Standard Edition高可用性データベース・ソフトウェアのOracle ACFSへのインストール

Oracle Database Standard Edition高可用性機能を使用可能にするために、Oracle DatabaseソフトウェアのバイナリをOracle ACFS (Oracle ASM Cluster File System)にインストールできます。

Standard Edition高可用性を構成する予定のすべてのクラスタ・ノードで、オペレーティング・システム構成、ユーザー、グループおよびリソース制限が同じになっていることと、Oracle Databaseソフトウェア所有者ユーザー(oracle)にノード間でのSSH等価があることを確認します。

インストールの開始前に、ユーザー、グループ、記憶域パスに関して必要なすべての情報を用意します。rootスクリプトを実行したり、rootスクリプトを自動化するための情報を提供する準備も行う必要があります。

  1. rootユーザーとして、Oracle Databaseソフトウェア所有者ユーザー(oracle)をマウント所有者として指定することで、Oracle ClusterwareのリソースとしてOracle ACFSを登録します。
    # Grid_home/bin/srvctl add filesystem -volume acfs_volume_name -diskgroup diskgroup_name -path mount_point -fstype ACFS -autostart ALWAYS -user oracle

    ノート:

    Oracle ACFSのマウント先マウント・ポイントは、このインストール用に作成する予定のOracleベースおよびOracleホームのディレクトリです。たとえば、/u01/app/oracleです。
  2. oracleユーザーとして、Standard Edition高可用性を構成しようとしているクラスタ・ノードのすべてに、Oracle ACFSファイル・システムをマウントします。
    $ Grid_home/bin/srvctl start filesystem -volume acfs_volume_name -diskgroup diskgroup_name
  3. rootユーザーとして、Standard Edition高可用性を構成しようとしている最初のクラスタ・ノードのOracle ACFSボリュームに、Oracleベース・ディレクトリを作成します。Oracle Optimal Flexible Architecture (OFA)の推奨事項に従って、このディレクトリに適切な所有者、グループおよび権限を指定します。
    # mkdir -p /u01/app/oracle
    # chown oracle:oinstall /u01/app/oracle

    ノート:

    oracleユーザーをマウント所有者として、/u01/app/oracleディレクトリをマウント・ポイントとしてOracle ACFSファイル・システムを構成した場合、このステップは不要です。
  4. Oracle Databaseソフトウェア所有者ユーザー(oracle)として、最初のクラスタ・ノードにログインします。
  5. Oracle Software Delivery CloudのWebサイトから、Oracle Database 19cリリース19.3インストール・イメージ・ファイル(db_home.zip)をダウンロードして任意のディレクトリに保存します。
  6. My Oracle SupportからOracle Databaseリリース更新19.7以降のパッチを任意のディレクトリにダウンロードして解凍します。
  7. OFAに準拠したOracleホーム・ディレクトリをOracle ACFSボリュームに作成し、このOracleホーム・ディレクトリにダウンロードしたイメージ・ファイルを抽出します。たとえば:
    $ mkdir -p /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1
    $ cd /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1
    $ unzip -q /tmp/db_home.zip
  8. Oracleホーム・ディレクトリから、runInstallerコマンドに-applyRUフラグを指定して実行し、Oracle Database設定ウィザードを起動して、インストール中にOracle Databaseリリース更新19.7以降のパッチを適用します。
    $ ./runInstaller -applyRU patch_directory_location/patch_ID
    

    ノート:

    runInstallerコマンドは、Oracleホーム・ディレクトリからのみ実行してください。Oracle Databaseをインストールする際に、$ORACLE_HOME/oui/bin/または他の場所にあるrunInstallerコマンドを使用しないでください。
  9. 「構成オプションの選択」画面で、「ソフトウェアのみの設定」を選択します
  10. 「データベース・インストール・オプションの選択」画面で、「単一インスタンス・データベースのインストール」を選択します。
  11. 「データベース・エディションの選択」画面で、「Standard Edition 2」を選択します。
  12. 必要に応じて構成プロンプトに応答します。
  13. rootスクリプトを自動化するための情報を入力するか、設定ウィザードのプロンプトが表示されたらrootとしてスクリプトを実行します。

    rootスクリプトの実行の自動化を構成し、rootスクリプトが失敗した場合は、問題を手動で修正して「再試行」をクリックし、再度rootスクリプトを実行できます

    ノート:

    インストール時に送信を要求された情報について質問がある場合は、「ヘルプ」をクリックします。
  14. オプション: oracleユーザーとして、最初のクラスタ・ノードで読取り専用のOracleホームを有効にします。
    $ $ORACLE_HOME/bin/roohctl -enable
  15. 最初のノードのOracleホームを別のノード(Standard Edition高可用性を構成しようとしているノード)にアタッチします。
    $ $ORACLE_HOME/addnode/addnode.sh -silent CLUSTER_NEW_NODES=comma_separated_list_of_other_nodes
  16. rootユーザーとして、その他のすべてのノード(Standard Edition高可用性を構成するノード)でroot.shスクリプトを実行します。
    # /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1/root.sh

Oracle Databaseソフトウェアのインストールが完了したら、Oracle Database Configuration Assistant (Oracle DBCA)をインタラクティブ・モードまたはサイレント・モードで使用して、Oracle Databaseソフトウェアをインストールした最初のクラスタ・ノードにStandard Editionデータベースを作成します。

データベース作成の要件およびOracle DatabaseのStandard Edition高可用性を有効化および構成する手順の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。