AutoUpgradeのコマンドライン・パラメータおよびオプション

AutoUpgradeパラメータを確認し、Oracle Databaseのアップグレードのユース・ケースのパラメータおよびオプションを選択します。

パラメータは、java -jar autoupgrade.jarコマンドとともに使用します。

AutoUpgradeコマンドライン構文

AutoUpgradeを使用してアップグレードを実行する方法を確認するには、構文および実行時のユースケースを確認してください。

前提条件

  • AutoUpgradeは、JDK 8からJDK 11までと互換性があります。少なくともJava Development Kit (JDK) 8以降のJDKリリースがソース環境にインストールされている必要があります。

    JDK 8は、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降のリリースごとにインストールされます。12.2より前のリリースでは、ターゲットOracle DatabaseのJavaリリースを使用してAutoUpgradeを実行するか、ソース・データベース・サーバーにJDK 8をインストールする必要があります。

    Oracle Database 23ai以降は、すべてのOracleホームにJava Runtime Environment (JRE) 11が含まれています。AutoUpgradeはJava 11でコンパイルされており、JDK 8からJDK 11と互換性があります。

  • AutoUpgradeユーティリティを使用したOracle Databaseのアップグレードは、Oracle Databaseの手動アップグレードに適用されるアップグレード・ルールと同じルールに従います。ソースOracle Databaseのリリースがアップグレードでサポートされていることを確認してください。

非CDBからPDBへの変換およびアップグレードでは、AutoUpgradeは、次の条件が満たされた場合に、アップグレードと変換の両方を自動的に完了することがあります。

  • ターゲット・リリースCDBが存在する必要があります。
  • ターゲットCDBシステム識別子がtarget_cdbであるAutoUpgrade構成ファイルで、次の構文を使用してローカル・パラメータtarget_cdbを設定する必要があります。

    target_cdb=target_cdb。たとえば:

    target_cdb=cdb1
  • target_cdb値は、非CDBを接続するCDBのOracle SIDです。

ファイル・パス

AutoUpgradeユーティリティは、新しいリリースのOracle DatabaseホームにあるJava JARファイルです。

Oracle_home/rdbms/admin/autoupgrade.jar

My Oracle Supportから最新のAutoUpgrade JARファイルを取得することをお薦めします。JARファイルおよびJARファイルのデプロイメント手順は、My Oracle Supportノート2485457.1から入手できます

構文

AutoUpgradeコマンドの構文では、大文字と小文字が区別されます。コマンドを小文字で入力します。

java -jar autoupgrade.jar [options]

複数のオプションを連結できます。

AutoUpgradeの実行タイプ1 (基本)のパラメータ

AutoUpgradeの実行タイプ1 (基本)のパラメータおよびオプションにより、アップグレードの準備の開始点が提供されます。

パラメータ 説明
-version

AutoUpgradeのバージョンを表示します。

-help

AutoUpgrade構文のヘルプ・ファイルを表示します。

-create_sample_file [settings | config config-file-name]

AutoUpgradeのサンプル構成ファイルを作成します。オプションの詳細は、create_sample_fileパラメータのトピックを参照してください。

AutoUpgradeの実行タイプ2 (コア)のパラメータ

AutoUpgradeの実行タイプ2 (コア)のパラメータおよびオプションは、ほとんどのアップグレード・シナリオで重要なアップグレード機能を提供します。

パラメータ 説明

-config [config_path | -config_values config_values]

アップグレードするデータベースに関する情報を提供するために使用する構成ファイルを識別します。オプションの詳細は、configパラメータのトピックを参照してください。

-mode [analyze|fixups|deploy|upgrade|postfixups]

AutoUpgradeを実行するモードを設定します。オプションの詳細は、modeパラメータのトピックを参照してください。

-restore -jobs job#

指定するAutoUpgradeジョブのシステムレベルのリストアを実行します

-restore_on_fail

設定されている場合、ジョブが失敗すると、データベースは自動的にリストアされます。PDBのエラーは致命的とはみなされず、CDB$ROOTまたは非CDBのエラーのみが致命的とみなされます。

-console

コンソールを有効にしてAutoUpgradeを開始します。

-noconsole

コンソールを無効にしてAutoUpgradeを開始します。

-proceed

スケジュール済ジョブまたはREFRESHPDBステージ中のジョブで、事前定義済のstart_timeを変更します

このパラメータの詳細は、-proceedパラメータのトピックを参照してください。

-debug

デバッグ・メッセージを有効にします。

-clear_recovery_data [-jobs job#,job#,...]

リカバリ情報を削除します。これにより、すべてのデータベースまたは-jobsで指定されたカンマ区切りリストのデータベースでAutoUpgradeが最初から開始されます。オプションの詳細は、clear_recovery_dataパラメータのトピックを参照してください。

-restore -jobs job#,job#,...

指定されたジョブのシステムレベルのリストアを実行します。データベースは保証付きリストア・ポイント(GRP)にフラッシュ・バックされます。このコマンドを実行する前に、GRPがAutoUpgradeによってすでに作成されている必要があります。オプションの詳細は、clear_recovery_dataパラメータのトピックを参照してください。

restore_on_fail

デプロイメント中に失敗したジョブを自動的にリストアします。

-zip [-sid sid] [-d dir]

AutoUpgradeサービス・リクエストのファイリングに必要なログ・ファイルを圧縮します。オプションの詳細は、zipパラメータのトピックを参照してください。

AutoUpgradeの実行タイプ3 (追加)のパラメータ

AutoUpgradeの実行タイプ3 (追加)のパラメータおよびオプションは、アップグレードの失敗したポイントからの再開や特定の修正の実行など、特定のアップグレード・シナリオに役立ちます。

パラメータ 説明

-debug

デバッグ・メッセージを有効にします。

-error_code

AutoUpgradeエラー・コードが表示されます。

-help

AutoUpgrade構文のヘルプ・ファイルを表示します。

-mode [analyze|fixups|postfixups]

AutoUpgradeを実行するモードを設定します。オプションの詳細は、modeパラメータのトピックを参照してください。

-listchecks

アップグレードのすべてのアップグレード・チェックのリストを提示するか、特定のチェックが指定された場合は、指定されたチェックに関する詳細を提示します。

-load_password

AutoUpgradeが必要とするパスワードをAutoUpgradeのキーストアに安全に入力できるようにします。

-load_win_credential

アップグレード中にAutoUpgradeを中断することなく実行できるように、PowerShellを使用して資格証明オブジェクトを作成します。

-patch

AutoUpgradeがアップグレード操作ではなくパッチ操作を実行することを指定します。

-preupgrade preupgrade_options options

データベース・チェックおよびほとんどの問題をアップグレードの開始前に修正するアップグレード前修正と、ほとんどの問題をアップグレードの完了後に修正するアップグレード後修正を実行します。オプションの詳細は、preupgradeパラメータのトピックを参照してください。

-settings

AutoUpgradeユーティリティのカスタム・ランタイム構成の提供に使用する構成ファイルを識別します。

auto_config

AutoUpgradeパラメータauto_configは、データベースをアップグレードするための構成ファイルを自動的に生成し、その構成ファイルを使用して様々なAutoUpgtradeモードを実行できるようにします。

プロパティ 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

システム識別子オプション: [$ORACLE_SID|system_id]。ここで、$ORACLE_SIDはオペレーティング・システム環境変数、system_idはアップグレードするデータベースのシステム識別子(SID)です。

モード・オプション: [analyze|fixups|deploy|upgrade|postfixups]

デフォルト値

構文入力のデフォルト値はありません。

生成される構成ファイル: auto_configパラメータを指定してautoupgrade.jarを実行すると、auto_config.cfgという名前の構成ファイルが生成されます。デフォルトでは、このファイルはautoupgrade.jarバイナリと同じディレクトリに作成されます。

プライマリの場所が読取り専用またはアクセス不可の場合、AutoUpgradeでは、次のいずれかのフォールバックの場所にauto_config.cfgファイルを生成しようとします。

$ORACLE_BASE/cfgtoollogs

/tmp/

このリリースの時点では、auto_config.cfgのカスタム・パスを指定することはできません。auto_config.cfgファイルは、プライマリの場所、または2つのフォールバックの場所のいずれかにのみ生成できます。AutoUpgradeがこれらの場所のいずれにもファイルを生成できない場合、操作はエラーで失敗します。

使用上のノート

auto_configパラメータの目的は、データベースのアップグレード・プロセスを簡略化することです。このパラメータを使用してAutoUpgradeを実行し、auto_config.cfgファイルが存在しない場合、AutoUpgradeは既存のシステム・リソースを自動的に検出して利用し、構成ファイルを生成します。auto_config.cfgファイルの生成後、このパラメータを使用して、既存のauto_config.cfgファイルの情報を使用して実行するAutoUpgradeモードを指定できます。

auto_configを使用するには、アップグレードするOracle Databaseの有効なシステム識別子(SID)を少なくとも指定する必要があります。SIDは、-sidオプションに続けて有効なSID (-sid myCDBAIなど)を指定するか、オペレーティング・システムでORACLE_SID環境変数を使用して指定できます。

既存のauto_config.cfgファイルが存在せず、データベースを指定し、auto_config -sidを指定してAutoUpgradeを実行すると、AutoUpgradeは、既存のデータベースからアップグレードに必要な情報(現在のOracleホームおよびその他の関連詳細を含む)を抽出します。次に、AutoUpgradeは、アップゲード・ターゲット・リリースにできる、より新しい有効なリリースのOracleホームを識別します。次に、AutoUpgradeは、auto_config.cfgという名前の構成ファイルを適当な場所(同じ場所、またはプライマリの場所が読取り専用またはアクセス不可の場合は近くのフォールバックの場所)に生成します。

auto_configパラメータの実行例($ORACLE_SIDは現在のオペレーティング・システムの環境変数)を次に示し、想定される出力をその後に示します:

java -jar autoupgrade.jar -auto_config
Created sample configuration file /home/oracle/auto_config.cfg

次の例では、AutoUpgradeは、SID myCDBAIで識別されるデータベースのauto_config.cfgファイルを生成します。想定される出力をその後に示します:

autoupgrade.jar -auto_config -sid myCDBAI
Created sample configuration file /home/oracle/auto_config.cfg

次の例では、auto_config -sid $ORACLE_SIDを指定して実行されたAutoUpgradeが、環境変数$ORACLE_SIDで指定された以前のリリースのauto_config.cfgファイルを生成し、そのファイルを使用してAutoUpgradeは分析モードで実行されます。

autoupgrade.jar -auto_config -sid $ORACLE_SID -mode analyze

想定される出力:

Created sample configuration file /home/oracle/auto_config.cfg
AutoUpgrade XX.X.XXXXXX launched with default internal options
Processing config file ...
Pluggable database PDBX in myCDBAI is MOUNTED and it will not be processed
+--------------------------------+
| Starting AutoUpgrade execution |
+--------------------------------+
1 CDB(s) plus 1 PDB(s) will be analyzed
Type 'help' to list console commands
upg> Job 100 completed
.
.
.
------------------- Final Summary --------------------
Number of databases [ 1 ]
Jobs finished [1]
Jobs failed [0]
Please check the summary report at:
/home/oracle/autoConfig/cfgtoollogs/upgrade/auto/status/status.html
/home/oracle/autoConfig/cfgtoollogs/upgrade/auto/status/status.log

debug

AutoUpgradeパラメータdebugは、AutoUpgradeデバッグ・メッセージ機能をオンにします。これは、障害のあるAutoUpgradeジョブ構文の修正に役立ちます。

プロパティ 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

autoupgrade.jar -parameter -debug

説明

AutoUpgradeのdebugパラメータは、AutoUpgradeコマンド構文の修正に役立つデバッグ・メッセージをオンにします。

使用上のノート

debugパラメータは、他のAutoUpgradeパラメータと組み合せて使用します。

clear_recovery_data

AutoUpgradeパラメータclear_recovery_dataは、リカバリ・チェックポイントを削除します。これにより、AutoUpgradeは、指定されたデータベースまたはすべてのデータベースで次回ツールが起動されたときに、新しく起動します。

プロパティ 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

clear_recovery_data [-jobs job_numbers]

ここで、

job_numbersは、クリアするジョブのカンマ区切りリストです

説明

AutoUpgradeのclear_recovery_dataパラメータは、リカバリ情報を削除します。これにより、指定したデータベースまたはすべてのデータベースでAutoUpgradeが最初から開始されます。

使用上のノート

データベースを手動でリストアし、新しいアップグレードを試行した後に使用します。ジョブのリストが指定されていない場合は、デフォルトですべてのジョブ・メタデータが削除されます。メタデータを削除しても、ログ・ファイルは削除されず、ジョブ識別子(jobid)カウンタもリセットされません。各ジョブの進行状況を追跡するために使用されるAutoUpgradeファイルのみが削除されます。

次の例は、問題が発生した後にclear_recovery_dataオプションを使用して修正し、AutoUpgradeを再度実行する方法を示しています。

AutoUpgradeをデプロイ・モードで実行します

java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -mode deploy

ただし、アップグレード中に問題が発生しました。AutoUpgradeを停止してデータベースをリストアし、データベースを変更して問題を修正します。AutoUpgradeプロシージャを再実行して現在のジョブ状態情報をクリアするには、以前に実行したジョブに関連付けられているジョブ番号を指定します。ジョブ番号を指定すると、AutoUpgradeはその特定のジョブの状態情報のみを削除します。残りのジョブは変更されません。

java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -mode analyze -clear_recovery_data -jobs 100

ノート:

ジョブID番号は、ジョブをデータベースに関連付けます。間違ったジョブIDを入力すると、AutoUpgradeは間違ったジョブを最初から再開します。

分析結果に問題はないため、再度デプロイ・オプションを実行します。

java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -mode deploy
-clear_recovery_dataパラメータを指定してautoupgrade.jar -configを実行すると、AutoUpgradeによって状態ファイルのみが削除されます。以前生成されたログ・ファイルは無視されるため、さらに参照するためにログ・ファイルを保持できます。-clear_recovery_dataパラメータを指定してAutoUpgradeを実行すると、最新のjobid情報も保持されるため、AutoUpgradeが次のジョブに対して作成するjobidは、次の順番のIDとなります。AutoUpgradeがjobid状態を保持することで、同じログ・ファイル内に前のAutoUpgradeジョブのログ出力を混在させないようにすることができます。

次に、clear_recovery_dataパラメータの実行方法のその他の例を示します。

java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -clear_recovery_data
java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -clear_recovery_data -jobs 111,222

config

AutoUpgradeパラメータconfigは、アップグレードするデータベースに関する情報を提供するために使用する構成ファイルを識別します。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文
-config [configfile
デフォルト値 なし

説明

configパラメータは構成ファイル名を指定します。これは次の3つの引数を取ります。

  • 構成プロパティ名

  • (オプション) config-fileで表される構成ファイルへのパス

    パラメータ-load_passwordとともに使用すると、グローバル構成ファイル・パラメータglobal.keystoreがデータベースの構成ファイルに設定されている場合、AutoUpgradeは、そのパラメータで指定された場所にTransparent Data Encryption (TDE)パスワードのキーストアも作成します。

処理モードdeployで、myconfig.cfgという名前の構成ファイルを指定してAutoUpgradeを実行します。

java -jar autoupgrade.jar -config myconfig.cfg -mode deploy

config_values

AutoUpgradeパラメータconfig_valuesを使用すると、テキスト構成ファイルと同じシステムに関する入力値を指定できます。このパラメータは、configパラメータと組み合せて使用できます。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列。
構文
-config_values [config-parameter1=value*,config-parameter2=value,...]
     
