gihomeコマンド

gihomeキーワードを指定してコマンドを使用し、Oracle Grid Infrastructureホームに対してノードを追加または削除し、Oracle Grid Infrastructureホームを移動およびアップグレードします。

rhpctl addnode gihome

1つ以上のノードをOracle Grid Infrastructureインストールに追加します。

構文

rhpctl addnode gihome {-workingcopy workingcopy_name | -client cluster_name}
  -newnodes node_name:node_vip[:node_role][,node_name:node_vip[:node_role]...]
  {-root | -cred cred_name | -sudouser sudo_user_name
    -sudopath sudo_binary_location | 
    -auth plugin_name [-arg1 name1:value1 [-arg2 name2:value2 ...]]}
  [-targetnode node_name] [-force] [-setupssh] [-useractiondata user_action_data]
  [-eval] [-schedule timer_value]

パラメータ

表A-20 rhpctl addnode gihomeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-workingcopy workingcopy_name

指定したノードにインストールおよび構成するアクティブなOracle Grid Infrastructureホームの作業用コピーの名前を指定します。

-client cluster_name

または、クラスタ・ノードを追加するクライアント・クラスタの名前を指定できます。

-newnodes node_name:node_vip[:node_role]

Oracle Clusterwareをプロビジョニングするノードのカンマ区切りリストを、node_name:node_vip[:node_role]...]の形式で指定します

ターゲットがフレックス・クラスタの場合は、node_roleをHUBまたはLEAFとして指定する必要があります。たとえば、-newnodes srv3:srv3-vip:HUB

-root | -cred cred_name | -sudouser sudo_user_name -sudopath sudo_binary_location | -auth plugin_name plugin_args

リモート・ノードにアクセスするには、root、資格証明名、sudo、または認証プラグインを選択する必要があります。

スーパーユーザー操作をrootとして実行する場合は、-rootを選択します。また、リモート・ノードにアクセスするためのユーザー名とパスワード資格証明を関連付ける資格証明名の指定、sudoユーザー名とsudoバイナリへのパスの指定によるsudoユーザーとしてのスーパーユーザー操作の実行、またはリモート・ノードにアクセスするための認証プラグインの使用も選択できます。

-targetnode node_name

必要に応じて、フリート・パッチ適用およびプロビジョニング・クライアントを持たないリモート・クラスタ内のノードの名前を指定できます。

–force

必要に応じて、このパラメータを使用すると、以前に失敗したノードの追加操作を無視してノードを強制的に追加できます。

-setupssh

プロビジョニング・ユーザーのために、リモート・ノード上にパスワードなしのSSHユーザー等価を設定します。

-useractiondata user_action_data

必要に応じて、ユーザー・アクション・スクリプトのuseractiondataパラメータに値を渡すことができます。

–eval

必要に応じて、このパラメータを使用すると、実際にコマンドを実行せずに、このコマンドがシステムに及ぼす影響を評価できます。

-schedule timer_value

必要に応じて、このコマンドをISO-8601形式で実行する時間をスケジュールできます。たとえば: 2018-01-21T19:13:17+05.

使用上のノート

  • 操作のターゲットを指定するには、作業用コピー名を使用するか、ターゲットがフリート・パッチ適用およびプロビジョニング・クライアントでない場合はクライアント・クラスタ名を使用します。

  • root資格証明、資格証明名、sudoユーザー、または認証プラグインを指定する必要があります。

  • ターゲット・クラスタがOracle Clusterware 11g リリース2 (11.2)または12c リリース1 (12.1)クラスタである場合は、ターゲット・ノードが必要であり、既存のクラスタ・ノードのノード名である必要があります。

rhpctl deletenode gihome

Oracle Grid Infrastructureインストールから1つ以上のノードを削除します。

構文

rhpctl deletenode gihome {-workingcopy workingcopy_name | -client cluster_name}
  -node node_list {-root | -sudouser sudo_username -sudopath sudo_binary_path
    -cred cred_name | -auth plugin_name [-arg1 name1:value1...]}
  [-targetnode node_name] [-useractiondata user_action_data] [-eval]

パラメータ

表A-21 rhpctl deletenode gihomeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-workingcopy workingcopy_name

