32 URIを使用したデータ・アクセス
URIを生成してデータベースに格納し、これらを使用して、ターゲットとするデータベース・データを取得できます。この方法を使用できるURIには、DBUri、XDBUriおよびHTTPUriの3種類があります。
- Oracle XML DB URIの機能の概要
URIをインダイレクション・メカニズムとして使用してデータベース・データにアクセスしたり、データベース・データをターゲットとするURIを使用してXML文書を生成したりできます。 - URIとURL
WebベースのXMLアプリケーションの開発では、Uniform Resource Identifier(URI)を使用して、ネットワーク上にあるデータを参照することがよくあります。URL(Uniform Resource Locator)は、インターネット・プロトコルを使用してオブジェクトにアクセスするURIです。 - URITypeとそのサブタイプ
様々な種類のパスをデータベース・オブジェクトとして表現できます。これらは、サーバーの内外に格納されたデータへの統一アクセスを提供するため、これらを使用することで、XML文書内のURIをデータベース列にマッピングし、文書が、リレーショナル列に格納されているデータを参照して外部に公開できるようになります。 - URITypeインスタンスを使用したデータ・アクセス
URITypeサブタイプのインスタンスをインダイレクションに使用するには、そのようなインスタンスをデータベースに格納し、getCLOB()などのPL/SQLメソッドを使用して問い合せてターゲットのデータを取得します。 - XDBUris: リポジトリ・リソースへのポインタ
XDBURITypeは、URIを使用してOracle XML DBリポジトリのリソースを公開するURITypeのサブタイプです。オブジェクト型XDBURITypeのインスタンスはXDBUrisと呼ばれます。 - DBUris: データベース・データへのポインタ
DBUriは、データベース・データをターゲットとするURIです。URITypeサブタイプのすべてのインスタンスに関して、DBUriはデータへの間接アクセスを提供します。また、DBURITypeにより、XPathを使用してデータベース・データをアドレッシングして、DBUriのターゲットとなるデータベース・データが含まれ、データベースの構造が反映されたXML文書を構成することもできます。 - パッケージURIFACTORYを使用したURITypeの新しいサブタイプの作成
特定のプロトコルに対応するURITypeの独自のサブタイプを定義できます。PL/SQLパッケージURIFACTORYを使用すると、URITypeインスタンスのURIを取得したり、URI文字列の文字のエスケープを追加または削除したり、特定のURLを処理するためのタイプ名を登録または登録解除することができます。 - sys_DburiGen SQL関数
DBUriを作成するには、XPath式をコンストラクタDBURIType、または適切なURIFACTORYPL/SQLメソッドに対して指定します。Oracle SQL関数sys_DburiGenを使用すると、データベース列とその値から構成されたXPathを使用してDBUriを作成することもできます。 - DBUriServlet
リポジトリ・リソースは、Oracle XML DB HTTPサーバーを使用して取得できます。Oracle Databaseには、あらゆる種類のデータベース・データを、HTTP(S) URLを介して利用できるようにするサーブレットDBUriServletも含まれています。データは、プレーン・テキスト、HTMLまたはXMLとして戻されます。
親トピック: Oracle XML DBリポジトリ
32.1 Oracle XML DB URIの機能の概要
URIをインダイレクション・メカニズムとして使用してデータベース・データにアクセスしたり、データベース・データをターゲットとするURIを使用してXML文書を生成することができます。
-
インダイレクション・メカニズムとしてのパスの使用: パスをデータベースに格納して、そのパスを参照することによって間接的にターゲットにアクセスすることができます。パスの種類としては、様々な種類のUniform Resource Identifier(URI)を使用できます。
-
そのターゲット・データベース・データを使用したXML文書の生成: インダイレクションで特に使用できるURIの1つの種類であるDBUriは、データベース・データへのアドレッシングで使用できる便利なXPath表記法を提供します。DBUriを使用して、データベース・データを含み、データベースの構造を反映した構造を持つXML文書を構成できます。
親トピック: URIを使用したデータ・アクセス
32.2 URIとURL
WebベースのXMLアプリケーションの開発では、Uniform Resource Identifier(URI)を使用して、ネットワーク上にあるデータを参照することがよくあります。URL(Uniform Resource Locator)は、インターネット・プロトコルを使用してオブジェクトにアクセスするURIです。
URIには次の2つの部分があり、シャープ記号(#)で区切られています。
-
文書を識別するURL部分。
-
ドキュメント内のフラグメントを識別するフラグメント部分。フラグメントの表記法は、ドキュメント・タイプによって異なります。HTML文書ではアンカー名となります。XML文書ではXPath式です。
一般的なURIは次のとおりです。
-
HTML:
http://www.example.com/document1#some_anchor。ここでsome_anchorは、HTML文書内の名前付きアンカーです。 -
XML:
http://www.example.com/xml_doc#/po/cust/custname。ここで、各項目は次のとおりです。-
http://www.example.com/xml_docはXML文書の位置を識別します。 -
/po/cust/custnameは文書内のフラグメントを識別します。この部分はW3CのXPointer勧告で定義されています。
-
関連項目:
-
Web Services Activity Statement(HTTP(S)のURLの表記法の説明)
親トピック: URIを使用したデータ・アクセス
32.3 URITypeとそのサブタイプ
様々な種類のパスをデータベース・オブジェクトとして表現できます。これらは、サーバーの内外に格納されたデータへの統一アクセスを提供するため、これらを使用することで、XML文書内のURIをデータベース列にマッピングし、文書が、リレーショナル列に格納されているデータを参照して外部に公開できるようになります。
使用可能なパス・オブジェクト型は、HTTPURIType、DBURITypeおよびXDBURITypeで、これらはすべて抽象オブジェクト型URITypeから導出されます。
-
HTTPURIType- この型のオブジェクトはHTTPUriと呼ばれ、http://で始まるURLを表します。HTTPURITypeを使用すると、リモートのWebページ(またはファイル)へのリンクを表すオブジェクトを作成して、オブジェクト・メソッドをコールすることでそのWebページを取得することができます。HTTPUriTypeを使用するアプリケーションは、適切なアクセス権限を持っている必要があります。HTTPUriTypeは、リモート・ページにアクセスするためのHyper Text Transfer Protocol(HTTP(S))を実装します。HTTPURITypeはパッケージUTL_HTTPを使用してデータをフェッチするため、このパッケージのセッション設定およびアクセス制御を使用してHTTPフェッチを変更することもできます。関連項目:
外部ネットワーク・サービスへのファイングレイン・アクセスの管理の詳細は、Oracle Databaseセキュリティ・ガイドを参照してください。
-
DBURIType- この型のオブジェクトはDBUriと呼ばれ、データベース・データ(表、1つまたは複数の行、1つの列)をターゲットとするURIを表します。DBURITypeを使用すると、データベース・データへのリンクを表すオブジェクトを作成して、オブジェクト・メソッドをコールすることでそのデータをXML形式で取得することができます。DBUriは簡単な形式のXPath式をURI構文として使用します。たとえば、次のXPath式は、表HR.employeesの、列first_nameの値がJackである行へのDBUri参照です。/HR/EMPLOYEES/ROW[FIRST_NAME="Jack"] -
XDBURIType- この型のオブジェクトはXDBUriと呼ばれ、Oracle XML DBリポジトリのリソースをターゲットにしているURIを表します。PL/SQLコンストラクタXDBURITypeを使用すると、リポジトリ・リソースへのリンクを表すオブジェクトを作成できます。そして、これらのオブジェクトでメソッドをコールして、リソースの全部または一部を取得できます。XDBUriのURI構文はリポジトリ・リソース・アドレスで、オプションでその後にXPath式が続きます。たとえば、/public/hr/doc1.xml#/purchaseOrder/lineItemは、フォルダ/public/hrのリポジトリ・ファイルdoc1.xmlにおけるルート要素purchaseOrderのlineItem子要素へのXDBUri参照です。
これらの各オブジェクト型は、抽象オブジェクト型URITypeから導出されたものです。抽象型なのでインスタンス(オブジェクト)を持ちません。インスタンスを持つのはそのサブタイプのみです。
型URITypeには次の機能があります。
-
サーバーの内外に格納されたデータへの統一アクセス。
URIType値を使用してHTTP(S)およびDBUriへのポインタを格納できるので、データの場所を考慮せずに問合せおよび索引を作成できます。 -
XML文書内のURIのデータベース列へのマッピング。XML文書が分解されオブジェクト・リレーショナル表と列に格納されると、文書に含まれるURIは、適切な
URITypeサブタイプのデータベース列にマップされます。
リレーショナル列に格納されているデータを参照して、URIを使用して外部に公開することができます。Oracle Databaseには、DBUriを解釈する標準のサーブレットDBUriServletが用意されています。また、URL参照のフェッチに使用できる、PL/SQLパッケージUTL_HTTPとJavaクラスjava.net.URLも用意されています。
URIType列は、Oracle Database内でOracle Textを使用してネイティブに索引付けできます。特別のデータストアは不要です。
- DBUriおよびXDBUriの概要
DBUriおよびXDBUriの重要な用途は、WebページからXSLTスタイルシートを参照したり、データベース表またはリポジトリ・フォルダのデータをSQLを使用しないで参照したり、Webサーバーをバイパスすることによってパフォーマンスを向上させることです。 - URIType PL/SQLメソッド
抽象オブジェクト型URITypeに含まれているPL/SQLメソッドを、その各サブタイプで使用できます。これらの各メソッドは、任意のサブタイプによってオーバーライドできます。
関連トピック
関連項目:
新しいURITypeサブタイプの定義の詳細は、パッケージURIFACTORYを使用したURITypeの新しいサブタイプの作成を参照してください。
親トピック: URIを使用したデータ・アクセス
32.3.1 DBUriおよびXDBUriの概要
DBUriおよびXDBUriの重要な用途は、WebページからXSLTスタイルシートを参照したり、データベース表またはリポジトリ・フォルダのデータをSQLを使用しないで参照したり、Webサーバーをバイパスすることによってパフォーマンスを向上させることです。
-
データベースから生成されたWebページ内でXSLTスタイルシートを参照できます。PL/SQLパッケージ
DBMS_METADATAでは、DBUriを使用してXSLTスタイルシートを参照できます。XDBUriを使用すると、Oracle XML DBリポジトリに格納されたXSLTスタイルシートも参照できます。 -
データベースに格納されたHTML、イメージおよびその他のデータを参照できます。URLを使用して、データベース表またはリポジトリ・フォルダに格納されたデータを指すことができます。
-
Webサーバーをバイパスすることによって、パフォーマンスを向上できます。XML文書内にあるグローバルURLをデータベースへの参照に置換し、サーブレット、DBUri、XDBUriのいずれかを使用して、ターゲットのコンテンツを取得します。DBUriまたはXDBUriを使用すると、Webサーバーを介さずにデータベースと直接対話できるため、サーブレットを使用する場合よりパフォーマンスが向上します。
-