デフォルト値 なし。

説明

config_valuesパラメータを使用すると、使用しない場合は構成ファイルを指定する必要があるデータベース・パス、インスタンスおよびターゲット・リリースに関する値をAutoUpgradeコマンドラインを介して指定できます。その後、AutoUpgradeによってユーティリティの実行時に構成ファイルが作成されます。config_valuesを使用することで、構成ファイルなしにAutoUpgradeを実行できます。

config_valuesオプションは、複数のデータベース・アップグレードをサポートできるカンマ区切りリストです。各データベース構成は、それぞれのデータベースを識別するためにアスタリスク(*)で区切られます。グローバル・エントリの名前には、global接頭辞が含まれている必要があります。たとえば:

global.autoupg_log_dir=/u01/app/oracle/cfgtoollogs/upgradelogs/

ローカル・エントリには、名前のみが含まれている必要があります。

target_home=/u01/app/oracle/product/21.0.0.0/dbhome_1

ロギング・ディレクトリは、次の方法で解決されます。

  • ケース: グローバルのautoupg_log_dirが指定されていない場合。

    config_fileパラメータがAutoUpgradeに渡されない場合、ローカル・ディレクトリがグローバル・ログ・ディレクトリとして使用されます。config_fileパラメータがAutoUpgradeに渡されない場合、グローバル・ログ・ディレクトリのデフォルトはJava一時ディレクトリになります。

    • UNIXおよびLinuxシステム: /tmp/autoupgrade
    • Microsoft Windows: C:\Users\name\AppData\Local\Temp\autoupgrade
    • autoupgradeYYYYMMMHHMMSS.cfgという名前の構成ファイルが作成されます。ここで、YYYYは年、MMMは月、HHは時、MMは分、SSは秒です。
  • ケース: グローバルのautoupg_log_dirが指定されている場合。

    config_fileパラメータがディレクトリをAutoUpgradeに渡さない場合、AutoUpgradeは、パラメータで指定されたAutoUpgradeログ・ディレクトリに構成ファイルを作成します。config_fileパラメータがディレクトリをAutoUpgradeに渡さない場合、構成ファイルはグローバル・ログ・ディレクトリ下に作成されます。既存の構成ファイル名を指定すると、AutoUpgradeは、接尾辞YYYYMMMHHMMMMSS.cfg (YYYYは年、MMMは月、HHは時間、MMは分、SSは秒)を使用して、既存の構成ファイルの名前を変更します。たとえば、2020年4月29日の午前8時30分4秒に、構成ファイル\tmp\autoupgrade.cfgがすでに存在する場合、ファイル名-config_file \tmp\autoupgrade.cfgをAutoUpgradeに渡すと、既存のファイルの名前は\tmp\autoupgrade.cfg20200429083004に変更されます。その後、AutoUpgradeは新しい構成ファイル\tmp\autoupgrade.cfgを作成します。

-config_valuesパラメータを使用し、AutoUpgradeコマンドを実行するユーザー・アカウントに次のオペレーティング・システム環境変数が設定されている場合、AutoUpgradeでは、これらの変数に定義されているパスを取得します。

  • ORACLE_HOME - ソースOracleホームのOracleホーム・パス。
  • ORACLE_TARGET_HOME - ターゲットOracleホーム・パス。
    • LinuxおよびUnix: export ORACLE_TARGET_HOMEコマンドと同等です。例: export ORACLE_TARGET_HOME=/u01/app/oracle/product/19.0.0/
    • Microsoft Windows: SET ORACLE_TARGET_HOMEコマンドと同等です。例: SET ORACLE_TARGET_HOME=C:\oracle\19
  • ORACLE_SID - Oracle Databaseシステム識別子(SID)。
    • LinuxおよびUnix: オペレーティング・システムのシェル・コマンドexport ORACLE_SIDを使用して設定します。たとえば: export ORACLE_SID=sales
    • Microsoft Windows: オペレーティング・システムのシェル・コマンドSET ORACLE_SIDを使用して設定します。たとえば: SET ORACLE_SID=sales
  • ORACLE_TARGET_VERSION - 新しいOracleホームのターゲット・リリース。このオペレーティング・システム環境変数は、ターゲットOracleホームが存在しない場合、またはターゲット・ホームがOracle Database 18cより前のリリースのときに設定する必要があります。
    • LinuxおよびUNIX: export ORACLE_TARGET_VERSIONを使用して設定します。たとえば、Oracle Database 19cの場合は、次のように入力します。

      export ORACLE_TARGET_VERSION=19.1

      Oracle Database 21cの場合:

      export ORACLE_TARGET_VERSION=21.1
    • Microsoft Windows: SET ORACLE_TARGET_VERSIONを使用して設定します。

      たとえば、Oracle Database 19cの場合は、次のように入力します。

      SET ORACLE_TARGET_VERSION=19.1

      たとえば、Oracle Database 21cの場合は、次のように入力します。

      SET ORACLE_TARGET_VERSION=21.1

    構成ファイルのかわりにconfig_valuesパラメータを使用し、AutoUpgradeを実行するユーザー・アカウントにこれらのオペレーティング・システム環境変数を設定していない場合は、config_valuesを使用して少なくともこの4つの値を引数として指定する必要があります。

例: 既存の構成ファイルを使用したAutoUpgradeの実行

シナリオ: config_valuesを使用して既存の構成ファイルでAutoUpgradeを実行。次のコマンド構文では、myconfig.cfgファイルが作成されているローカル・ディレクトリからglobal.autoupg_log_dirを作成します。このコマンドの結果、global.autoupg_log_dirの場所は/dirに設定されます。

java –jar autoupgrade.jar –config /dir/myconfig.cfg –config_values
        “source_home=/srcdir, target_home=/trgdir, sid=sales” –mode
        deploy

構成ファイルmyconfigは、パス/dirに作成され、次のエントリが含まれます。

global.autoupg_log_dir=/dir
autoupgrade1.source_home=/srcdir
autoupgrade1.target_home=/trgdir
autoupgrade1.sid=sales

例: –config_valuesの値を指定しないAutoUpgradeの実行

分析、修正、アップグレードまたはデプロイの各モードでは、AutoUpgradeで実行する必要があるユーザー環境値を設定し、これらの値を–config_valuesの引数として渡さない場合、AutoUpgradeはデフォルトでサーバーに設定されているユーザー環境変数を使用します。

この仕組みを理解するために、ユーザーoracleとして、次の環境変数が設定されており、ターゲット・バージョンがOracle Database 21cのAutoUpgradeを実行するとします。

  • ORACLE_HOMEは、/u01/app/oracle/product/12.2.0.1/dbhome_1に設定されています
  • ORACLE_TARGET_HOMEは、/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1に設定されています
  • ORACLE_SIDは、salesに設定されています
  • ORACLE_TARGET_VERSIONは、19.1に設定されています

ここで、2020年9月30日の午前11時45分15分に次のコマンドを実行したとします。

[Wed Sep 30 11:45:15] oracle@example:~$ java –jar autoupgrade.jar –config_values –mode analyze

ログ・ディレクトリが指定されていないため、AutoUpgradeはデフォルトで、実行用の構成ファイルを一時ディレクトリに書き込みます。AutoUpgradeが作成した構成ファイルは、/tmp/autoupgrade/autoupgrade20200501114515.cfgファイルとしてパス/tmp/autoupgradeに存在し、次のエントリが含まれます。


global.autoupg_log_dir=/tmp/autoupgrade
# Value from environmental variable ORACLE_HOME
autoupgrade1.source_home=/u02/app/oracle/122
# Value from environmental variable ORACLE_TARGET_HOME
autoupgrade1.target_home=/scratch/oracle/19
# Value from environmental variable ORACLE_SID
autoupgrade1.sid=sales
# Value from environmental variable ORACLE_TARGET_VERSION
autoupgrade1.target_version=19.3

このオプションを使用すると、AutoUpgradeを使用して、アップグレードに関する広範な詳細を指定しなくても単一のデータベース・アップグレードを処理できます。

例: 複数のデータベースに関する–config_valuesエントリを使用したAutoUpgradeの実行

このシナリオでは、*を使用して各データベースの値を区切り、複数のデータベースに関する–config_valuesエントリを指定して、ターゲット・リリースがOracle Database 21cのAutoUpgradeを実行します。

 java –jar autoupgrade.jar –config /tmp/auto.cfg –config_values "global.autoupg_log_dir=/scratch/upglogs,source_home=/scratch/122,target_home=/scratch/21,sid=sales,*,source_home=/scratch/18,target_home=/scratch/21,sid=employees"

構成ファイルは、/tmp/auto.cfgとしてディレクトリ/tmpに作成され、次のエントリが含まれます。


global.autoupg_log_dir=/scratch/upglogs
autoupgrade1.source_home=/scratch/19
autoupgrade1.target_home=/scratch/21
autoupgrade1.sid=sales
autoupgrade2.source_home=/scratch/19
autoupgrade2.target_home=/scratch/21
autoupgrade2.sid=employees

console

AutoUpgradeパラメータconsoleは、AutoUpgradeコンソールをオンにし、AutoUpgradeジョブの進行状況を監視する一連のコマンドを提供します。

プロパティ 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

autoupgrade.jar -config your-file -mode your-mode

説明

アップグレードを監視するには、AutoUpgradeパラメータconsoleを使用してコンソールを実行し、アップグレード・ジョブのステータスを監視します。

AutoUpgradeコンソールは、デフォルトでAutoUpgradeコマンドを使用して起動されます。オプション-console|-noconsoleを使用して、AutoUpgradeコンソールを有効または無効にできます

-noconsoleオプションを使用する場合、AutoUpgradeは構成ファイルの設定のみを使用して実行され、コンソールでの入力は必要ありません。複数のデータベースを分析する場合など、AutoUpgrade用のスクリプトを作成する場合は、noconsoleオプションを使用します。AutoUpgradeジョブが終了した後、分析モード・ログの出力を確認して、構成スクリプトに含まれる各データベースのアップグレードに必要な内容を確認できます。

proceedオプションを使用すると、指定した時刻にAutoUpgradeでジョブを開始できます。次の3つのオプションがあります。

  • 開始時刻を指定しない(デフォルト: コマンドの実行後、開始を1分遅延させます)
  • 開始時刻遅延を、コマンドの実行時刻からの時間および分の値で指定します
  • 開始遅延を、コマンドの実行時刻からの日、月、年、分および秒の遅延値で指定します

ノート:

AutoUpgradeのインスタンスは必要な数を起動できますが、各インスタンスで一意のグローバル・ロギング・ディレクトリ(global.autoupg_log_dir)を使用する必要があります。グローバル・ロギング・ディレクトリが1つのみの場合、起動できるインスタンスは1つのみです。

使用上のノート

コンソールを起動すると、コンソール内のオプションを使用できます。

コンソール・オプション 説明

-exit

クローズしてコンソールを終了します。実行中のジョブがある場合、それらは停止されます。

-help

コンソール・コマンド・ヘルプを表示します

-lsj [(-r|-f|-p|-e)-a number] -n number

数値numberで指定したジョブ数まで、ステータス別にジョブをリストします。次のフラグを使用できます。

-f: (オプション)終了したジョブでフィルタします。

-r: :(オプション)実行中ジョブでフィルタします。

-e: (オプション)エラーのあるジョブでフィルタします。

-p: (オプション)準備中のジョブでフィルタします。

-a number: (オプション)整数値(number)で指定された秒数の後にコマンドを繰り返します。

-n number: (必須)整数値で指定される、表示するジョブの数。

-lsr

リストア・キューを表示します。

-lsa

停止するジョブのキューを表示します。

-proceed -job job_number -newStartTime values

スケジュール済ジョブまたはREFRESHPDBステージ中のジョブで、事前定義済のstart_timeを変更できるようにします。この機能は、AutoUpgradeホット・クローニングおよび再配置機能とともに使用します。

-job_numberフラグを使用してジョブ番号を指定する必要があります。

-proceedパラメータは、AutoUpgradeコンソールでのみ使用できます。-proceedは、-noconsoleモードでは使用できません。

-newStartTimeを入力して、特定の時刻を指定できます。-newStartTimeの値を指定しない場合、デフォルトでは、指定したジョブに対するコマンドの実行時刻から開始時刻を1分遅延させます。

  • job_numberは、開始時刻を変更するジョブ番号を指定します。

  • 時間と分を使用して別の開始時刻を指定する場合、次の引数が適用されます:

    #hは、ジョブを何時間遅延させるかを数値で指定します。たとえば、10hは、コマンドの実行時刻から10時間の遅延を指定します。

    #mは、ジョブを指定時間から何分遅延させるかを示す数値です。たとえば、+10h17mと指定した場合、開始時刻はコマンドの実行時刻から10時間17分遅れとして指定されます。

  • 別の開始日時を指定する場合は、dd/mm/yyyy hh:mm:ss形式を使用して遅延を指定します。遅延は日、月、年、24時間形式の時刻(時間、分および秒)で指定します

    upg> proceed -job 100 -newStartTime +10h17m

-tasks

実行中のタスクを表示します。

-clear

端末表示をクリアします。

-resume -job number [-ignore_errors=ORA-number,ORA-number]

実行していた前のジョブから再起動します。ジョブを数値 (number)で指定します。

ignore_errorsオプション: このフラグはオプションです。パッチ適用またはアップグレード・ステージの処理中に再開エラーが発生した場合は、ステージの失敗としてレポートされます。AutoUpgradeは、アップグレード後の操作に進みません。エラーを無視してアップグレード後の操作を続行できる場合もあります。特定のエラーがパッチ適用またはアップグレードに影響しないと思われる場合は、ignore_errorsオプションを使用して、無視するエラーを指定し、アップグレード後の操作を続行できるようにすることができます。エラー番号は、カンマ区切りのエラー・リストで指定されます。例:

-resume -job 444 -ignore_errors=ORA-48101,ORA-00001

-status [-job number | -c dbname| -config| -a number]

特定のジョブのステータスを、フラグで指定したレスポンスとともにリストします。

フラグ:

-job number: 数値で指定された特定のジョブに関する情報を表示します。

-c dbname: 指定する特定のデータベース名(dbname)に関する詳細情報を表示します(可能な場合)。

-config number 指定したジョブの構成情報を表示します。

-a number: (オプション)整数値(number)で指定された秒数の後にコマンドを繰り返します。

-restore [-job (0-9)|-all_failed]

整数値numberで指定されたAutoUpgradeジョブでデータベースをアップグレードの開始前の状態にリストアします。

all_failedオプションを指定して実行すると、アップグレードが開始する前に、失敗したすべてのジョブが前の状態にリストアされます。

-logs

すべてのログ・ファイルの場所を表示します。

-abort -job number

入力した数値(number)で指定されたジョブを停止します。

-h[ist][/number]

コンソール・コマンドライン履歴を表示し、実行するフラットに応じてコマンドを再度実行するオプションを取得します。

フラグ:

/ 最後のコマンドを再度実行します。

/ number 指定したコマンドライン番号で指定された履歴ログ内のコマンドを実行します。

create_sample_file

AutoUpgradeパラメータcreate_sample_fileは、構成ファイルまたは設定ファイルを生成します。これらのファイルを編集して、本番構成ファイルまたはAutoUpgrade用設定ファイルを作成します。

プロパティ 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

-create_sample_file config [filename] [full|unplug|noncdbtopdb] | settings [filename]

デフォルト値

create_sample_file configの場合、コマンドにファイル名を付加すると、サンプル構成ファイルが指定した名前で作成されます。出力ファイル名を指定しない場合、サンプル構成ファイルはsample_config.cfgという名前で作成されます。

次のオプションのいずれかを使用して、AutoUpgrade構成ファイルのタイプを指定する句を追加できます。

  • full: 完全なオプションのAutoUpgrade構成ファイル
  • unplug: PDBの切断/接続アップグレードのオプションを含むAutoUpgrade構成ファイル。
  • noncdbtopdb: 非CDBからPDBへのアップグレード用のオプションを含むAutoUpgrade構成ファイル。

settings句を追加すると、内部設定構成ファイルが生成されます。デフォルトのファイル名をそのまま使用することも、カスタム名を指定することもできます。

使用上のノート

create_sample_fileパラメータはオプションです。他のパラメータと一緒に使用することはできません。このパラメータを指定する場合、settingsまたはconfig句のいずれかが必要です。

settings: sample_autoupg.cfgという名前または指定した名前でAutoUpgradeの設定ファイルが生成されます。

config: sample_config.cfgという名前または指定した名前でAutoUpgradeの構成ファイルが生成されます。

これらのサンプル・ファイルのいずれかを生成すると、ファイルを変更してAutoUpgradeユーティリティによるアップグレードの実行方法を制御できます。

  • config: 構成モード・タイプのテンプレート・アップグレード構成ファイルを生成します。AutoUpgradeは、現在のフォルダにsample_config.cfgという名前または指定された名前のファイルを生成します

  • settings: AutoUpgradeは、現在のフォルダにsample_autoupg.cfgという名前または指定された名前のファイルを生成します。

configsettingsのいずれのオプションの場合も、拡張子が.cfgのデフォルトのファイル名が生成されます。ただし、ファイルが有効な(プレーン・テキスト)ファイルであれば、AutoUpgradeでは拡張子なしでも、拡張子を指定してもファイルを読み取ることができます。デフォルトの拡張子は、これらのファイルを構成ファイルとして識別する際に便利です。

サンプル構成ファイルの生成は、AutoUpgradeを使用するための標準的な準備で行われます。サンプル構成ファイルの構成ファイル・パラメータをカスタマイズすると、そのファイルを本番設定およびアップグレード用構成ファイルとして使用できます。

注意:

設定ファイルは、AutoUpgradeの内部設定を上書きするために使用されます。ほとんどのユース・ケースでは、サンプル設定ファイルの生成は必須ではありません。慎重に使用してください。

config句でcreate_sample_fileパラメータを実行する例:

[oracle@example ~]$ java -jar autoupgrade.jar -create_sample_file config
Created sample configuration file /home/oracle/sample_config.cfg

出力構成ファイル名を指定するconfig句でcreate_sample_fileパラメータを実行する例:

[oracle@example ~]$ java -jar autoupgrade.jar -create_sample_file config sales01
Created sample configuration file /home/oracle/sales01.cfg

settings句でcreate_sample_fileパラメータを実行する例:

oracle@example ~]$ java -jar autoupgrade.jar -create_sample_file settings 
Created sample settings file /home/oracle/sample_autoupg.cfg

出力構成ファイル名を指定するsettings句でcreate_sample_fileパラメータを実行する例:

oracle@example ~]$ java -jar autoupgrade.jar -create_sample_file settings testsetting.test
Created sample settings file /home/oracle/testsetting.test

error_code

AutoUpgradeパラメータerror_codeは、AutoUpgradeエラーのエラー・コードを示します。

プロパティ 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

-error_code [errorcode]

デフォルト値

エラー・コードを指定しないと、すべてのAutoUpgradeエラー・コードがコンソールに表示されます。

エラー・コードを指定すると、指定のエラー・コードに関する情報がコンソールに表示されます。

指定なしで入力すると、すべてのエラー・コードの説明が生成されます。

$ java -jar autoupgrade.jar  -error_code
ERROR1000.ERROR  = UPG-1000
ERROR1000.CAUSE  = It was not possible to create the data file where the jobsTable is being written or there was a problem during the writing, it might be thrown due to a permission error or a busy resource scenario

ERROR1001.ERROR  = UPG-1001
ERROR1001.CAUSE  = There was a problem reading the state file perhaps there was corruption writing the file and in the next write it might be fixed

ERROR1002.ERROR  = UPG-1002
ERROR1002.CAUSE  = Error deserializing the object for rerun, review log for any errors
.
.
.