指定したノードから削除するOracle Grid Infrastructureホームの作業用コピーの名前を指定します。

-client cluster_name

または、クラスタ・ノードを削除するクライアント・クラスタの名前を指定できます。

–node node_list

Oracle Grid Infrastructureを削除するノード名のカンマ区切りリストを指定します。

-root | -sudouser sudo_username -sudopath sudo_binary_path | -cred cred_name | -auth plugin_name [-arg1 name1:value1...]

sudoまたはrootを選択して、リモート・ノードにアクセスする必要があります。

sudoを選択した場合、スーパーユーザー操作を実行するユーザー名と、sudoバイナリの場所のパスを指定する必要があります。

必要に応じて、リモート・ノードにアクセスするためのユーザーおよびパスワード資格証明を関連付ける資格証明名を指定する選択ができます。

–sudouser–root、または–credのかわりに、–authを使用してリモート・ノードにアクセスする認証プラグインを指定することもできます。

-targetnode node_name

フリート・パッチ適用およびプロビジョニング・クライアントを持たないリモート・クラスタ内のノードの名前。

-useractiondata user_action_data

必要に応じて、ユーザー・アクション・スクリプトのuseractiondataパラメータに値を渡すことができます。

–eval

必要に応じて、このパラメータを使用すると、実際にコマンドを実行せずに、このコマンドがシステムに及ぼす影響を評価できます。

使用上のノート

  • 操作のターゲットを指定するには、作業用コピー名を使用するか、ターゲットがフリート・パッチ適用およびプロビジョニング・クライアントでない場合はクライアント・クラスタ名を使用します。

  • root資格証明またはsudoユーザーを指定する必要があります。

  • ターゲット・クラスタがOracle Clusterware 11g リリース2 (11.2)または12c リリース1 (12.1)クラスタである場合は、ターゲット・ノードが必要であり、既存のクラスタ・ノードのノード名である必要があります。

rhpctl move gihome

異なるホーム間でOracle Grid Infrastructureソフトウェア・スタックを移動します。

構文

rhpctl move gihome {-destwc destination_workingcopy_name |
   -desthome destination_oracle_home_path}
  {{-sourcewc source_workingcopy_name | -sourcehome oracle_home_path} [-usepatchedhome]
   [-targetnode target_node_name] [-ignorewcpatches] [-nonrolling] 
   [-keepplacement] [-auto -dbhomes mapping_of_Oracle_homes [-dblist db_name_list
    | -excludedblist db_name_list] [-nodatapatch] [-disconnect]
    [-stopoption stop_option] [-drain_timeout timeout]]
   [-batches list_of_batches | -smartmove [-saf availability]]
   [-schedule timer_value] | -continue | -revert |-abort}
  [-root | -cred cred_name | -sudouser sudo_username -sudopath path_to_sudo_binary
   | -auth plugin_name [-arg1 name1:value1 [-arg2 name2:value2 ...]]] [-cleanpids]
  [-useractiondata user_action_data] [-schedule timer_value] [-eval] [-excludedbs file_path]

パラメータ

表A-22 rhpctl move gihomeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-destwc destination_workingcopy_name

Oracle Grid Infrastructureを移動する宛先の作業用コピーの名前を指定します。

-desthome destination_oracle_home_path

Oracle Grid Infrastructureホームの移動時は、宛先の作業用コピーの名前を指定するかわりに、Oracleホームの移動先のパスを指定できます。

-sourcewc working_copy_name

作業用コピーからOracle Grid Infrastructureを移動する場合、Gridホームの移動元のソース作業用コピーの名前を指定します。

-sourcehome oracle_home_path

管理対象外の(フリート・パッチ適用およびプロビジョニングによってプロビジョニングされていない) OracleホームからOracle Grid Infrastructureを移動する場合は、Oracle Grid Infrastructureの移動元のOracleホームへのパスを指定します。

-usepatchedhome

パッチ適用済ホームを使用してOracle Grid Infrastructureのパッチ適用のためにOracle Fleet Patching Provisioningサーバーおよびクライアントを実行するには、このパラメータを指定します。

