4 ゲートウェイのインストール
始める前に
オンライン・トランザクション・プロセッサを構成してゲートウェイからアクセスできるようにするには、OLTPおよびホスト・オペレーティング・システムの一部のコンポーネントでの作業が必要です。 ホスト・システムにOracleソフトウェアはインストールされませんが、ホスト・システムおよびOLTPへのアクセス権限と多少の知識が必要です。 ゲートウェイのインストールには、ホスト・システムとOLTPのインストール・ステップに関する情報が含まれていますが、該当するOLTPおよびホスト・システムのドキュメントがあることを確認する必要があります。
OLTP上の構成作業で、OLTPの再起動が必要になることがあります。 必ず、ホスト・システムのプログラマまたはDBAが、OLTPに関する指示を確認してから再起動してください。
1つのOracleデータベースと1つのOLTPを使用してゲートウェイをインストールおよび構成するには、ゲートウェイ・ソフトウェアのインストールで説明されている手順を実行します。
注意:
「ゲートウェイがSNA通信プロトコルを使用している場合」を実行した後、この章のインストールおよび構成の手順、「Oracle Networkの構成」、および「SNA通信プロトコルを使用したゲートウェイ構成」に従ってください。
「ゲートウェイがTCP/IP通信プロトコルを使用している場合」を実行した後、この章のインストールおよび構成の手順、「Oracle Networkの構成」、および「TCP/IP通信プロトコルを使用したゲートウェイ構成」に従ってください。
ゲートウェイのアップグレード/移行の計画
この項は、Oracle Database Gateway for APPCの旧リリースをご利用のユーザーの方にのみ関係があります。 以前のゲートウェイをインストールしている場合は、Oracle Database Gateway for APPCの12c Release 2 (12.2)をインストールする前に、次のトピックで説明するタスクを実行する必要があります。
注意:
このセクションを読んだら、「既存のゲートウェイからの移行」を読んで、ゲートウェイのアップグレードまたはマイグレーションの準備のために実行する必要がある特定のアクションを判別する必要があります。 Oracle Database Gateway for APPC 12cリリース2 (12.2)を4.01以前のバージョンから移行する場合は、「既存のゲートウェイからの移行」でゲートウェイを移行するためのコンテンツが見つかります。
Oracle Database Gateway for APPCをはじめてインストールする場合は、「"インストール前のステップ"」から始めてください。
この項には次のトピックが含まれます:
アップグレードと移行に関する考慮事項
アップグレードの考慮事項は次のとおりです。
-
アップグレード後のPGデータ・ディクショナリ(PGDD)には、旧バージョンのエントリがすべて変更されずに含まれます。 新機能をサポートするために、新しいPGAU制御情報といくつかの列が追加されますが、カスタマ・エントリはアップグレードしても変更されません。
-
次の項目が変更されたため、Oracle Database Gateway for APPCリリース4.0.1以前のTIPは、すべて再コンパイルする必要があります。
-
PL/SQLの互換性
-
ゲートウェイ・サーバーのRPCインタフェース
-
UTL_PG
インタフェース
-
-
SNA通信プロトコルを使用して以前に生成された既存のTIPがゲートウェイにあり、新しいTCP/IP機能を使用する場合、必須の
NLS_LANGUAGE
設定およびサイド・プロファイル設定を使用してPGAUがTIPを再コンパイルする必要があります。DEFINE TRANSACTION
コマンドで、適切なASCIIキャラクタ・セットを指定します。これは、ゲートウェイではIMS Connect内でユーザー・イグジットが使用されており、それによってASCIIキャラクタ・セットとEBCDICキャラクタ・セットの間の変換が行われると想定されているためです。
インストール前のステップ
-
ご使用のシステムが「システム要求」で指定されているハードウェアおよびソフトウェア要件をすべて満たしていることを確認してください。
-
セキュリティ要件を満たしていることを確認します。
OLTPでの接続とデータ・アクセスのセキュリティ要件の詳細については、「システム要求」を参照してください。
-
システムの構成に必要な一意のパラメータ名と、「構成ワークシート」にある選択した通信プロトコル(SNAまたはTCP/IPのいずれか)を識別するワークシートを記入してください。
-
ゲートウェイのSID(システム識別子)を決定します。 このSIDは「ゲートウェイの構成」で使用されます。
SIDは一意である必要があり、システム上に同じSIDを使用する他のゲートウェイまたはOracleデータベースがあることはできません。
-
SNAのみ: SNAパッケージがインストールおよび構成されてからでないと、ゲートウェイのインストールを続行できません。 システムが、使用するプラットフォームに対応するSNA通信パッケージを使用してOLTPと通信できることを確認します。
ご使用のプラットフォームでOracle Database Gateway for APPCを実行するために必要なSNA通信パッケージのセットアップと構成に関する情報は、次のリストに従って、該当するこのガイドの章を参照してください。
-
LinuxのIntel Pentiumベースの32ビット・システムについては、「LinuxでのSNA通信パッケージの構成」を参照してください。
-
AIXベースのシステムについては、「AIXベースのシステムでのSNA通信パッケージの構成」を参照してください。
-