特定のエラー・コードを入力すると、指定したエラーの出力が提示されます。たとえば:

java -jar autoupgrade.jar -error_code UPG-3010 

このコマンドにより、次の出力が生成されます。

ERROR3010.ERROR  = UPG-3010
ERROR3010.CAUSE  = Error running approot_to_pdb.sql script

次に、もう一つの例を示します。

$ java -jar autoupgrade.jar  -error_code UPG-1400

このコマンドにより、次の出力が生成されます。

ERROR1400.ERROR  = UPG-1400
ERROR1400.CAUSE  = Database upgrade failed with errors

listchecks

AutoUpgradeパラメータlistchecksは、アップグレードのすべてのアップグレード・チェックのリストを提示するか、特定のチェックが指定された場合は、指定されたチェックに関する詳細を提示します。
プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文
-listchecks [checkname]
デフォルト値 なし。特定のチェックが指定されていない場合は、すべてのAutoUpgradeチェックのリストが提示されます。

指定しないで入力すると、Autoupgrade listchecksパラメータにより、AutoUpgradeがアップグレードに対して実行するすべてのチェックの説明が生成されます。

$ java -jar autoupgrade.jar  -listchecks
Check : AMD_EXISTS
        Description : Starting with Oracle Database 12c, the OLAP Catalog (OLAP AMD) is desupported and will be automatically marked as OPTION OFF during the database upgra
de if present. Oracle recommends removing OLAP Catalog (OLAP AMD) before database upgrade.  This step can be manually performed before the upgrade to reduce downtime.
        Fixup Action : Remove OLAP Catalog by running the {1} SQL script $ORACLE_HOME/olap/admin/catnoamd.sql script.
        Severity : WARNING
        Fixup Stage : PRE
        Min Version(inclusive) Check applies : NONE
        Max Version(exclusive) Check applies : NONE
        Check Introduced Version : NONE
        Check Removed Version : NONE
        Manual Fixup or Automatic : AUTO
        AutoUpgrade Only : NO
        Run for Datapatch : NO


Check : APEX_MANUAL_UPGRADE
        Description : Starting with Oracle Database Release 18, APEX is not upgraded automatically as part of the database upgrade. Refer to My Oracle Support Note 1088970.
1 for information about APEX installation and upgrades. Refer to MOS Note 1344948.1 for the minimum APEX version supported for your target database release. Unsupported ver
sions of APEX will be in an INVALID state when its database dependencies are not in sync with the upgraded database.
        Fixup Action : Upgrade Oracle Application Express (APEX) manually before or after the database upgrade.
        Severity : WARNING
        Fixup Stage : PRE
        Min Version(inclusive) Check applies : NONE
        Max Version(exclusive) Check applies : NONE
        Check Introduced Version : 18
        Check Removed Version : NONE
        Manual Fixup or Automatic : MANUAL
        AutoUpgrade Only : NO
        Run for Datapatch : NO


Check : APEX_PATCH
        Description : The APEX patching process is not performed by the {1} Oracle database upgrade.  The APEX version upgrade only ensures that the APEX version is upgrade
d to version {3} and does not guarantee the version is brought all the way to the patched level {2}.  If a PDB from this CDB is unplugged and plugged into another ROOT, the
.
.
.

チェックを指定して入力すると、listchecksにより、指定したチェックのチェックに関する詳細が提示されます。

$ java -jar autoupgrade.jar  -listchecks XDB_RESOURCE_TYPE 
Check : XDB_RESOURCE_TYPE
        Description : Direct access to either TYPE XDB.XDB$RESOURCE_T or TABLE XDB.XDB$RESOURCE is restricted to Oracle internal code only.
        Fixup Action : Please contact Oracle Support to resolve the problem.
        Severity : ERROR
        Fixup Stage : PRE
        Min Version(inclusive) Check applies : 11.1
        Max Version(exclusive) Check applies : NONE
        Check Introduced Version : NONE
        Check Removed Version : NONE
        Manual Fixup or Automatic : MANUAL
        AutoUpgrade Only : NO
        Run for Datapatch : NO

before_action

(オプション) deployモードでは、接頭辞で指定された特定のデータベース・ジョブのアップグレード・ジョブの起動前に実行するカスタム・アクションを指定します。すべてのアップグレード・ジョブの前にスクリプトを実行する場合は、ローカル・パラメータ (global.before_action)を使用してそのスクリプトを指定します

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

使用するスクリプトはname.ext (たとえば、myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプション:

  • UNIXシェル(.sh)
  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)
  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)
  • Oracle SQLファイル(.sql)。接頭辞によって指定されたローカル操作の場合のみ。

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用のbefore_action.deployパラメータとローカル・パラメータのbefore_actionパラメータを同じ構成ファイルで指定することはできません。

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

グローバルbefore_actionパラメータとは対照的に、ローカルbefore_actionパラメータはSQLスクリプトを指定でき、これは前のリリースのOracle Databaseバイナリを使用して、ソース・データベースのOracleホームのデータベースで実行されます。スクリプトは非CDBのOracleホームまたはCDB$ROOTで実行されます。追加のコンテナ固有のアクションを実行する場合、コード内でこれらを設定する必要があります。より複雑なシナリオでは、シェルでコンテナ固有のアクションを実行できます。

スクリプトの出力が取得され、ファイルに格納されます。stdoutstderrの両方が取得されます。ファイルは、特定のデータベースまたはジョブに一致するディレクトリのpreupgradeサブディレクトリに格納されます。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

AutoUpgradeがdeployモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを設定します。

sales.before_action=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します。

sales4.before_action=/user/path/script.sh 

before_action

(オプション) アップグレード・ジョブを開始する前にすべてのアップグレードに対して実行するカスタム・ユーザー・スクリプトを指定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

使用するスクリプトはname.ext (たとえば、myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。特定のアップグレード・ジョブの前にスクリプトを実行する場合は、ローカル・パラメータ(local.before_action)を使用してそのスクリプトを指定します

許可される拡張子オプション:

  • UNIXシェル(.sh)

  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)

  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

スクリプトの出力が取得され、ファイルに格納されます。stdoutstderrの両方が取得されます。ファイルは、特定のデータベースまたはジョブに一致するディレクトリのpreupgradeサブディレクトリに格納されます。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを停止します。

global.before_action=/path/to/my/script.sh Y 

スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを続行します。


global.before_action=/path/to/my/script.sh

before_action.create_home

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) create_homeモードでは、接頭辞でアドレス指定された特定のデータベース・ジョブのパッチcreate_homeモードの開始前に実行するカスタム・アクションを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

パッチ適用操作の場合、ローカルのbefore_action.create_homeは、非CDBのOracleホームまたはCDB$ROOT上のターゲットOracle Databaseバイナリを使用して、パッチが適用されたデータベース用に新しいOracleホームを作成する前に実行するアクションを指定できます。新しいOracleホーム・パスを指定する必要があります。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

構文

prefix.before_action.create_home=/my/new/oracle/home/

AutoUpgradeがcreate_homeモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを設定します:

sales.before_action.create_home=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeがcreate_homeモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合に実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します:

sales4.before_action.create_home=/user/path/script.sh 

before_action.deploy

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)。deployモードでは、接頭辞でアドレス指定された特定のデータベース・ジョブのアップグレード・ジョブの起動前に実行するカスタム・アクションを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

使用するスクリプトはname.ext (たとえば、myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプション:

  • UNIXシェル(.sh)
  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)
  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)
  • Oracle SQLファイル(.sql)。接頭辞によって指定されたローカル操作の場合のみ。

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用のbefore_action.deployパラメータとローカル・パラメータのbefore_actionパラメータを同じ構成ファイルで指定することはできません。

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

パッチ適用操作の場合、ローカルのbefore_action.deployパラメータはSQLスクリプトを指定でき、非CDBのOracleホームまたはCDB$ROOT上のターゲットOracle Databaseバイナリを使用してデータベースで実行されます。追加のコンテナ固有のアクションを実行する場合、コード内でこれらを設定する必要があります。より複雑なシナリオでは、シェルでコンテナ固有のアクションを実行できます。

スクリプトの出力が取得され、ファイルに格納されます。stdoutstderrの両方が取得されます。ファイルは、特定のデータベースまたはジョブに一致するディレクトリのpreupgradeサブディレクトリに格納されます。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

AutoUpgradeがdeployモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを設定します。

sales.before_action.deploy=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeがdeployモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合に実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します:

sales4.before_action.deploy=/user/path/script.sh 

catctl_options

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション) AutoUpgradeがcatctl.plに送信してデフォルトの動作をオーバーライドするために選択できるcatctl.plオプションのセットを1つ以上指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

使用可能なcatctl.plオプション:

  • -n パラレル操作に使用するプロセス数。リプレイ・アップグレードの場合、アップグレードに使用されるパラレル・プロセスの数は、CPU_COUNTを4で割った値にデフォルト設定されます。クラシック・アップグレードの場合、CDB$ROOTおよびNON-CDBデータベースのデフォルトは8です。
  • -N PDBのアップグレード時に使用するプロセッサの数。リプレイ・アップグレードの場合、アップグレードに使用されるパラレル・プロセスの数は、CPU_COUNTを4で割った値にデフォルト設定されます。クラシック・アップグレードの場合、デフォルトは2です
  • -T オフラインのユーザー・スキーマベースの表領域を取得します。
  • -z catcon.plの本番デバッグ情報を有効にします。

sales4.catctl_options=-n 24 -N 4

checklist

(オプション)ポリシーまたはセキュリティ上の問題のために自動的に実装しない修正など、AutoUpgradeによって実行される修正のデフォルト・リストをオーバーライドするために使用できるチェックリストへのパスを指定します。

使用上のノート

他のAutoUpgradeモードでこのパラメータを使用するには、analyzeモードでAutoUpgradeを実行する必要があります。AutoUpgradeで分析が終了すると、事前チェック・ディレクトリ(dbname_checklist.cfg)の下のデータベース名によって識別されるチェックリスト・ファイルを検索できます。ファイルを手動で更新して、AutoUpgradeでバイパスする修正を除外し、ファイルを新しい名前で保存します。AutoUpgradeを再度実行すると、作成したチェックリスト・ファイルを指すパラメータを指定し、個々のデータベースに対して実行された修正を変更できます。チェックリスト・ファイル・パスを指定しない場合、アップグレード時に実行される修正のセットは、指定したデプロイ・モードで作成される最新バージョンのチェックリスト・ファイルです。

sales.checklist=/u01/app/oracle/upgrade-jobs/salesdb_checklist.cfg

前述の例では、salesdb_checklist.cfgはデータベースsalesdbのチェックリスト構成ファイルです。

close_source

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション) AutoUpgradeが非CDBからPDBへの変換を開始するか、切断再配置アップグレードを開始するか、リフレッシュ可能なクローンPDBを使用する直前に、ソース非CDBまたはソースPDBを閉じます。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

前述の操作時に、close_sourceyes (デフォルト)に設定されている場合、AutoUpgradeは、アップグレードを開始する直前にソース非CDBまたはソースPDBをクローズします。さらに、Oracle Real Application ClustersまたはOracle Grid Infrastructure (CRS)サービスが非CDBソース用に構成されている場合、アップグレードを開始する前に無効化されます。

このパラメータは、ソース・データベースとターゲット・データベースの両方が同じシステム上にある場合にのみ使用できます。異なるシステム上にある場合、ソース非CDBまたはPDBはAutoUpgradeがアクセスできないためクローズできません。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

sales3.close_source=yes

AutoUpgrade構成ファイルの共通パラメータ(アップグレードとパッチ)

AutoUpgrade構成ファイル(config)の共通パラメータは、upgrade操作とソフトウェア・メンテナンス-patch操作の両方で使用できます。

create_listener

(オプション)アップグレード後に、新しいOracleホームにリスナーを作成します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

デプロイ・モードでは、AutoUpgradeは新しい(ターゲット) Oracleホームにリスナーを作成できます。4つのオプションがあります。

  • (デフォルト)ポート1521にLISTENERという名前の新しいリスナーを作成します。
  • カスタム・リスナー名とポート番号の両方を指定します。(例: my_listener:49152)
  • リスナー名およびポートのカンマ区切りリストを指定して、複数のリスナーを作成します。(例: listener_name1:listener_port1,listener_name2:listener_port2, . . .)。
  • リスナー設定を構成するレスポンス・ファイル(NETCAによって生成されたレスポンス・ファイルなど)へのパスを指定します。(例: /path/to/responsefile.rsp)

このパラメータは、新しいOracleホームにリスナーを作成する場合、特に特定の要件に基づいてリスナーを作成する場合に使用します。

ノート:

リスナーは一意の名前にする必要があります。以前のリリースのOracleホームから新しいリリースのOracleホームへの移行中に競合を回避し、このパラメータ・オプションを使用する場合は、現在のOracleホームに既存のリスナーが存在するので、一意のリスナー名を作成する必要があります。

その他のAutoUpgradeモードでは、create_listener構成の選択を検証できますが、リスナーの実際の作成は、アップグレード後のステージでデプロイ・モード中にのみ行われます。リスナーが作成されると、AutoUpgradeが自動的にリスナーを起動します。エラーが発生した場合、AutoUpgradeは中断せずにアップグレード・ジョブを完了し続けますが、リスナー作成プロセスが失敗した理由に関する情報を示す警告メッセージをログに記録します。これにより、リスナー作成プロセス中に発生する可能性のある問題を可視化しながら、シームレスなアップグレード・エクスペリエンスが保証されます。

このパラメータが設定されている場合、AutoUpgradeではレスポンス・ファイル・テンプレートを使用して、ターゲットOracleホームで指定したリスナー・オプションのレスポンス・ファイルを作成します。デフォルトでは、このレスポンス・ファイルはOracle_home/assistants/netca/netca.rspにあります。

Microsoft Windowsプラットフォームでは、Oracleホームはセキュアなユーザー権限でインストールされるため、AutoUpgradeでは、リスナーを作成するために明示的な認証権限が必要です。したがって、このパラメータを使用する場合は、次のようにSERVICEUSERPASSWORDパラメータを更新して、デフォルトのnetca.rspファイルを変更する必要があります。

  1. 先頭のハッシュ記号(#)を削除します。

  2. ハッシュ記号を、引用符で囲まれたデータベース・インストール所有者ユーザー・アカウントの実際のパスワードに置き換えます。たとえば:

    SERVICEUSERPASSWORD="*******"

構文

create_lister[=default|my_listener:my_port|listener_name1:listener_port1,listener_name2:listener_port2, . . .|/path/to/responsefile.rsp]

制限事項

  • 名前には英数字、ポートには数値を使用してリスナーを指定する必要があります。
  • レスポンス・ファイルへのパスを使用する場合、レスポンス・ファイル・ターゲットは有効なレスポンス・ファイルである必要があります。

デフォルト値でリスナーを作成します:

upg1.create_listener=default 

ポート54321にsales_listenerという名前のリスナーを作成します:

upg1.create_listener=sales_listener:54321 

defer_standby_log_shipping

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)プライマリ・データベースから任意のスタンバイ・データベースへのログ送信を遅延します。すべてのログ・アーカイブの宛先(log_archive_dest_n)が遅延に設定されます。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

デフォルトでは、ログ送信はアップグレードの一部として実行されます。Autoupgradeによりログ送信が遅延すると、ログ送信が遅延され、アップグレードが正常に完了した後にプライマリ・データベースからセカンダリ・データベースへの送信ログを再度有効にする必要があることが通知されます。

ノート:

この構成ファイル・パラメータは、スタンバイ・データベースのみならず、Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance (ZDLRA)リアルタイム・ログ転送やOracle GoldenGateダウンストリーム取得など、プライマリ・データベースからREDOを受信するすべての製品またはサービスに影響します。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです

デフォルトはnoです(ログ出送信は遅延されません)。デフォルトをYesに変更すると、ログ送信は遅延されるため、アップグレード後に手動で再度有効にする必要があります。

defer_standby_log_shipping=yes

del_after_upgrade_pfile

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)アップグレード後にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

sales3.del_after_upgrade_pfile=/path/to/my/pfile_del.ora

del_after_upgrade_pfile

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション) PFILEのアップグレード後にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

この指定は、ユーザー構成ファイル内のすべてのデータベースに適用されます。

global.del_after_upgrade_pfile=/path/to/my/del_after.ora

del_during_upgrade_pfile

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)アップグレード時にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

sales3.del_during_upgrade_pfile=/path/to/my/oldpfile.ora

del_during_upgrade_pfile

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション) PFILEのアップグレード中にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

この指定は、ユーザー構成ファイル内のすべてのデータベースに適用されます。

global.del_during_upgrade_pfile=/path/to/my/del_during.ora

delete_wincredential_file

(オプション) AutoUpgradeジョブの完了時にMicrosoft Windows資格証明オブジェクト・ファイルを削除します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

NOに設定すると、AutoUpgradeは、Microsoft Windowsファイル資格証明を最初に使用するAutoUpgradeジョブの完了後に資格証明を削除しません。デフォルト値はYESです。

このパラメータの目的は、wincredentialパラメータでロードされたMicrosoft Windowsオブジェクト資格証明が最初に使用された後に、AutoUpgradeでこれらの資格証明をすぐに削除するか、他のAutoUpgradeパッチ適用またはアップグレード操作でWindowsオブジェクト資格証明を再利用できるようにするかを選択できるようにすることです。

ノート:

delete_wincredential_fileNOに設定した場合は、AutoUpgradeジョブの完了後にその資格証明を手動で削除する必要があります。AutoUpgradeから、アップグレード後のサマリー・レポートに、Windows資格証明ファイルが削除されなかったことと、この資格証明ファイルを手動で削除する必要があることが通知されます。

ユースケース:

AutoUpgradeを使用して複数のアップグレードまたはパッチ適用操作を実行しており、複数のアップグレードまたはパッチ適用操作がすべて自動的に完了できるように、Microsoft Windowsサーバー上のデータベース・バイナリの所有者の資格証明を指定したいと考えています。wincredentialパラメータを指定して資格証明をロードし、さらにdelete_wincredential_fileNOに指定すると、AutoUpgradeは、同じOracle Databaseの複数のアップグレードまたはパッチに対しても、異なるOracle Databasesに対してもその資格証明を使用できます。この機能を使用するには、WindowsのPowerShell資格証明オブジェクトをすでに作成し、wincredentialを使用して構成ファイルにその資格証明オブジェクトを指定する必要があります。

次の例では、ローカル構成ファイル設定wincredentialは、Microsoft Windows資格証明がロードされた場所を指定し、delete_wincredential_file=NOは、db12201データベース操作の完了後にAutoUpgradeでWindowsオブジェクト資格証明ファイルを自動的に削除しないことを指定します。

global.autoupg_log_dir=C:\Users\oracle\autoupg
global.target.version=19.0.0
global.target_home=C:\u01\app\oracle\product\19\dbhome_1
 
upg1.sid=db12201
upg1.source_home=C:\u01\app\oracle\product\12.2\dbhome_1
upg1.log_dir=C:\Users\Oracle\autoupg
upg1.upgrade_node=localhost
upg1.target_base=C:\u01\app\oracle
upg1.target_version=19.0.0.0
upg1.wincredential=C:\Users\oracle\cred
upg1.delete_wincredential_file=NO

dictionary_stats_after

(オプション)アップグレードの完了後に、AutoUpgradeがターゲット・データベースのデータ・ディクショナリ統計を収集するように指定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

データ・ディクショナリ表はアップグレード中に変更され、作成されるため、データベースのアップグレードの前後でディクショナリ統計を収集することをお薦めします。yesを指定すると、AutoUpgradeはアップグレードの完了後にディクショナリ統計を収集します。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はYesです。

global.dictionary_stats_after=yes
sales.dictionary_stats_after=yes

dictionary_stats_before

(オプション)アップグレードを開始する前に、AutoUpgradeがソース・データベースのデータ・ディクショナリ統計を収集するように指定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

データ・ディクショナリ表はアップグレード中に変更され、作成されるため、データベースのアップグレードの前後でディクショナリ統計を収集することをお薦めします。yesを指定すると、AutoUpgradeはアップグレードを開始する前にディクショナリ統計を収集します。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はYesです。

global.dictionary_stats_before=yes
sales.dictionary_stats_before=yes

download

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) My Oracle Supportからパッチを自動的にダウンロードするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。同じ構成ファイルでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

My Oracle Supportからパッチを自動的にダウンロードするかどうかを指定します。デフォルトは「はい」です。

YESに設定した場合、コマンドラインで-load_passwordコマンドライン・オプションを使用して、My Oracle Support (MOS)資格証明またはOAUTHトークンのいずれかをAutoUpgradeパッチ適用にロードする必要があります。

ダウンロードされるパッチは、folderパラメータで指定したディレクトリ・フォルダに配置されます。

My Oracle Supportへの接続にプロキシ情報が必要な場合は、Linuxオペレーティング・システムの環境変数https_proxyhttp_proxyおよびno_proxyを使用してプロキシ値を設定します。

プロキシ定義のサポートされている形式は次のとおりです。user_infoはユーザー・アカウント、siteはURL、portはプロキシ・リスナーの指定ポートです:

[https|http|socks5|socks]://(user_info@)site:port

プロキシ定義にuser_info を追加することはオプションであり、プロキシの資格証明の形式はusername:passwordです。

ノート:

サイトURLパスには、アンダースコア(_)文字を含めることはできません。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

パッチをAutoUpgradeで自動的にダウンロードするのではなく、手動でダウンロードしたパッチを使用するように、デフォルト(yes)をオーバーライドします。

upg1.download=no 

drop_db_link

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)ジョブが正常に完了した後に、切断/接続再配置(ホット・クローン)アップグレード用に設定されたデータベース・リンクが削除されること指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

パラメータsource_dblinkで指定されたデータベース・リンクを使用している切断/接続再配置(ホット・クローン)ジョブの後、drop_db_linkパラメータは、そのジョブの正常完了後にリンクを削除することを指定します。このパラメータは、source_dblinkパラメータを使用しているジョブにのみ適用されます。データベース・リンクの削除中に発生したエラーは、ジョブ全体のエラーにはなりませんが、AutoUpgradeログ・ファイルにのみ記録されます。

ノート:

このオプションは、Oracle Database 12.1.0.2以降のソース・データベース・リリースで使用できます。

次の例では、source_dblinkで設定されたリンクを使用した後、drop_db_linkは、正常完了後にデータベース・リンクを削除することを指定します。
upg1.drop_db_link

drop_grp_after_patching

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)データベース・パッチ・メンテナンス後に保証付きリストア・ポイント(GRP)を削除します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このパラメータ・オプションを選択すると、AutoUpgradeパッチ・メンテナンスが正常に完了した後に、GRPが削除されます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales4.drop_grp_after_patching=yes

drop_grp_after_upgrade

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)データベースのアップグレード後に、保証付きリストア・ポイント(GRP)を削除します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションを選択した場合、アップグレードが正常に完了した後にGRPが削除されます。raise_compatibleyesに設定する場合は、パラメータdrop_grp_after_upgradeyesに設定する必要があります。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

global.drop_grp_after_upgrade=yes
sales.drop_grp_after_upgrade=yes

drop_win_src_service

(アップグレードの場合のみオプション) Microsoft Windowsでのアップグレードの場合、アップグレード後にソースOracle DatabaseのWindowsオペレーティング・システム・サービスを削除するかどうかを指定します。

使用上のノート

デフォルトでは、Microsoft Windowsオペレーティング・システムでのOracle Databaseアップグレードの場合、AutoUpgradeによってWindows Oracle Databaseサービスが停止され、アップグレードが完了すると、サービスはそのまま残ります。サービスを停止したままにしておくと、データベースのMicrosoft Windowsサービスを再作成しなくても、データベースをソースOracleホームにリストアできます。ただし、アップグレードが正常に完了した後、ソース・データベースのMicrosoft Windowsサービスを自動的に削除することを選択できます。noが指定されているか、値が指定されていない場合、サービスはソース上で停止されますが、アップグレード後にそのまま残されます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

upg1.drop_win_src_service=yes 

em_blackout_suffix

(オプション)デフォルトのAutoUpgradeブラックアウトに追加する接尾辞を指定できます。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用すると、AutoUpgradeでスケジュール済のブラックアウトを使用して、1つ以上のモニター対象ターゲットのデータ収集アクティビティを一時停止できます。このパラメータを使用して、AutoUpgradeブラックアウトに特定の接尾辞を指定します。デフォルトでは、EMCLIを使用してブラックアウトを作成できるようにすると、EMCLIログ・ファイル内のデフォルトのブラックアウト名は次のようになります。sidはブラックアウトが有効になっているデータベースのシステム識別子です:

blackout_AutoUpgrade_sid

em_blackout_suffixを指定すると、システム識別子(sid)の他に接尾辞(blackout-suffix)を指定できるため、AutoUpgradeプロセスをより正確に追跡できます。

構文

em_blackout_AutoUpgrade_sid_blackout-suffix

構成ファイルのアップグレード・セットを更新していて、接頭辞upg1が指定されたアップグレード・セットで、システム識別子sales1のデータベースに接尾辞を付加するとします。選択した接尾辞はq3-updatesです。これを行うには、次のようにem_blackout_autoupgradeを使用します:

upg1.em_blackout_autoupgrade_sid_q3-updates

em_target_name

(オプション)名前を付けたデータベースがEnterprise Managerによってモニターされるように指定して、モニタリングを新しいOracleホームに更新できるようにします。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

AutoUpgadeでは、Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用して、Enterprise Managerのモニタリングを新しいOracle Databaseホームに更新できます。ただし、データベースを新しいOracleホームに更新するようにAutoUpgadeが構成されるように、Enterprise Managerターゲット名を指定する必要があります。

構文

構成ファイルにパラメータを入力します。ここで、em-target-nameは、Oracleホーム属性を更新する必要があるEnterprise Managerターゲット名です:

em_target_name=em-target-name

完全なEnterprise Managerターゲット名を入力する必要があります。

新しいOracleホームを指すように、Enterprise Managerのモニター対象データベースsales1_host1.domain.internalを更新します

upg1.em_target_name=sales1_host1.domain.internal

emcli_path

(オプション) Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)コマンドへのパスを指定できます。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

AutoUpgadeでは、Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用して、アップグレードまたはパッチ適用中にタスクを実行できます。ただし、コマンドにアクセスするには、モニター対象データベースを新しいOracleホームに更新するためにEMCTLがモニターしているデータベースのEMCTLパスへのパスをAutoUpgradeに指定する必要があります。

構文

emctl_path=path-to-emctl-location

構成ファイルのアップグレード・セットを更新していて、接頭辞upg1が指定されたアップグレード・セットで、Enterprise Managerのモニター対象データベースを新しいOracleホームに更新するとします。Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースのホームへのパスはvar/opt/dbascripts/emcli/です。これを行うには、次のようにemctl_pathを使用します:

upg1.emctl_path=var/opt/dbascripts/emcli/

enable_local_undo

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション) CDBのアップグレードの場合、CDB$ROOTのアップグレード前にLOCAL UNDOを有効にする必要があるかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションを選択した場合、AutoUpgradeはアップグレード前に次の文を実行します: ALTER DATABASE LOCAL UNDO ON;

ローカルUNDOを最初に有効にすると、PDB$SEED内のUNDO表領域のサイズは、CDB$ROOT内のUNDO表領域のサイズの係数として決定されます。デフォルトは、UNDO表領域サイズの30%です。CDB内の他のすべてのPDBは、PDB$SEEDからこのプロパティを継承します。新しいUNDO表領域を割り当てるのに十分な領域があることを確認します。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

enable_local_undo=yes

env

(オプション) ORACLE_SIDORACLE_HOMEORACLE_BASEおよびTNS_ADMINを除く、オペレーティング・システムに設定されているカスタム・オペレーティング・システム環境変数を指定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

このパラメータを使用して、データベースsqlnet.oraファイルに示されている環境設定(Oracleウォレットに使用されるセキュア・ソケット・レイヤー暗号スイートなど)を指定します。複数設定するには、カンマで区切ります。

構文:

prefix=VARIABLE1=value1 [, VARIABLE2=value2, ...]

PDB sales2の場合、WALLET_LOCATIONの値はカスタム環境変数を使用して設定されるとします。

WALLET_LOCATION=
  (SOURCE=
    (METHOD=file)
    (METHOD_DATA=(DIRECTORY=/databases/wallets/$CUSTOM_ENV1/$CUSTOM_ENV2))

その場合、AutoUpgradeでそれらのカスタム環境変数の値を認識するには、envパラメータ(dir1は環境変数CUSTOM_ENV1によって指定されるパス、dir2CUSTOM_ENV2によって指定されるパス)を使用して指定する必要があります。

sales2.env=CUSTOM_ENV1=dir1,CUSTOM_ENV2=dir2

exclusion_list

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション) AutoUpgrade実行から除外するPDBのリストを設定します。このパラメータは、マルチテナント・アーキテクチャ(CDB)データベースにのみ適用されます。非CDBデータベースを接続およびアップグレードしている場合、このパラメータは無視されます。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このパラメータを使用して、AutoUpgrade実行から除外するPDBのリストを指定します。PDBリストはカンマで区切ります。PDB名のリストまたはアスタリスク(*)のいずれかを含めることができます。これは、AutoUpgradeの実行時にCDBでオープンしているすべてのPDBを除外することを示します。

構文:

prefix.exclusion_list=[pdb-name|*][,pdb-name,...]

PDB pdb1およびpdb2をcdb sales1のアップグレードから除外するとします。構成ファイルの次のエントリは、pdb1およびpdb2をAutoUpgradeの実行中の処理から除外します。

sales1.exclusion_list=pdb1,pdb2

構成ファイルのこのエントリは、CDB sales2からオープンしているすべてのPDBを除外します。

sales2.exclusion_list=*

export_rman_backup_for_noncdb_to_pdb

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)変換プロセスの一環として、AutoUpgradeがソース非CDBデータベースからターゲットPDBデータベースにメタデータを転送することを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

非CDBをPDBに変換する場合、ソース・データベースからRMANメタデータを抽出し、それをターゲット・データベースに配置して、PDB変換後にメタデータを使用できるようにします。このパラメータを使用すると、バックアップをプリプラグイン・バックアップとして使用できます。プラグイン直後にPDBをリストアする場合、プリプラグイン・バックアップ・オプションを使用すると時間と労力を節約できます。

このパラメータは、非CDBからPDBへの変換(リフレッシュ可能なクローンPDBではなく)にのみ適用されます。それ以外の場合、このパラメータは無視してください。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales.export_rman_backup_for_noncdb_to_pdb=yes

fixed_stats_before

(オプション)アップグレードを開始する前に、AutoUpgradeがソース・データベースの固定オブジェクトの統計を収集するように指定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

アップグレードの前に、固定オブジェクトの統計を再収集することをお薦めします。

固定オブジェクトは、X$表とその索引です。V$パフォーマンス・ビューは、X$表を通じて定義されます。固定オブジェクトの統計の収集は、データベース・パフォーマンスにとって有益で(それらの統計はオプティマイザが適切な実行計画を生成する際に役立つため)、データベース・パフォーマンスが向上する可能性があります。代表的な統計を取得しないと、実行計画が最適ではなくなる可能性があり、深刻なパフォーマンス問題が発生する場合があります。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はYesです。

global.fixed_stats_before=yes
sales.fixed_stats_before=yes

folder

(AutoUpgradeパッチ適用の場合は必須)パッチのzipファイルと必要なOracle Databaseベース・イメージを格納するディレクトリを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

AutoUpgradeでパッチ適用を実行するには、パッチzipファイルを含むディレクトリを指定する必要があります。このディレクトリには、Oracle Databaseベース・イメージも含まれている必要があります。デフォルト値はありません。ディレクトリ・パスを指定する必要があります。このパラメータは、downloadパラメータと組み合せて次のようにも使用します:

download=YESの場合、folderパラメータで指定されたディレクトリは、パッチのダウンロード先のディレクトリです。

download=NOの場合、folderパラメータで指定されたディレクトリは、手動でダウンロードされたパッチが含まれているディレクトリである必要があります。

folderパラメータで指定するディレクトリには、ソース・データベースのリリース(Oracle Databaseリリース19.3など)のベース・イメージが含まれている必要があります。

upg1.folder=/storage/patches

AutoUpgrade構成ファイルのグローバル共通パラメータ

AutoUpgrade構成ファイル(config)の共通グローバル・パラメータを使用すると、ソフトウェア・メンテナンス(-patch)とアップグレード(upgrade)の両方に対してグローバル・パラメータを設定できます。

AutoUpgrade構成ファイルのグローバル・パッチ・パラメータ

AutoUpgrade構成ファイル(config)のパッチ・グローバル・パラメータを使用すると、ソフトウェア・メンテナンス(-patch)のグローバル・パラメータを設定できます。

AutoUpgrade構成ファイルのグローバル・アップグレード・パラメータ

AutoUpgrade構成ファイル(config)のアップグレード・グローバル・パラメータを使用すると、アップグレード(upgrade)のグローバル・パラメータを設定できます。

global_log_dir

(オプション) AutoUpgradeログ・ファイルと、AutoUpgradeが使用するグローバル・モジュールに属する一時ファイルの場所を設定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

この構成パラメータは、パッチ適用およびアップグレードに使用されます。このパラメータは、非推奨のautoupg_log_dirパラメータを置き換えます。特定の接頭辞のログ・ディレクトリにあるuserconfigファイルに、異なるログ・ディレクトリ・パスを構成できます

このパラメータをパスに設定しない場合、デフォルトでは、ログ・ファイルは構成ファイルに含めるデータベースのorabaseユーティリティで示される場所に配置されます。その場合、デフォルトのログ・ディレクトリはパスORACLE_BASE/cfgtoollogs/autoupgrade_patchingにあります。

構成ファイルに含まれるすべてのデータベースについてorabaseユーティリティが失敗した場合、ログ・ファイルの場所は、AutoUpgradeを実行しているユーザーのtempディレクトリに基づきます。

global.global_log_dir=/path/to/my/global/log/dir

特定の接頭辞のログ・ディレクトリにあるuserconfigファイルに、異なるログ・ディレクトリ・パスを構成します

global.global_log_dir=/path/to/my/global/log/dir
myprefix.log_dir=global.global_log_dir:different/path

この構文が使用されると、ログ・ファイルおよび一時ファイルは、接頭辞myprefixで識別されるデータベースの次のパスに配置されます。

/path/to/my/global/log/dir/different/path

global_log_dirパラメータを使用する構成ファイルの例を次に示します:

global.global_log_dir=/logs/patching
global.keystore=/secure/keystore
upg1.sid=DB19X
upg1.source_home=/databases/19x/dbhome_1
upg1.target_home=/databases/19x/dbhome_2
upg1.folder=/storage/patches
upg1.download=YES

home_settings.account_type

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) Microsoft Windowsでは、このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEの作成時に使用するアカウントのタイプを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。同じ構成ファイルでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Microsoft Windowsでは、Oracleホーム・ユーザーは、Windows仮想アカウント(VIRTUAL)、Windows組込みアカウント(BUILT_IN)または標準のWindowsユーザー・アカウント(管理者アカウント以外)(USER)のいずれかになります。"USER"を使用する場合、実際のユーザー名を指定してコロンで区切る必要があります。