DBUriを使用すると、SQLを使用しないでデータベース内のXML文書にアクセスできます。
-
アクセス権限のあるデータベース表にリポジトリ・リソースが格納されている場合は、XDBUriやDBUriを使用してそのコンテンツにアクセスできます。
関連項目:
Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンスの「DBMS_METADATAパッケージ」
親トピック: URITypeとそのサブタイプ
32.3.2 URIType PL/SQLメソッド
抽象オブジェクト型URITypeに含まれているPL/SQLメソッドを、その各サブタイプで使用できます。これらの各メソッドは、任意のサブタイプによってオーバーライドできます。
表32-1に、URIType PL/SQLメソッドをリストします。さらに、各サブタイプには、サブタイプと同名のコンストラクタが含まれます。
表32-1 URIType PL/SQLメソッド
| URITypeメソッド | 説明 |
|---|---|
getURL() |
URLを直接参照せず、このメソッドを使用します。 |
getExternalURL() |
|
getContentType() |
URIのMIMEコンテンツ・タイプを戻します。 HTTPUri: コンテンツ・タイプを戻すため、URLが後に続き、MIMEヘッダーが検査されます。 DBUri: 戻されるコンテンツ・タイプは XDBUri: リポジトリ・リソースの |
getCLOB() |
URIのターゲットが DBUri: XMLデータが戻されます(ターゲットのデータがそのまま戻される、ノード・テスト |
getBLOB() |
URIのターゲットが DBUri: |
getXML() |
URIのターゲットが |
createURI() |
|
- HTTPURIType PL/SQLメソッドGETCONTENTTYPE()
HTTPURITypePL/SQLメソッドgetContentType()は、ターゲット文書に関するMIME情報を戻します。この情報を使用して、文書をBLOBインスタンスとCLOBインスタンスのどちらで取得するかを判断できます。 - DBURIType PL/SQLメソッドGETCONTENTTYPE()
PL/SQLメソッドgetContentType()はURLのMIME情報を戻します。DBUriのターゲットがスカラー値の場合、戻されるMIMEコンテンツ・タイプはtext/plainです。それ以外の場合はtext/xmlです。 - DBURIType PL/SQLメソッドGETCLOB()
PL/SQLメソッドgetCLOB()がDBUriに適用される場合、ターゲットとなるデータは、ターゲットの列または表の名前をXML要素名にしたXMLデータとして戻されます。ターゲットのXPathがノード・テストtext()を使用する場合、データは、XMLタグで囲まれていないテキストとして戻されます。 - DBURIType PL/SQLメソッドGETBLOB()
BLOB列をターゲットとするDBUriに適用されると、PL/SQLメソッドgetBLOB()は16進の文字データとして変換されたバイナリ・データを戻します。非バイナリ・データをターゲットとするDBUriに適用されると、メソッドgetBLOB()はデータを(BLOB値として)データベース・キャラクタ・セットで戻します。
親トピック: URITypeとそのサブタイプ
32.3.2.1 HTTPURIType PL/SQLメソッドGETCONTENTTYPE()
HTTPURIType PL/SQLメソッドgetContentType()は、ターゲット文書に関するMIME情報を戻します。この情報を使用して、文書をBLOBインスタンスとCLOBインスタンスのどちらで取得するかを判断できます。
たとえば、MIMEタイプx/jpegのWebページをBLOBインスタンスとして処理し、MIMEタイプtext/plainまたはtext/htmlのWebページをCLOBインスタンスとして処理できます。
例32-1では、データをCLOBインスタンスとBLOBインスタンスのいずれで取得するかを判断するためにHTTPコンテンツ・タイプがテストされています。コンテンツ・タイプ・データはHTTPURITypeの場合はHTTPヘッダー、DBURITypeの場合はデータベース列のメタデータです。
例32-1 HTTPURIType PL/SQLメソッドGETCONTENTTYPE()の使用
DECLARE
httpuri HTTPURIType;
y CLOB;
x BLOB;
BEGIN
httpuri := HTTPURIType('http://www.oracle.com/index.html');
DBMS_OUTPUT.put_line(httpuri.getContentType());
IF httpuri.getContentType() = 'text/html'
THEN
y := httpuri.getCLOB();
END IF;
IF httpuri.getContentType() = 'application-x/bin'
THEN
x := httpuri.getBLOB();
END IF;
END;
/
text/html親トピック: URIType PL/SQLメソッド
32.3.2.2 DBURIType PL/SQLメソッドGETCONTENTTYPE()
PL/SQLメソッドgetContentType()はURLのMIME情報を戻します。DBUriのターゲットがスカラー値の場合、戻されるMIMEコンテンツ・タイプはtext/plainです。それ以外の場合はtext/xmlです。
CREATE TABLE dbtab (a VARCHAR2(20), b BLOB);
次のXPath式に対応するDBUriのコンテンツ・タイプは、それぞれがXMLデータの完全な列をターゲットにしているため、text/xmlです。
-
/HR/DBTAB/ROW/A -
/HR/DBTAB/ROW/B
次のXPath式に対応するDBUriのコンテンツ・タイプは、それぞれがスカラー値をターゲットにしているため、text/plainです。
-
/HR/DBTAB/ROW/A/text() -
/HR/DBTAB/ROW/B/text()
親トピック: URIType PL/SQLメソッド
32.3.2.3 DBURIType PL/SQLメソッドGETCLOB()
PL/SQLメソッドgetCLOB()がDBUriに適用される場合、ターゲットとなるデータは、ターゲットの列または表の名前をXML要素名にしたXMLデータとして戻されます。ターゲットのXPathがノード・テストtext()を使用する場合、データは、XMLタグで囲まれていないテキストとして戻されます。
どちらの場合も、データはデータベース・キャラクタ・セットで戻されます。
たとえば、XPathが/HR/DBTAB/ROW/A/text()であるDBUriに適用されると、Aが非バイナリ列の場合、列Aのデータがそのまま戻されます。XPathノード・テストtext()を使用しない場合、結果はXML形式にラップされたデータです。
<HR><DBTAB><ROW><A>...data_in_column_A...</A></ROW></DBTAB></HR>
バイナリ(BLOB)列をターゲットとするDBUriに適用された場合、列内のバイナリ・データは16進の文字データに変換されます。
たとえば、XPathが/HR/DBTAB/ROW/B/text()であるDBUriに適用されると、BがBLOB列の場合、ターゲットのバイナリ・データは16進の文字データに変換されて戻されます。XPathノード・テストtext()を使用しない場合、結果はXML形式にラップされた変換データです。
<HR><DBTAB><ROW><B>...data_translated_to_hex...</B></ROW></DBTAB></HR>親トピック: URIType PL/SQLメソッド
32.3.2.4 DBURIType PL/SQLメソッドGETBLOB()
BLOB列をターゲットとするDBUriに適用されると、PL/SQLメソッドgetBLOB()は16進の文字データとして変換されたバイナリ・データを戻します。非バイナリ・データをターゲットとするDBUriに適用されると、メソッドgetBLOB()はデータを(BLOB値として)データベース・キャラクタ・セットで戻します。
例として表dbtabを参照してください。
CREATE TABLE dbtab (a VARCHAR2(20), b BLOB);
XPath式/HR/DBTAB/ROW/Bに対応するDBUriにgetBLOB()を適用した場合、列Bの16進文字変換をコンテンツとするルート要素Bを持つXML文書を含むBLOB値が戻されます。
XPath式/HR/DBTAB/ROW/B/text()に対応するDBUriにgetBLOB()を適用した場合、列Bのバイナリ・データの16進文字変換のみを含むBLOB値が戻されます。
非バイナリ・データをターゲットとするXPath式/HR/DBTAB/ROW/A/text()に対応するDBUriにgetBLOB()を適用した場合、列Aのデータを含むBLOB値が、データベースのキャラクタ・セットで戻されます。
親トピック: URIType PL/SQLメソッド
32.4 URITypeインスタンスを使用したデータ・アクセス
URITypeサブタイプのインスタンスをインダイレクションに使用するには、そのようなインスタンスをデータベースに格納し、getCLOB()などのPL/SQLメソッドを使用して問い合せてターゲットのデータを取得します。
データベース列を作成するには、URITypeまたはそのサブタイプのいずれかを使用するか、各URIのテキストのみを文字列として格納し、その後、URIへのアクセスがあったときに、必要なURITypeインスタンスをオン・デマンドで作成します。様々なURITypeサブタイプのオブジェクトを、同一のURIType データベース列に格納できます。
URITypeサブタイプから継承した独自のオブジェクト型を定義することもできます。新しい型を導出すると、カスタムのテクニックを使用してデータを取得、変換、またはフィルタリングできます。
例32-2は、HTTPUriおよびDBUri (URITypeサブタイプHTTPURITypeおよびDBURITypeのインスタンス)を、同じデータベース列(URIType型)に格納しています。問合せは、各URIが指しているデータを取得します。最初のURIはWebページのURLです。2番目のURIは標準データベース・スキーマHRの表employees内のデータを参照しています(説明を簡潔にするため、Webページの最初の部分のみを示しています)。
URIType PL/SQLメソッドcreateURI()を使用するには、使用する特定のURITypeサブタイプを把握している必要があります。パッケージURIFACTORYのPL/SQLメソッドgetURI()を使用すると、かわりに遅延バインディングを使用して、実行時に特定の型情報を決定できます。
PL/SQLファクトリ・メソッドURIFACTORY.getURI()は、引数としてURI文字列をとります。適切なサブタイプ(HTTPURIType、DBURITypeまたはXDBURIType)のURITypeインスタンスを、URI文字列の形式に基づいて戻します。
-
URIの先頭が
http://の場合、getURI()はHTTPUriを作成して戻します。 -
URIの先頭が
/oradb/または/dburi/の場合、getURI()はDBUriを作成して戻します。 -
それ以外の場合は
getURI()はXDBUriを作成して戻します。
例32-3は例32-2と似ていますが、この例では、2つの異なる方法を使用してURIのターゲットとなっている文書を取得します。
-
PL/SQLメソッド
SYS.URIFACTORY.getURI()と絶対URI-
HTTPアドレス
http://www.oracle.comをターゲットとするHTTPUri -
データベース・アドレス
/oradb/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]をターゲットとするDBUri
-
-
コンストラクタ
SYS.HTTPURIType()と相対URL (http://なし)。絶対URIの場合と同じHTTPUri、Oracleホームページを使用しています。
例32-3では、getURI()に渡されるURI文字列はハードコードされていますが、これをアプリケーションが実行時に取得する文字列値にすることも非常に簡単に可能です。
例32-2 URI列の作成と問合せ
CREATE TABLE uri_tab (url URIType);
Table created.
INSERT INTO uri_tab VALUES (HTTPURIType.createURI('http://www.oracle.com'));
1 row created.
