オンラインExtractグループの作成
オンラインExtractグループを作成するには、ソース・システムでGGSCIを実行し、ADD EXTRACT
コマンドを発行します。コマンド引数はすべてカンマで区切ります。構文には、次の2つの形態があります。
標準、パッシブまたはデータ・ポンプExtractグループを作成するための構文
ADD EXTRACT group
{, datasource
}
{, BEGIN start_point
} | {position_point
}
[, PASSIVE]
[, THREADS n
]
[, PARAMS pathname
]
[, REPORT pathname
]
[, DESC 'description
']
説明:
-
group
は、Extractグループの名前です。グループ名は必須です。 -
datasource
は、抽出するデータのソースを指定する場合に必要です。次のいずれかを使用します。-
TRANLOG
では、データソースとしてトランザクション・ログを指定します。Oracle Enterprise Editionでこのオプションを使用する場合は、ADD EXTRACT
を使用する前に(かつ、DELETE EXTRACT
を発行してExtractグループを削除する前に)、Extractデータベース・ユーザー(または同じ権限を持つユーザー)としてDBLOGIN
コマンドを発行する必要があります。z/OS上で稼働する
DB2では、
bsdsオプションを使用して、トランザクション・ログのブートストラップ・データセットのファイル名を指定します。 -
INTEGRATED TRANLOG
では、このExtractが統合キャプチャ・モードで動作して、Oracle Databaseログマイニング・サーバーから論理変更レコード(LCR)を受信することを指定します。このパラメータは、Oracle Databaseにのみ適用されます。 -
EXTTRAILSOURCE
trail name
では、ローカル証跡の相対名または完全修飾名を指定します。データ・ポンプを作成する場合に使用します。データ・ポンプは、Oracle GoldenGateの任意の抽出方法と組み合せて使用できます。
-
-
BEGIN
start_point
では、処理のための初期チェックポイントおよび開始ポイントを確定してオンラインExtractグループを定義します。このポイントより前に開始されたトランザクションは、破棄されます。次のいずれかを使用します。-
NOW
は、グループを作成するためにADD EXTRACT
コマンドが実行された時点(統合モードのOracle Extractの場合は、REGISTER EXTRACT
コマンドでグループが登録された時点から)のタイムスタンプが指定された変更の抽出を開始します。ADD EXTRACT
文よりも前にOracle GoldenGateの証跡に取得されたデータを回避しない場合は、データ・ポンプExtractにNOW
を使用しないでください。YYYY-MM-DD HH:MM[:SS[.CCCCCC
]]
は、開始ポイントとして正確なタイムスタンプを指定するための書式です。レプリケーションまたはロギングが有効化された時点より後の開始ポイントを使用してください。
-
-
position_point
では、特定のトランザクション・ログ・ファイル内で処理を開始する特定の位置を指定します。データベースで使用する特定の構文は、『Oracle GoldenGateリファレンス』のADD EXTRACT
に関する項を参照してください。 -
PASSIVE
では、グループがパッシブExtractであることを示します。PASSIVE
を使用する場合、別名Extractも使用する必要があります。このオプションは、他のADD EXTRACT
オプション内に任意の順序で配置できます。 -
THREADS
n
は、ExtractがOracle Real Application Cluster (RAC)におけるクラシック・キャプチャ・モードで動作している場合に必要です。クラスタで使用するREDOログ・スレッドの数を指定します。 -
PARAMS
pathname
は、このグループのパラメータ・ファイルをOracle GoldenGateディレクトリのdirprm
サブディレクトリ以外の場所に格納する場合に必要です。完全修飾名を指定します。デフォルトの場所をお薦めします。 -
REPORT
pathname
は、このグループのプロセス・レポートをOracle GoldenGateディレクトリのdirrpt
サブディレクトリ以外の場所に格納する場合に必要です。完全修飾名を指定します。デフォルトの場所をお薦めします。 -
DESC '
description
'では、グループの説明を指定します。
別名Extractグループを作成するための構文
ADD EXTRACTgroup
, RMTHOST {host
|IP address
} , {MGRPORT port} | {PORT port} [, RMTNAME name] [, DESC 'description']
説明:
-
RMTHOST
では、このグループを別名Extractとして識別し、リモート・ホストのDNS名またはそのIPアドレスを指定します。 -
MGRPORT
では、Managerが稼働しているリモート・システムのポートを指定します。動的Collectorを使用する場合、このオプションを使用します。 -
PORT
では、静的Collectorのポートを指定します。静的Collectorを実行する場合にのみ、MGRPORT
のかわりに使用します。 -
RMTNAME
では、パッシブExtractの名前を指定します(別名Extractの名前と異なる場合)。 -
DESC
'description
'では、グループの説明を指定します。
例5-4 ログベース取得のためのExtractグループの追加
この例では、finance
という名前のExtractグループを作成します。抽出は、このグループが作成された時刻に生成されたレコードから開始されます。
ADD EXTRACT finance, TRANLOG, BEGIN NOW
例5-5 データ・ポンプExtractグループの追加
この例では、finance
という名前のデータ・ポンプExtractグループを作成します。Oracle GoldenGateトレイルc:\ggs\dirdat\lt
から読み取ります。
ADD EXTRACT finance, EXTTRAILSOURCE c:\ggs\dirdat\lt
例5-6 パッシブExtractグループの追加
この例では、finance
という名前のパッシブExtractグループを作成します抽出は、このグループが作成された時刻に生成されたレコードから開始されます。このグループはパッシブとしてマークされるため、ターゲットの別名ExtractがこのExtractへの接続を開始します。
ADD EXTRACT finance, TRANLOG, BEGIN NOW, PASSIVE
例5-7 パッシブ・データ・ポンプExtractグループの追加
この例では、finance
という名前のデータ・ポンプExtractグループを作成します。これは、Oracle GoldenGateの証跡c:\ggs\dirdat\lt
から読み取るパッシブ・データ・ポンプExtractです。このデータ・ポンプはパッシブとしてマークされるため、ターゲットの別名Extractがこのデータ・ポンプへの接続を開始します。
ADD EXTRACT finance, EXTTRAILSOURCE c:\ggs\dirdat\lt, PASSIVE
例5-8 別名Extractグループの追加
この例では、alias
という別名Extractグループを作成します。
ADD EXTRACT alias, RMTHOST sysA, MGRPORT 7800, RMTNAME finance
例5-9 Oracleのための統合モードでのプライマリExtractの追加
この例では、Oracleソース・データベース用に統合キャプチャ・モードでExtractを作成し、開始ポイントを、ExtractグループがREGISTER EXTRACT
コマンドによってOracleデータベースに登録された時刻に設定します。統合キャプチャは、Oracleデータベースに対してのみ使用できます。
ADD EXTRACT finance INTEGRATED TRANLOG, BEGIN NOW