Windows仮想アカウントを使用する場合、Oracle Databaseをインストールし、パスワードなしでデータベース・サービスを作成および管理できます。組込みアカウントを使用する場合、インストールおよび管理時にユーザー名およびパスワードは要求されません。Windowsのユーザー・アカウントをOracleホーム・ユーザーとして使用する場合、インストールおよび一部の管理タスク時にユーザー名およびパスワードを指定する必要があります。仮想アカウントは、Oracle Database単一インスタンス・インストールのOracleホーム・ユーザーとして使用できます。仮想アカウントでは、インストールおよび管理時にユーザー名およびパスワードは必要ありません。

ノート:

このオプションを使用するには、AutoUpgradeを実行する前に、Windowsユーザー・アカウント(管理ユーザー以外)が存在している必要があります。AutoUpgradeでは、これらのユーザーを作成できません。

オプション

[VIRTUAL|BUILT_IN|USER]

この例では、組込みアカウントとしてOracleホーム・ユーザー・アカウントを指定します:

upg1.home_settings.account_type=built_in

この例では、ターゲットOracleホームの作成に使用されるユーザー・アカウントAutoUpgradeの名前がorclsvcであることを指定します:

upg1.home_settings.account_type=USER:orclsvc

home_settings.binopt.asm

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle ASMのバイナリ・オプション(asm)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Automatic Storage Management (asm)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでasmバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.asm=yes

home_settings.binopt.dm

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle Data Miningのバイナリ・オプション(dm)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成ファイルsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Data Mining (dm)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでdmバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.dm=yes

home_settings.binopt.jox

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、JavaVM JITコンパイラのバイナリ・オプション(jox)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのJavaVM JITコンパイラ(jox)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでDMバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.jox=yes

home_settings.binopt.olap

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、オンライン・アプリケーション処理(OLAP)オプションのバイナリ・オプション(olap)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのオンライン・アプリケーション処理オプション(olap)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでolapバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.olap=yes

home_settings.binopt.part

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle Partitioningのバイナリ・オプション(part)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Partitioning (part)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでpartバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.part=yes

home_settings.binopt.rac

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle RACのバイナリ・オプション(rac)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)バイナリ(rac)はオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでracバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.rac=yes

home_settings.binopt.rat

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle Real Application Testingのバイナリ・オプション(rat)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Real Application Testingバイナリ(rat)はオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでratバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.rat=yes

home_settings.binopt.sdo

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle Spatial Data Option Messagesのバイナリ・オプション(sdo)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Spatial Data Option Messages (SDO)バイナリ(sdo)はオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでsdoバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.sdo=yes

home_settings.binopt.uniaud

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracleの統合監査機能のバイナリ・オプション(uniaud)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracleの統合監査機能バイナリ(uniaud)はオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでuniaudバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.uniaud=yes

home_settings.cluster_nodes

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用を実行するOracle Real Applications (Oracle RAC)クラスタ内のノードのリストを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このパラメータの値は、ノード名のカンマ区切りリストである必要があります。各ノード名は、クラスタ内のノードのホスト名です。このオプションは、動作保証されているPOSIX準拠のプラットフォームでのみ使用できます。

ノート:

Oracle RACデータベースでのAutoupgradeパッチ適用では、Oracle Clusterware値(OCW)がパッチ・パラメータで定義されていない場合でも、Oracle ClusterwareソフトウェアのRUバージョンと一致するOracle Clusterwareパッチが自動的に適用されます。

構文

home_settings.cluster_nodes=node1[,node2,node3...]

構文のnode1node2およびnode3は、Oracle RACクラスタ内のクラスタ・メンバー・ノードの名前です。

ノート:

カンマ区切りリストにリストされている特定のノードに関係なく、このパラメータは常にAutoUpgradeが実行されているローカル・ノードで実行されます。たとえば、クラスタ・メンバーnode1およびnode2があるOracle RACクラスタのクラスタ・メンバーnode1からAutoUpgradeパッチ適用を実行するとします:

home_settings.cluster_nodes=node2

node1からAutoUpgradeパッチ適用を実行しているため、AutoUpgradeパッチ適用はnode1 (ローカル・ノード)とnode2の両方で実行されます。

この例では、Autoupgrade パッチ適用がデプロイ・モードで実行されると、構成ファイルはAutoUpgradeに、node1とnode2の両方のターゲット・ホームの場所に新しいOracleホームを作成し、各ノードのソースOracleホーム(/databases/ee/product/19x/dbhome_1)を各ノードのターゲットOracleホーム(/home/oracle/newOH)に移動するように指示します。

global.global_log_dir=/home/oracle/autopatch
upg1.patch=RU,OPATCH
upg1.sid=raccdb191
upg1.source_home=/databases/ee/product/19x/dbhome_1
upg1.target_home=/home/oracle/newOH
upg1.folder=/home/oracle/patches
upg1.home_settings.cluster_nodes=node1,node2

home_settings.edition

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)ターゲットORACLE_HOMEの作成に使用するOracle Databaseエディションを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、エディションのデフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるエディションと一致します。それ以外の場合、デフォルト値はありません。

オプション

Standard (SE2)またはEnterprise Edition (EE):

[se2|ee]

この例では、Oracle DatabaseエディションをOracle Database Standard Editionに指定します。

upg1.home_settings.edition=se2

home_settings.home_name

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)ターゲットORACLE_HOMEの作成時に、Oracle Inventory (oraInventory)ディレクトリ内のinventory.xmlファイルでデータベースに使用されるOracleホーム名を指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

読取り/書込みのORACLE_HOMEでは、ORACLE_BASE_HOMEパスはORACLE_HOMEディレクトリと同じです。ただし、読取り専用のORACLE_HOMEでは、ORACLE_BASE_HOMEディレクトリは、ORACLE_HOMEと同じ場所ではなく、ORACLE_BASE/homes/HOME_NAMEにあります。HOME_NAMEの値は、ORACLE_HOMEの内部名です。これらのホーム名は、oraInventoryディレクトリ内で追跡されます。このディレクトリには、システムにインストールされているすべてのOracleホームの名前をリストするinventory.xmlというファイルがあります。Oracleソフトウェア所有者は、このグループのメンバーです。デフォルト値は、データベース・ホームに汎用名を使用することですが、このオプションを使用すると特定の名前を指定できます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、Oracleホーム名を指定して、データベース・ホームをdbhome_2などの汎用名からinv_westに変更します:

upg1.home_settings.home_name=inv_west

home_settings.ignore_opatch_conflict

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)個別パッチによるパッチ間の競合を解消するための競合解消戦略を指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプション・パラメータを使用すると、AutoUpgradeパッチ適用でOPatch前提条件チェックが実行されるときにAutoUpgradeで適用できるパッチ適用競合ポリシーを構成できます。このパラメータを使用して競合ポリシーを設定しているとき、AutoUpgradeでpatchパラメータで指定されたパッチ間の競合が検出されると、競合を解消するためにパッチ競合ポリシーが適用されます。競合がpatchパラメータで指定された個別パッチ間のみである場合、home_settings.ignore_opatch_conflictパラメータ値に基づいて、AutoUpgradeパッチ適用では、これらのパッチ間の競合を自動的に解消し、パッチ競合エラーで停止することなく、パッチ適用を完了することができます。

ノート:

patchパラメータで指定された個別パッチ以外の他のタイプのパッチ間でパッチの競合が発生した場合、AutoUpgradeでは、設定されたignore_patch_conflictポリシーに関係なく、常に停止してエラーを発行します。

オプション

[error|keep_first|skip_all]

デフォルトは、errorです。home_settings.ignore_opatch_conflictの値は次のとおりです:

  • error (デフォルト): AutoUpgradeでパッチの競合が発生すると、パッチ適用は停止します。AutoUpgradeはエラーを表示して、指定されたパッチ間に競合があることを示します。

  • keep_first: AutoUpgradeでパッチの競合が発生すると、構成ファイルprefix.patch=RU,OPATCH,patch-number1,patch-number2,patch-number3...パラメータ・エントリに入力された順序に基づいて個別パッチのインストールの優先順位が付けられます。競合が検出されると、パッチ・パラメータ値の順序で最初に出現する個別パッチは、これらのパッチが、パラメータ・パッチ優先度リストの後の方で指定されたパッチと競合する場合でも、引き続きインストールされます。パッチ適用操作の最後に、AutoUpgradeは適用できなかったパッチをレポートします。
  • skip_all : AutoUpgradeパッチ適用では、競合するすべての個別パッチのインストールが自動的にスキップされ、競合しないパッチのインストールが続行されます。

ignore_opatch_conflict=error

この例では、ignore_opatch_conflictオプションを指定しない(この場合、デフォルトはERRORに設定される)か、構成ファイルでこのオプションをERRORに設定します。その結果、AutoUpgradeでは、個別パッチ(101,102,103)間で競合が発生した場合、停止してエラーを表示します。

upg1.patch=RECOMMENDED,101,102,103

upg1.home_settings.ignore_opatch_conflict = ERROR



ignore_opatch_conflict=keep_first

この例では、構成ファイルでignore_opatch_conflictオプションをKEEP_FIRSTに設定します。

upg1.patch=RU,OPATCH,OJVM,101,102,103,104,105,106,107,108
upg1.home_settings.ignore_opatch_conflict = KEEP_FIRST

次の個別パッチ間で競合が発生したとします:

  • 101,102
  • 101,103
  • 102,103
  • 103,104
  • 104,105
  • 105,108

この場合、AutoUpgradeパッチ適用はエラー・メッセージで停止せず、パッチ・パラメータ値の順序での出現順に基づいてパッチ(RU、OPATCH、OJVM、101,104,106,107,108)のインストールを続行します。AutoUpgradeでは、パッチ102、103および105のインストールを自動的に無視します。パッチ適用操作の最後に、AutoUpgradeは競合があって無視されたパッチ(102、103、105)を、「次のジョブに指定された個別パッチ間で競合が検出され、無視されました」というメッセージとともにレポートします。

ignore_opatch_conflict=skip_all

この例では、構成ファイルでignore_opatch_conflictオプションをSKIP_ALLに設定します。

upg1.patch=RU,OPATCH,OJVM,101,102,103,104,105
upg1.home_settings.ignore_opatch_conflict = SKIP_ALL

競合があるが、パッチ103と104の間にのみ存在するとします。その場合、AutoUpgradeでは、パッチ番号103と104を無視し、停止してエラーを表示することなく、パッチRU、OPATCH、OJVM、101、102および105のインストールを完了します。プロセスの最後に、AutoUpgradeは、パッチ103および104で競合が検出されたため、これらのパッチが無視されたことをレポートします。

home_settings.ignore_prereq_failure

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) AutoUpgradeパッチ適用で、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)ターゲット・ホームへのインストール中に発生した前提条件チェック・エラーを無視するかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。
このオプション・パラメータを使用すると、特定の前提条件チェックを無視してインストールを続行することを選択できます。Microsoft Windows Oracle RACホームのパッチ適用では使用できません。このパラメータは、チェック・エラーを調査して、インストールに影響しないことが判明した場合に使用します。

ノート:

続行する前に、まず前提条件チェックの競合エラーに対処することをお薦めします。

オプション

[yes|no]

デフォルトはnoです。

次の例では、値はyesに設定されています。AutoUpgradeパッチ適用では、前提条件チェックの失敗を無視し、node1およびnode2での新しいターゲットoracleホームの作成を継続します。

global.global_log_dir=/home/oracle/autopatch
upg1.patch=RU,OPATCH
upg1.sid=raccdb191
upg1.source_home=/databases/ee/product/19x/dbhome_1
upg1.target_home=/home/oracle/newOH
upg1.folder=/home/oracle/patches
upg1.home_settings.cluster_nodes=node1,node2
upg1.home_settings.ignore_prereq_failure=yes

home_settings.inventory_group

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) Oracle Inventoryグループ(OINSTALL)として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle Inventoryグループのメンバーには、Oracle Inventoryグループ・ディレクトリ(oraInventory)に対して読取りおよび書込みを実行するためのOINSTALL権限が付与されます。Oracleソフトウェア所有者は、このグループのメンバーです。oraInst.locがシステムにすでに存在する場合、デフォルト値は、システムにすでに定義されている指定されたオペレーティング・システム・グループと一致します。それ以外の場合、デフォルト値はoinstallです。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OINSTALLグループをoracle-ownersに指定します:

upg1.home_settings.inventory_group=oracle-owners

home_settings.inventory_location

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) Oracle Databaseインベントリ(oraInventory)ディレクトリに使用するディレクトリを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Oracle Inventoryディレクトリ(oraInventory)では、システムにインストールされたすべてのOracle ソフトウェアのインベントリが保持されます。oraInst.locがシステムにすでに存在する場合、oraInventoryのデフォルト値は、すでに定義されている指定されたinventory_locationディレクトリと一致します。それ以外の場合、デフォルト値はありません。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、Oracle Inventoryをパスの場所/u02/app/oraInventory内に指定します:

upg1.home_settings.inventory_location=/u02/app/oraInventory

home_settings.oracle_base

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) Oracleベース・ディレクトリに使用するディレクトリを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

読取り専用のORACLE_HOMEでも読取り/書込みのORACLE_HOMEでも、ユーザー固有のファイル、インスタンス固有のファイルおよびログ・ファイルは、ORACLE_BASE_HOMEという場所にあります。デフォルトでは、Oracleベース・ホーム・ディレクトリには、/u01/app/oracle/などのOptimal Flexible Architecture (OFA)パスがあります。必要に応じて、デフォルトのOracleベースから、/optパスなどの他のパスに変更できます。

この例では、Oracleベース・ホームをパスの場所/opt/oracle/databases/内に指定します:

upg1.home_settings.inventory_location=/opt/oracle/databases/

home_settings.osbackupdba_group

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) Oracle Databaseのオペレーティング・システムのOSBACKUPDBAバックアップおよびリカバリ・システム権限グループとして指定されるグループを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてOSBACKUPDBAシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるOSBACKUPDBAグループと一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きOSBACKUPDBAグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OSBACKUPDBAグループをoracle_backupに指定します:

upg1.home_settings.osbackupdba_group=oracle_backup

home_settings.osdba_group

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)データベースのオペレーティング・システムのDBAシステム権限グループ(OSDBA)管理として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてOSDBAシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。このグループのメンバーには、データベースを管理するためのSYSDBAシステム権限が付与されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるOSDBAシステム権限グループと一致します。source_homeが定義されていない場合、このパラメータのデフォルトはdbaになります。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OSDBAグループをinv_dbaに指定します:

upg1.home_settings.osdba_group=inv_dba

home_settings.osdgdba_group

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) Oracle Data Guardを管理およびモニターするためのオペレーティング・システムのOSDGDBAシステム権限として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてOSDGDBAシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるOSDGDBAシステム権限グループと一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きOSDGDBAグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OSDGDBAグループをoracle_dgに指定します:

upg1.home_settings.osdgdba_group=oracle_dg

home_settings.oskmdba_group

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) Oracle Wallet Managerなどのアプリケーションの暗号化キー管理のためのオペレーティング・システムのSYSKMシステム権限として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてSYSKMシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるSYSKMシステム権限と一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きSYSKMグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、SYSKMグループをoracle_keystoreに指定します:

upg1.home_settings.osdgdba_group=oracle_keystore

home_settings.osoper_group

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)オペレーティング・システム・オペレータ(OSOPER)のシステム権限グループとして指定されるグループを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてOSOPERシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。このグループのメンバーには、データベースの起動および停止を実行するためのOPERATORシステム権限が付与されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるOSOPERシステム権限グループと一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きOSOPERグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OSOPERグループをinv_operに指定します:

upg1.home_settings.osoper_group=inv_oper

home_settings.osracdba_group

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) Oracle RACクラスタでOracle Databaseの日々の管理を実行するための、オペレーティング・システムのSYSRAC権限として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてオペレーティング・システムのRACDBAシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるRACDBAシステム権限と一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きRACDBAグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、RACDBAグループをoracle_racに指定します:

upg1.home_settings.osracdba_group=oracle_rac

home_settings.read_only

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)ターゲットORACLE_HOMEの作成時に読取り専用Oracleホームを有効にするかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

読取り専用Oracleホームでは、プロビジョニングを簡略化できます。Oracleホームが読取り専用の場合、すべての構成データおよびログ・ファイルがその読取り専用Oracleホーム以外の場所に格納されます。読取り専用Oracleホームの詳細は、プラットフォームのインストレーション・ガイドを参照してください。

構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用される設定と一致します。それ以外の場合、読取り専用Oracleホームのデフォルトはnoです。ターゲットOracleホームの読取り専用Oracleホームをプロビジョニングするには、このオプションをyesに指定することで、このオプションを使用して読取り専用Oracleホームを選択できます。

オプション

[yes|no]

デフォルトはnoです。

この例では、ターゲットOracleホームが読取り専用Oracleホームになるように指定します:

upg1.home_settings.read_only=yes

home_settings.ru_apply

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)リリース更新(RU)をORACLE_HOMEと同時にインストールするか、OPatchによって別のステップとしてインストールするかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

Microsoft Windows以外のプラットフォームでパラメータをYESに指定した場合、-applyRUコマンドライン・オプションを使用してrunInstallerを実行すると、デプロイ操作中にインストールされるRUがインストールされます。パラメータをNOに指定した場合、RUは、ORACLE_HOMEがすでにインストールされた後にOPatchを実行して個別にインストールされます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes|no}

現在のオペレーティング・システムがOracle Linux 9以降である場合を除き、デフォルト値はnoです。

この例では、Oracleホームのインストール後にOPatchを実行する予定であることを示すnoにパラメータを指定します。

upg1.home_settings.ru_apply=no

AutoUpgrade構成ファイルを使用した修正およびチェックの無視

データベースのチェックおよび修正ステップ全体をスキップするには、修正チェックリスト・ファイルから修正のrunfixフラグを読み取り、その修正のフラグをYESからSKIPに設定するようにAutoUpgradeに指示します。

