」タスク・フローには固有のプロパティがないため、「パラメータ」ダイアログにはパラメータは表示されません。

表55-1 「保存済の検索」タスク・フロー・パラメータ

パラメータ 説明

Instance Id

インスタンスの一意のID。

検索キーワード

検索するために使用するキーワードまたは用語。

Save Search Id

保存済の検索の一意のID。

Service Id

サービスの一意のID。

「保存済の検索」タスク・フローの使用

ユーザーが「保存済の検索」タスク・フローを操作する方法の詳細は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの使用』検索結果の保存に関する項を参照してください。