INSERT INTO uri_tab VALUES (DBURIType.createURI(
'/HR/EMPLOYEES/ROW[FIRST_NAME="Jack"]'));
1 row created.
SELECT e.url.getCLOB() FROM uri_tab e;
E.URL.GETCLOB()
-------------------------------------------------------------------
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0 Transitional//EN">
<html>
<head>
. . .
<?xml version="1.0"?>
<ROW>
<EMPLOYEE_ID>177</EMPLOYEE_ID>
<FIRST_NAME>Jack</FIRST_NAME>
<LAST_NAME>Livingston</LAST_NAME>
<EMAIL>JLIVINGS</EMAIL>
<PHONE_NUMBER>011.44.1644.429264</PHONE_NUMBER>
<HIRE_DATE>23-APR-06</HIRE_DATE>
<JOB_ID>SA_REP</JOB_ID>
<SALARY>8400</SALARY>
<COMMISSION_PCT>.2</COMMISSION_PCT>
<MANAGER_ID>149</MANAGER_ID>
<DEPARTMENT_ID>80</DEPARTMENT_ID>
</ROW>
2 rows selected.
例32-3 各種の方法で作成された様々な種類のURIの使用
CREATE TABLE uri_tab (docUrl SYS.URIType, docName VARCHAR2(200));
Table created.
-- Insert an HTTPUri with absolute URL into SYS.URIType using URIFACTORY.
-- The target is Oracle home page.
INSERT INTO uri_tab VALUES
(SYS.URIFACTORY.getURI('http://www.oracle.com'), 'AbsURL');
1 row created.
-- Insert an HTTPUri with relative URL using constructor SYS.HTTPURIType.
-- Note the absence of prefix http://. The target is the same.
INSERT INTO uri_tab VALUES (SYS.HTTPURIType('www.oracle.com'), 'RelURL');
1 row created.
-- Insert a DBUri that targets employee data from table HR.employees.
INSERT INTO uri_tab VALUES
(SYS.URIFACTORY.getURI('/oradb/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]'), 'Emp200');
1 row created.
-- Extract all of the documents.
SELECT e.docUrl.getCLOB(), docName FROM uri_tab e;
E.DOCURL.GETCLOB()
-----------------
DOCNAME
------------------------------------
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0 Transitional//EN">
<html>
<head>
. . .
AbsURL
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html>
<head>
. . .
RelURL
<?xml version="1.0"?>
<ROW>
<EMPLOYEE_ID>200</EMPLOYEE_ID>
<FIRST_NAME>Jennifer</FIRST_NAME>
<LAST_NAME>Whalen</LAST_NAME>
<EMAIL>JWHALEN</EMAIL>
<PHONE_NUMBER>515.123.4444</PHONE_NUMBER>
<HIRE_DATE>17-SEP-03</HIRE_DATE>
<JOB_ID>AD_ASST</JOB_ID>
<SALARY>4400</SALARY>
<MANAGER_ID>101</MANAGER_ID>
<DEPARTMENT_ID>10</DEPARTMENT_ID>
</ROW>
Emp200
3 rows selected.
-- In PL/SQL
CREATE OR REPLACE FUNCTION returnclob
RETURN CLOB
IS a SYS.URIType;
BEGIN
SELECT docUrl INTO a FROM uri_Tab WHERE docName LIKE 'Emp200%';
RETURN a.getCLOB;
END;
/
Function created.
SELECT returnclob() FROM DUAL;
RETURNCLOB()
---------------------------------------------------------------
<?xml version="1.0"?>
<ROW>
<EMPLOYEE_ID>200</EMPLOYEE_ID>
<FIRST_NAME>Jennifer</FIRST_NAME>
<LAST_NAME>Whalen</LAST_NAME>
<EMAIL>JWHALEN</EMAIL>
<PHONE_NUMBER>515.123.4444</PHONE_NUMBER>
<HIRE_DATE>17-SEP-03</HIRE_DATE>
<JOB_ID>AD_ASST</JOB_ID>
<SALARY>4400</SALARY>
<MANAGER_ID>101</MANAGER_ID>
<DEPARTMENT_ID>10</DEPARTMENT_ID>
</ROW>
1 row selected.32.5 XDBUris: リポジトリ・リソースへのポインタ
XDBURITypeは、URIを使用してOracle XML DBリポジトリのリソースを公開するURITypeのサブタイプです。オブジェクト型XDBURITypeのインスタンスはXDBUrisと呼ばれます。
- XDBUri URIの構文
XDBUri URIのURL部分は、ターゲットのリポジトリ・リソースの階層アドレスです。XPath式ではなく、リポジトリ・パスです。URIのオプションのフラグメント部分(シャープ記号(#)の後)は、XPath構文を使用してXML文書の部分をターゲットにします。 - XDBUriの使用: 例
ここで示すXDBUriの例では、表のURIを使用してリポジトリ・リソースにアクセスし、PL/SQLメソッドgetXMLを使用してXML文書を問い合せおよび取得します。
親トピック: URIを使用したデータ・アクセス
32.5.1 XDBUri URIの構文
XDBUri URIのURL部分は、ターゲットのリポジトリ・リソースの階層アドレスです。XPath式ではなく、リポジトリ・パスです。URIのオプションのフラグメント部分(シャープ記号(#)の後)は、XPath構文を使用してXML文書の部分をターゲットにします。
URIのオプションのフラグメント部分が適切なのは、ターゲットのリソースがXML文書であり、フラグメント部分がXML文書の1つ以上の部分をターゲットとする場合のみです。ターゲットのリソースがXML文書でない場合は、フラグメントとシャープ記号を省略します。
次に、XDBUri URIの例を示します。
-
/public/hr/image27.jpg -
/public/hr/doc1.xml#/PurchaseOrder/LineItem
これらのURIの形式に基づいて、次のように判断できます。
-
/public/hrはOracle XML DBリポジトリのフォルダ・リソースです。 -
image27.jpgおよびdoc1.xmlはフォルダ/public/hrにあるリソースです。 -
リソース
doc1.xmlはファイル・リソースで、1つのXML文書を含みます。 -
XPath式 /
PurchaseOrder/LineItemは、XML文書doc1.xmlの要素PurchaseOrder内のLineItem子要素を参照しています。
XDBUriを作成するには、パッケージURIFACTORYのPL/SQLメソッドgetURI()を使用します。
XDBURITypeは、URIFACTORY PL/SQLメソッドgetURI()を使用してインスタンスを生成する場合にデフォルトで使用されるURITypeです。ただしURIに、認識された接頭辞http://、/dburi、および/oradbのいずれかがある場合を除きます。
たとえば、リソースdoc1.xmlがリポジトリ・フォルダ/public/hrに存在する場合、次の問合せにより、そのリソースをターゲットにしているXDBUriが戻されます。
SELECT SYS.URIFACTORY.getURI('/public/hr/doc1.xml') FROM DUAL;
オブジェクト型がXDBURITypeであると判断するのは特別な接頭辞がないためであり、特定のリソース・ファイル拡張子がないためや、#に続いてXPath式があるためではありません。リソース名がdoc1.xmlでなくfoo.barであったとしても、戻されるURITypeインスタンスはやはりXDBUriになります。
親トピック: XDBUris: リポジトリ・リソースへのポインタ
32.5.2 XDBUriの使用: 例
ここで示すXDBUriの例では、表のURIを使用してリポジトリ・リソースにアクセスし、PL/SQLメソッドgetXMLを使用してXML文書を問い合せおよび取得します。
例32-4では、XDBUriを作成して、値を発注書表に挿入し、すべての発注書を選択します。URIFACTORY.getURI()に渡されるURIに特別な接頭辞が付いていないため、作成されるURITypeインスタンスはXDBUriになります。
PL/SQLメソッドgetXML()はXMLTypeインスタンスを戻すため、これをXMLQueryなどのSQL/XML関数とともに使用できます。例32-5の問合せに、これを示します。この問合せは、番号が999のすべての発注書を取得します。
例32-4 XDBUriを使用した、URIによるリポジトリ・リソースへのアクセス
DECLARE
res BOOLEAN;
postring VARCHAR2(100):= '<?xml version="1.0"?>
<ROW>
<PO>999</PO>
</ROW>';
BEGIN
res:=DBMS_XDB_REPOS.createFolder('/public/orders/');
res:=DBMS_XDB_REPOS.createResource('/public/orders/po1.xml', postring);
END;
/
PL/SQL procedure successfully completed.
CREATE TABLE uri_tab (poUrl SYS.URIType, poName VARCHAR2(1000));
Table created.
-- Create an abstract type column so any type of URI can be used
-- Insert an absolute URL into poUrl.
-- The factory will create an XDBURIType because there is no prefix.
-- Here, po1.xml is an XML file that is stored in /public/orders/
-- of the XML repository.
INSERT INTO uri_tab VALUES
(URIFACTORY.getURI('/public/orders/po1.xml'), 'SomePurchaseOrder');
1 row created.
-- Get all the purchase orders
SELECT e.poUrl.getCLOB(), poName FROM uri_tab e;
E.POURL.GETCLOB()
-----------------
PONAME
------
<?xml version="1.0"?>
<ROW>
<PO>999</PO>
</ROW>
SomePurchaseOrder
1 row selected.
-- Using PL/SQL, you can access table uri_tab as follows:
CREATE OR REPLACE FUNCTION returnclob
RETURN CLOB
IS a URIType;
BEGIN
-- Get absolute URL for purchase order named like 'Some%'
SELECT poUrl INTO a FROM uri_tab WHERE poName LIKE 'Some%';
RETURN a.getCLOB();
END;
/
Function created.
SELECT returnclob() FROM DUAL;
RETURNCLOB()
---------------------
<?xml version="1.0"?>
<ROW>
<PO>999</PO>
</ROW>
1 row selected.
