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このリリースでの『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』の変更点

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Databaseリリース19cにおける変更点

Oracle Database 19c向け『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』での変更は次のとおりです。

新機能

Oracle Database 18c、バージョン18.1での変更点

Oracle Database 18c、バージョン18.1向け『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』での変更は次のとおりです。

新機能

  • 近似問合せ処理の機能強化

    ビジネス・インテリジェンス(BI)アプリケーションは、集計関数(分析関数を含む)を広範囲に使用して、一般的なビジネス問合せに応答します。近似問合せ処理を使用すると、既存の分析ワークロードのパフォーマンスが即座に向上し、より高速な非定型のデータ探索が可能になります。ランキング、合計およびカウントのための近似SQL関数が上位Nスタイルの問合せに使用できるようになりました。

  • パラレル・パーティション・ワイズ操作の機能強化

    パラレル・パーティション・ワイズのSQL操作により問合せのパフォーマンスが大幅に向上し、応答時間が改善されます。パラレル・パーティション・ワイズ結合は一般に、大規模な結合の処理を効率的かつ高速に行うために使用されます。パラレル・パーティション・ワイズ結合に加えて、SQLウィンドウ句があるSQL操作をパラレル・パーティション・ワイズで実行できます。

  • 分析ビューの機能強化

    • SELECT文のWITHまたはFROM句では、分析ビューの問合せに、分析ビューによりアクセスされるデータを集計の前にフィルタ処理するFILTER FACTキーワードを含めることができるようになりました。新しいADDおよびMEASURESキーワードを使用することにより、SELECT文内に分析ビューの計算済メジャーを定義でき、アプリケーションで独自のメジャーを動的に定義できるようになりました。

    • CREATE ATTRIBUTE DIMENSION文のJOIN PATHキーワードでは、スノーフレーク・スタイルのディメンション表の使用をサポートしています。CREATE ANALYTIC VIEW文のREFERENCES DISTINCTキーワードでは、ディメンション属性とファクト・データが同じ表にある非正規化ファクト表の使用がサポートされます。

    • 分析ビューにおいて、計算済メジャー式で使用できる様々な新しい関数がサポートされるようになりました。この新しい関数には、RANK_*、PERCENTILE_*、STATS_*、COVAR_*、HIER_DEPTHHIER_LEVELHIER_MEMBER_NAMEHIER_MEMBER_UNIQUE_NAMEHIER_CAPTIONおよびHIER_DESCRIPTIONがあります。また、計算済メジャーの定義において階層属性を使用できるようになりました。たとえば、CASE文では属性の値に基づく各種の計算式を指定できます。

Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)での変更点

Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)向け『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』での変更は次のとおりです。

新機能

  • 属性ディメンション、階層および分析ビュー

    分析ビューは、既存のデータベース表およびビューに格納されているデータの分析問合せを迅速に効率的に作成する方法を提供します。属性ディメンションは、ディメンション表またはビューの列を属性として指定し、属性をレベルに編成します。階層はレベルを階層的に編成します。分析ビューは階層を参照し、ファクト表のデータを参照するメジャーおよびそのデータを使用して行う計算を指定するメジャーを指定します。

    分析ビューの概要を参照してください。

  • リアルタイムのマテリアライズド・ビュー

    リアルタイム・マテリアライズド・ビューは、マテリアライズド・ビューが失効とマークされている場合でも最新のデータをユーザーの問合せに提供することによって、マテリアライズド・ビューの可用性をさらに改善します。失効したリアルタイム・マテリアライズド・ビューに問合せがアクセスすると、Oracle Databaseは、マテリアライズド・ビューの失効したデータとマテリアライズド・ビュー・ログに格納されているデルタ情報を使用して、その場で最新の問合せ結果を計算します。

    リアルタイムのマテリアライズド・ビューの使用を参照してください。

  • マテリアライズド・ビューのON STATEMENTリフレッシュ・モード

    ON STATEMENTリフレッシュ・モードでは、実表に対してDML操作が実行されるたびに、トランザクションをコミットしなくてもマテリアライズド・ビューがリフレッシュされます。このモードでは、実表のマテリアライズド・ビュー・ログを保守する必要はありません。