AutoUpgradeがアップグレード用に自動的に実行する修正のデフォルト・リストをオーバーライドするには、ローカル構成ファイル・パラメータchecklistを使用して、AutoUpgradeに修正ステップの既存のチェックリストをロードします。ローカル・パラメータで指定するチェックリストでは、次のように事前チェック修正を設定できます。

  • YES (デフォルト): チェックを実行し、修正も実行します
  • NO: チェックを実行しますが、修正は実行しません。
  • SKIP: チェックを実行せず、修正も実行しません。

構成ファイルでは、ローカル・パラメータchecklistを使用して、AutoUpgradeに既存のチェックリスト・ファイルを指定します。

global.autoupg_log_dir=/home/oracle/autoupg
 
upg1.sid=db12204
upg1.source_home=/databases/ee/product/12.2.0/dbhome_1
upg1.target_home=/databases/ee/product/21.1.0/dbhome_1
upg1.checklist=/home/oracle/autoupg/db12204/100/prechecks/db11204_checklist.cfg

修正チェックリスト・ファイルで、DICTIONARY_STATS修正のrunfixフラグは、このステップをスキップするように設定されています。

[SID] [db21.1.0] 
========================================== 
[container] [db21.1.0] 
========================================== 
[checkname] EXISTENCE_OF_DATAPUMP_AQ_TABLES 
[stage] PRECHECKS 
[fixup_available] YES 
[runfix] YES 
[severity] WARNING 
---------------------------------------------------- 
[checkname] DICTIONARY_STATS 
[stage] PRECHECKS 
[fixup_available] YES 
[runfix] _SKIP 
[severity] RECOMMEND 
---------------------------------------------------- 

ignore_errors

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)アップグレードまたはパッチ適用プロセス中にAutoUpgradeで無視する特定のOracleエラーのカンマ区切りリストを指定できます。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このパラメータを構成ファイルに追加すると、指定したアップグレード接頭辞のアップグレード中に、指定したエラー番号は無視されます。

sales3.ignore_errors=ORA-48181,ORA-00001

json_progress_writing_interval

(オプション) AutoUpgrade進捗JSONレポートの書込み間隔の時間を設定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

このパラメータは、AutoUpgrade進捗JSONレポートが書き込まれる頻度を指定します。このパラメータを設定しない場合、デフォルトではAutoUpgrade進捗JSONレポートの間隔は30秒です

次の例では、global.json_progress_writing_interval=90を使用して、JSON進捗レポートがglobal.autoupg_log_dirで指定されたログ・ディレクトリに90秒ごとに書き込まれるように指定します:
global.json_progress_writing_interval=90
global.autoupg_log_dir=/path/to/my/global/log/dir

keep_pdb_save_state

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション) PDBの保存状態がソースCDBにある場合は、PDBの状態をターゲットCDBに保存するか保存しないかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このパラメータは、切断/接続フロー(リストアを含む)に適用されます。PDB状態がソースCDBに保存されている場合、デフォルトでは、アップグレード・プロセス後も同じ保存状態が保存されます(デフォルトはyes)。keep_pdb_save_statenoに設定されている場合、アップグレード後にソースPDBの状態は保存されません。AutoUpgradeアップグレード前チェックで推奨されたときに、keep_pdb_save_statenoに設定することを選択できます。たとえば、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)のアップグレードでは、OracleではソースPDBの保存状態を保持しないことをお薦めしています。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

sales1.keep_pdb_save_state.pdbA=no

keep_source_pdb

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)切断/接続アップグレード操作のソースPDBが、ソースCDBから削除されるのではなく、閉じた状態に保持されるかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

デフォルトでは、ソースPDBはアップグレード・プロセス中にソースCDBから削除されます。keep_source_pdbYESに設定されている場合、ソースPDBは以前のリリース・システムから削除されません。パラメータtarget_pdb_copy_optionでコピー・オプションが指定されている場合のみ、パラメータをYESに設定できます。コピー・オプションを使用しない場合、PDBを削除する必要があるため、このパラメータは無視されます。コピーがない場合、既存のデータファイルは単一のCDBでのみ使用できます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales1.keep_source_pdb=yes

keystore

(オプション)AutoUpgradeがパスワードを格納するために排他的に使用する専用ソフトウェア・キーストアの場所と、その他の機密情報を指定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

キーストア・パラメータを使用して、AutoUpgradeが排他的に使用する専用ソフトウェア・キーストアを作成する場所を指定できます。

AutoUpgradeキーストアには、ファイルewallet.p12が格納されます(データベースで使用される他の種類のキーストアと同様)。ファイルは、TDEプロンプトでsaveコマンドを使用すると作成されます。自動ログイン・キーストアの生成を選択すると、ファイルcwallet.ssoも作成されます。自動ログイン・キーストアがある場合、AutoUpgradeの起動時にキーストア・パスワードの入力を求められません。

AutoUpgradeによって生成されたキーストアには機密情報が格納され、キーストアを初めて使用するときに選択したパスワードで保護されます。キーストアを変更するたびに、パスワードを指定する必要があります。AutoUpgradeの自動ログイン・キーストアを作成することにした場合を除き、AutoUpgradeを起動し、AutoUpgradeがキーストアからの情報を要求するたびに、キーストア・パスワードを指定する必要があります。

注意:

global.keystoreで指定するディレクトリにはソフトウェア・キーストアが含まれているため、他のすべての高度にセキュアなキーストア・ファイルと同じセキュリティのベスト・プラクティスを使用して保護する必要があります。特に、キーストアの場所は、AutoUpgradeログ・ファイルとは別の場所にある必要があります。global_log_dirまたはlog_dir内のサブディレクトにしないでください。

次の例では、ORACLE_SIDを、キーストアを使用するデータベースのシステム識別子に置き換えます。
global.keystore=/etc/oracle/keystores/ORACLE_SID/autoupgrade

AutoUpgrade構成ファイルのローカル共通パラメータ

共通ローカル・パラメータを使用すると、ソフトウェア・メンテナンス(-patch)またはアップグレード(upgrade)のいずれかのために、特定のOracle Databaseの構成ファイル(config)でAutoUpgrade処理を構成できます。

ローカル構成ファイルのパラメータ修正チェックリストの例

アップグレード時に個々のデータベースに対して特定の修正を含めるか除外する場合は、ローカル構成ファイル・チェックリストを使用します。

この例では、sales4_checklist.cfgという名前のローカル・チェックリスト・ファイルがあり、データベースsales4のアップグレード前修正チェックリストが提供されます。ファイルの一部には、次の設定が含まれています。

[checkname] DICTIONARY_STATS
[stage] PRECHECKS
[fixup_available] YES
[runfix] YES
[severity] RECOMMEND

DICTIONARY_STATSに対するデフォルトの修正を変更し、チェックのrunfixオプションをYESからNOに変更することで、データベースsales4の修正の実行を除外できます。

[checkname] DICTIONARY_STATS
[stage] PRECHECKS
[fixup_available] YES
[runfix] NO
[severity] RECOMMEND

DICTIONARY_STATSデータベース・チェックの実行を完全にバイパス(または"スキップ")するように指定することもできます:

[checkname] DICTIONARY_STATS
[stage] PRECHECKS
[fixup_available] YES
[runfix] SKIP

AutoUpgrade構成ファイルのローカル・パッチ・パラメータ

パッチ・パラメータを使用すると、ソフトウェア・メンテナンス(-patch)用に特定のOracle Databaseの構成ファイル(config)でAutoUpgrade処理を構成できます。

AutoUpgrade構成ファイルのローカル・アップグレード・パラメータ

アップグレード・ローカル・パラメータを使用すると、アップグレード(upgrade)用に特定のOracle Databaseの構成ファイル(config)でAutoUpgrade処理を構成できます。

AutoUpgrade構成ファイルのローカルに変更可能なグローバル共通パラメータ

AutoUpgrade構成ファイルの共通のローカルに変更可能なグローバル・パラメータを使用すると、データベース固有のローカル・パラメータで上書きできる変更可能なグローバル・パラメータを構成(config)ファイルに設定できます。

revert_after_action.deploy

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) deployモードでは、接頭辞でアドレス指定された特定のデータベース・ジョブに対してシステム・リストアが完了した後にオペレーティング・システムで実行するカスタム・アクションを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

使用するスクリプトはname.ext (たとえば、myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプション:

  • UNIXシェル(.sh)
  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)
  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)
  • Oracle SQLファイル(.sql)。接頭辞によって指定されたローカル操作の場合のみ。

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用のrevert_after_action.deployパラメータとローカル・パラメータのrevert_actionパラメータを同じ構成ファイルで指定することはできません。

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

パッチ適用操作の場合、ローカルのrevert_after_action.deployパラメータはSQLスクリプトを指定でき、非CDBのOracleホームまたはCDB$ROOT上のターゲットOracle Databaseバイナリを使用してデータベースで実行されます。追加のコンテナ固有のアクションを実行する場合、コード内でこれらを設定する必要があります。より複雑なシナリオでは、シェルでコンテナ固有のアクションを実行できます。

スクリプトの出力が取得され、ファイルに格納されます。stdoutstderrの両方が取得されます。ファイルは、特定のデータベースまたはジョブに一致するディレクトリのpreupgradeサブディレクトリに格納されます。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

AutoUpgradeがdeployモードの処理を完了した後に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを設定します:

sales.revert_after_action.deploy=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeがdeployモードの処理を完了した後に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合に実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します:

sales4.revert_after_action.deploy=/user/path/script.sh 

revert_before_action

(オプション)接頭辞によって指定された特定のデータベース・ジョブに対してシステムのリストアが完了し、データベースが稼働する前にオペレーティング・システムで実行するカスタム・アクションを指定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

revert_before_actionで指定するアクションは、データベースのリストアが開始されてデータベースが稼働する前に、ターゲットのOracleホーム・バイナリで実行されます。

実行するように指定するスクリプトはname.ext (例: myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプション:

  • UNIXシェル(.sh)
  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)
  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)
  • Oracle SQLスクリプト(.sql)。revert_before_actionパラメータ接頭辞で指定されたデータベースのローカル操作の場合。

オプション

失敗時に停止します: [Y|N]。デフォルトはNです。

デフォルトでは、指定したスクリプトが失敗すると、AutoUpgradeは引き続き実行されます(N)。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeが停止するように指定するには、Yフラグを使用します。スクリプトが0以外のステータスでオペレーティング・システムで実行を終了した場合、AutoUpgradeはスクリプトを失敗として識別します。

AutoUpgradeがリストアを開始する前に、オペレーティング・システムで指定するスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、Yフラグを設定します。

sales3.revert_before_action =/user/path/script.sh Y

AutoUpgradeがリストアを開始する前に、オペレーティング・システムで指定したスクリプトを実行します。フラグを指定しないと、デフォルトの失敗時に停止するオプションはNであるため、スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeは引き続き実行されます。

sales3.revert_before_action =/user/path/script.sh

revert_before_action.create_home

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) create_homeモードでは、接頭辞でアドレス指定された特定のデータベース・ジョブに対してシステム・リストアが完了した後にオペレーティング・システムで実行するカスタム・アクションを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

パッチ適用操作の場合、ローカルのrevert_before_action.create_homeは、非CDBのOracleホームまたはCDB$ROOT上のターゲットOracle Databaseバイナリを使用して、パッチが適用されたデータベース用にOracleホームを作成する前にアクションを元に戻すスクリプトを起動できます。新しいOracleホーム・パスを指定する必要があります。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

構文

prefix.revert_before_action.create_home=/my/new/oracle/home/

AutoUpgradeがcreate_homeモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行してアクションを元に戻します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを設定します:

sales.revert_before_action.create_home=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeがcreate_homeモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行してアクションを元に戻します。スクリプトが失敗した場合に実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します:

sales4.revert_before_action.create_home=/user/path/script.sh 

revert_before_action.deploy

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)。deployモードでは、接頭辞でアドレス指定された特定のデータベース・ジョブのアップグレード・ジョブの起動前に、アクションを元に戻すカスタム・スクリプトを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

使用するスクリプトはname.ext (たとえば、myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプション:

  • UNIXシェル(.sh)
  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)
  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)
  • Oracle SQLファイル(.sql)。接頭辞によって指定されたローカル操作の場合のみ。

ノート:

AutoUpgradeパッチ適用のrevert_before_action.deployパラメータとローカル・パラメータのbefore_actionパラメータを同じ構成ファイルで指定することはできません。

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

パッチ適用操作の場合、ローカルのrevert_before_action.deployパラメータはSQLスクリプトを指定でき、非CDBのOracleホームまたはCDB$ROOT上のターゲットOracle Databaseバイナリを使用してデータベースで実行されます。追加のコンテナ固有のアクションを実行する場合、コード内でこれらを設定する必要があります。より複雑なシナリオでは、シェルでコンテナ固有のアクションを実行できます。

スクリプトの出力が取得され、ファイルに格納されます。stdoutstderrの両方が取得されます。ファイルは、特定のデータベースまたはジョブに一致するディレクトリのpreupgradeサブディレクトリに格納されます。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

AutoUpgradeがdeployモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行してアクションを元に戻します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを設定します:

sales.revert_before_action.deploy=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeがdeployモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行してアクションを元に戻します。スクリプトが失敗した場合に実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します:

sales4.revert_before_action.deploy=/user/path/script.sh 

rman_catalog_connect_string

(オプション) RMANデータベースへの接続に使用するRMAN接続文字列を指定します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

この機能を使用するには、AutoUpgradeコマンドライン・パラメータload_passwordを使用して、RMANのユーザー名とパスワードをキーストアに保存する必要があります。

global.target_base=/u01/app/oracle
sales4.rman_catalog_connect_string=string-alias

run_dictionary_health

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)アップグレード前のチェックの一環としてOracle Dictionary Health Checkを実行して、データベース・ディクショナリの不整合を特定するかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

データベース・ディクショナリの不整合を特定しやすくするために、AutoUpgradeがアップグレード前のチェックの一部として、ソース・データベースでDBMS_DICTIONARY_CHECK PL/SQLパッケージを実行するように指定できます。設定した場合、AutoUpgrade run_dictionary_healthパラメータにより、AutoUpgradeがデータベース・ディクショナリでOracle Dictionary Health Checksの配列全体を実行するか、または最もクリティカルなチェック・セットのみを実行するかを、アップグレード・ソース・データベースごとに指定できます。チェックによってデータベース・ディクショナリの潜在的またはクリティカルな問題が検出された場合、アップグレードの開始が回避されます。

Oracle Dictionary Health Checkの結果は、AutoUpgrade事前チェック・ディレクトリの下にdbname_healthcheck_result.logという形式で格納されます。dbnameは、チェックが実行されたデータベースの名前です。Oracle Dictionary Health Checkの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』DBMS_HCHECKパッケージ・ドキュメントを参照してください。

オプション

[full| critical]

パラメータが設定されていない場合、デフォルトではDBMS_DICTIONARY_CHECKを実行しません。

sales1.run_dictionary_health=full
sales2.run_dictionary_health=critical

run_utlrp

(オプション)アップグレード後の処理の一部として、utlrp.sqlの1つのバージョンの実行を有効または無効にして、Oracle管理スキーマの無効なオブジェクトのみを再コンパイルします。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用できます。

utlrpユーティリティは、データベース・アップグレード時に無効になるすべてのデータ・ディクショナリ・オブジェクトを再コンパイルします。run_utlrp=noを設定した場合、または無効なユーザー・オブジェクトも再コンパイルする必要がある場合は、AutoUpgradeでアップグレードした後に、このユーティリティを使用して無効なオブジェクトを再コンパイルすることをお薦めします。

ノート:

AutoUpgrade 23.1以降、AutoUpgradeユーティリティを実行すると、AutoUpgradeによってutlprpom.sqlスクリプトが実行され、utlrp.sqlは実行されません。Oracle Database 18c (RU 18.8)以降のリリースへのアップグレードにAutoUpgradeを使用すると、AutoUpgradeはOracle管理スキーマが所有する無効なオブジェクトのみを再コンパイルします。データベースのアップグレードではユーザー・オブジェクトにアクセスする必要がないため、AutoUpgradeは無効なオブジェクトを再コンパイルするときにこのポリシーを維持します。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

prefix.run_utlrp=yes

sid

(必須)アップグレードするデータベースのOracleシステム識別子(SID)を示します。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは、AutoUpgradeアップグレードとAutoUpgradeパッチ適用の両方で使用する必要があります。

このパラメータでは、大/小文字が区別されます。

sales1.sid=salesdb

skip_tde_key_import

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション) yesに設定すると、アップグレードは実行されますが、ソース・データベースKeyStoreのターゲット・データベースへのインポートはスキップされ、エラーは発生しません。

非推奨

ノート:

このパラメータは不要になったため、非推奨です。今後のAutoUpgradeリリースで削除される可能性があります。このパラメータを使用するかわりに、-load_passwordコマンドライン・オプションを使用してTDEパスワードをAutoUpgradeのキーストアに追加するか、TDEパスワードをSecure External Password Store (SEPS)に追加することをお薦めします。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このオプションは、非CDBからPDBへの操作および切断/接続操作に使用できます。ソース・データベースKeyStoreをターゲット・データベースへのインポートをスキップする場合、AutoUpgradeではPDBをアップグレード・モードでオープンしたままにするため、キーを手動でインポートできます。キーをインポートした後、通常モードでデータベースを再起動する必要があります。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales1.skip_tde_key_import=yes

target_is_remote

(AutoUpgradeアップグレードの場合はオプション)ターゲットCDBがクローニングされたPDBと同じシステムに配置されるかどうかを指定します。

使用上のノート

ノート:

AutoUpgradeアップグレードでのみ使用します。パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