Solarisオペレーティング・システム(SPARC 64ビット版)については、「SolarisでのSNA通信パッケージの構成」を参照してください。
-
-
TCP/IPのみ: : TCP/IPパッケージがインストールおよび構成されてからでないと、ゲートウェイのインストールを続行できません。
システムが、使用するプラットフォームに対応するTCP/IP通信パッケージを使用してOLTPと通信できることを確認します。
Oracle製品のインストールおよびOracle Universal Installerの使用に関する一般的な情報が必要な場合は、「Oracle Databaseインストール・ガイド」を参照してください。
ゲートウェイ・ソフトウェアのインストール
Oracle製品のインストールおよびOracle Universal Installerの使用方法の一般的な情報は、「Oracle Databaseインストール・ガイド」を参照して、まず必要な作業をすべて実行してください。
サーバーのリリースがゲートウェイのリリースと異なる場合は、ゲートウェイをOracleデータベースと同じOracleホーム・ディレクトリにインストールしないでください。 これは、ゲートウェイをOracleデータベース・アップグレードから分離するために必要です。です。ゲートウェイの実行可能ファイルがより新しいバージョンのOracleデータベース・ライブラリと再リンクされた場合、Oracleデータベース・アップグレードが不適合の原因となる可能性があります。
インストール・ステップ
Oracleデータベースと同一のOracleホームにゲートウェイをインストールする場合、両方の製品のリリース番号が同一である必要があります。 この項ではゲートウェイのインストール・ステップを示します。 次の項目が含まれます。
Oracle Universal Installerの指示に従って操作します
注意:
Oracle Universal Installerにより、Oracle提供版のJava Runtime Environment(JREが自動的にインストールされます。 このバージョンはOracle Universal Installerと、一部のOracleアシスタントを実行するために必要です。 Oracle Support Services提供のパッチ以外の方法でJREを変更しないでください。 また、JDKもOracle Universal Installerによりインストールされます。
Oracle Universal Installerは、実行できる操作を示すことでゲートウェイのインストールをご案内するメニュー方式のユーティリティです。 実行できる操作とその順番はプラットフォームにより異なります。
次の項では、Oracle Universal Installerを使用してプラットフォームにゲートウェイをインストールする方法を説明します。
UNIXプラットフォームのOracle Universal Installer
Oracle Universal Installerの使用方法は表4-1を参照してください。 UNIXプラットフォームにゲートウェイをインストールするには、Oracle Universal Installerの表示に応じて表の操作列に記載された操作を実行します。
表4-1 Oracle Universal Installer: Oracle Database Gateway for APPCのインストール・ステップ
プロンプト | レスポンス |
---|---|
Oracle Universal Installer: ようこそ |
次へをクリックします。 |
Oracle Universal Installer: インベントリ・ディレクトリと資格証明の指定 |
a. インベントリ・ディレクトリのフル・パスを指定します。 b. オペレーティング・システム・グループ名を指定します。 c 次へをクリックします。 |
Oracle Universal Installer: ホームの詳細の指定 |
a. インストール先の名前を指定します。 b. 製品インストール先のフル・パスを指定します。 c 次へをクリックします。 |
Oracle Universal Installer: 使用可能な製品コンポーネント |
a. 選択された製品の選択を解除します。 b. Oracle Database Gateway 12.2を選択してこの行を表示します。 c Oracle Database Gateway for APPC 12.2を選択します。 d 次へをクリックします。 |
Oracle Universal Installer: ネットワーク・ソフトウェア |
ネットワーク・パッケージを指定して次へをクリックします。 |
Oracle Universal Installer: サマリー |
インストールをクリックします。 |
Oracle Net構成支援: ようこそ |
次へをクリックします。 |
Oracle Net構成支援: リスナー構成、リスナー名 |
作成するリスナーの名前を指定して次へを選択します。 |
Oracle Net構成支援: リスナー構成、プロトコルの選択 |
プロトコルを選択し、次へをクリックします。 |
Oracle Net構成支援: リスナー構成、TCP/IPプロトコル |
ポート番号を指定して次へをクリックします。 |
Oracle Net構成支援:リスナー構成、リスナーの追加? |
いいえをクリックしてから次へをクリックします。 |
Oracle Net構成支援: リスナーの構成完了 |
次へをクリックします。 |
Oracle net構成アシスタンス: 命名メソッドの構成 |
いいえをクリックしてから次へをクリックします。 |
Oracle Net構成支援: 完了 |
終了をクリックします。 |
構成スクリプトの実行 |
ここで |
Oracle Universal Installer: インストールの終了 |
