はじめに

Oracle OLAP Provider for OLE DBを使用すると、OLE DBおよびADO MDアプリケーションは、すべてのプラットフォームで実行されているOracleデータベースから多次元データを取得できます。このドキュメントでは、Oracle OLAP Provider for OLE DBのプロバイダ固有の機能およびプロパティについて説明します。

内容は次のとおりです。

対象読者

Oracle OLAP Provider for OLE DB開発者ガイドは、Oracle OLAP Provider for OLE DBを使用してOracleデータベースにアクセスするアプリケーションを開発するプログラマを対象としています。また、このドキュメントは、システム・アナリスト、プロジェクト・マネージャ、およびデータベース・アプリケーションの開発に関心のあるその他の読者にも役立ちます。

この製品を使用するには、OLE DB、OLAP、多次元およびOLE DB for OLAPの概念を理解しておく必要があります。Microsoft C/C++、Visual BasicまたはActiveX Data Objects - Multidimensional (ADO MD)を使用したアプリケーション・プログラミングに関する実用的な知識が必要です。Component Object Model(COM)の概念に関する知識も必要です。

構成

このマニュアルの構成は、次のとおりです。

この章では、OLE DB、Oracle OLAP Provider for OLE DB、システム要件およびインストールについて説明します。

この章では、Oracle OLAP Provider for OLE DBのコンポーネントについて説明し、それらを使用してコンシューマ・アプリケーションを開発する方法を示します。

この付録では、OLE DBユーザーとADO MDユーザーの両方に適用可能なプロバイダ固有の情報を示します。

この付録では、プロバイダ固有のOLE DB情報について説明します。

この付録では、プロバイダ固有のADO MD情報について説明します。

関連ドキュメント

詳細は、次のOracleドキュメントを参照してください。

Oracleのエラー・メッセージの詳細は、『Oracle Databaseエラー・メッセージ』を参照してください。Oracleエラー・メッセージのドキュメントはHTML形式でのみ提供されます。Oracle Documentation CDのみを利用できる場合は、範囲によってエラー・メッセージを参照できます。特定の範囲を検出したら、ブラウザの「このページの検索」機能を使用して特定のメッセージを検索します。インターネットに接続している場合、Oracleオンライン・ドキュメントのエラー・メッセージ検索機能を使用して、特定のエラー・メッセージを検索できます。

このマニュアルに含まれる例の多くでは、Oracleのインストール時にデフォルトでインストールされるシード・データベースのサンプル・スキーマを使用しています。これらのスキーマがどのように作成されているか、およびその使用方法については、『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』を参照してください。

印刷されたマニュアルはOracle Storeの次の場所で入手できます。

https://shop.oracle.com

リリース・ノート、インストール関連ドキュメント、ホワイト・ペーパーまたはその他の関連ドキュメントは、OTN-J(Oracle Technology Network Japan)から、無償でダウンロードできます。OTN-Jを使用するには、オンラインでの登録が必要です。登録は、次のWebサイトから無償で行えます。

http://otn.oracle.com/membership/

すでにOTNのユーザー名およびパスワードを取得している場合は、次の場所にあるOTN Webサイトのドキュメントのセクションに直接接続できます。

http://otn.oracle.com/documentation/

表記規則

このセクションでは、このマニュアルの本文およびコード例で使用される表記規則について説明します。

本文の表記規則

本文では、特定の項目が一目でわかるように、次の表記規則を使用します。次の表に、その規則と使用例を示します。

表記規則 意味

太字

太字は、操作に関連するグラフィカル・ユーザー・インタフェース要素、または本文中で定義されている用語および用語集に記載されている用語を示します。

この句を指定すると、索引構成表が作成されます。

イタリック

イタリックは、ドキュメントのタイトルまたは強調を示します。

Oracle Database概要

リカバリ・カタログおよびターゲット・データベースは、同一のディスクには存在しないことを確認してください。

固定幅フォントの大文字

固定幅フォントの大文字は、システム指定の要素を示します。このような要素には、パラメータ、権限、データ・タイプ、RMANキーワード、SQLキーワード、SQL*Plusまたはユーティリティ・コマンド、パッケージおよびメソッドがあります。また、システム指定の列名、データベース・オブジェクト、データベース構造、ユーザー名およびロールも含まれます。

