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SCAN VIPアドレスについて

SCANの仮想IPアドレス(VIP)は、ノードのVIPと同様に機能します。ただし、ノードVIPとは異なり、SCAN VIPはクラスタ内の任意のノードで実行できます。

ノードVIPの名前やアドレスではなくSCANを使用して接続するクライアント(ユーザーまたはアプリケーション)は、クラスタに対してノードが追加または削除されたとき、あるいはデータベース・インスタンスが別のノードで実行されたときに、そのローカルのtnsnames.oraファイルのノードの名前やアドレスのリストを更新する必要はありません。

ノート:

DNSに3つのSCAN VIPを構成しても、それだけでは接続のフェイルオーバーは保証されません。かわりに、Oracleクライアントは戻されたSCAN VIPを使用して、接続要求を別のSCANリスナーにフェイルオーバーします。SCAN VIPへの接続が失敗した場合、クライアントは次に戻されたSCAN VIPアドレスを使用して接続します。そのため、SCANを使用する接続では、Oracle Client 11g リリース2以上のクライアントを使用することをお薦めします。

名前解決にGNSを使用する場合、インストール時にはSCAN名のみを提供します(sales1-scanなど)。GNSは、3つのIPアドレスのDHCPアドレス・リースを取得し、これらのアドレスをSCANに解決します。GNSデーモンは登録をリスニングします。SCAN VIPは、ノードで使用が開始された際に自身のアドレスをGNSに登録します。

GNSによって管理されるクラスタ・ドメインへのサービス・リクエストはGNSのVIPアドレスにルーティングされ、そこで要求はクラスタのGNSデーモンへとルーティングされます。GNSが、DNSからSCAN用の要求を受信すると、SCANリスナーの登録アドレスがDNSに返されます。その後、DNSはクライアントに3つのSCAN VIPアドレスを返します。

関連項目:

SCANの名前、リスナーおよびクライアント・サービス・リクエストの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。