-targetnode target_node_name

フリート・パッチ適用およびプロビジョニング・クライアントを持たないリモート・クラスタ内のノードの名前。

-ignorewcpatches

ソースのパスまたは作業用コピーには存在するパッチの一部がパッチ適用済作業用コピー内になくても無視する場合は、このパラメータを使用します。

-nonrolling

Oracleホームを非ローリング形式で移動する場合は、このパラメータを使用します。

-keepplacement

管理者管理のOracle RACデータベースまたはOracle RAC One Nodeデータベースのサービスが移動操作の前と後で同じインスタンスで実行されるようにする場合は、このパラメータを指定します。

-auto -dbhomes mapping_of_Oracle_homes

Oracle Grid Infrastructureへのパッチ適用時にデータベースへのパッチ適用を自動的に行う場合は、このパラメータを指定します。

-dblist db_name_list

オプションで、パッチ適用操作を実行するデータベースの一意の名前(DB_DOMAINなしのDB_UNIQUE_NAME)を指定することもできます。

ノート: 非クラスタ化(シングル・インスタンス)データベースを移動する場合は、-dbnameパラメータの値に対して、データベース名ではなくデータベースのSIDを指定する必要があります。

-excludedblist db_name_list

-dbnameパラメータを使用するかわりに、-excludedblistパラメータを使用すると、特定のデータベースを除くすべてのデータベースにパッチを適用できます。

-nodatapatch

必要に応じて、このパラメータを使用して、移動するデータベースに対してdatapatchを実行しないように指定できます。

-disconnect

必要に応じて、このパラメータを使用すると、サービスを停止または再配置する前にすべてのセッションを切断できます。

-stopoption stop_option

必要に応じて、データベースの停止オプションABORT、IMMEDIATE、NORMAL、TRANSACTIONAL、またはTRANSACTIONAL_LOCALのいずれかを選択できます。

-drain_timeout session_drain_time

必要に応じて、このパラメータを使用して、サービス・ドレイン・タイムアウトを秒単位で指定できます。

-batches list_of_batches

必要に応じて、ノードのバッチのカンマ区切りリスト(各バッチがカッコで囲まれたノード名のカンマ区切りリストになる)を二重引用符("")で囲んで指定できます("(nA,nB,...),(...,nY,nZ)"という形式になります)。

-smartmove [-saf availability

また、-smartmoveパラメータを使用して、ノードのバッチのリストを自動生成し、各バッチ後にインスタンスを再起動することで、データベースを移動できます。

必要に応じて、-safパラメータを使用して、サービス可用性ファクタを指定できます。これは、移動中にサービスの実行を継続する必要があるインスタンスの最小パーセント値です。

-schedule timer_value

必要に応じて、このコマンドをISO-8601形式で実行する時間をスケジュールできます。たとえば: 2018-01-21T19:13:17+05.

-continue

ノードの次のバッチで引き続きOracle Clusterwareスタックを再起動する場合は、このパラメータを使用します。

-revert

移動操作前の状態に戻す場合は、このパラメータを使用します。

-abort

進行中の移動操作を中断する場合は、このパラメータを使用します。

-root | -cred cred_name | -sudouser sudo_user_name -sudopath sudo_binary_location | -auth plugin_name plugin_args

-targetnodeパラメータの使用を選択した場合に、リモート・ノードにアクセスするには、root、資格証明名、sudo、または認証プラグインを選択する必要があります。

スーパーユーザー操作をrootとして実行する場合は、-rootを選択します。また、リモート・ノードにアクセスするためのユーザー名とパスワード資格証明を関連付ける資格証明名の指定、sudoユーザー名とsudoバイナリへのパスの指定によるsudoユーザーとしてのスーパーユーザー操作の実行、またはリモート・ノードにアクセスするための認証プラグインの使用も選択できます。

-cleanpids

ソースと宛先の両方の作業用コピーで永続的ホーム・パスを使用している場合は、-cleanpidsを指定して、ソース・ホームでプロセスが完全に停止されるようにします。