NUMBER列に対してのみ、この句を指定できます。

BACKUPコマンドを使用して、データベースのバックアップを作成できます。

USER_TABLESデータ・ディクショナリ・ビュー内のTABLE_NAME列を問い合せます。

DBMS_STATS.GENERATE_STATSプロシージャを使用します。

固定幅フォントの小文字

固定幅フォントの小文字は、実行可能ファイル、ファイル名、ディレクトリ名およびユーザーが指定する要素のサンプルを示します。このような要素には、コンピュータ名およびデータベース名、ネット・サービス名および接続識別子があります。また、ユーザーが指定するデータベース・オブジェクトとデータベース構造、列名、パッケージとクラス、ユーザー名とロール、プログラム・ユニットおよびパラメータ値も含まれます。

注意: プログラム要素には、大文字と小文字を組み合せて使用するものもあります。これらの要素は、記載されているとおりに入力してください。

sqlplusと入力して、SQL*Plusを起動します。

パスワードは、orapwdファイルで指定します。

/disk1/oracle/dbsディレクトリ内のデータ・ファイルおよび制御ファイルのバックアップを作成します。

hr.departments表には、department_iddepartment_nameおよびlocation_id列があります。

QUERY_REWRITE_ENABLED初期化パラメータをtrueに設定します。

oeユーザーとして接続します。

JRepUtilクラスが次のメソッドを実装します。

固定幅フォントの小文字のイタリック

固定幅フォントの小文字のイタリックは、プレースホルダまたは変数を示します。

parallel_clauseを指定できます。

old_release.SQLを実行します。ここで、old_release とはアップグレード前にインストールしたリリースを示します。

コード例の表記規則

コード例は、SQL、PL/SQL、SQL*Plusまたは他のコマンドライン文の例です。次のように固定幅フォントで表示され、通常のテキストと区別されます。

SELECT username FROM dba_users WHERE username = 'MIGRATE';

次の表に、コード例で使用される表記規則とその使用例を示します。

表記規則 意味
[ ]

大カッコは、カッコ内の項目を任意に選択することを表します。大カッコは、入力しないでください。

DECIMAL (digits [ , precision ])
{ }

中カッコは、カッコ内の項目のうち、1つが必須であることを表します。中カッコは、入力しないでください。

{ENABLE | DISABLE}
|

縦線は、大カッコまたは中カッコ内の複数の選択項目の区切りに使用します。項目のうちの1つを入力します。縦線は、入力しないでください。

{ENABLE | DISABLE}
[COMPRESS | NOCOMPRESS]
...

水平の省略記号は、次のいずれかを示します。

  • 例に直接関連しないコードの一部が省略されている。

  • コードの一部を繰り返すことができる。

CREATE TABLE ... AS subquery;

SELECT col1, col2, ... , coln FROM employees;
 .
 .
 .

垂直の省略記号は、例に直接関連しない複数の行が省略されていることを示します。

SQL> SELECT NAME FROM V$DATAFILE;
NAME
------------------------------------
/fsl/dbs/tbs_01.dbf
/fs1/dbs/tbs_02.dbf
.
.
.
/fsl/dbs/tbs_09.dbf
9 rows selected.