このパラメータは、ターゲットCDBがリモート・ホスト上にある場合、切断/接続フローに適用されます。不要なチェックに費やす時間を省くために、ターゲットCDBがリモート・システム上にある場合は、target_is_remoteyesに設定することをお薦めします。

デフォルトでは、このパラメータを設定しない場合、またはnoに設定されている場合、AutoUpgradeは、ターゲットCDBがクローニングされたPDBと同じシステム上にあることを前提としてチェックを実行します。

target_is_remoteyesに設定されている場合、AutoUpgradeは分析フェーズ中にTDE_PASSWORDS_REQUIREDおよびTARGET_CDB_AVAILABILITYチェックをスキップします。これらの2つのチェックは、ターゲットCDBがリモート・システム上にある場合は適用されません。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

次の例では、接頭辞upg1で識別されるターゲットCDBアップグレードがリモート・ホスト上にあります。TDE_PASSWORDS_REQUIREDおよびTARGET_CDB_AVAILABILITYチェックを実行しないようにするには、パラメータをyesに設定します。
upg1.target_is_remote=yes

load_password

AutoUpgradeパラメータload_passwordを使用すると、AutoUpgradeのキーストアにパスワードを安全に入力できます。 分析モードでAutoUpgradeを実行すると、必要なパスワードが通知され、AutoUpgradeキーストアにロードできます。
プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文
-load_password
デフォルト値 なし。AutoUpgradeでは、対話型プロンプトでパスワード値の入力を求められます。

説明

アップグレードに必要なパスワードを提供するために、load_passwordパラメータを使用できます。このパラメータは、AutoUpgradeによるパスワードの安全な格納先である専用ソフトウェア・キーストアの場所を指定するために、-configパラメータ、および構成ファイルのグローバル・パラメータkeystoreとともに使用する必要があります。-load_passwordパラメータには引数はありません。かわりに、キーストアに必要な情報を提供できる特定のコマンドを使用して対話型プロンプトを起動します。このオプションは、透過的データ暗号化パスワード(TDE)、My Oracle Support資格証明(MOS)、Oracle Recovery Manager (RMAN)資格証明およびデータベースSYSパスワード(PWD)を追加するために使用できます。コマンド・オプションは、これらのユースケースごとに若干異なります。一般的なオプションは次のとおりです:

  • group [tde|pwd|rman|mos]

    load_passwordオプションのスコープを指定します:

    • mos: グループ内のload_passwordオプションをMy Oracle Supportユーザー(MOS)に適用することを指定します。このグループ・オプションは、AutoUpgradeが-patchコマンドライン・オプションとともに使用されている場合のみ適用されます。
    • pwd: グループ内のload_passwordオプションを、指定したデータベースSYSパスワード(PWD)に適用することを指定します。このグループ・オプションは、アップグレードとパッチ適用の両方に適用されます。
    • tde: グループ内のload_passwordオプションを透過的データ暗号化(TDE)に適用することを指定します。このオプションは、アップグレードとパッチ適用の両方に適用されます。
    • rman: グループ内のload_passwordオプションを、指定したデータベースRMANパスワード(RMAN)に適用することを指定します。このグループ・オプションは、AutoUpgradeが-patchコマンドライン・オプションとともに使用されていない場合のみ適用されます。
  • help

    使用可能なすべてのload_passwordコマンドをリストします。

  • exit

    load_password対話型コンソールを終了します。キーストアが変更され、まだ保存されていない場合は、終了する前にキーストアを保存するかどうかを確認するよう求められます。

AutoUpgradeでソース・データベースのキーストアおよびリソースにアクセスできるように、アップグレード中に、AutoUpgradeにより、メモリー内の暗号化パスワード配列にパスワードが配置されます。アップグレード中、SQL*Plusスクリプトにパスワードは書き込まれません。AutoUpgradeでパスワードが必要なくなった場合、これらのパスワードはメモリーから削除されます。パスワードのログ・レコードは保持されません。

透過的データ暗号化(TDE)のグループ・オプション

ノート:

  • キーストア外部パスワード・ストアをデータベースで構成する場合、AutoUpgradeはキーストア外部パスワード・ストアの存在を検出し、TDEキーストア・パスワードを手動で入力するのではなく、この外部パスワード・ストアを使用します。ただし、すべてのデータベースがキーストア外部パスワード・ストアを使用して構成されている場合、引き続きglobal.keystoreの定義が必要になりることもあります。
  • 場合によっては、AutoUpgradeに、他の機密情報を書き込むためのAutoUpgradeキーストアへのアクセス権が必要になります。たとえば、AutoUpgradeは、ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT KEYSおよびADMINISTRATER KEY MANAGEMENT IMPORT KEYSコマンドによって使用される転送シークレット(パスフレーズ)をAutoUpgradeに書き込むことができます。
  • 透過的データ暗号化(TDE)パスワード・グループをロードするためにキーストアを指定する場合、TDEキーストアはCDBルートおよび関連する統合モードのPDB用です。TDEキーストアが同じローカル・ホストCDB上にない場合、TDEキーストアのロードは切断再配置操作で失敗します。

キーストア外部パスワード・ストアの詳細は、『Oracle Database Advanced Securityガイド』または『Oracle Databaseデータ・リダクション・ガイド』を参照してください。

-mode analyzeを使用してAutoUpgradeを実行すると、AutoUpgradeは、構成ファイルでアップグレードに指定されたデータベースに必要なパスワードを検出し、アップグレード前のサマリー・レポートにリストします。アップグレードの前に、-load_passwordを使用してデータベースのパスワードを入力できます。これらのパスワードは、global.keystoreで指定された場所にあるAutoUpgrade独自のキーストアに安全に格納されます。パスワードは、ソース・データベースのTDEキーストアにアクセスし、ターゲット・キーストアにTDEパスワードを書き込む場合にのみ使用されます。

注意:

AutoUpgradeを指定してglobal.keystoreで作成するディレクトリにはソフトウェア・キーストアが含まれているため、TDEキーストア・ファイルで使用する場合と同じセキュリティのベスト・プラクティスを使用して保護する必要があります。
コマンドラインで-load_parameterオプションを指定してAutoUpgradeを実行すると、AutoUpgradeでは対話型コンソールを起動してパスワード・オプションを構成できます。次のことが必要な場合は、このコンソールで示されます
  • add ORACLE_SID [-pdb isolated-pdb]

    指定されたOracleシステム識別子(ORACLE_SID).のTDEパスワードを追加します

    パスワードを必要とする分離PDBがある場合、構成ファイルでオプションの-PDBパラメータを使用して、パスワードを指定する分離PDBを指定します。CDBルートおよびすべてのPDBが統一モードで構成されている場合、統一モードでは、キーストアがCDBルートと構成されているすべてのPDBの間で共有されるため、-pdbパラメータは必要ありません。

  • delete ORACLE_SID [-pdb isolated-pdb]

    指定されたOracleシステム識別子(ORACLE_SID)のロード済パスワードを削除します。

    削除する分離PDBのパスワードをロードしていた場合、構成ファイルでオプションの-pdb pdbnameパラメータを使用して、パスワードを削除する分離PDBの名前を指定します。CDBルートおよびすべてのPDBが統一モードで構成されている場合、-pdbパラメータは必要ありません。

  • list

    各Oracle DatabaseをOracleシステム識別子(ORACLE_SID)別にリストし、各データベースの詳細を提供し、暗号化されたデータベース・アップグレードを実行するために追加のアクションが必要かどうかを示します。AutoUpgradeは、構成ファイルにリストされたどのデータベースにも保留中のアクションがない場合にのみデプロイ・モードを開始します。データベースをアップグレードする前にアクションが必要な場合、AutoUpgradeチェックtde_passwords_requiredが事前チェック・ステージ中に失敗します。

My Oracle Support (MOS)資格証明のグループ・オプション

  • add -user email-address

    add -user email-addressオプションを指定すると、My Oracle Support資格証明がAutoUpgradeパッチ適用のキーストアに格納されます。ここでのemail-addressは、指定したユーザー電子メールです。download=YESの場合は、必要なパッチをAutoUpgradeでダウンロードできるように、My Oracle Supportへの接続にそれらの資格証明が使用されます。

  • listを指定すると、My Oracle Support資格証明がそのキーストアにロードされているかどうかと、ロードされている場合はその資格証明をMy Oracle Supportへの接続に正常に使用できたかどうかが示されます。資格証明は1セットのみロードできます。

  • delete -userを指定すると、My Oracle Support資格証明が削除されます。

Oracle Recovery Manager (RMAN)資格証明のグループ・オプション

  • add ORACLE_SID -user username

    指定したOracleシステム識別子(ORACLE_SID)について、ユーザー名とパスワードを追加します。

  • delete ORACLE_SID -user username

    指定したOracleシステム識別子(ORACLE_SID)について、ユーザー名とパスワードを削除します。

  • list

    各Oracle DatabaseをOracleシステム識別子(ORACLE_SID)別にリストし、データベースごとの詳細を提供し、さらにアクションが必要かどうかを示します。

  • pwd

    指定したデータベースへの接続に必要なRMANパスワードを指定します。

データベースSYSパスワード(PWD)資格証明のグループ・オプション

  • add ORACLE_SID -user username

    指定したOracleシステム識別子(ORACLE_SID)について、ユーザー名とパスワードを追加します。

  • delete ORACLE_SID -user username

    指定したOracleシステム識別子(ORACLE_SID)について、ユーザー名とパスワードを削除します。

  • list

    各Oracle DatabaseをOracleシステム識別子(ORACLE_SID)別にリストし、各データベースの詳細を提供し、暗号化されたデータベース・アップグレードを実行するために追加のアクションが必要かどうかを示します。AutoUpgradeは、構成ファイルにリストされたどのデータベースにも保留中のアクションがない場合にのみデプロイ・モードを開始します。データベースをアップグレードする前にアクションが必要な場合、AutoUpgradeチェックtde_passwords_requiredが事前チェック・ステージ中に失敗します。

  • pwd

    指定したデータベースへの接続に必要なSYSパスワードを指定します。RMANと同じオプションです

  • exit

    load_password対話型コンソールを終了します。キーストアが変更され、まだ保存されていない場合は、終了する前にキーストアを保存するかどうかを確認するよう求められます。

AutoUpgradeキーストアに追加されたTDEキーストアのパスワード

AutoUpgradeを実行して、myconfig.cfgという名前の構成ファイルを使用して、TDEキーストアのパスワードをAutoUpgrade独自のキーストアに追加します(-load_passwordは、TDEキーストアのパスワードが必要なデータベースのTDEパスワードの入力を求めるために使用されます)。

java -jar autoupgrade.jar -config myconfig.cfg -load_password

TDEパスワードがロードされた後、分析または構成モードでAutoUpgradeを実行できます。

java -jar autoupgrade.jar -config myfile.cfg -mode deploy

AutoUpgradeは、独自のキーストアのTDEパスワード・ファイルを使用してソース・データベースのTDEキーストアにアクセスし、ターゲット・データベースのキーストアにTDEパスワードを書き込みます。

複数のソース・データベースのアップグレードで使用される複数のロード・パスワード・オプション

次の例では、すべてのload_passwordコマンド・オプションを使用して、ソース・データベースdb12201cdb122およびdb19xから共通ターゲットCDB cdb19xにTDEパスワードをロードします。

$ java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -load_password
Processing config file ...

Starting AutoUpgrade Password Loader - Type help for available options
Creating new keystore - Password required
Enter password:
Enter password again:
Keystore was successfully created

TDE> add cdb19x
Enter your secret/Password:
Re-enter your secret/Password:
TDE> add cdb122
Enter your secret/Password:
Re-enter your secret/Password:
TDE> add db12201
Enter your secret/Password:
Re-enter your secret/Password:
TDE> add db19x
Enter your secret/Password:
Re-enter your secret/Password:
TDE> delete cdb19x
TDE> list
+----------+----------------+------------------+-----------+------------------+
|ORACLE_SID|Action Required | TDE Password     |SEPS Status|Active Wallet Type|
+----------+----------------+------------------+-----------+------------------+
|    cdb122|                |          Verified|   Inactive|               Any|
|    cdb19x|Add TDE password|No password loaded|   Inactive|               Any|
|   db12201|                |          Verified|   Inactive|        Auto-login|
|     db19x|                |          Verified|   Inactive|               Any|
+----------+----------------+------------------+-----------+------------------+
TDE> help
The following options are available
-----------------------------------
1 add
2 delete
3 list
4 group
5 save
6 help
7 exit

TDE> save
Convert the keystore to auto-login [YES|NO] ? YES
TDE> exit

AutoUpgrade Password Loader finished - Exiting AutoUpgrade

AutoUpgradeキーストアに追加された分離PDBのTDEキーストアのパスワードの追加

プラガブル・データベース(PDB)に独自のキーストアがある分離モードでは、PDBは独自のキーストアを別個に作成および管理ができます。分離モードのPDBの場合、AutoUpgradeパスワード・ローダーを起動し、構文add Oracle_SID -pdb pdbnameを使用します(Oracle_SIDはCDBルートの名前、pdbnameは分離PDBの名前です)。

たとえば、CDBルートがcdb19xで、分離PDB名がisoの場合:

TDE> add cdb19x -pdb iso
Enter your secret/Password:
Re-enter your secret/Password:

load_win_credential

AutoUpgradeパラメータload_win_credentialは、アップグレード中にAutoUpgradeを中断することなく実行できるように、PowerShellを使用して資格証明オブジェクトを作成します。

説明

Microsoft Windowsプラットフォームでのアップグレードに必要なパスワードを提供するために、load_win_credentialパラメータを使用できます。このパラメータは、-configパラメータと、ローカルのwincredentialパラメータを指定する構成ファイルとともに使用する必要があります。このパラメータは、Microsoft WindowsのPowerShell資格証明リクエストを起動します。このリクエストでは、PowerShell資格証明オブジェクトを作成するための管理者資格証明を指定できます。デフォルトでは、WindowsのPowerShell資格証明リクエストはローカル・マシン用です。資格証明(Oracleバイナリの所有者)のユーザー名とそのユーザーのパスワードを指定します。Windows Powershellにより、database-name.xml形式を使用して資格証明が生成されます。database-nameは、ローカル構成ファイルのSIDエントリで指定したデータベースの名前です。たとえば、wincredentialエントリupg1.wincredential=C:\Users\oracle\credを持つ構成ファイルのupg1.sid=sales1は、パスsales1.wincredential=C:\Users\oracle\credにpowershell資格証明ファイルsales1.xmlを生成します

AutoUpgradeでパスワードが必要なくなった場合、これらのパスワードはメモリーから削除されます。パスワードのログ・レコードは保持されません。

ノート:

-load_win_credentialパラメータのオプションとしてシステム識別子(SID)を指定せず、構成ファイルにデータベースが1つのみ指定されている場合、AutoUpgradeは構成ファイル内の唯一のSIDを使用します。SIDの指定はオプションです。

ただし、構成ファイルに2つ以上のSIDが指定されている場合は、データベースごとにSIDを指定する必要があります。そうしないと、AutoUpgradeは、どのSIDの資格証明を使用する必要があるかを識別できません。結果はエラーとなります。

使用上のノート

データベースのアップグレードでAutoUpgradeを実行すると、AutoUpgradeはローカルのwincredentialで指定されたパスから資格証明を読み取り、アップグレード中に管理者が管理者の資格証明を手動で指定することなく、AutoUpgradeがターゲット・データベースでサービスを自動的に作成できます。

接続で使用されるアカウントはローカル・セキュリティ・ポリシーによって制限され、ログオンが許可されないか、ログインが拒否される可能性があることに注意してください。その場合は、次のようなエラーが表示されます:

Start-Process : This command cannot be run due to the error: 
Logon failure: the user has not been granted the requested
logon type at this computer.
At line:1 char:1

このエラーを回避するには、Microsoft Windows管理者と連携して、AutoUpgradeを実行しているユーザー・アカウントをローカル・ポリシー設定に追加します:

  1. システムにログオンします(管理者ユーザーとしてログオンするのが望ましい)。
  2. 「ローカル セキュリティ ポリシー」に移動します。
  3. 「セキュリティの設定」に移動し、「ローカル ポリシー」を選択して、「ユーザー権利の割り当て」を選択します。
  4. 次のポリシーについて、AutoUpgradeを実行しているユーザーが属するグループまたはユーザー・アカウント自体が次のリストに追加されていることを確認します。
    • ネットワーク経由でコンピュータへアクセス
    • ローカル ログオンを許可
    • リモート デスクトップ サービスを使ったログオンを許可

詳細は、Microsoftサポート: 「Logon type has not been granted」を参照してください。

次の例では、アップグレード中に管理者資格証明の呼出しを自動化するために、次のステップを完了します:

  1. wincredentialローカル・パラメータを使用して構成ファイルを作成し、ソース・データベースdb12201のWindows Powershell資格証明の場所を指定します:

    
    global.autoupg_log_dir=C:\Users\oracle\autoupg
    global.target.version=19.0.0
    global.target_home=C:\u01\app\oracle\product\19\dbhome_1
    
    upg1.sid=db12201
    upg1.source_home=C:\u01\app\oracle\product\12.2\dbhome_1
    upg1.log_dir=C:\Users\Oracle\autoupg
    upg1.upgrade_node=localhost
    upg1.target_base=C:\u01\app\oracle
    upg1.target_version=19.0.0.0
    upg1.wincredential=C:\Users\oracle\cred
  2. load_win_credentialコマンドライン・パラメータを使用して、構成モードでAutoUpgradeを実行します。構成ファイルにSIDが1つしかない場合は、システム識別子(SID)の指定はオプションですが、必須ではありません。たとえば:

    C:\Users\oracle>java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -load_win_credential db12201
    AutoUpgrade 24.1.240306 launched with default internal options
    Processing config file ...