-useractiondata user_action_data

必要に応じて、ユーザー・アクション・スクリプトのuseractiondataパラメータに値を渡すことができます。

-schedule timer_value
必要に応じて、次の例に示すように、このパラメータを使用して、ISO-8601形式でこの操作を実行する時間をスケジュールできます。
2018-07-25T19:13:17+05
-eval

rhpctl move gihomeコマンドを実際に実行することなく評価し、ノードの自動生成バッチおよび移動の順序を出力する場合は、このパラメータを使用します。

-excludedbs file_path

このパラメータを使用して、入力ファイルに指定されたデータベース名を除くすべてのパッチ適用済データベースを起動します。このパラメータは、データベース名のカンマ区切りリスト(DB_UNIQUE_NAME)を含むファイルのパスを受け入れます。

使用上のノート

-scheduleパラメータを使用する場合は、フリート・パッチ適用およびプロビジョニング・サーバーでこのコマンドを実行する必要があります。

grid12102wcpyという名前の作業用コピーからOracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1.0.2)を実行しているターゲット・クラスタが存在し、クラスタ内のノードの1つの名前がbposvr141であるとします。(rhpctl add workingcopyコマンドで-softwareonlyパラメータを使用して) grid12102PSUという名前のパッチ適用済作業用コピーをプロビジョニングした後、次のようにして、Gridホームをパッチ適用済作業用コピーに移動します。

$ rhpctl move gihome -sourcewc grid12102wcpy -destwc grid12102PSU -root -targetnode bposvr141

rhpctl upgrade gihome

Oracle Grid Infrastructureをソース作業用コピーまたはソース・ホーム・パスから宛先作業用コピーにアップグレードします。

構文

rhpctl upgrade gihome {-sourcewc source_workingcopy_name | 
     -sourcehome oracle_home_path -targetnode target_node_name} 
   -destwc destination_workingcopy_name
  {-root | -sudouser sudo_user_name -sudopath sudo_binary_location]
      -cred cred_name | 
      -auth plugin_name [-arg1 name1:value1...]  [-arg2 name2:value2 ...]}
  [-ignoreprereq] [-useractiondata user_action_data]
  [-eval] [-batches list_of_batches] [-abort | -continue]
  [-schedule {timer_value | NOW}]

パラメータ

表A-23 rhpctl upgrade gihomeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-sourcewc source_workingcopy_name

Oracle Grid Infrastructureホームをアップグレードする必要があるソースの作業用コピーの名前を指定します。

-sourcehome oracle_home_path

ソースの作業用コピーの名前を指定するかわりに、管理対象外のOracle Grid Infrastructureホームへのパスを指定できます。

-targetnode target_node_name

ソースOracle Grid Infrastructureホームを指定するだけでなく、フリート・パッチ適用およびプロビジョニング・クライアントを持たないリモート・クラスタ内のノードも指定する必要があります。

-destwc destination_workingcopy_name

Oracle Grid Infrastructureホームをアップグレードする宛先の作業用コピーの名前を指定します。

-root | -sudouser sudo_username -sudopath sudo_binary_path | -cred cred_name

-targetnodeパラメータを使用するように選択した場合は、sudoまたはrootを選択してリモート・ノードにアクセスする必要があります。

sudoを選択した場合、スーパーユーザー操作を実行するユーザー名と、sudoバイナリの場所のパスを指定する必要があります。

必要に応じて、リモート・ノードにアクセスするためのユーザーおよびパスワード資格証明を関連付ける資格証明名を指定する選択ができます。

–sudouser–root、または–credのかわりに、–authを使用してリモート・ノードにアクセスする認証プラグインを指定することもできます。

-auth plugin-name [-arg1 name1:value1 [-arg2 name2:value2 ...]]

認証プラグインを使用してリモート・ノードにアクセスします。

オプションで、プラグインに引数のリストを提供することもできます。

-ignoreprereq

CVU前提条件チェックを無視する場合は、このパラメータを使用します。

-schedule {timer_value | NOW}

必要に応じて、このコマンドをISO-8601形式で実行する時間をスケジュールできます。たとえば: 2018-01-21T19:13:17+05.

NOWを指定すると、ジョブは即時にスケジュールされます。

-useractiondata user_action_data

useractionスクリプトのuseractiondataパラメータに渡される値。

-eval

コマンドを実行せずに評価します。

-batches list_of_batches

"(Ba),...,(Bz)"という形式でのノードのバッチのリスト。

-abort | -continue

進行中の移動操作を中断するか、ノードの次のバッチでCRSスタックの再起動を続行します。