例32-5 XMLCASTおよびXMLQUERYでのPL/SQLメソッドGETXMLの使用
SELECT e.poUrl.getCLOB() FROM uri_tab e
WHERE XMLCast(XMLQuery('$po/ROW/PO'
PASSING e.poUrl.getXML() AS "po"
RETURNING CONTENT)
AS VARCHAR2(24))
= '999';
E.POURL.GETCLOB()
---------------------
<?xml version="1.0"?>
<ROW>
<PO>999</PO>
</ROW>
1 row selected.親トピック: XDBUris: リポジトリ・リソースへのポインタ
32.6 DBUris: データベース・データへのポインタ
DBUriは、データベース・データをターゲットとするURIです。URITypeサブタイプのすべてのインスタンスに関して、DBUriはデータへの間接アクセスを提供します。また、DBURITypeにより、XPathを使用してデータベース・データをアドレッシングして、DBUriのターゲットとなるデータベース・データが含まれ、データベースの構造が反映されたXML文書を構成することもできます。
-
XPath表記法を使用したデータベース・データのアドレッシング。これにより、XMLデータの場合と同様にデータベースをビジュアル化してアクセスできます。
たとえば、DBUriは
/HR/EMPLOYEES/ROW[FIRST_NAME="Jack"]といった式を使用し、表HR.employeesの、列first_nameの値がJackである行をターゲットにできます。 -
DBUriを使用してターゲットとされているデータベース・データを含み、データベースの構造を反映した構造を持つXML文書を構成できます。
たとえばXPathで
/HR/DBTAB/ROW/Aと表されたDBUriを使用して、データベース構造を反映しているXML要素内の列Aのデータを囲んでおり、それに応じた名前を持っているXML文書を構成できます。<HR><DBTAB><ROW><A>...data_in_column_A...</A></ROW></DBTAB></HR>
DBUriは、HTTPUriのようにグローバルな場所を参照することはありません。ただし、DBUriでアドレッシングされているオブジェクトにグローバルにアクセスすることは可能です。それには、DBUriを処理するサーブレットを特定するためのHTTPUriにそのDBUriを追加します。DBUriServletを参照してください。
- XMLデータ形式でのデータベース表示
DBURITypeを使用すると、ユーザーがアクセスできるデータベース部分のXMLビューを持つことができ、XMLデータ形式で表示されます。この方法でビジュアル化されたデータベース・データはXML要素で効率的に囲まれており、1つまたはそれ以上のXML文書が結果として生成されます。 - DBUri URIの構文
XPath式は、1つ以上のノードをアドレッシングするXMLデータへのパスです。DBUriは、データベースの仮想XMLビジュアル化を利用して、簡単な形式のXPath式を、データベース・データをアドレッシングするURIとして使用します。これは、データがXMLかどうかは関係ありません。 - データベースおよびセッションを有効範囲とするDBUri
DBUriの有効範囲は指定されたデータベース・セッションなので、セッションのコンテキスト(接続しているユーザーおよびユーザーが持っている権限)に応じて、同じDBUriで同じ問合せでも結果が異なります。 - DBUriの使用 - 例
DBUriが識別できるのは、表、行、行内の列、オブジェクト列の属性のいずれかです。ここでの例は、別のオブジェクト型をターゲットにする方法を示しています。
親トピック: URIを使用したデータ・アクセス
32.6.1 XMLデータ形式でのデータベース表示
DBURITypeを使用すると、ユーザーがアクセスできるデータベース部分のXMLビューを持つことができ、XMLデータ形式で表示されます。この方法でビジュアル化されたデータベース・データはXML要素で効率的に囲まれており、1つまたはそれ以上のXML文書が結果として生成されます。
アクセスできるデータベース・スキーマは、アクセス権限を付与されているデータベース・スキーマのみです。データベースのこの部分が、データベースのユーザー独自のビューとなります。これは、XMLで格納されているデータだけでなく、すべての種類のデータベース・データに適用されます。
この種の「XMLビュー」は、技術的な意味ではデータベース・ビューではありません。ここで「ビュー」と呼ばれているものは、DBURITypeの理解に有効な抽象的な観点を示すものにすぎません。DBURITypeを、データベースをXMLデータ同様にビジュアル化し、アクセスを提供するものとみなすことができます。
ただし、DBURITypeは、ビジュアル化を実行し、データベース・データへの別個のアクセス手段を提供するだけのものではありません。各「XMLビュー」はXML文書として実現されます。つまり、DBURITypeを使用すると、データベース・データを基にしてXML文書を生成できます。
以上はすべて、DBURIType ではXPath表記法を使用して(1)アクセス権限のある任意のデータベース・データのアドレッシングとアクセス、および(2)データのXML表現の構成を行うことができるということです。
図32-1は、リレーショナル表HR.employees、その表の一部に対応するXMLビュー、および対応するDBUri URI (単純なXPath式)の間の関係を示しています。この場合、XMLとして公開されるデータの部分は、employee_idが200である行となります。URIを使用してデータにアクセスし、「XMLビュー」を反映するXML文書を構成することができます。
「XMLビュー」内のXML要素とURI XPath式内のステップは、どちらもデータベース表と列名を反映しています。「XMLビュー」とURI XPath式のどちらにおいても、データベース表の行を示すROWの用法に注意してください。
XPath式にはルート要素ステップoradbが含まれていることにも注意してください。これは、URIが、HTTPUriやXDBUriでなくDBUriに対応していることを示すのに使用されます。この対応がコンテキストから認識されている場合は、XPathステップはスキップ可能です。たとえば、問題のパスがデータベース・データのパスであるとわかっている場合、次のURIは同じ内容になります。
-
/oradb/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]/LAST_NAME -
/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]/LAST_NAME
ただしURIコンテキストが不明確な場合は、接頭辞/oradbを使用して、DBUriに対応するURIであることを示す必要があります。特に、URIFACTORY PL/SQLメソッドやDBUriServletには接頭辞を指定する必要があります。
関連項目:
データベース・データからXMLを生成する他の方法は、リレーショナル・データからのXMLデータの生成を参照してください。
親トピック: DBUris: データベース・データへのポインタ
32.6.2 DBUri URIの構文
XPath式は、1つ以上のノードをアドレッシングするXMLデータへのパスです。DBUriは、データベースの仮想XMLビジュアル化を利用して、簡単な形式のXPath式を、データベース・データをアドレッシングするURIとして使用します。これは、データがXMLかどうかは関係ありません。
このため、DBURITypeの場合、Oracle DatabaseはXPathやXPointerの構文を完全にはサポートしません。XDBUri XPath式には構文の制限はありません。DBUriには1つ例外があります。XMLType表内のデータです。XMLType表の場合、データベース内の表自身をアドレッシングするために、簡素化されたXPath形式が使用されます。その後、XPath式の残りの部分では、完全なXPathの構文を使用して表内の特定のXMLデータをアドレッシングできます。この例外はXMLTypeの表にのみ適用されます。XMLType列には適用されません。
いずれの場合も、XDBUriとは異なり、DBUri URIではシャープ記号(#)を使用してURIのURL部分とフラグメント(XPath)部分を区切ることはありません。DBURITypeではURIフラグメントは使用されません。URI全体が(簡素化された)XPath式とみなされます。
DBUriは、アクセス権限のあるあらゆるデータベース・データに作成できます。次のようなXPath式を使用できます。
-
/database_schema/table -
/database_schema/table/ROW[predicate_expression]/column -
/database_schema/table/ROW[predicate_expression]/object_column/attribute -
/database_schema/XMLType_table/ROW/XPath_expression
最後の例で、XMLType_tableはXMLType表で、XPath_expressionは任意のXPath式です。XMLTypeでない表の場合は、DBUri XPath式の末尾は列である必要があります(列の内部の特定のデータをアドレッシングすることはできません)。この制限の対象には、XMLデータを含むXMLType列、LOB列、およびVARCHAR2列が含まれます。
DBUri XPath式には次のことが可能です。
-
表全体をターゲットとする。
たとえば、
/HR/EMPLOYEESは、データベース・スキーマHRの表employeesをターゲットとしています。 -
データベース・スキーマおよび表ステップ以外のパス内の任意のステップにXPath述語を含める。
たとえば、
/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]/EMAILはemployee_idが200という条件下で、表HR.employeesのemail列をターゲットとしています。 -
スカラー・コンテンツを持つデータに対する
text()XPathノード・テスト。これは使用可能な唯一のノード・テストで、表および行ステップには使用できません。
DBUri (XPath)述語式では次のものを使用できます。
-
ブール演算子:
and、orおよびnot -
関係演算子:
<、>、<=、!=、>=、=、mod、div、*(乗算)
DBUri XPath式の使用には次の条件があります。
-
child XPath軸のみを使用できます。parentなど、他の軸は使用できません。
-
データベース・スキーマを指定するか、または特定のスキーマを持たない表名を解決するために
PUBLICを指定する必要があります。 -
データベース・ビューまたは表名を指定する必要があります。
-
データベース列がターゲットの場合は
ROWステップを含めます。 -
単一のデータ値を識別する必要があります。オブジェクト型のインスタンスまたはコレクションを使用できます。
-
データベース・データを使用して、XMLデータを生成するために使用する場合は、結果は整形式のXMLである必要があります。
整形式のXMLを結果としないDBUriの例は
/HR/EMPLOYEES/ROW/LAST_NAMEです。これは複数の<LAST_NAME>要素フラグメントを、単一のルート要素を伴わずに戻します。 -
次のものは使用できません。
-
*(ワイルドカード) -
.(それ自身) -
..(親) -
//(子孫またはそれ自身) -
countなどのXPath関数
-
DBUri XPath式は、オプションで接頭辞/oradbまたは/dburi (どちらも同じです)を付けて識別できます。この接頭辞では大文字/小文字が区別されません。ただし、DBUri XPath式の残りの部分は、通常のXPath式同様、大文字/小文字が区別されます。このため、たとえば表HR.employeesをDBUri XPath式として指定するには、hr/employees (または大文字と小文字の混合)ではなくHR/EMPLOYEESを使用する必要があります。表や列の名前はデフォルトで大文字だからです。
関連項目:
XML Path Language (XPath) (Path表記法)
親トピック: DBUris: データベース・データへのポインタ
32.6.3 データベースおよびセッションを有効範囲とするDBUri
DBUriの有効範囲は指定されたデータベース・セッションなので、セッションのコンテキスト(接続しているユーザーおよびユーザーが持っている権限)に応じて、同じDBUriで同じ問合せでも結果が異なります。
データベースのXML「ビュー」のコンテンツ、つまり構成可能なXML文書のコンテンツは、指定された時点で特定のデータベース・データにアクセスするために持っている権限を反映しています。
少し複雑になりますが、データベース・スキーマ修飾がなくてもデータベース・データにアクセスできるXML要素PUBLICもあります。これは便利な機能ですが、混乱を招くこともあります。指定ユーザー用のデータベースのXMLビューが、そのユーザーが指定時点でデータベースに対して持っている特定のアクセス権限に依存していることを忘れないでください。
XML要素PUBLICはパブリック・シノニムの使用に対応しています。たとえば、ユーザーquineが問合せを実行する場合、次の問合せは、データベース・スキーマquineの下の表 fooを一致させようと試みますが、そのような表がない場合は、fooという名前のバブリック・シノニムを一致させようとします。
SELECT * FROM foo;
同様に、XML要素PUBLICは、指定のユーザーに表示されるすべてのデータベース・データと、パブリック・シノニムを介してそのユーザーに表示されるすべてのデータを含みます。このため、同一のDBUri URI /PUBLIC/FOOが、ユーザーquineが接続している場合はquine.fooと解決され、ユーザーcurryが接続している場合はcurry.fooと解決されます。
親トピック: DBUris: データベース・データへのポインタ
32.6.4 DBUriの使用 - 例
DBUriが識別できるのは、表、行、行内の列、オブジェクト列の属性のいずれかです。ここでの例は、別のオブジェクト型をターゲットにする方法を示しています。
- DBUriを使用した表のターゲット化
例では、完全な表をターゲットにするDBUriを使用します。表のコンテンツに対応するXML文書が戻されます。最上位のXML要素の名前は表により決まります。各行の値はROW要素で囲まれます。 - DBUriを使用した表内の行のターゲット化
例では、表の中の1行をターゲットにするDBUriを使用します。XPath述語式は、従業員番号200に対応する、表の1行を識別します。結果は、ROWを最上位要素とするXML文書です。 - DBUriを使用した列のターゲット化
特定の列、オブジェクト列の特定の属性または属性が特定の値を持つオブジェクト列をターゲットにできます。例は、これらの可能性を示しています。 - DBUriを使用した列のテキスト値の取得
多くの場合、囲みタグを取り出さずに、列のテキスト値のみを取り出す方が有効です。たとえば、XSLTスタイルシートがCLOB列に格納されている場合は、文書を列名のタグで囲まなくても、その文書を取り出すことができます。このことの例を示します。 - DBUriを使用したコレクションのターゲット化
Ordered Collection Table (OCT)など、データベース・コレクションをターゲットにできます。ただし、コレクション全体をターゲットにする必要があります。個別のメンバーはターゲットにできません。
親トピック: DBUris: データベース・データへのポインタ
32.6.4.1 DBUriを使用した表のターゲット化
例では、完全な表をターゲットにするDBUriを使用します。表のコンテンツに対応するXML文書が戻されます。最上位のXML要素の名前は表により決まります。各行の値はROW要素で囲まれます。
例32-6を参照してください。この構文を使用して、完全なデータベース表をターゲットにします。
/database_schema/table
例32-6 DBUriを使用した完全な表のターゲット化
CREATE TABLE uri_tab (url URIType);
Table created.