その他の記号

大カッコ、中カッコ、縦線および省略記号以外の記号は、記載されているとおりに入力する必要があります。

acctbal NUMBER(11,2);
acct    CONSTANT NUMBER(4) := 3;
Italics

イタリックは、ユーザーが特定の値を指定するプレースホルダ変数を示します。

CONNECT SYSTEM/system_password
DB_NAME = database_name
UPPERCASE

大文字は、システム指定の要素を示します。これらの要素は、ユーザー定義の要素と区別するために大文字で示されます。大カッコ内にないかぎり、表示されているとおりの順序および綴りで入力します。ただし、大/小文字が区別されないため、小文字でも入力できます。

SELECT last_name, employee_id FROM employees;
SELECT * FROM USER_TABLES;
DROP TABLE hr.employees;
lowercase

小文字は、ユーザー指定のプログラム要素を示します。たとえば、表名、列名またはファイル名などです。

注意: プログラム要素には、大文字と小文字を組み合せて使用するものもあります。これらの要素は、記載されているとおりに入力してください。

SELECT last_name, employee_id FROM employees;
sqlplus User_id/password
CREATE USER user_name IDENTIFIED BY password;

Windowsオペレーティング・システム環境での表記規則

次の表に、Windowsオペレーティング・システム環境での表記規則とその使用例を示します。

表記規則 意味

「スタート」>を選択

プログラムを起動する方法を示します。

Database Configuration Assistantを起動するには、「スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle - HOME_NAME」→「Configuration and Migration Tools」→「Database Configuration Assistant」の順に選択します。

ファイル名およびディレクトリ名

ファイル名およびディレクトリ名は大/小文字が区別されません。特殊文字の左山カッコ(<)、右山カッコ(>)、コロン(:)、二重引用符(")、スラッシュ(/)、縦線(|)およびハイフン(-)は使用できません。特殊文字の円記号(¥)は、引用符で囲まれている場合でも、要素のセパレータとして処理されます。Windowsでは、ファイル名が¥¥で始まる場合、汎用命名規則が使用されていると解釈されます。

c:\winnt"\"system32 is the same as C:\WINNT\SYSTEM32

C:\>

現在のハード・ディスク・ドライブのWindowsコマンド・プロンプトを表します。コマンド・プロンプトのエスケープ文字はカレット(^)です。プロンプトは作業中のサブディレクトリを表します。このマニュアルでは、コマンド・プロンプトと呼びます。

C:\oracle\oradata>

特殊文字

Windowsコマンド・プロンプトで二重引用符(")のエスケープ文字として円記号(¥)が必要な場合があります。丸カッコおよび一重引用符(')にはエスケープ文字は必要ありません。エスケープ文字および特殊文字の詳細は、Windowsオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

C:\>exp user_id/password TABLES=emp QUERY=\"WHERE job='SALESMAN' and sal<1600\"
C:\>imp SYSTEM/password FROMUSER=user_id TABLES=(emp, dept)
HOME_NAME

Oracleホームの名前を表します。ホーム名には、英数字で16文字まで使用できます。ホーム名に使用可能な特殊文字は、アンダースコアのみです。

C:\> net start OracleHOME_NAMETNSListener

ORACLE_HOMEおよびORACLE_BASE

Oracle8iリリース8.1.3より前のリリースでは、Oracleコンポーネントをインストールすると、すべてのサブディレクトリが最上位のORACLE_HOMEの直下に置かれました。ディレクトリの名前は、デフォルトでは次のいずれかです。

  • C:\orant(Windows NTの場合)

  • C:\orawin98(Windows 98の場合)

このリリースは、Optimal Flexible Architecture (OFA)のガイドラインに準拠しています。ORACLE_HOMEディレクトリ下に配置されないサブディレクトリもあります。最上位のディレクトリはORACLE_BASEと呼ばれ、デフォルトではC:¥oracle¥です。他のOracleソフトウェアがインストールされていないコンピュータに最新リリースのOracleをインストールした場合、Oracleホーム・ディレクトリはデフォルトでC:¥oracle¥orannに設定されます。nnは最新リリースの番号です。Oracleホーム・ディレクトリは、ORACLE_BASEの直下に配置されます。

このマニュアルに示すディレクトリ・パスの例は、すべてOFAの表記規則に準拠しています。

OFAの準拠の詳細、および非OFA準拠ディレクトリ下でのOracle製品のインストールの詳細は、Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド for Windowsを参照してください。

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\rdbms\adminディレクトリに移動します。