    マテリアライズド・ビューのON STATEMENTリフレッシュについてを参照してください。

  • マテリアライズド・ビュー・リフレッシュ統計の管理

    マテリアライズド・ビューのリフレッシュ操作に関する統計が収集され、データベースに保存されます。現在および過去の統計を使用し、マテリアライズド・ビューのリフレッシュ・パフォーマンスを時間の経過に沿って分析できます。

    マテリアライズド・ビューのリフレッシュ操作の監視を参照してください。

  • 近似問合せ処理のサポート

    近似問合せ処理は、正確な結果との誤差がごくわずかな近似結果を返すSQL関数を使用する探索問合せに対して非常に高速で応答します。近似結果を返すSQL関数を含む問合せ(または近似問合せ)は、マテリアライズド・ビューを作成するために使用できます。近似問合せに基づくマテリアライズド・ビューは、クエリー・リライトの対象となり、高速リフレッシュできます。

    近似問合せ処理についてを参照してください。

  • LISTAGG拡張

    LISTAGG関数は、LISTAGG関数によって返される連結された文字列がVARCHAR2データ型によってサポートされる最大長を超えた場合のシナリオに対する制御を提供するようになりました。

    LISTAGG関数を参照してください。

  • SQL関数を使用したデータ・エラーの処理の改善

    CAST演算子は、データ型変換エラーが発生した場合に、ユーザーが指定した値を返すことができるようになりました。VALIDATE_CONVERSION関数は、指定したデータ型への変換が成功するかどうかを判別します。

    SQLを使用したデータ・エラーの処理を参照してください。

  • IM列ストアによる問合せパフォーマンスの改善

    インメモリー式(IM式)は、頻繁に評価される問合せ式の結果を計算して、インメモリー列ストア(IM列ストア)移入します。IM式をIM列ストアに移入すると、後続の問合せでそれらを使用でき、問合せ応答時間が速くなります。

    インメモリー仮想列(IM仮想列)では、表に定義されている仮想列をIM列ストアに移入できます。表のすべての仮想列またはサブセットのみをメモリーに移入し、それらの仮想列にアクセスする分析問合せのパフォーマンスを改善できます。

    インメモリー式を使用した問合せパフォーマンスの改善についておよびインメモリー仮想列を使用した問合せパフォーマンスの改善についてを参照してください。

  • IM列ストア用の自動データ最適化(ADO)のサポート

    ADOを使用すると、IM列ストアのコンテンツを管理できます。ADOはヒート・マップ統計を使用し、最もメリットがある要素のみがIM列ストアに格納されるようにします。これにより、IM列ストアを使用することによるパフォーマンス上のメリットが高まります。

    インメモリー列ストアと自動データ最適化についてを参照してください。

  • 表の再定義時の一括更新のパフォーマンスの最適化

    DBMS_REDEFINITIONパッケージのEXECUTE_UPDATEプロシージャは、表に対する一括更新のパフォーマンスを最適化できます。

    バッチ更新および表のオンライン再定義についてを参照してください。

  • 表のオンライン再定義中のマテリアライズド・ビューのリフレッシュのサポート

    DBMS_REDEFINITIONパッケージを使用すると、表のオンライン再定義中に高速リフレッシュ可能な依存マテリアライズド・ビューを増分リフレッシュできます。

    表のオンライン再定義中に依存マテリアライズド・ビューをリフレッシュする方法についてを参照してください。

  • 外部表のパーティション化のサポート

    外部表のパーティション化では、既存のOracleパーティション化が外部表に拡張されました。これにより、外部ソースがよりよく統合されるようになりました。たとえば、外部表のパーティションとHIVE表のパーティションを連携できます。既存のパーティション・プルーニング・テクニックを使用した、データベースの外部に格納されているデータの問合せパフォーマンスも改善されました。

    簡易データ・アクセスのためのパーティション化を参照してください。

  • データベース操作の監視

    最適に実行されていない抽出、変換およびロード(ETL)ジョブを監視し、パフォーマンスのボトルネックを識別するために役立ちます。

    ETL操作の監視の概要を参照してください。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)での変更点

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)向け『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』での変更は次のとおりです。

