クライアント・コンピュータからの接続テスト
Oracleネット・ディレクトリ・ネーミングを使用する場合、クライアント・コンピュータでは、Oracleコンテキストに含まれるデータベース・エントリまたはネット・サービス名エントリを指定して、データベースに接続します。
たとえば、Active DirectoryのOracleコンテキスト内のデータベース・エントリがorcl
で、クライアントとデータベースが同じドメインに属する場合、次のように接続文字列を入力し、SQL*Plusを介してデータベースに接続します。
SQL> CONNECT username@orcl Enter password: password
クライアントとデータベースが異なるドメインに属する場合は、次のように入力し、SQL*Plusを介してデータベースに接続します。
SQL> CONNECT username@orcl.domain Enter password: password
domain
は、Oracle Databaseサーバーが存在するドメインです。
LDAPネーミング・アダプタには、簡易ネーミングと呼ばれる内部機能があります。この機能では、ldap.ora:DEFAULT_ADMIN_CONTEXT
で使用されるネーミング規則に基づいて、DNS形式の名前をx500 (LDAP)形式の名前(DN)に変換します。
これは、org
形式またはドメイン・コンポーネント(dc)形式を使用したldap.ora:default_admin_contextに依存しています。これにより、次のいずれかの規則を使用してドメイン名をx500 DNに変換するメカニズムが提供されます。
-
'dc=, dc='
-
'ou=, o='
-
'ou=, o=, c='
次に例を示します。
SQL> CONNECT SMITH@hr.example.com
Enter password: password
default_admin_contextの次の値により、関連するDNが生成されます。
DEFAULT_ADMIN_CONTEXT="o=stdev"
結果となるDNは次のとおりです。
cn=HR,cn=OracleContext,ou=EXAMPLE,o=COM DEFAULT_ADMIN_CONTEXT="dc=oracle, dc=com"
結果となるDNは次のとおりです。
cn=HR,cn=OracleContext,dc=EXAMPLE,dc=COM DEFAULT_ADMIN_CONTEXT="o=oracle,c=us"
結果となるDNは次のとおりです。
cn=HR,cn=OracleContext,o=EXAMPLE,c=COM
注意:
default_admin_context
の値をそのまま使用することはできません。問合せ先の名前は完全修飾形式で指定するからです。特定のDNコンポーネントの各ドメインを変換するときに、default_admin_context
に基づいて、生成されるDNのスタイル、使用される左辺が決定されます。
DNS形式の規則を使用すると、クライアント・コンピュータとOracle Databaseサーバーが異なるドメインに属す場合でも、クライアント・ユーザーは最小限の接続情報を入力して、ディレクトリ・サーバーを介してOracle Databaseサーバーにアクセスできます。X.500の規則に従った名前は、特にクライアントとOracle Databaseサーバーが異なるドメイン(管理コンテキストとも呼ばれます)に属す場合、より長くなります。
関連項目:
-
構成管理の概念の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
-
パスワードの最小要件の詳細は、Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windowsを参照してください。
親トピック: 接続テストについて