エラー防止および自動リカバリ・オプション

フリート・パッチ適用およびプロビジョニングには、保守操作中に役立つエラー防止オプションおよび自動リカバリ・オプションがあります。

保守操作中、エラーは、可能な場合は必ず回避する必要があり、エラーが発生した場合には、サービスの中断を回避するために自動リカバリ・パスを用意する必要があります。

エラー防止

多くのRHPCTLコマンドには、-evalパラメータがあります。このパラメータを使用すると、コマンドを実行して、変更を加えることなく現在の構成を評価し、コマンドを正常に実行できるかどうか、およびコマンド実行が構成にどのように影響するかを判別できます。-evalパラメータを使用して実行するコマンドは、構成を変更せずに、可能なかぎり多くの前提条件チェックを実行します。エラーが発生した場合は、RHPCTLにより、それらのエラーがコマンド出力で報告されます。エラーを修正した後、-evalを使用してコマンドを再実行することで、その修正を検証できます。–evalを使用してコマンドが正常に実行されると、実際のコマンドを実行しても成功する確実性が高くなります。

保守ウィンドウの外部で-evalパラメータを使用してコマンドをテストできるため、保守手順自体にはフル・ウィンドウを使用できます。

自動リカバリ・オプション

保守操作時、処理中(たとえば、rhpctl move databaseまたはrhpctl move gihomeコマンドの途中)、または操作成功後(たとえば、rhpctl move databaseコマンドの後、パフォーマンスや動作に関する問題が発生)にエラーが発生することがあります。

処理中のエラー

移動操作時に処理中のエラーが発生した場合は次のように処理します。
  • RHPCTLによって報告されたエラーを修正し、コマンドを再実行します。これにより、障害のポイントから実行が再開されます。

    コマンドの再実行が成功し、移動操作に操作後のユーザー・アクションが関連付けられている場合は、そのユーザー・アクションが実行されます。ただし、操作前ユーザー・アクションがある場合、RHPCTLでは、コマンドは再実行されません。

  • 失敗した移動の宛先(作業用コピーまたは管理対象外ホーム)、認証オプション(必要な場合)のみ指定し、-revertパラメータを使用して、新しいmoveコマンドを実行します。これにより、構成が初期状態に戻ります。

    操作に関連付けられているユーザー・アクションは実行されません。

  • 失敗した移動の宛先(作業用コピーまたは管理対象外ホーム)、認証オプション(必要な場合)、および-abortパラメータのみ指定して、新しいmoveコマンドを実行します。この場合、構成は現在の状態のままです。この時点で構成を最終状態にするには、手動操作が必要です。

    操作に関連付けられているユーザー・アクションは実行されません。

更新後の問題

新規データベースまたはOracle Grid Infrastructureホームへの移動操作が成功した後でも、変更を元に戻し、以前のホームにロールバックすることが必要になる場合もあります。ソース・ホームと宛先ホームを反対にしてコマンドを再実行することで、これを行うことができます。これは、実質的には、前の移動操作を参照せずに実行される新しい移動操作です。

ノート:

独立オートマトンでは、ソース・ホームおよび宛先ホームは、常に管理対象外のホーム(フリート・パッチ適用およびプロビジョニングによってプロビジョニングされていないホーム)です。フリート・パッチ適用およびプロビジョニング・サーバーまたはフリート・パッチ適用およびプロビジョニング・クライアントで移動操作を実行する場合、宛先ホームは、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングでプロビジョニングされた管理対象ホームである必要があります。