新機能

  • Oracle In-Memory Column Store

    SGA内のオプション領域にあり、表、表パーティションおよび個別の列が圧縮列形式で格納されるOracle In-Memory Column Store(IM列ストア)。IM列ストアはデータベースバッファ・キャッシュに代わるものではなく、補完するものです。

    IM列ストアは、主に表スキャンとWHERE句述語の適用のパフォーマンスを改善します。表スキャンの高速化により、オプティマイザがブルーム・フィルタとVECTOR GROUP BY変換を選択する可能性が高くなります。

  • 属性クラスタリング

    表の属性クラスタリングにより、表中の特定の列の値に基づく順序に従って、データをディスク上の近接した位置に格納するようにできます。表ゾーン・マップを介したプルーニングの効率が向上するため、表スキャンと、索引を介した表データ参照のI/OおよびCPUコストは低下します。

  • ゾーン・マップ

    ゾーン・マップは、ディスク上でのデータの物理的な場所に基づくデータの自然なプルーニングを可能にします。完全表スキャン時には関連したデータ・ブロックのみにアクセスし、索引スキャン時には関連したデータ列のみにアクセスするため、データ・アクセスのI/OコストとCPUコストを削減できます。

  • インメモリー集計

    VECTOR GROUP BY操作は、1つ以上の比較的小さな表を大きな表に結合する問合せや、データを集計する問合せのパフォーマンスを向上させます。データ・ウェアハウジングのコンテキストでは、VECTOR GROUP BY集計は、IM列ストアからデータを選択するスター・クエリーの場合によく選択されます。

    VECTOR GROUP BY集計は、1つのファクト表に複数のディメンション表を結合する際の処理を最小化します。パラレル問合せに関連するインフラストラクチャを使用し、パフォーマンスを最大化する、CPU効率のよいアルゴリズムをそこにブレンドします。

  • 大きな表の自動キャッシング

    大きな表の自動キャッシングは、バッファ・キャッシュに完全にはおさまらない大きな表の、インメモリー問合せのパフォーマンスを向上させます。そのような表は、大きな表のキャッシュと呼ばれる、オプションの、データベース・バッファ・キャッシュの構成可能な部分に格納できます。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)での変更点

Oracle Database 12cリリース1(12.1.0.1)向け『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』での変更は次のとおりです。

新機能

  • パターン一致

    SQLはパターン一致をサポートするよう拡張されたため、様々な順序のパターンを容易に検出することが可能になりました。パターン一致は、株価の監視、ネットワーク侵入検知およびE-Commerce購買追跡など、多くの商用アプリケーションで役立ちます。

    関連項目:

    詳細は、パターン一致用SQLを参照してください。

  • 上位N問合せに対するネイティブSQLのサポート

    新しいrow_limiting_clauseにより、問合せで戻される行の数を制限できます。オフセットおよび戻される行の数または割合を指定できます。これにより、上位Nレポートが可能になります。

    関連項目:

    詳細は、SQLの行の制限を参照してください。

  • バルク・ロード操作に対するオンラインでの統計情報収集

    Oracle Database 12cより、バルク・ロード操作の一部として、表の統計情報がデータベースにより自動的に収集されます。

  • 同期リフレッシュ

    同期リフレッシュと呼ばれる新しいタイプのリフレッシュにより、一連の表と表に定義されているマテリアライズド・ビューが、常に同期した状態を維持できます。ここでは、増分データのロードが厳密に制御され、定期的に発生するデータ・ウェアハウスには非常に適しています。

    関連項目:

    詳細は、同期リフレッシュを参照してください。

  • ホーム外リフレッシュ

    マテリアライズド・ビューのリフレッシュ・パフォーマンスおよび可用性の向上のため、新しいタイプのリフレッシュが使用できます。このリフレッシュは、リフレッシュの際に外部表を使用するため、ホーム外リフレッシュと呼ばれます。特に、従来のDML文ではうまく対応できない大量のデータ変更を伴う状況を処理する際に効果的です。

    関連項目:

    詳細は、マテリアライズド・ビューのリフレッシュを参照してください。

サポート対象外機能

以前このドキュメントに記載されていた機能の一部は、Oracle Database 12cリリース1ではサポート対象外となっています。サポートされない機能のリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。