INSERT INTO uri_tab VALUES
(DBURIType.createURI('/HR/EMPLOYEES'));
1 row created.
SELECT e.url.getCLOB() FROM uri_tab e;
E.URL.GETCLOB()
---------------
<?xml version="1.0"?>
<EMPLOYEES>
<ROW>
<EMPLOYEE_ID>100</EMPLOYEE_ID>
<FIRST_NAME>Steven</FIRST_NAME>
<LAST_NAME>King</LAST_NAME>
<EMAIL>SKING</EMAIL>
<PHONE_NUMBER>515.123.4567</PHONE_NUMBER>
<HIRE_DATE>17-JUN-03</HIRE_DATE>
<JOB_ID>AD_PRES</JOB_ID>
<SALARY>24000</SALARY>
<DEPARTMENT_ID>90</DEPARTMENT_ID>
</ROW>
<ROW>
<EMPLOYEE_ID>101</EMPLOYEE_ID>
<FIRST_NAME>Neena</FIRST_NAME>
<LAST_NAME>Kochhar</LAST_NAME>
<EMAIL>NKOCHHAR</EMAIL>
<PHONE_NUMBER>515.123.4568</PHONE_NUMBER>
<HIRE_DATE>21-SEP-05</HIRE_DATE>
<JOB_ID>AD_VP</JOB_ID>
<SALARY>17000</SALARY>
<MANAGER_ID>100</MANAGER_ID>
<DEPARTMENT_ID>90</DEPARTMENT_ID>
</ROW>
. . .
1 row selected.親トピック: DBUriの使用 —例
32.6.4.2 DBUriを使用した表内の行のターゲット化
例では、表の中の1行をターゲットにするDBUriを使用します。XPath述語式は、従業員番号200に対応する、表の1行を識別します。結果は、ROWを最上位要素とするXML文書です。
例32-7を参照してください。この構文を使用して、表の特定の1行または複数の行をターゲットにします。
/database_schema/table/ROW[predicate_expression]
例32-7 DBUriを使用した表内の個別行のターゲット化
CREATE TABLE uri_tab (url URIType);
Table created.
INSERT INTO uri_tab VALUES
(DBURIType.createURI('/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]'));
1 row created.
SELECT e.url.getCLOB() FROM uri_tab e;
E.URL.GETCLOB()
-------------------------------------------------------
<?xml version="1.0"?>
<ROW>
<EMPLOYEE_ID>200</EMPLOYEE_ID>
<FIRST_NAME>Jennifer</FIRST_NAME>
<LAST_NAME>Whalen</LAST_NAME>
<EMAIL>JWHALEN</EMAIL>
<PHONE_NUMBER>515.123.4444</PHONE_NUMBER>
<HIRE_DATE>17-SEP-03</HIRE_DATE>
<JOB_ID>AD_ASST</JOB_ID>
<SALARY>4400</SALARY>
<MANAGER_ID>101</MANAGER_ID>
<DEPARTMENT_ID>10</DEPARTMENT_ID>
</ROW>
1 row selected.親トピック: DBUriの使用 —例
32.6.4.3 DBUriを使用した列のターゲット化
特定の列、オブジェクト列の特定の属性または属性が特定の値を持つオブジェクト列をターゲットにできます。例は、これらの可能性を示しています。
この構文を使用して、特定の列をターゲットにできます。
/database_schema/table/ROW[predicate_expression]/column
この構文を使用して、オブジェクト列の特定の属性をターゲットにできます。
/database_schema/table/ROW[predicate_expression]/object_column/attribute
この構文を使用して、属性が特定の値を持つ特定のオブジェクト列をターゲットにできます。
/database_schema/table/ROW[predicate_expression_with_attributes]/object_column
例32-8では、例32-7と同じ従業員について、列last_nameをターゲットにするDBUriを使用します。最上位のXML要素の名前はターゲット列により決まります。
例32-9では、cityおよびpostal code属性が特定の値になっているCUST_ADDRESSオブジェクト列をターゲットとするDBUriを使用します。最上位のXML要素には列の名前が付けられ、オブジェクト属性それぞれに対応する子要素が含まれます。
例32-8 DBUriを使用した特定の列のターゲット化
CREATE TABLE uri_tab (url URIType);
Table created.
INSERT INTO uri_tab VALUES
(DBURIType.createURI('/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]/LAST_NAME'));
1 row created.
SELECT e.url.getCLOB() FROM uri_tab e;
E.URL.GETCLOB()
------------------------------
<?xml version="1.0"?>
<LAST_NAME>Whalen</LAST_NAME>
1 row selected.
例32-9 DBUriを使用した、特定の属性値を持つオブジェクト列のターゲット化
CREATE TABLE uri_tab (url URIType);
Table created.
INSERT INTO uri_tab VALUES
(DBURIType.createURI(
'/OE/CUSTOMERS/ROW[CUST_ADDRESS/CITY="Poughkeepsie" and
CUST_ADDRESS/POSTAL_CODE=12601]/CUST_ADDRESS'));
1 row created.
SELECT e.url.getCLOB() FROM uri_tab e;
E.URL.GETCLOB()
---------------
<?xml version="1.0"?>
<CUST_ADDRESS>
<STREET_ADDRESS>33 Fulton St</STREET_ADDRESS>
<POSTAL_CODE>12601</POSTAL_CODE>
<CITY>Poughkeepsie</CITY>
<STATE_PROVINCE>NY</STATE_PROVINCE>
<COUNTRY_ID>US</COUNTRY_ID>
</CUST_ADDRESS>
1 row selected.
ここでのDBUriは、CITY属性がPoughkeepsieを値に持ち、POSTAL_CODE属性が12601を値に持つオブジェクトを識別します。
親トピック: DBUriの使用 —例
32.6.4.4 DBUriを使用した列のテキスト値の取得
多くの場合、囲みタグを取り出さずに、列のテキスト値のみを取り出す方が有効です。たとえば、XSLTスタイルシートがCLOB列に格納されている場合は、文書を列名のタグで囲まなくても、その文書を取り出すことができます。このことの例を示します。
この場合は、text() XPathノード・テストを使用できます。ノードのテキスト値のみを取り出すように指定できます。次の構文を使用します。
/oradb/database_schema/table/ROW[predicate_expression]/column/text()
例32-10は、従業員番号200の従業員のlast_name列のテキスト値を、XMLタグなしで取得します。
例32-10 DBUriを使用したノードのテキスト値のみの取出し
CREATE TABLE uri_tab (url URIType);
Table created.
INSERT INTO uri_tab VALUES
(DBURIType.createURI(
'/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]/LAST_NAME/text()'));
1 row created.
SELECT e.url.getCLOB() FROM uri_tab e;
E.URL.GETCLOB()
---------------
Whalen
1 row selected.親トピック: DBUriの使用 —例
32.6.4.5 DBUriを使用したコレクションのターゲット化
Ordered Collection Table (OCT)など、データベース・コレクションをターゲットにできます。ただし、コレクション全体をターゲットにする必要があります。個別のメンバーはターゲットにできません。
コレクションがターゲット化されると、DBUriにより生成されたXML文書には、各コレクションの全メンバーがそれぞれ、コレクションの型に対応する名前の要素で囲まれたXML要素として含まれます。
例32-11では、数値のコレクションをターゲット化するDBUriを使用します。最上位のXML要素はコレクションの名前が付けられ、その子はコレクションの型(NUMBER)の名前が付けられます。
例32-11 DBUriを使用したコレクションのターゲット化
CREATE TYPE num_collection AS VARRAY(10) OF NUMBER;
/
Type created.
CREATE TABLE orders (item VARCHAR2(10), quantities num_collection);
Table created.
INSERT INTO orders VALUES ('boxes', num_collection(3, 7, 4, 9));
1 row created.
SELECT * FROM orders;
ITEM
----
QUANTITIES
----------
boxes
NUM_COLLECTION(3, 7, 4, 9)
1 row selected.
