Oracle Grid InfrastructureとOracle Databaseのパッチ適用の結合

Oracle Grid Infrastructureデプロイメントにパッチを適用するときに、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングでは、クラスタのOracle Databaseホームに同時にパッチを適用できるため、単一のメンテナンス操作で両方のタイプのソフトウェア・ホームにパッチを適用できます。

ノート:

独立オートマトンを使用して、Oracle Grid InfrastructureとOracle Databaseの両方の組合せにパッチを適用することはできません。

次のrhpctl move gihomeコマンドのオプション・パラメータは、Oracle Grid InfrastructureとOracle Databaseのパッチ適用の結合のユースケースに関連します。

  • -auto: Oracle Grid Infrastructureへのパッチ適用とともに自動的にデータベースにパッチを適用します。

  • -dbhomes mapping_of_Oracle_homes: 次の形式のソースと宛先の作業用コピーのマッピング:
    sourcewc1=destwc1,...,source_oracle_home_path=destwcN
  • -dblist db_name_list: 指定したデータベースのみにパッチを適用します。

  • -excludedblist db_name_list: 指定したデータベースを除くすべてのデータベースにパッチを適用します。

  • -nodatapatch: 移動するデータベースに対してdatapatchが実行されないことを示します。

たとえば、Oracle Grid Infrastructure 12c リリース2 (12.2)のフリート・パッチ適用およびプロビジョニング・サーバーによって、ノードtest_749を含むOracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1.0.2)ターゲット・クラスタの次の作業用コピーがプロビジョニングされているとします。

  • GI121WC1: Oracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1.0.2)クラスタのアクティブなGridホーム

  • GI121WC2: Oracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1.0.2)クラスタのソフトウェアのみのGridホーム

  • DB121WC1: データベース・インスタンスを実行しているOracle RAC 12c リリース1 (12.1.0.2.0)データベース・ホーム

  • DB121025WC1: データベース・インスタンスのないOracle RAC 12c リリース1 (12.1.0.2.5)データベース・ホーム(これがパッチが適用されたホームです)

  • DB112WC1: データベース・インスタンスを実行しているOracle RAC 11g リリース2 (11.2.0.4.0)データベース・ホーム

  • DB112045WC1: データベース・インスタンスのないOracle RAC 11g リリース2 (11.2.0.4.5)データベース・ホーム(これがパッチが適用されたホームです)

また、同時に次の移動を実行するとします。

  • Oracle Grid Infrastructureを作業用コピーGI121WC1から作業用コピーGI121WC2

  • Oracle RACデータベースdb1を作業用コピーDB121WC1から作業用コピーDB121025WC1

  • Oracle RACデータベースdb2を作業用コピーDB112WC1から作業用コピーDB112045WC1

次の単一のコマンドによって移動が完了します。

$ rhpctl move gihome -sourcewc GI121WC1 -destwc GI121WC2 -auto
  -dbhomes DB121WC1=DB121025WC1,DB112WC1=DB112045WC1 -targetnode test_749 {authentication_option}

ノート:

  • 現在作業用コピーでない既存のOracleホームがある場合、ソース・ホームには作業用コピーの名前ではなくOracleホームのパスを指定します。前述の例では、既存の12.1.0.2ホームのOracleホームのパスが/u01/app/prod/12.1.0.2/dbhome1である場合は、DB121WC1=DB121025WC1/u01/app/prod/12.1.0.2/dbhome1=DB121025WC1に置き換えます。

  • 移動操作が完了前のある時点で失敗した場合は、失敗の原因を解決し、コマンドの再実行によって操作を再開するか、次のコマンドを発行して、部分的に完了した操作を元に戻すことができます。このコマンドにより、構成がその初期状態に戻されます。
    $ rhpctl move gihome -destwc GI121WC2 -revert {authentication_option}

前述のコマンド例では、Oracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1.0.2)のGridホームが作業用コピーGI121WC1から作業用コピーGI121WC2に移動し、作業用コピーDB121WC1で実行されているデータベースが作業用コピーDB121025WC1に移動し、作業用コピーDB112WC1で実行されているデータベースが作業用コピーDB112045WC1に移動します。

クライアント・クラスタの各ノードでは、RHPCTLの手順は次のとおりです。

  1. Oracle Grid Infrastructureを移動する構成済の操作前ユーザー・アクションを実行します(move gihome)。

  2. データベースの作業用コピーを移動する構成済の操作前ユーザー・アクションを実行します(move database)。

  3. ノードで実行されているサービスを停止して、ドレインと切断のオプションを適用します。

  4. Oracle ClusterwareとOracle Databaseの関連するパッチ適用操作を実行します。

  5. データベースの作業用コピーを移動する構成済の操作後ユーザー・アクションを実行します(move database)。

  6. Oracle Grid Infrastructureの作業用コピーを移動する構成済の操作後ユーザー・アクションを実行します(move gihome)。

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