終了をクリックします。 |
Oracle Universal Installerによりインストールの完了が確認されたら、インストール手順が成功しているかどうかを検証してください。 これを行うには、$ORACLE_HOME/install
ディレクトリにあるインストール・ログファイルの内容を読んでください。 デフォルトのファイル名はmake.log
です。
注意:
$ORACLE_HOME/dg4appc/doc/README.doc
ファイルの内容を印刷し、文書全体を読み込みます。インストールに関する重要な情報が含まれています。 README.doc
ファイルを読み終えたら、ゲートウェイの構成に進みます。
Oracle Database Gateway for APPCの削除
この項では、Oracleホーム・ディレクトリからOracle Databaseゲートウェイを削除する方法について説明します。 内容は次のとおりです。
削除ツールについて
削除ツール(deinstall
)は、インストール・メディアからインストールした後、Oracleホーム・ディレクトリから使用できます。 これはパス $ORACLE_HOME/deinstall
にあります。
deinstall
コマンドによって、Oracleソフトウェアが停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルが削除されます。
このコマンドでは次の構文を使用します。可変的な内容はイタリック体で示されています。
deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local] [-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help | -h]
オプションは次のとおりです。
-
-silent
このフラグは、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでコマンドを実行する場合に使用します。
-silent
フラグを使用する場合は、-paramfile
フラグを使用して、削除または構成解除するOracleホームの構成値を含むパラメータ・ファイルを指定する必要があります。使用または変更するパラメータ・ファイルは、
-checkonly
フラグを指定してdeinstall
を実行すると生成できます。deinstall
コマンドにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。 生成されたプロパティ・ファイルは、-silent
オプションで使用できます。response
フォルダにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更することもできます。 -
-checkonly
このフラグを指定すると、Oracleソフトウェアのホーム構成の状態が確認されます。
-checkonly
フラグを使用してコマンドを実行しても、Oracle構成は削除されません。-checkonly
フラグにより、deinstallコマンドで使用できるパラメータ・ファイルが生成されます。 -
-local
このフラグを複数ノード環境で指定すると、クラスタのOracleソフトウェアの構成が解除されます。
このフラグを指定して
deconfig
を実行すると、ローカル・ノード(deconfigが実行されているノード)上のOracleソフトウェアが構成解除されて削除されます。 リモート・ノードでは、Oracleソフトウェアの構成は解除されますが、Oracleソフトウェアは削除されません。 -
-paramfile
入力パラメータのプロパティ・ファイルの完全パス
このフラグを使用して、デフォルト以外のロケーションにあるパラメータ・ファイルを使用して構成解除を実行します。 このフラグを使用するときは、パラメータ・ファイルがある完全パスを指定します。
パラメータ・ファイルのデフォルトのロケーションは、deconfigのロケーションによって異なります:
-
インストール・メディアまたはステージの場所からの場合:
$ORACLE_HOME/inventory/response
-
Oracle Technology Networkの解凍されたアーカイブ・ファイルから:
/ziplocation/response
-
インストール済Oracleホームからの場合(インストール後):
$ORACLE_HOME/deinstall/response
-
-
-params [name1=
value
name 2=
value
name3=
value. . .]
このフラグをパラメータ・ファイルとともに使用すると、作成済のパラメータ・ファイルに記述された1つ以上の値を上書きして変更できます。
-
-o
complete path of directory for saving response files
このフラグは、プロパティ・ファイル(
deinstall.rsp.tmpl
)が保存されている、デフォルトの場所以外のパスを指定する場合に使用します。パラメータ・ファイルのデフォルトのロケーションは、deconfigのロケーションによって異なります:
-
インストール・メディアまたはステージの場所からの場合(インストール前):
$ORACLE_HOME/
-
Oracle Technology Networkの解凍されたアーカイブ・ファイルから:
/ziplocation/response/
-
インストール済Oracleホームからの場合(インストール後):
$ORACLE_HOME/deinstall/response
-
-
-help | -h
ヘルプ・オプション(
-help
または-h
)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。