SELECT DBURIType('/HR/ORDERS/ROW[ITEM="boxes"]/QUANTITIES').getCLOB() FROM DUAL;
DBURITYPE('/HR/ORDERS/ROW[ITEM="BOXES"]/QUANTITIES').GETCLOB()
--------------------------------------------------------------
<?xml version="1.0"?>
<QUANTITIES>
<NUMBER>3</NUMBER>
<NUMBER>7</NUMBER>
<NUMBER>4</NUMBER>
<NUMBER>9</NUMBER>
</QUANTITIES>
1 row selected.親トピック: DBUriの使用 —例
32.7 パッケージURIFACTORYを使用したURITypeの新しいサブタイプの作成
特定のプロトコルに対応するURITypeの独自のサブタイプを定義できます。PL/SQLパッケージURIFACTORYを使用すると、URITypeインスタンスのURIを取得したり、URI文字列の文字のエスケープを追加または削除したり、特定のURLを処理するためのタイプ名を登録または登録解除することができます。
他のPL/SQLメソッドを表32-2にリストします。
表32-2 URIFACTORY PL/SQLメソッド
| PL/SQLメソッド | 説明 |
|---|---|
|
|
|
|
|
URIで許容されない文字を同等のエスケープ・シーケンスに置換することによって、URI文字列をエスケープします。 |
|
|
指定のURIからエスケープを削除します。 |
|
|
特定のURLを処理するタイプの名前を登録します。その型のインスタンスを生成するために ブール引数を使用して、適切な型コンストラクタをコールする前に、接頭辞を削除する必要があることを示すことができます。 |
|
|
URLハンドラを登録解除します。 |
特に注意を要するのは、パッケージURIFACTORYを使用して、型がURITypeの新しいサブタイプを定義できることです。そのサブタイプを使用して、URI用の特別な処理を提供することができます。特に、特定のプロトコルに対応するURITypeサブタイプを定義できます。URIFACTORYは、これらのサブタイプのインスタンスを、適切に認識して処理します。
新しい型を定義して、その型に固有のデータベース列を作成する利点は次のとおりです。
-
その列に対して暗黙的な制約を提供して、その型のインスタンスのみを含むようにできます。これは、その列に特定のプロトコルのスペシャライズ・インデックスを実装する場合に有効です。たとえばDBUriの場合、SQL問合せを実行せず、ディスクから直接データをフェッチするスペシャライズ・インデックスを実装することができます。
-
型に基づいて、それぞれの列に異なる制約を規定できます。たとえばHTTPUriの場合、列に対してプロキシおよびファイアウォールの制約を定義して、HTTPを介したすべてのアクセスでプロキシ・サーバーを使用するようにできます。
- パッケージURIFACTORYで新しいURITypeのサブタイプを登録
URIの特別な処理を提供するには、新しいURITypeのサブタイプを定義および登録します。
親トピック: URIを使用したデータ・アクセス
32.7.1 パッケージURIFACTORYで新しいURITypeのサブタイプを登録
URIの特別な処理を提供するには、新しいURITypeのサブタイプを定義および登録します。
-
SQL文
CREATE TYPEを使用して、新しい型を作成します。この方にはPL/SQLメソッドcreateURI()が実装される必要があります。 -
オプションで、デフォルトのメソッドをオーバーライドして、データを取り出すときに特別な処理を実行するか、またはXMLデータを変換してから表示します。
-
この特別な処理に使用するURIを識別する新しいURI接頭辞を決定します。
-
PL/SQLメソッド
registerURLHandler()を使用して、新しい接頭辞を登録します。これによって、定義した新しい接頭辞で始まるURIを受け取ったパッケージURIFACTORYが、新しいサブタイプのインスタンスを作成できるようになります。
新しいサブタイプを定義すると、新しい接頭辞の付いたURIがURIFACTORYメソッドで認識され、また、新しい型のインスタンスを作成して使用できます。
たとえば、新しいプロトコル接頭辞ecom://を作成し、そのプロトコルを処理するためのURITypeのサブタイプを定義する場合を考えます。場合によると新しいサブタイプは、PL/SQLメソッドgetCLOB()用の特別なロジックを実装するか、メソッドgetXML()におけるXMLタグやデータを多少変更します。接頭辞ecom://をURIFACTORYで登録すると、getURI()へのコールにより、その接頭辞を伴うURI用に新しいURITypeサブタイプのインスタンスが生成されます。
例32-12では、新しいプロトコルecom://を処理する新しい型ECOMURITypeを作成しています。この例は1つの表に3種類の異なるURI(HTTPUri、DBUri、および新しい型ECOMURITypeのインスタンス)を格納します。この例を実行するには、各ECOMURITypeメンバー関数を定義する必要があります。
例32-12 URIFACTORY: ECOMプロトコルの登録
CREATE TABLE url_tab (urlcol varchar2(80));
Table created.
-- Insert an HTTP URL reference
INSERT INTO url_tab VALUES ('http://www.oracle.com/');
1 row created.
-- Insert a DBUri
INSERT INTO url_tab VALUES ('/oradb/HR/EMPLOYEES/ROW[FIRST_NAME="Jack"]');
1 row created.
-- Create a new type to handle a new protocol called ecom://
-- This is just an example template. For this to run, the implementations
-- of these functions must be specified.
CREATE OR REPLACE TYPE ECOMURIType UNDER SYS.URIType (
OVERRIDING MEMBER FUNCTION getCLOB RETURN CLOB,
OVERRIDING MEMBER FUNCTION getBLOB RETURN BLOB,
OVERRIDING MEMBER FUNCTION getExternalURL RETURN VARCHAR2,
OVERRIDING MEMBER FUNCTION getURI RETURN VARCHAR2,
-- Must have this for registering with the URL handler
STATIC FUNCTION createURI(url IN VARCHAR2) RETURN ECOMURIType);
/
-- Register a new handler for the ecom:// prefixes
BEGIN
-- The handler type name is ECOMURIType; schema is HR
-- Ignore the prefix case, so that URIFACTORY creates the same subtype
-- for URIs beginning with ECOM://, ecom://, eCom://, and so on.
-- Strip the prefix before calling PL/SQL method createURI(),
-- so that the string 'ecom://' is not stored inside the
-- ECOMURIType object. It is added back automatically when
-- you call ECOMURIType.getURI().
URIFACTORY.registerURLHandler (prefix => 'ecom://',
schemaname => 'HR',
typename => 'ECOMURITYPE',
ignoreprefixcase => TRUE,
stripprefix => TRUE);
END;
/
PL/SQL procedure successfully completed.
-- Insert this new type of URI into the table
INSERT INTO url_tab VALUES ('ECOM://company1/company2=22/comp');
1 row created.
-- Use the factory to generate an instance of the appropriate
-- subtype for each URI in the table.
-- You would need to define the member functions for this to work:
SELECT urifactory.getURI(urlcol) FROM url_tab;
-- This would generate:
HTTPURIType('www.oracle.com'); -- an HTTPUri
DBURIType('/oradb/HR/EMPLOYEES/ROW[FIRST_NAME="Jack"]', null); -- a DBUri
ECOMURIType('company1/company2=22/comp'); -- an ECOMURIType instance32.8 SYS_DBURIGEN SQL関数
DBUriを作成するには、XPath式をコンストラクタDBURIType、または適切なURIFACTORY PL/SQLメソッドに対して指定します。Oracle SQL関数sys_DburiGenを使用すると、データベース列とその値から構成されたXPathを使用してDBUriを作成することもできます。
Oracle SQL関数sys_DburiGenは、引数として1つ以上の列または属性、およびオプションでrowidを取り、特定の列オブジェクトまたは行オブジェクトをターゲットにするDBUriを生成します。関数sys_DburiGenは、ノードのテキスト値が必要かどうかを示す追加のパラメータを取ります。図32-2を参照してください。
参照するすべての列または属性は、同じ表内に存在する必要があります。それらはそれぞれ一意の値を参照する必要があります。複数の列を指定した場合、最初の列は行を識別し、最後の列はその行内の列を識別します。データベース・スキーマを指定しない場合、表名はパブリック・シノニムとして解釈されます。
例32-13では、Oracle SQL関数sys_DburiGenを使用して、employee_idが206という条件下で表HR.employeesのemailをターゲットにするDBUriを生成しています。
例32-13 SYS_DBURIGEN: 列をターゲットとするDBUriの生成
SELECT sys_DburiGen(employee_id, email)
FROM employees
WHERE employee_id = 206;
SYS_DBURIGEN(EMPLOYEE_ID,EMAIL)(URL, SPARE)
-------------------------------------------------------------------
DBURITYPE('/PUBLIC/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID = "206"]/EMAIL', NULL)
1 row selected.- 列またはオブジェクト属性をSYS_DBURIGENに渡す規則
Oracle SQL関数sys_DburiGenに渡される列または属性は、特定の規則に従う必要があります。 - SQL関数SYS_DBURIGENの使用: 例
SQL関数sys_DburiGenを使用してデータベース参照を挿入する例、大きい列から部分的な結果を戻す例、および挿入されたオブジェクトのURLを戻す例を示します。
親トピック: URIを使用したデータ・アクセス
32.8.1 列またはオブジェクト属性をSYS_DBURIGENに渡す規則
Oracle SQL関数sys_DburiGenに渡される列または属性は、特定の規則に従う必要があります。
-
同一の表: 関数
sys_DburiGenで参照されるすべての列は、同じ表またはビューから取得する必要があります。 -
一意のマッピング: 列またオブジェクト属性は、元の表またはビューに一意にマップ可能である必要があります。使用可能な仮想列は、
valueおよびrefで作成されたもののみです。列は、SQLTABLEコレクション式(TABLE(...))またはインライン・ビュー(そのインライン・ビューが列の名前を変更しない場合)の副問合せから取得される場合があります。SQL
TABLEコレクション式の詳細は、Oracle Database SQL言語リファレンスを参照してください。 -
キー列: ROWIDまたは一連のキー列のいずれかを指定する必要があります。キー列のリストは、列が結果内の特定の行を一意に識別できるかぎり、一意キーまたは主キーとして宣言する必要はありません。
-
PUBLIC要素: ROWIDまたはキー列がターゲットとしている表またはビューがデータベース・スキーマを指定していない場合は、PUBLICキーワードが使用されます。DBUriがアクセスされると、表名は、DBUriの作成時にその名前で参照できた表、シノニムまたはデータベース・ビューに変換されます。 -
オプションの
text()引数: デフォルトでは、DBURITypeはXML文書を構成します。text()をsys_DburiGenの第3の引数として使用して、テキスト・ノード(XML要素なし)をターゲットにするDBUriを作成します。例:SELECT sys_DburiGen(employee_id, last_name, 'text()') FROM hr.employees, WHERE employee_id=200;
これにより、次のURIを持つDBUriが構成されます。
/HR/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=200]/LAST_NAME/text()
-
単一列の引数: 単一列の引数がある場合、列は、行を識別するキー列と参照列の両方として使用されます。
例32-14の問合せは、employee_idを、キー列と参照列の両方として使用します。employee_idが200の行をターゲットにするDBUriを生成します。
例32-14 SYS_DBURIGENへの単一の引数を持つ列の送信
SELECT sys_DburiGen(employee_id) FROM employees
WHERE employee_id=200;
SYS_DBURIGEN(EMPLOYEE_ID)(URL, SPARE)
-------------------------------------
DBURITYPE('/PUBLIC/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=''200'']/EMPLOYEE_ID', NULL)
1 row selected.親トピック: SYS_DBURIGEN SQL関数
32.8.2 SQL関数SYS_DBURIGENの使用: 例
SQL関数sys_DburiGenを使用してデータベース参照を挿入する例、大きい列から部分的な結果を戻す例、および挿入されたオブジェクトのURLを戻す例を示します。
- SYS__DBURIGENを使用したデータベース参照の挿入
SQL関数sys_DburiGenを使用して、特定のデータベース・データを参照するDBUriを挿入します。このことの例を示します。 - SYS__DBURIGENを使用して部分的な結果を戻す方法
大きい列からデータを選択する場合は、結果の一部のみを取得し、完全な列にアクセスできるURLを作成する場合があります。 - SYS_DBURIGENを使用して挿入されたオブジェクトのURLを戻す方法
DML文のRETURNING句にあるOracle SQL関数sys_DburiGenを使用すると、オブジェクトの挿入時にそのオブジェクトのURLを取得できます。
親トピック: SYS_DBURIGEN SQL関数
32.8.2.1 SYS__DBURIGENを使用したデータベース参照の挿入
SQL関数sys_DburiGenを使用して、特定のデータベース・データを参照するDBUriを挿入します。このことの例を示します。
例32-15 SYS_DBURIGENを使用したデータベース参照の挿入
CREATE TABLE doc_list_tab (docno NUMBER PRIMARY KEY, doc_ref SYS.DBURIType);
Table created.
