異機種間サービス・エージェント

異機種間サービス・エージェントとは、Oracle DatabaseでOracle以外のシステムへの接続に使用されるプロセスです。

Oracle以外のシステムにアクセスするエージェント・プロセスを、ゲートウェイと呼びます。すべてのゲートウェイへのアクセスはOracle Databaseの異機種間サービス・コンポーネントを経由し、すべてのゲートウェイに同じエージェント汎用コードが含まれます。各ゲートウェイには、異機種間サービスをOracle以外のシステムのクライアント・アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)にマップする、リンクされた別のドライバがあります。

エージェント・プロセスは2つのコンポーネントで構成されます。一方はエージェント汎用コード、他方はOracle以外のシステム固有のドライバです。エージェントは、主としてOracle Databaseをサード・パーティ・コードから分離するために存在します。プロセスがOracle以外のシステムにアクセスするには、そのシステムのクライアント・ライブラリをリンクする必要があります。エージェント・プロセスがなければ、これらのライブラリをOracle Databaseソフトウェアに直接リンクする必要があり、このコードに問題があるとOracle Databaseで障害が発生する可能性があります。エージェント・プロセスによって、Oracle Databaseがサード・パーティ・コードの問題から切り離されます。致命的なエラーがサード・パーティ・コードで発生した場合でも、エージェント・プロセスのみが終了します。

エージェントは、次のいずれかに存在できます。

  • Oracle以外のシステムと同じコンピュータ

  • Oracle Databaseと同じコンピュータ

  • 前述のどちらでもないコンピュータ

エージェント・プロセスは、ユーザー・セッションがデータベース・リンクを介してOracle以外のシステムにアクセスすると起動されます。このような接続は、Oracleのリモート・データ・アクセス・ソフトウェアOracle Net Servicesを使用して確立されます。このソフトウェアはクライアント/サーバーとサーバー/サーバー両方の通信に対応しています。エージェント・プロセスは、ユーザー・セッションが切断されるかデータベース・リンクが明示的にクローズされるまで実行を続けます。

マルチスレッド・エージェントの動作はそれぞれ異なります。この種のエージェントは、Oracle Net Servicesにより自動的に起動されるのではなく、データベース管理者が明示的に起動および停止する必要があります。