    ノート:

    構成ファイルに複数のSIDが含まれる場合は、AutoUpgradeの実行時にSIDを指定する必要があります。構成ファイルに複数のSIDがある場合にSIDを指定しないと、エラーになります。
  3. Microsoft WindowsのPowershell資格証明プロンプトが開きます。Oracle Databaseバイナリ所有者の資格証明を指定します。PowerShellにより、資格証明オブジェクト(この例ではdb12201.xml)が生成され、wincredentialパラメータで指定したパスに配置されます。
  4. アップグレード中に、資格証明オブジェクト・パスを指定する構成ファイルを使用してAutoUpgradeを実行します。たとえば:

    C:\Users\oracle>java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -mode deploy

    AutoUpgradeは、資格証明を要求せずにアップグレードを処理します。

構成ファイルにdb12201db19xの2つのSIDが含まれているとします:

upg1.sid=db12201
upg1.source_home=C:\databases\ee\product\12.2\dbhome_1
upg1.target_home=C:\databases\ee\product\18x\dbhome_1
upg1.wincredential=C:\Users\oracle\cred

upg2.sid=db19x
upg2.source_home=C:\databases\ee\product\18x\dbhome_1
upg2.target_home=C:\databases\ee\product\19x
upg2.wincredential=C:\Users\oracle\anothercred

この場合、SIDを指定せずにjava -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -load_win_credentialを実行すると、エラーになります。構成モードでAutoUpgradeを実行して資格証明をロードする場合は、AutoUpgradeがそのSIDの資格証明をロードできるようにSIDを指定する必要があります。たとえば、db12201の正しい資格証明をロードするには:

java -jar autoupgrade.jar -config config2.cfg -load_win_credential db12201

db19xの資格証明をロードするには、逆にdb19x SIDを指定する必要があります:

java -jar autoupgrade.jar -config config2.cfg -load_win_credential db19x

mode

AutoUpgradeパラメータmodeの値は、AutoUpgradeの実行モードを設定します。

プロパティ 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

-mode = [analyze|create_home|download|fixups|deploy|upgrade|postfixups]

デフォルト値

なし。次のいずれかのオプションを選択します。

  • analyze: ソースOracleホームでアップグレード準備状況チェックを実行します。
  • create_home: AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用されます。設定すると、パッチ適用操作の一部として新しいターゲットOracleホームが作成されます。ソース・データベースもソースORACLE_HOMEも必要ありません。
  • download: AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用されます。設定すると、AutoUpgradeは構成ファイルで指定されたパッチをダウンロードし、終了します。
  • fixups: アップグレード準備状況チェックおよびアップグレード前の修正を実行しますが、アップグレードは実行しません。
  • deploy: データベースのアップグレードを最初から最後まで実行します。
  • upgrade: データベースのアップグレードおよびアップグレード後のアクションを実行します。このモードを開始する前に、ターゲットOracleホームのデータベースが稼働している必要があります。ノート: autoupgrade.jarを-patchパラメータを指定して実行する場合、コマンドに-mode upgradeオプションを含めることはできません。
  • postfixups: ターゲットOracleホームでデータベースの事後修正を実行します。

java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -mode analyze
java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -mode deploy
java -jar autoupgrade.jar -preupgrade "target_version=21" -mode fixups
 

noconsole

AutoUpgradeパラメータnoconsoleは、AutoUpgradeコンソールをオフにし、構成ファイル情報のみを使用してAutoUpgradeを実行します。

プロパティ 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

-noconsole

説明

noconsoleオプションを使用する場合、AutoUpgradeは構成ファイルの設定のみを使用して実行され、コンソールでの入力は必要ありません。AutoUpgradeをバッチ・フローの一部として実行する場合や、複数のデータベースを分析する場合などにスクリプトで実行する場合は、noconsoleオプションを使用します。AutoUpgradeジョブが終了した後、分析モード・ログの出力を確認して、構成スクリプトに含まれる各データベースのアップグレードに必要な内容を確認できます。

ノート:

特定の構成ファイルに関連付けられているAutoUpgradeインスタンスは、一度に1つのみ実行できます。

使用上のノート

この例では、AutoUpgradeはnoconsoleモードで構成ファイルを使用して分析モードで実行されます。

java -jar autoupgrade.jar -config autoupgrade.cfg -mode analyze -noconsole

Patch

AutoUpgradeパラメータpatchは、AutoUpgradeがアップグレード操作ではなくパッチ操作を実行することを指定するために使用されます。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文 -patch
デフォルト値 該当なし

説明

patchコマンドライン・パラメータは、autoupgrade.jarコマンドがAutoUpgradeパッチ適用操作を開始することを指定します。

使用上のノート

このパラメータは、AutoUpgradeパッチ適用でのみ使用されます。-preupgradeコマンドライン・オプションとともに使用することはできません。その他のすべてのコマンドライン・オプションはpatchオプションとともに使用できます。

-mode操作のanalyze、fixup、deploy、downloadおよびcreate_homeは、patchコマンドライン・パラメータでサポートされています。モードdownloadおよびcreate_homeは、patchパラメータとともに使用するためにのみ用意されています:

  • -mode download: 指定したパッチをダウンロードして終了することを指定します。
  • -mode create_home: 新しいターゲットOracleホームを作成することを指定します。ソース・データベースもソースORACLE_HOMEも必要ありません。

ノート:

パッチ適用操作とアップグレード操作は相互に互換性がありません。構成ファイルの同じエントリでは、パッチ適用操作またはアップグレード操作のいずれかを実行することはできますが、両方は実行できません。

この例では、-mode downloadとともにpatchパラメータを使用して、構成ファイル内で指定されているパッチを自動的にダウンロードします:

java -jar autoupgrade.jar -patch -mode download

preupgrade

AutoUpgradeパラメータpreupgradeは、データベース・チェックおよびほとんどの問題をアップグレードの開始前に修正するアップグレード前修正と、ほとんどの問題をアップグレードの完了後に修正するアップグレード後修正を実行します。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文
-preupgrade preupgrade_options -mode
      [analyze|fixups|postfixups]
                     
デフォルト値 分析

説明

AutoUpgradeの-preupgrade.jar句は、以前のリリースで手動のアップグレード前情報ツール(preupgrade.jar)によって以前に実行された関数に置き換わります。-mode句は、次の3つの値のいずれかを取ります。

  • analyze: アップグレードの準備状況をシステムで確認します。
  • fixups: アップグレードの準備として、ソースOracle Databaseリリースで必要に応じて修正を実行します
  • postfixups: アップグレードの完了後にターゲットのOracle Databaseリリースで修正を実行します。

-modeの値が指定されていない場合、-preupgradeパラメータはデフォルトでanalyzeモードになります。

使用上のノート

アップグレード前情報ツール(preupgrade.jar)で以前に使用可能にした機能と同じ機能を取得する場合にのみ、preupgrade句を使用します。ほとんどのアップグレード・シナリオでは、このパラメータを使用する必要はありません。

-preupgradeパラメータにはpreupgrade_optionsが必要です。これは、カンマ区切りのオプションと値のペアのリストを次の形式で指定します。option1=value1,option2=value2,…

引数

  • target_version=release-number: アップグレード先のリリースであるターゲットのOracle Databaseリリース・バージョンを指定します。

    この引数の値は、analyzeおよびfixupsモードで必要です。ただし、ターゲット・リリースはtarget_homeから導出できます。したがって、analyzeおよびfixupsモードでは、target_versionまたはtarget_homeのいずれかを指定する必要があります。target_versionの値は、12.2以上のリリース値である必要があります。

  • target_home=[target-path|env-variable]: アップグレード先のターゲット・リリースのOracle Databaseホームの場所を指定します(Oracleホーム・パスまたはオペレーティング・システム・パス変数のいずれか)。

    postfixupsモードを選択した場合、この引数は必須です。postfixupsモードを選択し、ターゲット・ホーム・パスを指定しない場合、デフォルト値は、AutoUpgradeを実行しているユーザーのOracleホーム・セットのOracleホーム環境変数(LinuxおよびUnixシステムの場合は$ORACLE_HOME、Microsoft Windowsシステムの場合は%ORACLE_HOME%)によって指定されます。

  • oh=[source-path|env-variable]: アップグレード元のソース・リリースのOracle Databaseホームの場所を指定します(Oracleホーム・パスまたはオペレーティング・システム・パス変数のいずれか)。

    analyzeまたはfixupsモードを選択する場合、この引数は必須です。analyzeまたはfixupsモードを選択し、ソース・ホーム・パスを指定しない場合、デフォルト値は、AutoUpgradeを実行しているユーザーのOracleホーム・セットのOracleホーム環境変数(LinuxおよびUnixシステムでは$ORACLE_HOME、Microsoft Windowsシステムでは%ORACLE_HOME%)によって指定されます。

  • sid=system-identifier: アップグレードするソース・データベースのOracleシステム識別子を指定します。この引数は、analyzeまたはfixupsモードでは必須です。analyzeまたはfixupsモードのいずれかを選択し、システム識別子を指定しない場合、デフォルト値は、AutoUpgradeを実行しているユーザーのOracleホーム・セットのOracleホーム環境変数(LinuxおよびUnixシステムでは$ORACLE_SID、Microsoft Windowsシステムでは%ORACLE_SID%)によって指定されます。

  • dir=path: 出力を特定のディレクトリに送ります。dir引数で出力ディレクトリを指定しなかった場合は、システムの一時ディレクトリに配置されているautoupgradeというフォルダに出力されます。通常、このディレクトリは次のいずれかの場所にあります。
    • LinuxまたはUnix: /tmpまたは/var/tmp
    • Microsoft Windows: C:\WINNT\TEMP
  • inclusion_list=list: 処理に含めるコンテナ・データベース(CDB)内のプラガブル・データベース(PDB)のリストを指定します。処理するPDBのスペース区切りリストを次のいずれかの形式で指定します。pdb1pdb2およびpdb3は処理するPDBです。

    • pdb1 pdb2 pdb3
    • (pdb1 pdb2 pdb3)

    PDBのリストを指定しない場合、CDB内のすべてのPDBが処理されます。

  • exclusion_list=list: 処理対象から除外するコンテナ・データベース(CDB)内のプラガブル・データベース(PDB)のリストを指定します。処理するPDBのスペース区切りリストを次のいずれかの形式で指定します。pdb1pdb2およびpdb3は処理するPDBです。

    • pdb1 pdb2 pdb3
    • (pdb1 pdb2 pdb3)

    PDBのリストを指定しない場合、CDB内のすべてのPDBが処理されます。

  • user=username: AutoUpgradeユーティリティがOracle Databaseへの接続に使用するOracle Databaseユーザー名を指定します。ユーザーが指定されている場合、AutoUpgradeはコマンドラインでユーザー名パスワードの入力を求めます。ユーザー名が指定されていない場合、AutoUpgradeはOracle Database接続にオペレーティング・システム認証を使用します。

モード

  • analyze(デフォルト値): 指定したターゲット・リリース引数に適用されるすべてのアップグレード前チェックを使用して、分析モードで自動アップグレードを実行します。モードを指定しない場合、AutoUpgradeはデフォルトでanalyzeになります。

  • fixups: アップグレード前に修正する必要があるソース・データベースで、AutoUpgrade Analyzeのアップグレード前チェックによって報告されたすべての問題に対してアップグレード前修正(使用可能な場合)を実行します。すべてのチェックが実行されます。

    修正結果は、ファイルupgrade.xmlにレポートされます。このファイルはパスlog_dir/db_name/jobnumber/prefixups/prefixups.xmlに配置されます。ここで、log_dirdir引数を使用して指定するログ・ディレクトリ、db_nameはソース・データベースの名前、jobnumberはAutoUpgradeジョブ番号です。

  • postfixups: アップグレードの完了後に修正する必要があるアップグレード済データベースで、AutoUpgrade Analyzeのアップグレード前チェックによって報告されたすべての問題に対してアップグレード後修正(使用可能な場合)を実行します。

    修正後の結果は、ファイルpostfixups.xmlに報告されます。このファイルはパスlog_dir/db_name/jobnumber/postfixupsに配置されます。ここで、log_dirdir引数を使用して指定したログ・ディレクトリ、db_nameはソース・データベースの名前、jobnumberはAutoUpgradeジョブ番号です。

analyzeモードを使用してpreupgrade句を指定し、ターゲット・リリースがOracle Database 19cであることを指定してAutoUpgradeを実行します。

java -jar autoupgrade.jar -preupgrade "target_version=19" -mode analyze

fixupsモードを使用してpreupgrade句を指定し、ターゲット・リリースがOracle Database 19cであることを指定してAutoUpgradeを実行します。

java -jar autoupgrade.jar -preupgrade "target_version=19" -mode fixups

postfixupsモードを使用してpreupgrade句でAutoUpgradeを実行し、ターゲットのOracleホームがパスC:\app\oracle\product\19.0.0\dbhome_1に存在することを指定します。

java -jar autoupgrade.jar -preupgrade "target_home=C:\app\oracle\product\19.0.0\dbhome_1" -mode postfixups

モードを指定せずにpreupgrade句を指定してAutoUpgradeを実行し、ターゲット・リリースがOracle Database 19cであることを指定します。この場合、使用されるモードはデフォルト・モードのanalyzeです。

java -jar autoupgrade.jar -preupgrade "target_version=19"

settings

AutoUpgradeパラメータsettingsは、AutoUpgradeユーティリティのカスタム・ランタイム構成の提供に使用する構成ファイルを識別します。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文 -settings my-custom-advanced-settings
デフォルト値 該当なし

説明

settingsパラメータには、名前の必須引数およびカスタム設定で変更した設定構成ファイルへのパスがあります。settingsパラメータは単独では使用できませんが、AutoUpgradeが処理モードを実行する方法を変更する構成入力ファイルとして使用できます。

使用上のノート

このパラメータは、詳細パラメータです。ほとんどのアップグレード・シナリオでは、内部AutoUpgradeパラメータ設定を変更する必要はありません。

この例では、settingsでmy_custom_advanced_settings.cfgという設定入力ファイルを指定しています。

java -jar autoupgrade.jar -settings my_custom_advanced_settings.cfg -config config.cfg -mode deploy

version

AutoUpgradeパラメータversionは、autoupgrade.jarファイルの現在のビルドを端末の画面に出力します。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文 -version
デフォルト値 該当なし。

説明

サーバー上のautoupgrade.jarユーティリティのバージョンを確認するには、このオプション・パラメータを使用します。

使用上のノート

コマンド例:

java -jar autoupgrade.jar -version

出力例:

[oracle@example ~]$ java -jar autoupgrade.jar -version

build.version 22.1.220304
build.date 2022/03/04 13:29:34 -0500
build.hash 29007da
build.hash_date 2022/03/04 12:48:36 -0500
build.supported_target_versions 12.2,18,19,21
build.type production

restore

AutoUpgradeパラメータrestoreは、指定したAutoUpgradeジョブのシステム・レベルのリストアを実行します。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文 -restore -jobs job#,job#
デフォルト値 該当なし。

説明

このオプション・パラメータは、カンマ区切りのジョブ番号のリストを使用して、指定したジョブのシステムレベルのリストアを指定する場合に使用します。指定したアップグレード・ジョブのデータベースは、保証付きリストア・ポイント(GRP)にフラッシュバックされます。このコマンドを実行する前に、GRPがAutoUpgradeによって作成されている必要があります。

java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -restore -jobs 111
java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -restore -jobs 111,222 -console
java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -restore -jobs 111,222 -noconsole

restore_on_fail

AutoUpgradeパラメータrestore_on_failは、デプロイメント中に失敗したジョブを自動的にリストアします。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文 -restore_on_fail
デフォルト値 該当なし。

説明

このオプション・パラメータは、アップグレード・デプロイメント中に失敗したジョブをAutoUpgradeでリストアすることを指定する場合に使用します。

java -jar autoupgrade.jar -config config.cfg -mode deploy -restore_on_fail

zip

AutoUpgradeパラメータzipは、AutoUpgradeサービス・リクエストのファイリングに必要なログ・ファイルのzipファイルを作成します。

プロパティ 説明
パラメータ・タイプ 文字列
構文
-zip [-sid sid] [-d dir] [-zip_exclusion_list exclusion_list]
デフォルト値 該当なし。

説明

このオプション・パラメータは、サービス・リクエストのオブジェクトであるジョブのログ・ファイルを含むOracleサポートに送信できるzipファイルを作成する場合に使用します。-sid句を使用して、ログ・ファイルを送信するデータベースのシステム識別子(SID)のカンマ区切りリストを指定できます。SID値が定義されていない場合は、AutoUpgradeによって、構成ファイルに指定されているすべてのデータベースのzipファイルが作成されます。-d 句を使用して、特定の出力ディレクトリを指定します。ディレクトリが指定されていない場合、コマンドの実行元の現在のディレクトリがzipファイルの出力に使用されます。-zip_exclusion_list句を使用して、通常の文字列に一致するファイルをzipファイルから除外するために使用される二重カンマ区切りの通常の文字列リストを指定します。

使用上のノート

ノート:

-zip句を使用する場合は、-mode句は使用できません。

java -jar autoupgrade.jar -config yourconfig.cfg -zip

java -jar autoupgrade.jar -config yourconfig.cfg -zip -sid sales1,sales2 -d /scratch/upgrd

java -jar autoupgrade.jar -config yourconfig.cfg -zip -zip_exclusion_list ".*/db11204/.*"

java -jar autoupgrade.jar -config yourconfig.cfg -zip -zip_exclusion_list "/home/oracle/autopatch/DB19X/100/goldimage/db_home_2023-09-21_09-18-13AM.zip,,/home/oracle/autopatch/DB19X/100/extract/35320081/.*"