-- Insert a DBUri that targets the row with employee_id=177
INSERT INTO doc_list_tab VALUES(1001, (SELECT sys_DburiGen(rowid, employee_id)
FROM employees WHERE employee_id=177));
1 row created.
-- Insert a DBUri that targets the last_name column of table employees
INSERT INTO doc_list_tab VALUES(1002,
(SELECT sys_DburiGen(employee_id, last_name)
FROM employees WHERE employee_id=177));
1 row created.
SELECT * FROM doc_list_tab;
DOCNO
----------
DOC_REF(URL, SPARE)
-----------------------------------------------------
1001
DBURITYPE('/PUBLIC/EMPLOYEES/ROW[ROWID=''AAAQCcAAFAAAABSABN'']/EMPLOYEE_ID', NULL)
1002
DBURITYPE('/PUBLIC/EMPLOYEES/ROW[EMPLOYEE_ID=''177'']/LAST_NAME', NULL)
2 rows selected.親トピック: SQL関数SYS_DBURIGENの使用: 例
32.8.2.2 SYS__DBURIGENを使用して部分的な結果を戻す方法
大きい列からデータを選択する場合は、結果の一部のみを取得し、完全な列にアクセスできるURLを作成する場合があります。
たとえば、旅行体験記のWebサイトについて考えてみます。表に旅行体験記が格納されていて、ユーザーが関連する一連の体験記を検索する場合、検索結果のページに各体験記の全体をリストするのは不都合です。そのかわりに、各体験記の最初の20文字のみを要点として表示し、体験記全体のURLを戻す方がよいでしょう。これを行うには、次の手順を実行します。
例32-16では、旅行体験記の表を作成します。
例32-17では、旅行体験記の最初の20文字のみを戻す関数を作成します。
例32-18では、旅行体験記の最初の20文字のみを選択し、story列のDBUriを戻すビューを作成します。
例32-16 旅行体験記の表の作成
CREATE TABLE travel_story (story_name VARCHAR2(100), story CLOB);
Table created.
INSERT INTO travel_story
VALUES ('Egypt', 'This is the story of my time in Egypt....');
1 row created.
例32-17 最初の20文字のみを戻す関数
CREATE OR REPLACE FUNCTION charfunc(clobval IN CLOB) RETURN VARCHAR2 IS
res VARCHAR2(20);
amount NUMBER := 20;
BEGIN
DBMS_LOB.read(clobval, amount, 1, res);
RETURN res;
END;
/
Function created.
例32-18 SYS_DBURIGENで使用するための旅行体験記ビューの作成
CREATE OR REPLACE VIEW travel_view AS
SELECT story_name, charfunc(story) short_story,
sys_DburiGen(story_name, story, 'text()') story_link
FROM travel_story;
View created.
SELECT * FROM travel_view;
STORY_NAME
----------
SHORT_STORY
-----------
STORY_LINK(URL, SPARE)
----------------------
Egypt
This is the story of
DBURITYPE('/PUBLIC/TRAVEL_STORY/ROW[STORY_NAME=''Egypt'']/STORY/text()', NULL)
1 row selected.親トピック: SQL関数SYS_DBURIGENの使用: 例
32.8.2.3 SYS_DBURIGENを使用して挿入されたオブジェクトのURLを戻す方法
DML文のRETURNING句にあるOracle SQL関数sys_DburiGenを使用すると、オブジェクトの挿入時にそのオブジェクトのURLを取得できます。
例32-19では、文書が表clob_tabに挿入されると、そのURLが表uri_tabに常に挿入されます。これを実現するには、INSERT文のRETURNING句でOracle SQL関数sys_DburiGenを使用します。
例32-19 RETURNING句でのSYS_DBURIGENの使用によるURLの取得
CREATE TABLE clob_tab (docid NUMBER, doc CLOB);
Table created.
CREATE TABLE uri_tab (docs SYS.DBURIType);
Table created.
PL/SQLでは、RETURNING句とEXECUTE IMMEDIATEを使用して、挿入された文書のURLの記憶域を挿入操作の中で指定します。
DECLARE
ret SYS.DBURIType;
BEGIN
-- execute the insert operation and get the URL
EXECUTE IMMEDIATE
'INSERT INTO clob_tab VALUES (1, ''TEMP CLOB TEST'')
RETURNING sys_DburiGen(docid, doc, ''text()'') INTO :1'
RETURNING INTO ret;
-- Insert the URL into uri_tab
INSERT INTO uri_tab VALUES (ret);
END;
/
SELECT e.docs.getURL() FROM hr.uri_tab e;
E.DOCS.GETURL()
------------------------------------------------
/ORADB/PUBLIC/CLOB_TAB/ROW[DOCID='1']/DOC/text()
1 row selected.親トピック: SQL関数SYS_DBURIGENの使用: 例
32.9 DBUriServlet
リポジトリ・リソースは、Oracle XML DB HTTPサーバーを使用して取得できます。Oracle Databaseには、あらゆる種類のデータベース・データを、HTTP(S) URLを介して利用できるようにするサーブレットDBUriServletも含まれています。データは、プレーン・テキスト、HTMLまたはXMLとして戻されます。
WebクライアントまたはWebアプリケーションは、SQLや特別なデータベースAPIがなくてもこのデータにアクセスできます。データを取り出すには、Webページ内でそのデータにリンクさせるか、またはJava、PL/SQLまたはPerlの、HTTPを認識するAPIを介してそのデータを要求します。このデータは、Webブラウザや、XML対応スプレッドシートなどのアプリケーションで表示または処理できます。DBUriServletは、XMLデータおよび非XMLデータのコンテンツを生成でき、XSLTスタイルシートを使用して結果を変換できます。
データベース・データをWebからアクセスできるようにするには、サーブレットのアドレス(URL)と、取得するデータベース・データを指定するDBUri URIから構成されているURIを使用します。構文を次に示します。ここで、http://server:portはサーブレットのURL (サーバーとポート)、/oradb/database_schema/tableはDBUri URI (あらゆるDBUri URIを使用可能)です。
http://server:port/oradb/database_schema/table
サーブレットのURLでXPath表記法を使用する場合、一部の文字をエスケープする必要があることがあります。その場合は URIType PL/SQLメソッドgetExternalURL()を使用します。
Oracle XML DBの一部としてあらかじめインストールされているDBUriServletを使用するか、サーブレット・エンジンで実行する独自のサーブレットを作成します。このサーブレットは呼び出すURLのURI部分を読み取り、そのURIを使用してDBUriを作成し、URIType PL/SQLメソッドをコールしてデータを取得し、Webページ、XML文書、プレーン・テキスト文書などと同様の形式で値を戻します。
使用するMIMEタイプは、URIを介してサーブレットに対して指定されます。
-
デフォルトでは、サーブレットは
text/xmlおよびtext/plainのMIMEタイプを作成できます。DBUriパスの末尾がtext()の場合は、text/plainが使用されます。それ以外の場合は、XML文書はMIMEタイプtext/xmlを使用して生成されます。 -
サーブレットに対する
contenttype引数を使用してデフォルトのMIMEタイプをオーバーライドし、binary/x-jpegなどの値に設定できます。
関連項目:
Oracle XML DBのサーブレットの詳細は、JavaでのOracle XML DBアプリケーションのガイドラインを参照してください。
表32-3に、出力をカスタマイズするためにDBUriServletに渡すオプションのURLパラメータを示します。
表32-3 DBUriServlet: オプションの引数
| 引数 | 説明 |
|---|---|
rowsettag |
XML文書のデフォルトのルート・タグ名を変更します。例: http://server:8080/oradb/HR/EMPLOYEES?rowsettag=OracleEmployees |
contenttype |
生成されるドキュメントのMIMEタイプを指定します。例: http://server:8080/oradb/HR/EMPLOYEES?contenttype=text/plain |
transform |
XSLTスタイルシートをその位置で取得する http://server:8080/oradb/HR/EMPLOYEES?transform= /oradb/QUINE/XSLS/DOC/text()&contenttype=text/htmlFoot 1 |
脚注1
このURLは、説明のために2行に分割されています。
- URLを使用したMIMEタイプのオーバーライド
MIMEコンテンツ・タイプをオーバーライドするには、別のMIMEタイプをcontenttypeパラメータとしてサーブレットに渡すURLを使用します。 - DBUriServletのカスタマイズ
DBUriServletをカスタマイズするには、Oracle XML DBの構成ファイルxdbconfig.xmlを変更します。 - DBUriServletセキュリティのロールの使用
サーブレットのセキュリティは、Oracle Databaseでロールを使用することによって処理されます。サーブレットにログインするユーザーは、ユーザー自身のデータベース・ユーザー名およびパスワードを使用します。サーブレットは、ログインするユーザーが、構成ファイルに指定されているロールのいずれかを持っているかどうかを、パラメータsecurity-role-refを使用して確認します。 - DBUriを処理するためのパッケージURIFACTORYの構成
効率を向上させるには、URIFACTORYに対し、指定された形式のURIはデータベース・アクセスを表しているので、HTTPUriではなくDBUriとして実現する必要があることを指示します。そのためには、このURIのハンドラを接頭辞として登録し、生成するインスタンスの型としてDBURITypeを指定します。 - DBUriサーブレットを使用した、Webブラウザからの表またはビューへのアクセス
Oracle XML DBに含まれているDBUriサーブレットを使用すると、Webブラウザからすべての表またはビューのコンテンツに直接アクセスできます。これは、DBURITypeを使用して、表のコンテンツから簡単なXML文書を生成します。サーブレットはC言語ベースで、Oracle XML DB HTTPサーバーにインストールされます。
親トピック: URIを使用したデータ・アクセス
32.9.1 URLを使用したMIMEタイプのオーバーライド
MIMEコンテンツ・タイプをオーバーライドするには、別のMIMEタイプをcontenttypeパラメータとしてサーブレットに渡すURLを使用します。
employee表のemployee_id列を取得するには、次のいずれかに類似したURLを使用できます。ここで、コンピュータserver.oracle.comがOracle Databaseを実行し、Webサービスがポート8080でリクエストをリスニングしています。ステップoradbはサーブレットにマップする仮想パスです。
http://server.oracle.com:8080/oradb/QUINE/A/ROW[B=200]/C/text()text/plainのコンテンツ・タイプを生成
http://server.oracle.com:8080/oradb/QUINE/A/ROW[B=200]/Ctext/xmlのコンテンツ・タイプを生成
コンテンツ・タイプをオーバーライドするには、text/htmlをcontenttypeパラメータとしてサーブレットに渡すURLを使用できます。
http://server.oracle.com:8080/oradb/QUINE/A/ROW[B=200]/C?contenttype=text/htmltext/htmlのコンテンツ・タイプを生成
親トピック: DBUriServlet
32.9.2 DBUriServletのカスタマイズ
DBUriServletをカスタマイズするには、Oracle XML DBの構成ファイルxdbconfig.xmlを変更します。
Oracle XML DBの構成ファイルxdbconfig.xmlを編集するには、データベース・スキーマ(ユーザー・アカウント) XDBとWebDAV、FTP、Oracle Enterprise ManagerまたはPL/SQLを使用します。FTPまたはWebDAVを使用してファイルを更新するには、文書をダウンロードし、編集し、データベースに再度保存します。PL/SQLパッケージDBMS_XDB_CONFIGは、ファイルにアクセスするための特に便利な方法と、特定の構成変更を実行するサブプログラムを提供します。たとえば、DBMS_XDB_CONFIG.deleteservletmappingを使用すると、サーブレット・マッピングを削除できます。
DBUriServletのインストール先は/oradb/*で、これはxdbconfig.xmlのservlet-patternタグで指定されているアドレスです。アスタリスク(*)は、oradb以降のすべてのパスが同じサーブレットにマップされることを示すために必要です。oradbは仮想パスとして公開されます。サーブレットにアクセスするために使用するパスを変更できます。
例32-20では、DBUriServletを/dburi/*にインストールするように構成ファイルが変更されています。(ここでは、XPath式が長いので、説明のために分割されています。実際には1行に記述してください)。
セキュリティ・パラメータ、サーブレットの表示名および説明も、xdbconfig.xml構成ファイル内でカスタマイズできます。サーブレットは、servlet-patternを削除することによって削除できます。また、XQuery Updateを使用してservlet-mapping要素をNULLに更新することによっても削除できます。
例32-20 DBUriServletのインストール先の変更
DECLARE
doc XMLType;
doc2 XMLType;
BEGIN
doc := DBMS_XDB_CONFIG.cfg_get();
SELECT XMLQuery('declare default element namespace
"http://xmlns.oracle.com/xdb/xdbconfig.xsd";
copy $i := $doc modify
for $j in
$i/xdbconfig/sysconfig/protocolconfig/httpconfig/webappconfig/servletconfig/servlet-mappingsFoot 2
/servlet-mapping[servlet-name="DBUriServlet"]/servlet-pattern
return replace value of node $j with $i/dburi/*
return $i'
PASSING DBMS_XDB_CONFIG.cfg_get() AS "doc"
RETURNING CONTENT) INTO doc2 FROM DUAL;
DBMS_XDB_CONFIG.cfg_update(doc2);
COMMIT;
END;
/
32.9.3 DBUriServletセキュリティのロールの使用
サーブレットのセキュリティは、Oracle Databaseでロールを使用することによって処理されます。サーブレットにログインするユーザーは、ユーザー自身のデータベース・ユーザー名およびパスワードを使用します。サーブレットは、ログインするユーザーが、構成ファイルに指定されているロールのいずれかを持っているかどうかを、パラメータsecurity-role-refを使用して確認します。
デフォルトでは、サーブレットはロールauthenticatedUser、および有効なデータベース・パスワードを使用してサーブレットにログインし、このロールを持っているあらゆるユーザーが利用できます。
ロール・パラメータを変更して、特定のデータベース・ロールにアクセスを制限できます。デフォルトのauthenticatedUserロールから、ユーザーが作成したロールに変更するには、Oracle XML DB構成ファイルを変更します。
例32-21では、デフォルト・ロールauthenticatedUserをロールservlet-users(ユーザーが作成したという想定のもの)に変更します。
例32-21 サーブレット・アクセスのデータベース・ロールへの制限
DECLARE
doc XMLType;
doc2 XMLType;
doc3 XMLType;
BEGIN
doc := DBMS_XDB_CONFIG.cfg_get();
SELECT XMLQuery('copy $i := $p1 modify
(for $j in $i/xdbconfig/sysconfig/protocolconfig/httpconfig/webappconfig/servletconfig/Foot 3
servlet-list/servlet[servlet-name="DBUriServlet"]/security-role-ref/role-name
return replace value of node $j with $p2)
return $i'
PASSING DOC AS "p1", 'servlet-users' AS "p2" RETURNING CONTENT)
INTO doc2 FROM DUAL;
SELECT XMLQuery('copy $i := $p1 modify
(for $j in $i/xdbconfig/sysconfig/protocolconfig/httpconfig/webappconfig/servletconfig/
servlet-list/servlet[servlet-name="DBUriServlet"]/security-role-ref/role-link
return replace value of node $j with $p2)
return $i'
PASSING DOC2 AS "p1", 'servlet-users' AS "p2" RETURNING CONTENT)
INTO doc3 FROM DUAL;
DBMS_XDB_CONFIG.cfg_update(doc3);
COMMIT;
END;
/親トピック: DBUriServlet
32.9.4 DBUriを処理するためのパッケージURIFACTORYの構成
効率を向上させるには、URIFACTORYに対し、指定された形式のURIはデータベース・アクセスを表しているので、HTTPUriではなくDBUriとして実現する必要があることを指示します。そのためには、このURIのハンドラを接頭辞として登録し、生成するインスタンスの型としてDBURITypeを指定します。
http://server/servlets/oradbといったURLは、DBUriServlet (またはカスタム・サーブレット)により処理されます。この種のURLがURITypeインスタンスとして格納される場合、サブタイプDBURITypeを使用すると便利です。これは、このURIがデータベース・データをターゲットにしているためです。
ただし、URITypeインスタンスが、PL/SQLパッケージURIFACTORYのメソッドを使用して作成された場合は、デフォルトで使用されるサブタイプは、DBURITypeではなくHTTPURITypeです。これは、URIFACTORYがURI接頭辞のみに注目し、http://を検出して、URIターゲットがWebページであると想定するためです。これにより、不要な通信レイヤーが作成され、無駄な文字変換が行われます。
指定された形式のURIはデータベース・アクセスを表し、HTTPUriではなくDBUriとして実現する必要があることをURIFACTORYに対して指示するには、このURIのハンドラを接頭辞として登録し、生成するインスタンスの型としてDBURITypeを指定します。
例32-22では、URIFACTORYに対して、http://server/servlets/oradbで始まるあらゆるURI文字列がデータベース・アクセスに対応していることを効率的に通知しています。
このコードを実行すると、同一のセッションにおけるすべてのgetURI()コールにより、接頭辞http://server/servlets/oradbを持つあらゆるURI文字列用のDBUriが自動的に作成されます。
関連項目:
URIFACTORYファンクションの詳細は、Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンスを参照してください。
例32-22 DBUri接頭辞用のハンドラの登録
BEGIN
URIFACTORY.registerURLHandler('http://server/servlets/oradb',
'SYS', 'DBURIType', true, true);
END;
/
親トピック: DBUriServlet
32.9.5 DBUriサーブレットを使用した、Webブラウザからの表またはビューへのアクセス
Oracle XML DBに含まれているDBUriサーブレットを使用すると、Webブラウザからすべての表またはビューのコンテンツに直接アクセスできます。これは、DBURITypeを使用して、表のコンテンツから簡単なXML文書を生成します。サーブレットはC言語ベースで、Oracle XML DB HTTPサーバーにインストールされます。
デフォルトでは、サーブレットは仮想ディレクトリ/oradbにインストールされます。
DBUriサーブレットに渡されるURLは、DBURITypeに渡されるURLの拡張です。このURLは、Oracle XML DB HTTPサーバーのアドレスとポート番号、およびHTTP(S)リクエストをDBUriサーブレットに転送する仮想ルートを使用して拡張されています。このURLのデフォルト構成は/oradbです。
したがって、URL http://localhost:8080/oradb/HR/DEPARTMENTSは、HRデータベース・スキーマにあるDEPARTMENTS表のコンテンツが含まれるXML文書を戻します。この場合、Oracle XML DB HTTPサーバーはポート8080で実行され、DBUri servletの仮想ルートは/oradbで、リクエストを発行したユーザーにはHRデータベース・スキーマに対するアクセス権限があると想定されます。
DBUriサーブレットは、ROWタグの名前、およびクライアントに戻される文書のMIMEタイプを指定できるパラメータを受け取ります。
XMLType表またはビューのコンテンツにも、DBUri servletを介してアクセスできます。DBUri servletに渡されるURLでXMLType表またはXMLTypeビューを参照する場合は、表または行内のどの文書が戻されるかを判別できるXPath式を使用してURLを拡張できます。URLに追加するXPath式は、文書内のすべてのノードを参照できます。
DBUriサーブレットで生成されたXMLは、Oracle XML DBに組み込まれているXSLTプロセッサを使用して変換できます。これによって、DBUri servletで生成されたXMLを、HTMLなど読みやすい形式で表示できます。
XSLTスタイルシート処理を開始するには、DBUriサーブレットに渡されるURLの一部としてtransformパラメータを指定します。スタイルシートは、そのスタイルシートのデータベース内での場所を参照するURIを使用して指定します。URIは、表またはビュー内のXMLType列を識別するDBURIType値、またはOracle XML DBリポジトリに格納された文書へのパスのいずれかになります。スタイルシートは、生成されたXMLがクライアントに戻される前に、XMLに直接適用されます。DBUriサーブレットを使用してXSLT処理を実行するときは、contenttypeパラメータを使用して、生成された出力のMIMEタイプを明示的に指定することをお薦めします。
変換されるXML文書がXML Schemaに基づくXMLTypeインスタンスとして格納されると、Oracle XML DBは、遅延ロードされた仮想DOMの機能を使用できるため、XSL変換に関連するオーバーヘッドを削減できます。
URLのルートは/oradbであるため、このURLは、Oracle XML DBリポジトリのリソースとしてではなく、SCOTTデータベース・スキーマのpurchaseorder表にアクセスするDBUriサーブレットに渡されます。このURLには、結果セットを、述語で指定した値がノード/PurchaseOrder/Reference/text()に含まれる文書に制限するXPath式が含まれます。contenttypeパラメータは、生成される文書のMIMEタイプをtext/xmlに設定します。
関連トピック
親トピック: DBUriServlet
脚注の説明
脚注2:このXQuery式は、説明のみを目的として2行に分割されています。
脚注3:
このXQuery式は、説明のみを目的として2行に分割されています。

